子どもは病気をすると 母がいつでも傍らにいることを願います。
二十歳すぎの青年でも 病気になると母を独占したがる。
子どもだけではない。
妻の中に母を描く夫は 病床からたえず妻(母)を求めるものです。
私が 5歳で病気にかかって入院したときのことです。
手術後 排便のために一日一回浣腸される。
三分から五分間ぐらいじいっとがまんしていなくてはならない。
苦しいから母を呼ぶ。
ところが 父が代わりにやってくる。
童話の本を読んで気をまぎらわしてくれるのだが
それが無性に腹立たしい。
しまいには 父から本をとりあげて ほうりなげ
「出ちゃうよお!」と叫ぶ。
そんなとき 父は恐い顔をして
「男の子はがまんするものだ」と叱りつける。
母がいれば 童話の本を読んでくれなくても
「もう少しよ 頑張りましょうね
早く治って また海へゆくんでしょう」と慰められただけで
・・・ 必死になって数分間を耐えようとする。
入院するとき おぶって運んでくれたのも父だし
童話の本や果物を運んでくれるのも父だったのに
・・・ やはり 母でなくては満たされない。
どの子も同じです。
ちょっと母の姿がみえないと 母を呼ぶ。
おこられても また母を呼ぶ。
父がきても 甘えない。
母がくると それだけでニコニコしている。
そばにいてもらいたいのです。
「用事もないのに呼ばないで。母さん忙しいんだから」と叱りながら
それでいて ・・・ 母も喜んでいる。
・・・ これが 母心です。
* 2010.11 東ブータンで
二十歳すぎの青年でも 病気になると母を独占したがる。
子どもだけではない。
妻の中に母を描く夫は 病床からたえず妻(母)を求めるものです。
私が 5歳で病気にかかって入院したときのことです。
手術後 排便のために一日一回浣腸される。
三分から五分間ぐらいじいっとがまんしていなくてはならない。
苦しいから母を呼ぶ。
ところが 父が代わりにやってくる。
童話の本を読んで気をまぎらわしてくれるのだが
それが無性に腹立たしい。
しまいには 父から本をとりあげて ほうりなげ
「出ちゃうよお!」と叫ぶ。
そんなとき 父は恐い顔をして
「男の子はがまんするものだ」と叱りつける。
母がいれば 童話の本を読んでくれなくても
「もう少しよ 頑張りましょうね
早く治って また海へゆくんでしょう」と慰められただけで
・・・ 必死になって数分間を耐えようとする。
入院するとき おぶって運んでくれたのも父だし
童話の本や果物を運んでくれるのも父だったのに
・・・ やはり 母でなくては満たされない。
どの子も同じです。
ちょっと母の姿がみえないと 母を呼ぶ。
おこられても また母を呼ぶ。
父がきても 甘えない。
母がくると それだけでニコニコしている。
そばにいてもらいたいのです。
「用事もないのに呼ばないで。母さん忙しいんだから」と叱りながら
それでいて ・・・ 母も喜んでいる。
・・・ これが 母心です。
* 2010.11 東ブータンで