あれから7年を過ぎた。その2002年の波崎では溺死寸前の苦難を味わい(しかもショートだっ!たった150mくらいのスイムで、エントリー代金15000円は海の藻屑と消え去った)
・・・・そのスイムの虎馬を克服するのに4年余の歳月を必要とした。2007年にたまたま当たってしまった宮古島、外れた人に申し訳ないので完走しなければ・・・・とは思わなかったが(笑)一生懸命応援して助けてくれた島の子供達や土地のボランティアの人達そして仲間のアスリートに支えられて、苦手のスイムを必死でこなし完走した。あれから3年・・・・。
3度目の宮古島トライアスロンに望む自分の気持ちは、まったく違っていた。ニョーボがうつしてくれた扁桃腺炎のせいで、体調はイマイチで喉スプレー剤が欠かせない状況の中、昨年よりも1秒でも短い結果が残せたら・・・・との根拠の無い期待が渦巻いていた。
根拠が無いとは、当然納得できるトレーニングが出来ていないということだが、先月東京マラソンで自己ベストを出したという安直な思考経路が、そう思わせていたのだろう。
安直な思考回路といえば、だいたい“おやぢアスリート”は、全て都合よく、安直でかつ自己中でモノを考える習慣が身についているのではないか??よく言えば、ポジティブ。悪く言えば自分勝手。だから前日のアルコール摂取も、ポジティブにアミノ酸の摂取と同行したアスリートは解釈していたらしく、仕事でレースを視察に来たノバテックホイルの輸入元Y社長なんかは、泡盛をガブ飲みしている通称”○ネ○ンおやぢ”アスリートを見て、彼はスイムでリタイヤするよねなんて、ドラマを期待していたのだった。(人の不幸は蜜の味)しかも、このおやぢは、フルマラソンの経験も51.5kmもミドル完走の経験も無いのだ。不安をかき消すために、暴飲しているのかっ!?
スイム
レース当日19日朝、南国宮古の日差しは、既に夏の装いで気温も高く喉には優しかった。しかも、適度に入ってくる塩水が逆に喉の炎症をやわらげてくれるような感覚があることを前日の試泳で確認できていた。
しかし、スタートしてまもなく右目に蹴りを喰らい、ゴーグルが右側に海水が浸入。ゴーグルを蹴られると目の周りが痛い、海水はおおよそ生理食塩水の濃度に近いのか?あまり沁みないが、海中が見えないのでは楽しみが半減と思いとりあえずラッコ状態になって海水を抜く。泳げなかった自分がこんな行動を冷静にできること自体が、スゲ~~感動である。
周りはバシャバシャ五月蝿いけれど、ボランティアのダイバーも水中なので、とてもでかく見える。1700m付近では素晴らしいサンゴを確認できた。しかし、折り返しを過ぎてから、うねりと波が断続的に続いて泳ぎにくい。直感的に昨年よりも時間が掛かるような印象。潮の流れもアゲインストのようだ。東急リゾートホテルの建物が近くに見えてもなかなか終わらない・・・・1時間6分45秒。昨年よりも約5分遅れる。
さらに大きな失敗を犯す。着替える場所を間違えたために、バックを預けるのを忘れてあわてて引き返す。3回目なのにナニをやっとるんだ!!トランジットがヘタクソ!!そうとうな時間をロスしたと思われる。しかもバック置き場に戻るとあれっ!圓太郎師匠の姿がっ!!今年は師匠のドラマは無いのかっ!?師匠には悪いが、昨年までの師匠のドラマのお陰で、巷のおやぢ達は、自信とエネルギーを相当分けてもらったはずなのに・・・・。
バイク
ようやく好きなバイクにのる。追い風気味で快調に走る。ホイルがいいのかフレームがいいのか?それとも乗ってるオレがいいのか?いつもこの区間は、「メーター付け替えたばかりだから壊れているのか??早過ぎない??俺って天才!?」と思ってしまう。しかし、大きなツケが100kmを過ぎてから出たのが昨年。今年もバイクの乗り込みは十分でない。3月の目標として800kmの練習目標に対してDHポジションでの練習は100kmに満たない。今年も予想通り?100kmを過ぎてから前半で抜かした選手に抜かされていく。でも2回目の池間大橋付近では、OMINOさんShiromotoさんという偉大な先輩達と一緒に走る光栄な機会を得る。なかなか想像しにくいかもしれないが、エアロビックペースなので、比較的会話ができるのだ。
今年は自分が経験した中では、風が一番キツかった。向かい風の中時速20km/h以下にもなるが何度もあった。後半は、後背筋疲労してか腰痛がひどい。マトモにペダリングができない。ドロップハンドルの下ハンが欲しいと思うが、DHバー仕様なのでそれがないし・・・・。単純に練習不足なだけなんだが・・・・とにもかくにも、走りには全然良いところがないまま終わる。ちなみにバイク時の補給食“お握り”を食べやすいように細長く作ったのは、失敗であった。食べにくいのだ!!小さく、一口大に作るに限る!!
