気の広場

気の世界あれこれ・・・
  日常雑感あれこれ・・・

母 ・・・ 43.家庭料理 : 人間教育

2010-12-14 12:02:15 | Weblog
ビーフ・シチューをつくるときは

  長いこと とろ火でコトコト煮ているが

娘は 母に命じられて仕方なく

  椅子に腰かけて 深鍋と向かいあっている。


煮ものは 根気のいる料理です。


砂糖を入れる。

少々醤油を加える。


・・・ ちょっとなめてみる。


・・・ 軽く思案している。


また砂糖を入れる。


・・・ なめる。



みていると楽しそうです。


モノをつくり出している人間の悦楽が匂ってくる。


娘は 母のそばで真似ごとをしている。



キシメンをゆでるとき

カレーをつくるとき

どんなときでも

  料理には 細やかな感覚と粘りが必要です。


女の子は

  その作業を「手伝う」ことで ・・・ 根気と細心を学びます。


料理を手伝わせることは

  子どもに自己鍛錬を施(ほどこ)すことです。


百万言の説法よりも尊い

  ・・・ 実になる人間教育を培うチャンスです。




* 2010.11  東ブータンで





母 ・・・ 42.家庭料理 : 家庭教育

2010-12-14 07:14:13 | Weblog
母の根気強いとりくみ方は 子どもに多くのことを学ばせます。



第一に 創作の喜び。


牛肉とヒキ肉とバターをまとめ

パン粉をまぶした素材が 煮えたぎる油のなかで

  たちまちミート・コロッケなるさまは

      ・・・ 子どもに ある種の驚きを与えます。


料理ぐらい

  手品にも似た印象をうえつける創作的家事は少ないでしょうね。



そして 温かい皿にキャベツとパセリをそえただけで

  ・・・ 見事な作品ができあがる。



料理には つやとおもしろみを感じさせる芸術性がある。

  ・・・ 子供は それを胸のうちにやきつけていく。

母のちょっとした工夫の素晴らしさに感動する。

  ・・・ その心が 子に創作の興味をいだかせる。


手料理は りっぱな家庭教育の一つです。



第二に 根気と細心さです。


母といっしょに

  枝豆を切り さやいんげんの筋をとりお手伝いする ・・・ 娘

母とともに とろろをすり鉢でする ・・・ 息子


台所の流しで苦労しながら

  小魚の骨を毛抜きで一本一本抜いては失敗し

    母に注意されている娘たちは 根気よく母の仕事を手伝っている。


しかし 男の子は

最初のうちこそ景気よく手伝っているが

  じきにあきて どこかへいってしまう。

30分も同じ顔つきをした枝豆を切ったり

  いんげんまめの筋をとったりしていると いやになってくる。

・・・ 母親も 途中でぬけ出す息子には笑っている。


だが 娘は そうはいかない。

・・・ 「いけません」

  母にとどめられて 最後まで付き合わされる。 




* 2010.11  東ブータンで





母 ・・・ 41.家庭料理 : 屈辱(くつじょく)

2010-12-14 06:07:32 | Weblog
ちかごろは

生活の合理化と機能化のために

  カンヅメ料理と冷凍の完成食品が流行し

  ・・・ 手づくりをいやがる母が増えているようですが

これは ・・・ 母自身にたいする侮辱(ぶじょく)ではないでしょうか。



母は 自分の手で材料を探し ととのえるところから出発し

  自分の創作欲で 完成するまでやりとげることに

  ・・・ 誇りをもっているはずです。


それを カンヅメやインスタント食品に奪われ

  「ママの料理よりうまいね」といわれたら ・・・
 
それは ・・・ 屈辱を与えられたことになりはしませんか。




* 2010.11  東ブータンで





母 ・・・ 40.家庭料理 : 細やかな心

2010-12-14 05:06:23 | Weblog
料理には ・・・ 細心な注意と知恵が不可欠です。


そして なによりも

     ・・・ 実際的な創意性と粘り 鋭敏な味覚力が大切です。



ふろふき大根や煮しめ あえもの なます あるいは枝豆の具足煮など

  手のこんだ和風の 安くてうまいお惣菜をつくるときなどは

     ・・・ なおのこと 根気と愛情が大事です。



また 盛りつける器(うつわ)にしても

  画一的な規格品を並べるだけでなく ・・・

安価でも 珍しい食器を

  瀬戸物屋や民芸店で探し求めて用意する

     ・・・ 日常の心がけも必要でしょうね。



短気で がさつな女性

夢想家(ゆめみるひと)だったり

理屈ばかりこねている母では

     ・・・ つとまるものではありません。




* 2010.11  東ブータンで





母 ・・・ 39.家庭料理 : 利口な人

2010-12-14 04:17:02 | Weblog
むかし 江上トミさんという料理研究家が

「 お料理の上手なお母さんは 利口な人です 」

  ・・・ と テレビで話しておりました。


この「利口」とは 知恵があるということです。


上手ということは 味覚の力ということでしょう。



たしかに

材料の選択 吟味 調理の手だて 味つけ 盛りつけなどは

  母の才能と感覚と習性が一体化して働かなければ無理でしょうし

刻み 焼き 煮 いためる作業には

  リズムと時間と労力の巧みな配分がなくてはむずかしい。



一般の家庭では

  食事の準備中に来客もあれば 電話もかかってくる。


「利口」な母でなければ ・・・

煮過ぎ 焼きこがし 食事の遅れといったアクシデントを頻発し

    ・・・ 家族を がっかりさせます。




* 2010.11  東ブータンで





母 ・・・ 38.家庭料理 : 特権

2010-12-14 04:16:00 | Weblog
家庭のなかで一番粘りが必要で

  独創力が大切になるのは ・・・ 育児と料理です。



父親も これだけは母親に勝てない。

・・・ 母の特権です。



味覚というものは 大変複雑なもので ・・・

栄養価に プラス風味

みた目の美しさ

うまそうな香り

配色の面白さ ・・・

  といったさまざまな要素をかねそなえていなければ 満足されない。



このひとつひとつを丹念に工夫し

  知恵をこらしてくれるのが ・・・ 母の料理です。


根気のないお母さん

何かを創り出そうしない母からは

  ・・・ 風味のある料理は けっして創造されませんね。




* 2010.11  東ブータンで