ドイツの南部、ボーデンシー(淡水なのに何故かsea)を挟んでスイスとの国境の街、フレドリックシャーフェン(発音が未だに判らず)で開催されるEUROBIKESHOWは、ここ数年で世界最大の自転車ショーだ。
世界中の業界人が集まる場所でもあり、週末の土曜日は一般開放もされる。コンタドールも来ていたらしいのだが、残念ことに会うことが出来なかった。9月2日午前の飛行機でチューリッヒに飛び、それから鉄道とフェリーボートを乗り継いで夜に到着する。
世界的な不景気にも関わらず、展示会場の全部の施設を使用して開催された。
5日は一般開放日なので、混雑が予想され週末をイタリアのCASATIのあるモンツァから40kmほど離れた北イタリアの湖水地方の中心、コモで過ごす事にする。翌日の日曜日は、なんらかの方法でギサロ教会を訪ねてみたいと思っていた。
《スイスのチューリッヒで乗り換えて》
景色を車窓からの景色をノンビリ3時間くらい楽しむ。
コモに到着して、ホテルでレンタバイクの有無を聞く。湖畔で貸しているらしい。ジョギングをしながら街の見物を兼ねてレンタバイク屋を訪ねたが、ベラッジォ迄行って、さらに500mほどの標高差を上るには、少々難ありなので、別の方法を考える事にする。コモ湖は水上バスが、日本では考えられないくらい細かく網羅されていて高速船もあればフェリーもある。そんな船がひっきりなしに走り回っているのだが、それでいて水の透明度はとても高い。山の斜面と湖岸には別荘が点々を立ち、日本には無い豊かさを感じさせる。
とりあえず明日は、船でベラッジォに向うことにする。
夜8時になっても、まだサマータイムのせいなのか?日本と設定が違うのか?まだ相当明るい。山間の街なので、日は沈んでいるのだが高い峰々は残照に赤く輝いている。そろそろ食事でもと思い、ホテルの受付の女性が教えてくれたレストランに行くことにする。街の中心からは離れていて少しもの寂しい裏通りのレストランだったが、プロセコを頼んだら、ありがたいことにカラフェで出してくれた。オススメのパスタを戴く。味は合格点だがもっとアルデンテの方が個人的には好み。
日曜日朝食をホテルで済ませ、街中の観光をしてボート乗り場に向う。日曜日のためかサイクルストを多数見かける。
どうみてもレンタルバイクらしきものに乗っているサイクリストはいない。自分のバイクでこんなところを走ったら、さぞ気持ちが良い事だろう。高速船で一時間ほどでベラッジォに到着。
途中の景色は日本ではお目にかかれない素晴らしい景色。ベラッジォに到着後、ツーリストインフォメーションは、長い列が出来ていた。仕方が無いので歩いてレンタバイクを探すがそれらしいものは見当たらず。再びツーリストインフォメーションに戻ると列が短くなっていたので並ぶことにする。
「ギザロ教会まで行くのに自転車で行きたいけれど、レンタバイクはどこかにある?」
「レンタバイクはあるけれど、とても坂道が大変よっ!自転車に乗りなれているの?」
「うん、たぶんダイジョウブ」
なんて会話をして、レンタバイク(実はスポーツショップ)を教えてもらう。
早速そこへ出向くと、英語は片言しかできないのだが、人の良さそうな親爺が一日20ユーロでチネリのブートレックのクロスバイクを貸してくれるとの事。サイズもSなので、なんとか乗れそうだ。重量も軽くこれなら上れるだろう。この店主は、周回コースが40kmくらいだからオススメだと教えてくれた。タイヤパンドー(懐かしい)みたいのも貸してくれたので、パンクしても何とかなるだろう。
いまさらながらに、バイクの行動範囲の拡がりに感動!頭では理解しているのだが、思わずうれしくて口元が緩む。当たり前の話だが、景色の変わり方が、歩きやジョギングとぜんぜん違う。ウキウキ気分のあまり、飲み水を確保するのを忘れてヒルクライムを開始してしまった。ギザロ教会への上りは、前半がキツイようだ。自分のバイクと違うので、しかもドロップバーでもないので、ダンシングが出来ない。無理にそれをするとフラフラする。長くても40kmなのでノンビリ行くことにする。しかし喉が渇く・・・・。ようやく、ベラッジオの街を眼下に見下ろす素晴らしい場所に、BARとレストランをやっている店がポツンとあったので水を買うことにする。しかし、重いガラス瓶・・・・。仕方が無いので、タダでグラスに一杯水をもらって再出発。何台ものロードレーサーに抜かされる。自分のバイクで来たらさぞかし快適だろうなぁ・・・と抜かされる度に思ってしまう。山の尾根に上ると湖を挟んで対岸にある岩山が手に取るように見えてきた。傾斜も緩くなる。気持ち良さそうに降りてくるサイクリストと多数すれ違う。山の上にもお洒落な集落があり、ギサロ教会を通り過ぎてしまったのではないか?と不安に思い始めたらひょこんと看板が見え、左手に写真で何度も見たホンモノの教会が出現。日曜日なので、どうやら礼拝をしているので、中には入れないらしい。そのうち終わるだろうと思い、先に自転車博物館を見学することにする。日本語の説明が無いのでよくわからないのだが、CASATIとブーニョの写真が展示してあり、うれしくなる。
教会に戻ると礼拝は終わっていたので、さっそく中に入る。教会の中には本当に自転車とジャージが展示されていた。あれ?見たことある人が居ると思ったら、埼玉の上福岡の”ファクトリーアライ”さんと栃木は宇都宮の”アンタレス自転車の杜”さんに出会う。これから下りで危ないなんてハナシをしていたら、二人がかりでブレーキをワタシの仕様(右前)に直してくれました。本当にありがとうございました。
<imgsrc="/steelbikes/timg/small_1252354917.jpg" border="0" align="left">昼時も近くなってきたので、先を急ぐことにする。Barni~Lasnigo~Valbronaの集落を経て、湖岸のOnnoにでるとベラッジオが見えてきて、ほっとする。お腹も透いてきたのでレストランを探すが、バイクの鍵が無いので、食事をしながらバイクが見えるレストランを探さねばならない。結局ベラッジオの街の境界線に入ってから食事をすることになった。このレストランは、葡萄が日よけになっていてお洒落。景色はさほど良くないが、バイクはしっかり監視できるので鍵が無くてもOK。パスタは美味しかった。アイスクリームも美味しい。赤ワインも軽めではあるが、風味が豊かだった。とても満足。気が付いたら、すでに午後3時を回っている。
肝心のベラッジォの街をまだ見学していない。バイクで回ることにする。バイクを返却して、4時10分発の高速船でコモに戻ることにする。けっこう疲れたみたいで、船の中で寝てしまった。気が付いたらコモに到着。半分ボケ~としながらホテルに到着して、ビールを飲みシャワーを浴びる。