ラン
午後2時2分頃スタート。バイクの時から、右下腹部に違和感があったのだけれど、走り始めて直ぐに痛みにかわる。ウンコをすれば、解消される部類の痛みなのだが、スタート直後はトイレがなかなか見当たらない。4km先の宮古支庁付近にガソリンスタンドがあったことを思い出し、それまで肛門に力を入れて頑張ることにする。自らの経験から、この状態では、キロ7分を維持するのが精一杯なのだが、上りなのでもっと遅い!ロングの場合は、体にいろいろな変化がでるので前日までにいろいろ調整したつもりだった。ヨーグルトや野菜ジュースを取るなど・・・・でも自分の体なのに思うようになってくれない。やっとの思いで、ガソリンスタンドのトイレに駆け込む。女子用になっていたが、緊急避難である。この際、そんなの関係ネ~~なのだ。5発ほどガスを発射し、固形物を少々・・・・加齢とともに腸の機能が低下するのか?若い頃に比べて、ウンコに行く回数が日常的にも増加傾向にある。これは、ロドマさんに、中年における運動とウンコの関係を研究してもらうしかない。
とりあえず、下腹部のストレスは無事に解消した。しかし、ランのスイッチがなかなか入らない。小幅でケイデンスを上げるピッチ走法が、先月の東京マラソンで良い結果をだしていたので、それを心がける。10kmを過ぎたあたりから、抜かされるよりも抜かす方が多くなってきた。スイッチが入ったようだ。仲間のHIROくんと秒泉さん二人をパスして、シーポの田中さんに追いつく。全然練習する時間が無いと嘆いていたのに、さすが数年前のエイジ優勝選手だ。体力的にも技術的にもだいぶ貯金があるようだ。凄いっ!
毎度の事ながら、エイドで応援してくれる人達のその献身的な姿勢には、涙が出そうなくらい嬉しい。その応援からエネルギーをもらうことも多々ある。さすがに、30kmを過ぎると自分の走りのフォームが崩れた事が解っても、それを立て直す体力が無く、脳味噌と体の動きが一致しなくなる。練習をもっとすれば、これは解消できるのだろうか?と思いつつ惰性でゴールを目指す。半分寝ている状態で、走っていると反対側からボクに向かって走ってくる輩が・・・・あれ~~~っ!ゼ○コ○おやぢが走っている。スイムでリタイヤしていなかったんだっ!ミドルは勿論、51.5kmも完走経験の無いのに!!しかも比較的元気そうに・・・・!昨夜、レース前だというのに泡盛を大量に摂取し、泥酔状態。サポーターのビアンキさんとHIROくんが苦労しながら寝かしつけたのに、夜中に突然、他の迷惑考えず電気をつけジャバジャバと風呂に喧しく入り、他のアスリートの安眠を妨害した罪で軍法会議にかけられる予定だったらしいのだが、流石に東京地検に追われるだけに逃げ足が速いようだ。完走して特赦の恩恵を受けられるような勢いと余裕があった。
時計をみる。酸素が脳味噌に十分に回っていないので、割り算どころか、足し算もできない。折り返し地点で4時半前だったので、頑張ればなんとか自己ベストを更新できそうと思っていたのだが、計算が出来ない・・・・。街に近づいて、応援がだんだん賑やかになってきた。応援に対しては手を上げるのが精一杯だ。でも、応援している人のオリオンビールの缶はしっかりチェックしていて、早くアレを飲みた~~~いと思うことが、足を前にすすめる大きなモチベーションなっていた。さらにチェックすると応援している人のテーブルには、泡盛もある。それも飲みてぇ~~~と思いながら、立ち止まらず走る。赤い提灯通りが見えると競技場のアナウンスが聞こえてきた。競技場に入ると綺麗なお姉さまが、おやぢと一緒に走って太鼓を敲いて応援してくれる。ぬわんとマイミクの73(ボクはずっと“ナ~サン”と思っていたが“ナミ”さんでした-笑)でした。本当にありがとう。
昨年の11時間55分50秒から、2分40秒タイムを短縮して、11時間53分10秒でめでたく自己ベスト更新となる。
応援してくれた全ての皆さん感謝!
