今日、6月15日(日)付けの朝日新聞朝刊に、ロシア文学が今ブームである、というような記事が載った。いちおうロシア文学を勉強している者として、この記事は見過ごせない。
それで、読んでみたのだが、ブームかそうでないかはとりあえずおいといて、取材する相手が間違ってるんじゃないだろうか。ロシア文学の研究者は一人だけで、あとは佐藤優とか、斎藤孝とか、そんなのばかりだ。前者はまだロシアに関係あるが、後者は全く関係ないじゃないか!確かにドストエフスキー関連の本を出してはいるものの、専門家じゃないし、よりにもよってなぜこの人なんだろうか。しかも、彼の発言は素人丸出し。ゴーゴリの新訳について語っているのだが、軽い落語調で訳してしまうなんて、すごすぎる、ということを言っている。ちょっと待ってくれ。ゴーゴリを落語風に訳すのはそれなりに歴史があって、なにも今回だけが突飛だったわけじゃない。ゴーゴリの語りの問題の研究はそれこそ長い歴史がある。それを踏まえてのことなのだ。今回の記事には、専門家に当たっていないから当然なのだが、そういう掘り下げがなかった。
さて、ブームかどうか、という点に話を戻すが、ロシア文学を勉強する空間に身をおいていると、あまり実感がない。確かにカラマーゾフは50万部以上売れたそうだし、他の翻訳も評判がいいらしい。でも、研究室には新入生がほとんど入ってこないし、授業も人数が少ないままだ。これは、今までロシア文学など読んだこともなかった人たちが、たまたま評判になったからという理由で本を買っている、というだけの現象じゃあないだろうか?そこから専門的な関心には結びついていない。それとも、先生の立場からは、学生とは違うものが見えているんだろうか?
もっとも、ロシア文学研究に活気が出てもあまりうれしくないような気もする。今まで通り、マイナー街道を少人数で歩いていくのが気持ちよかったりもするのだ…
それで、読んでみたのだが、ブームかそうでないかはとりあえずおいといて、取材する相手が間違ってるんじゃないだろうか。ロシア文学の研究者は一人だけで、あとは佐藤優とか、斎藤孝とか、そんなのばかりだ。前者はまだロシアに関係あるが、後者は全く関係ないじゃないか!確かにドストエフスキー関連の本を出してはいるものの、専門家じゃないし、よりにもよってなぜこの人なんだろうか。しかも、彼の発言は素人丸出し。ゴーゴリの新訳について語っているのだが、軽い落語調で訳してしまうなんて、すごすぎる、ということを言っている。ちょっと待ってくれ。ゴーゴリを落語風に訳すのはそれなりに歴史があって、なにも今回だけが突飛だったわけじゃない。ゴーゴリの語りの問題の研究はそれこそ長い歴史がある。それを踏まえてのことなのだ。今回の記事には、専門家に当たっていないから当然なのだが、そういう掘り下げがなかった。
さて、ブームかどうか、という点に話を戻すが、ロシア文学を勉強する空間に身をおいていると、あまり実感がない。確かにカラマーゾフは50万部以上売れたそうだし、他の翻訳も評判がいいらしい。でも、研究室には新入生がほとんど入ってこないし、授業も人数が少ないままだ。これは、今までロシア文学など読んだこともなかった人たちが、たまたま評判になったからという理由で本を買っている、というだけの現象じゃあないだろうか?そこから専門的な関心には結びついていない。それとも、先生の立場からは、学生とは違うものが見えているんだろうか?
もっとも、ロシア文学研究に活気が出てもあまりうれしくないような気もする。今まで通り、マイナー街道を少人数で歩いていくのが気持ちよかったりもするのだ…