本は出会いだ。
とは誰かさんの発言ですが、今日、神保町の古本まつりで色々な本を物色しているとき、心の底からそう思いました。まさに出会いですよ。これだけたくさんの本があれば、全てに目を通すことはできないわけで、限られた時間と体力のなか、すーっと棚や露店の前を横切って、ちらちらっと並んでいる本たちのジャンルを見て、ときには一冊一冊の本の題名を見て、という手順を辿って、実際に手にとって見てみるわけですが、その途中で見落としてしまっている本は必ずあると思うんです。でもその一方で、ここには大した本がないなと思っていい加減に眺めていたワゴンの中に「おやっ」というものを発見したりして、うれしいこともあるのです。ほんとに運ですよ。本との出会いは。そもそも出会いが運ですからね。
というわけで、今日ぼくの出会った本たちの名前。
★ ★ ★
・プロップ『ロシアの祭り』
これはですね、かの有名なウラジーミル・プロップのマイナーな著書ですね。なんと300円でした。1966年に翻訳されているのでかなり古いですが、目次をぱらぱらとめくってみたところ、重要な指摘があったので購入を決めました。
・『戦後短篇小説再発見16 「私」という迷宮』
講談社文芸文庫のこのシリーズは何冊か持っているのですが、そのときどきで自分の興味のあるテーマの本を買っているようです。いま現在は、「私」というものにぼくは関心があります。もっとも、この本はぼくの関心とは微妙にずれているような気もしますが。解説を少しだけ見てみると、私小説的な方法論が話題に上っているようなのですが、ぼくにとってはそれはどうでもよくて、抽象的に言えば「私」の解体、つまり「私」と世界との非-結び付きであったりアイデンティティの崩壊であったり、そういう文学に関心を抱いています。テクストに現れる「私」と実生活上の「私」の違いとか、そういうのはもういいですから…
・海野弘『ロシア・アヴァンギャルドのデザイン』
これはたぶん一般向けの本で、研究書ではないですね。アヴァンギャルドの美術や建築には無知なので、こういう簡単な入門書的なのが手元にあると便利かなあと思って買いました。
・レスコフ『封印された天使』
これは集英社版世界文学全集の一冊です。他に「僧院の人々」所収。レスコフの小説は、ぼくは他に『真珠の首飾り』と『魅せられた旅人』を持っていますが、この『封印された天使』はなかった。この小説は、以前に新潮文庫で出ていたことがあったのですが、もちろん絶版。『魅せられた旅人』はよく古書店で見かけるものの、『封印された天使』はそんなに出回っていないようですね。ところが今回は525円で入手。やったね。
結局この4冊の本たちとぼくは邂逅し、家に連れて帰りました。しかし、置き場所がない…
とは誰かさんの発言ですが、今日、神保町の古本まつりで色々な本を物色しているとき、心の底からそう思いました。まさに出会いですよ。これだけたくさんの本があれば、全てに目を通すことはできないわけで、限られた時間と体力のなか、すーっと棚や露店の前を横切って、ちらちらっと並んでいる本たちのジャンルを見て、ときには一冊一冊の本の題名を見て、という手順を辿って、実際に手にとって見てみるわけですが、その途中で見落としてしまっている本は必ずあると思うんです。でもその一方で、ここには大した本がないなと思っていい加減に眺めていたワゴンの中に「おやっ」というものを発見したりして、うれしいこともあるのです。ほんとに運ですよ。本との出会いは。そもそも出会いが運ですからね。
というわけで、今日ぼくの出会った本たちの名前。
★ ★ ★
・プロップ『ロシアの祭り』
これはですね、かの有名なウラジーミル・プロップのマイナーな著書ですね。なんと300円でした。1966年に翻訳されているのでかなり古いですが、目次をぱらぱらとめくってみたところ、重要な指摘があったので購入を決めました。
・『戦後短篇小説再発見16 「私」という迷宮』
講談社文芸文庫のこのシリーズは何冊か持っているのですが、そのときどきで自分の興味のあるテーマの本を買っているようです。いま現在は、「私」というものにぼくは関心があります。もっとも、この本はぼくの関心とは微妙にずれているような気もしますが。解説を少しだけ見てみると、私小説的な方法論が話題に上っているようなのですが、ぼくにとってはそれはどうでもよくて、抽象的に言えば「私」の解体、つまり「私」と世界との非-結び付きであったりアイデンティティの崩壊であったり、そういう文学に関心を抱いています。テクストに現れる「私」と実生活上の「私」の違いとか、そういうのはもういいですから…
・海野弘『ロシア・アヴァンギャルドのデザイン』
これはたぶん一般向けの本で、研究書ではないですね。アヴァンギャルドの美術や建築には無知なので、こういう簡単な入門書的なのが手元にあると便利かなあと思って買いました。
・レスコフ『封印された天使』
これは集英社版世界文学全集の一冊です。他に「僧院の人々」所収。レスコフの小説は、ぼくは他に『真珠の首飾り』と『魅せられた旅人』を持っていますが、この『封印された天使』はなかった。この小説は、以前に新潮文庫で出ていたことがあったのですが、もちろん絶版。『魅せられた旅人』はよく古書店で見かけるものの、『封印された天使』はそんなに出回っていないようですね。ところが今回は525円で入手。やったね。
結局この4冊の本たちとぼくは邂逅し、家に連れて帰りました。しかし、置き場所がない…