母 ・・・ 16．くどさ ： 無神経

受験も　勉強も　ひとり立ちのための手段です。


母のくどさも　子の自立性を養うための精神的訓練なのです。


受験生も　病人も　合格し　快癒する目的に向かっての闘いです。

闘いは　子ども自身の力に負うところが大きいのです。



その力をそだて　くじけないようにするために

　　・・・　はげまし　甘えさせ　「くどく」いうのです。




子どもの神経を逆なでするようなくどさは

　　・・・　たったひとつ母の無神経さによって起こる。


ゆきとどいた心は

　　まず　相手の心を読むところからはじまらねばなりません。



そのような細心さは　・・・　きっと　子どもに喜ばれます。




＊　２０１０．１１　　東ブータンで

母 ・・・ 15．くどさ ： 受験・勉強

「くどさ」や　細心さにも限度が必要でしょう。


しかし

だからといって　・・・　くどさに自信を喪うことはありません。


子どもは

　　母親が利己的な欲求をおしつけるためのくどさには反発しますが

音もたてず　光もみせず　こつこつとうち込んでくる丹念さには

　　・・・　喜んで従うものです。



がさつな「くどさ」

勉強しなさい　宿題すませなさい

　　とオウムのようにくり返す情感のない命令

コーヒーとケーキを準備して　じいっと寝ずに子を待つ母　・・・

そうした　子の心を汲みとらない母の介入に

　　・・・子は憎しみをいだくのです。


とくに弱い子は

母のつき放したような要求の「くどさ」に

　　孤独感を味わい　捨てられたと思い込む　・・・　のです。




＊　２０１０．１１　　東ブータンで




　

母 ・・・ 14．くどさ ： 母殺し

子どもは　母のくどさを憎むことがあります。



生命力の強い子は　父の支配を憎みますが　・・・

衝動的で弱い性格の子は　母を否定したい気持に駆られます。


「親を殺したい」と思うのは
　　子の成長過程に　必ずあるものです。（ちょっといいすぎ？）


人間は　その感情と格闘するものです。


ときに「母殺し」の衝動を子にあたえることもあります。



事実　受験期の高校生が母を殺しています。


「あまりにもうるさく干渉がましいから」

　　　　・・・　と　その少年はいいました。




＊　２０１０．１１　　東ブータンで

母 ・・・ 13．こまやかさ ： ばば抜き

「ばば抜き」などというコトバを口にして喜び

　　それを時代の風潮と歓迎する女性は　・・・

　　人間としての根性を失った　軽薄な人生を歩むひとでしょう。



老人軽視

年寄りをいたわらない社会に満足する人々の

　　・・・　愚かなセリフです。




＊　２０１０．１１　　東ブータンで




　　

母 ・・・ 12．こまやかさ ： 老婆心 つづき

私たちは　母の「老婆心」によって

　　どれくらい身を守られているか分りません。



車に乗る。


「　気をつけなさい。舗道が濡れていますよ。

　　夕方には大雨になるそうよ。

　　危なかったら途中で帰ってらっしゃい。

　　先様であいさつを忘れないでね。　・・・　」


成人した子どもに母は　くどく　うるさく　干渉がましくいう。


交通事故も　そのおかげで起こらない。



若さがとかく捨て去ってしまう注意心や自制心　・・・

それを　母はよび覚ましてくれます。


そして

母の丹念さや根気づよい鋭い神経が　子にのりうつるとき　・・・

　　地道な　粘りづよい　こつこつと一つ仕事を完成していく青年

　　思いやりのある　すがすがしい乙女

　　　　　　　　　　　　　　　　　・・・　が育っていくのです。




＊　２０１０．１１　　東ブータンで

母 ・・・ 11．こまやかさ ： 老婆心

「老婆心」というコトバがあります。


「婆（ばば）」とは　「はは」を一段と強めたいい方です。


トントンよりドンドン　カンカンよりガンガン

　　と濁点がついたほうが意味が強められるように

「ばば」の心は　母よりも生活知のアクセントが強められている。



老婆心は　お節介（せっかい）の代名詞とされていますが

　　母の心が強められた「ばば」の心が　・・・　くどさです。


くり返し　やりかえし　反復する細心さ　・・・　それが「老婆心」です。





＊　２０１０．１１　　東ブータンで