・・・・そのスイムの虎馬を克服するのに4年余の歳月を必要とした。2007年にたまたま当たってしまった宮古島、外れた人に申し訳ないので完走しなければ・・・・とは思わなかったが(笑)一生懸命応援して助けてくれた島の子供達や土地のボランティアの人達そして仲間のアスリートに支えられて、苦手のスイムを必死でこなし完走した。あれから3年・・・・。
3度目の宮古島トライアスロンに望む自分の気持ちは、まったく違っていた。ニョーボがうつしてくれた扁桃腺炎のせいで、体調はイマイチで喉スプレー剤が欠かせない状況の中、昨年よりも1秒でも短い結果が残せたら・・・・との根拠の無い期待が渦巻いていた。
根拠が無いとは、当然納得できるトレーニングが出来ていないということだが、先月東京マラソンで自己ベストを出したという安直な思考経路が、そう思わせていたのだろう。
安直な思考回路といえば、だいたい“おやぢアスリート”は、全て都合よく、安直でかつ自己中でモノを考える習慣が身についているのではないか??よく言えば、ポジティブ。悪く言えば自分勝手。だから前日のアルコール摂取も、ポジティブにアミノ酸の摂取と同行したアスリートは解釈していたらしく、仕事でレースを視察に来たノバテックホイルの輸入元Y社長なんかは、泡盛をガブ飲みしている通称”○ネ○ンおやぢ”アスリートを見て、彼はスイムでリタイヤするよねなんて、ドラマを期待していたのだった。(人の不幸は蜜の味)しかも、このおやぢは、フルマラソンの経験も51.5kmもミドル完走の経験も無いのだ。不安をかき消すために、暴飲しているのかっ!?
スイム
レース当日19日朝、南国宮古の日差しは、既に夏の装いで気温も高く喉には優しかった。しかも、適度に入ってくる塩水が逆に喉の炎症をやわらげてくれるような感覚があることを前日の試泳で確認できていた。
しかし、スタートしてまもなく右目に蹴りを喰らい、ゴーグルが右側に海水が浸入。ゴーグルを蹴られると目の周りが痛い、海水はおおよそ生理食塩水の濃度に近いのか?あまり沁みないが、海中が見えないのでは楽しみが半減と思いとりあえずラッコ状態になって海水を抜く。泳げなかった自分がこんな行動を冷静にできること自体が、スゲ~~感動である。
周りはバシャバシャ五月蝿いけれど、ボランティアのダイバーも水中なので、とてもでかく見える。1700m付近では素晴らしいサンゴを確認できた。しかし、折り返しを過ぎてから、うねりと波が断続的に続いて泳ぎにくい。直感的に昨年よりも時間が掛かるような印象。潮の流れもアゲインストのようだ。東急リゾートホテルの建物が近くに見えてもなかなか終わらない・・・・1時間6分45秒。昨年よりも約5分遅れる。
さらに大きな失敗を犯す。着替える場所を間違えたために、バックを預けるのを忘れてあわてて引き返す。3回目なのにナニをやっとるんだ!!トランジットがヘタクソ!!そうとうな時間をロスしたと思われる。しかもバック置き場に戻るとあれっ!圓太郎師匠の姿がっ!!今年は師匠のドラマは無いのかっ!?師匠には悪いが、昨年までの師匠のドラマのお陰で、巷のおやぢ達は、自信とエネルギーを相当分けてもらったはずなのに・・・・。
バイク
ようやく好きなバイクにのる。追い風気味で快調に走る。ホイルがいいのかフレームがいいのか?それとも乗ってるオレがいいのか?いつもこの区間は、「メーター付け替えたばかりだから壊れているのか??早過ぎない??俺って天才!?」と思ってしまう。しかし、大きなツケが100kmを過ぎてから出たのが昨年。今年もバイクの乗り込みは十分でない。3月の目標として800kmの練習目標に対してDHポジションでの練習は100kmに満たない。今年も予想通り?100kmを過ぎてから前半で抜かした選手に抜かされていく。でも2回目の池間大橋付近では、OMINOさんShiromotoさんという偉大な先輩達と一緒に走る光栄な機会を得る。なかなか想像しにくいかもしれないが、エアロビックペースなので、比較的会話ができるのだ。
今年は自分が経験した中では、風が一番キツかった。向かい風の中時速20km/h以下にもなるが何度もあった。後半は、後背筋疲労してか腰痛がひどい。マトモにペダリングができない。ドロップハンドルの下ハンが欲しいと思うが、DHバー仕様なのでそれがないし・・・・。単純に練習不足なだけなんだが・・・・とにもかくにも、走りには全然良いところがないまま終わる。ちなみにバイク時の補給食“お握り”を食べやすいように細長く作ったのは、失敗であった。食べにくいのだ!!小さく、一口大に作るに限る!!
