加藤秀俊さんは「人とうつわ」というエッセイで こんな風にのべています。
・・・ 人間の文化史は、ある意味で「いれもの」をつくる文化だった、といわれています。考古学者の発掘したおびただしい出土品のなかには、実にたくさんの「いれもの」がふくまれています。縄文や弥生式の土器にしても多くはツボやカメなど「いれもの」ばかりである。
ものがあれば、かならずといってよいほどそのものを入れる「いれもの」を人間はつくったり買ったりする。とりわけ女性は「いれもの」が好きだ。
幼いころは小さな箱をやたらあつめて、おもてに千代紙などを貼り、そして、その箱のなかに、おハジキだの、あれこれのこまごましたものをいれる。
しゅふになっても、「いれもの」をつぎつぎに家庭のなかにつくりあげる。身のまわりにも、各種各様の「いれもの」を配置する。
・・・ なぜ「いれもの」がこんなに好きなのか。たぶん、それは「いれもの」を使うことが整理の第一歩だからである。
ものの整理と「いれもの」とのあいだには深い関連性がある。とりわけ、今日のように、人間生活のなかに、おびたただしい種類のものがはいりこんでしまった時代には、ほうっておいたら、とんでもない無秩序と混乱が生まれてしまうだろう ・・・ と。
* 2010.11 東ブータンで
・・・ 人間の文化史は、ある意味で「いれもの」をつくる文化だった、といわれています。考古学者の発掘したおびただしい出土品のなかには、実にたくさんの「いれもの」がふくまれています。縄文や弥生式の土器にしても多くはツボやカメなど「いれもの」ばかりである。
ものがあれば、かならずといってよいほどそのものを入れる「いれもの」を人間はつくったり買ったりする。とりわけ女性は「いれもの」が好きだ。
幼いころは小さな箱をやたらあつめて、おもてに千代紙などを貼り、そして、その箱のなかに、おハジキだの、あれこれのこまごましたものをいれる。
しゅふになっても、「いれもの」をつぎつぎに家庭のなかにつくりあげる。身のまわりにも、各種各様の「いれもの」を配置する。
・・・ なぜ「いれもの」がこんなに好きなのか。たぶん、それは「いれもの」を使うことが整理の第一歩だからである。
ものの整理と「いれもの」とのあいだには深い関連性がある。とりわけ、今日のように、人間生活のなかに、おびたただしい種類のものがはいりこんでしまった時代には、ほうっておいたら、とんでもない無秩序と混乱が生まれてしまうだろう ・・・ と。
* 2010.11 東ブータンで