気の広場

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母 ・・・ 65.しつける : 「他人」と生きるために 

2010-12-17 10:21:17 | Weblog
最近のはなしですが ・・・



老いた母を冷たくあしらっている ある四十代夫婦がいます。


子どもは ピアノと習字を習いにいってる。

その父親は あまり教養がない。

父親は 母と子に無条件に従っている。


この家庭にゆくと ・・・

子どもの自慢話ばかりきかされる。

家中に 展覧会に出品した習字がさげられている。

母親は 子どものピアノをきいてくれという。


それでいて ・・・ 老母には ふりむきもしない。



こうした家庭でしつけられた子は

  ひとことでいって ・・・ エゴイストです。


母親の世間的無知といたわりのなさ そして虚栄が

子どもに 自分よりも強い者 大きいものがあるということを忘れさせ

  ・・・ 他人を蔑(さげす)む性格を育ててゆく。


この父親は 口をひらけば

  「×子は頭がいい きのうもやられたよ」と子をほめる。


子どもは ・・・ いつも親をバカにしているわけでしょう。

 それに ・・・ 親が気づかない。


しつけが何のためにあるのか その理由がわからないわけです。



しつけは ・・・ 子どもが「他人」と生きるために必要なのです。




* 2010.11  東ブータンで





母 ・・・ 64.しつける : マナーはゼロ

2010-12-17 09:16:12 | Weblog
むかし 私の家にも

幼児や小・中学生の子どもをつれた親がたくさん遊びにくる

  ・・・ 時期がありました。



うちの息子のほうが まだましだ ・・・ と思う子がやってくる。


  ひねこびた子

  わがままな子

  がまんできない子

  おびえている子 ・・・ さまざまです。


しかも おどろいたことに ・・・

そうしたまともでない性格の子を

  ごくふつうだ ・・・ と思っている親が多いことです。



たとえば ・・・


  くるなり 「ジュース ジュース」とせがんで母の膝をおりない子

  玄関に入るや 「帰ろう」と泣く子

  夕食をすませるとすぐ 「ママ帰る」とだだをこねる子

  自分のものに手をつけず 父と母の料理ばかりつっつく子

  親同士の話に入りたがる子

  母親がトイレにゆくたびについていく子

  すわるや お金の勘定をしている子

  作文や習字の自慢をする子 ・・・


ともかく 奇妙に知識と利己心ばかり発達していて

    ・・・ マナーはゼロ ・・・ という子が多いのです。



そして 父と母はといえば ・・・ 平然としています。





* 2010.11  東ブータンで




  

母 ・・・ 63.しつける : 子どもに罪なし

2010-12-17 08:07:41 | Weblog
三角好きの母に育てられれば 三角の子どもになる。

ズーズー弁の母の子は やはりズーズー弁になる。


母が子を薫陶するのですから ・・・ 当り前のことですね。(再掲)