ラン
午後2時2分頃スタート。バイクの時から、右下腹部に違和感があったのだけれど、走り始めて直ぐに痛みにかわる。ウンコをすれば、解消される部類の痛みなのだが、スタート直後はトイレがなかなか見当たらない。4km先の宮古支庁付近にガソリンスタンドがあったことを思い出し、それまで肛門に力を入れて頑張ることにする。自らの経験から、この状態では、キロ7分を維持するのが精一杯なのだが、上りなのでもっと遅い!ロングの場合は、体にいろいろな変化がでるので前日までにいろいろ調整したつもりだった。ヨーグルトや野菜ジュースを取るなど・・・・でも自分の体なのに思うようになってくれない。やっとの思いで、ガソリンスタンドのトイレに駆け込む。女子用になっていたが、緊急避難である。この際、そんなの関係ネ~~なのだ。5発ほどガスを発射し、固形物を少々・・・・加齢とともに腸の機能が低下するのか?若い頃に比べて、ウンコに行く回数が日常的にも増加傾向にある。これは、ロドマさんに、中年における運動とウンコの関係を研究してもらうしかない。
とりあえず、下腹部のストレスは無事に解消した。しかし、ランのスイッチがなかなか入らない。小幅でケイデンスを上げるピッチ走法が、先月の東京マラソンで良い結果をだしていたので、それを心がける。10kmを過ぎたあたりから、抜かされるよりも抜かす方が多くなってきた。スイッチが入ったようだ。仲間のHIROくんと秒泉さん二人をパスして、シーポの田中さんに追いつく。全然練習する時間が無いと嘆いていたのに、さすが数年前のエイジ優勝選手だ。体力的にも技術的にもだいぶ貯金があるようだ。凄いっ!
毎度の事ながら、エイドで応援してくれる人達のその献身的な姿勢には、涙が出そうなくらい嬉しい。その応援からエネルギーをもらうことも多々ある。さすがに、30kmを過ぎると自分の走りのフォームが崩れた事が解っても、それを立て直す体力が無く、脳味噌と体の動きが一致しなくなる。練習をもっとすれば、これは解消できるのだろうか?と思いつつ惰性でゴールを目指す。半分寝ている状態で、走っていると反対側からボクに向かって走ってくる輩が・・・・あれ~~~っ!ゼ○コ○おやぢが走っている。スイムでリタイヤしていなかったんだっ!ミドルは勿論、51.5kmも完走経験の無いのに!!しかも比較的元気そうに・・・・!昨夜、レース前だというのに泡盛を大量に摂取し、泥酔状態。サポーターのビアンキさんとHIROくんが苦労しながら寝かしつけたのに、夜中に突然、他の迷惑考えず電気をつけジャバジャバと風呂に喧しく入り、他のアスリートの安眠を妨害した罪で軍法会議にかけられる予定だったらしいのだが、流石に東京地検に追われるだけに逃げ足が速いようだ。完走して特赦の恩恵を受けられるような勢いと余裕があった。
時計をみる。酸素が脳味噌に十分に回っていないので、割り算どころか、足し算もできない。折り返し地点で4時半前だったので、頑張ればなんとか自己ベストを更新できそうと思っていたのだが、計算が出来ない・・・・。街に近づいて、応援がだんだん賑やかになってきた。応援に対しては手を上げるのが精一杯だ。でも、応援している人のオリオンビールの缶はしっかりチェックしていて、早くアレを飲みた~~~いと思うことが、足を前にすすめる大きなモチベーションなっていた。さらにチェックすると応援している人のテーブルには、泡盛もある。それも飲みてぇ~~~と思いながら、立ち止まらず走る。赤い提灯通りが見えると競技場のアナウンスが聞こえてきた。競技場に入ると綺麗なお姉さまが、おやぢと一緒に走って太鼓を敲いて応援してくれる。ぬわんとマイミクの73(ボクはずっと“ナ~サン”と思っていたが“ナミ”さんでした-笑)でした。本当にありがとう。
昨年の11時間55分50秒から、2分40秒タイムを短縮して、11時間53分10秒でめでたく自己ベスト更新となる。
応援してくれた全ての皆さん感謝!