子どものいやな性格を発見したとき

  母が悩み ときに自己嫌悪におちいるのは ・・・ そのためです。


どうして こんないやな性格に育ててしまったのだろうか

  という絶望感は

    ・・・ そのまま 自分につきつけられた刃なのです。


こんな性格の子に育てたおぼえはない

    ・・・ と歯ぎしりしても 手遅れです。


子どもは 母の薫風をうけて しつけられてきたのですから

    ・・・ 子どもに罪はありません。



上の子は ノンビリしているのに

下の子は ガリガリしている ・・・ というちがいも

    ・・・ 母のしつけ方がちがっていたのです。


・・・ それだけのことです。




* 2010.11  東ブータンで





母 ・・・ 62.しつける : 子どもは母に似る

2010-12-17 07:11:45 | Weblog
食べること 寝ること 着物の着方 お風呂の入り方 トイレの使いよう

箸の持ち方 お茶碗の持ち方 など衣食住の作法からはじまり

  人のつきあい方 ことばの使い分け方もふくめて

「しつけ」はすべて ・・・

    見よう見まねの「薫(かおり)」であり 「変化」なのです。



「薫化」ということばがありますが これも「薫陶」と同じです。

薫りによって習(なら)わされ 化(かわ)ってくることです。


朱に交われば赤くなる といいます。 これが「薫陶」です。

「陶」には よろこびという意味もあります。

それも「心の中での悦び」をいいます。



母は 自然な薫りで子どもを変化させ 悦ぶ。

しつけとは ・・・ そういうものです。



だから ・・・ 子どもは 母に似てくるのです。

  母が 黄色だと黄色になり 黒いと黒くなる。


円い玉子が子どもなら 切りようで いろいろ変わってくる。

  三角好きの母に育てられれば 三角の子どもになる。

  ズーズー弁の母の子は やはりズーズー弁になる。


母が子を薫陶するのですから ・・・ 当り前のことですね。




* 2010.11  東ブータンで





母 ・・・ 61.しつける : 薫陶(くんとう)

2010-12-17 06:01:32 | Weblog
人間の子どもは 生まれたては ・・・ 白紙です。

  何も知りません。

  童心無垢(むく)です。



この子に コトバを憶えさせ

  知恵をつけ 育てるのが ・・・ 母のしつけです。


しつけとは 母の心と言葉による「薫陶」です。


薫陶とは 人を感化しながら養成することです。


「香」は 香り

「陶」は 陶器をつくること

つまり

香りによって子どもをいぶしながら

  ひとつの型ある器(うつわ)をつくりあげていくことが 薫陶です。



母の知恵とコトバの香りが子どもに移り ・・・

その香気によって

  子どもは次第に やきもののようにできあがっていきます。



教育とはちがいます。


教育とは 「教えこむ」ことですが ・・・

薫陶は 自然に母の香りを子どもにそそぎこみ くっつけていくことです。

言葉のひとつひとつを

  母と遊ぶ自然のうちに 聞かされ 身につける。

それが薫陶 ・・・ しつけです。


カリキュラムがあり コースや課程があって教えるわけではありません。


聞きよう聞きまねで憶えさせていくのが ・・・ 「しつけ」です。




* 2010.11  東ブータンで





母 ・・・ 60.しつける : 心と言葉

2010-12-17 05:07:29 | Weblog
  円い玉子も切りようで
  同じ言葉も使いよう
  それは羽毛よりも軽く
  それは石よりも重く
  そこのけじめに詩はほろび
  そこのけじめに詩は生きる

 詩人堀口大学さんの詩です。詩人は言葉を大切にします。ねりにねった心で言葉を選び出し韻をふんでつくるのが詩です。ですから詩はどの言葉ひとつとりあげても、詩人の魂が脈うっています。
 言葉に鈍感な人、ケジメのつけられない人には ・・・ 作詞は無理だといいます。


しつけも 同じことです。


しつけとは

  人間の心と言葉によってつくりあげてゆくものものだからです。



粗野な心は 荒々しいコトバや態度を生みます。


デリケートな心は やさしいコトバを選びます。



すさんだ生活を送っている人は 言葉もきたない。


落着いたやわらぎの生活をしている人は 言葉も美しい。



そのいずれかによって

  子どもの扱い方も違ってくるし

  ・・・ 子ども自身の言葉や態度も変わってきます。




* 2010.11  東ブータンで





母 ・・・ 59.牛の歩み : くり返し(反芻)

2010-12-17 04:00:20 | Weblog
お母さん ・・・ 不休 不断の牛になってください。



反芻(はんすう)という言葉は

  牛が胃袋におさめた食物を

  ・・・また食べ直すところから生まれたものですが

この文字には「くり返し」の意味があります。


反芻する人は ・・・ 思慮深い人です。



牛肉を食べ

牛乳をのみ

バターをパンにつけながら

  牛を思い出し ・・・ そこに「母心」をくみとって下さいナ。




* 2010.11  東ブータンで