気の広場

気の世界あれこれ・・・
  日常雑感あれこれ・・・

憂うる心 : 慈愛心のむずかしさ     ( 母 : NO.126 )

2010-12-26 10:15:36 | Weblog
できの悪い子を不憫に思い

  気にするのは母性の情です。

死のうにも死にきれません

  というほど心配でならないのが母心です。


哀れな運命をたどり

  不幸な境遇におちこんでいる子を憂うるのは母性の本能でしょう。



しかし 自立した子は そうした母を非難する。

「 あんな妹のことを いつまでも心配していることはない。

  たずねて来たら 追い返すべきだ。

  そうしなければ いつまでたっても自立できない 」

  ・・・ 他の兄弟姉妹は 母をなじる。



ここです。

母の慈愛の難しさは ・・・ ここにあるのです。





憂うる心 : 母の愛は質 ・ 慈愛    ( 母 : NO.125 )

2010-12-26 07:33:09 | Weblog
母の愛は 量の愛ではありません。

質の愛であってこそ 慈愛なのです。


もちろん 子どものうけとめ方はちがうかも知れません。



母は人間ですから ・・・

怪我をした子があれば その子に集中する。

他の子が憎いのではなく

  怪我した子がいじらしいから愛の量が多くそそがれる。



五本の指すべてが大切でも ・・・

小指にとげが刺されば 小指一本が気になる。

一日中 とげが抜けるまで他の四本のことはあとまわしになり

  小指に全愛を捧げるようになる。


小指にだけ包帯をまくのは

  怪我があり 傷があり 痛みどころがあるからです。





憂うる心 : 遺産を奪いあう子たち    ( 母 : NO.124 )

2010-12-26 06:00:48 | Weblog
 ある母親は 夫の残した遺産のうち現金を分け与えられた。
嫁いでいる長女は、お金を大事にするように再三注意した。

 ところが、嫁にゆかず自分の好き勝手な芸事にうつつを抜かし、アパートに一人暮らししているふしだらな次女がいた。月の収入は十万円にも満たない。お金がなくなると母のところにいってせびる。
 母は出来の悪い子をもつと、一方で「こんな子どもなんかいないほうがよかった」と思いながら、もう一方で自分を頼る不肖の子がいとおしくなる。
 その母親は くるたびに三万、四万円と与え ・・・ 数年後には遺産をあらかた使い果たしてしまった。
長女は母を叱ったが、母はその娘を逆恨みする。
それでいて息子たちに、お金がないのに小遣いもくれないと不平をいう。


この母には
 
へだたりのない愛が 同時に自分の幸せを守るのだ

  ということが分かっていなかったのだと思います。



父の遺産を奪いあう子ども

わずかな母の財産を蝕む子ども ・・・

そうした子どもが育つのは

  母の愛の教育に公正さがかけていた ・・・ 証拠です。


もし 子どもらが 母から差別のない

  無私の愛の尊さを学んでいたら ・・・

けっして我欲をはって

「私は長男だから」とか

「私は父の生前中何もして貰わなかったから 遺産だけは」

  などと要求することはないでしょう。



母の慈愛心に平等さが失われたとき

  ・・・ 子どもらは 冷ややかな「他人」になってゆきます。





憂うる心 : 露骨に差別をつける母    ( 母 : NO.123 )

2010-12-26 05:31:00 | Weblog
 私の知人で五人の子どもをもった母がいる。
下から二番目の娘さんはおとなしい気の弱いこでした。器量も姉さんにくらべると少し劣っている。
一番下の息子ができ、この子を父親が熱愛した。二人目の男の子です。大変かわいい子でした。
 その子が小学生になったころ、泊りがけで遊びにいくと、夕食どきに器量のよくない娘さんが台所のすみで泣いている。そこへ弟がきて「お姉ちゃんはブス、僕は美男、いーっ」とはやしたてている。
私はあきれて眺めていた。・・・ ところが母親は笑っている。男の子は母が制止しないので、ますます調子にのって「お姉ちゃんブス!」をくり返す。
 父親がみかねて女の子を連れ去ったが、母親は「泣き虫な子ね だからあの子はみんなに好かれないのよ。さ、坊や お肉が冷えますよ」と男の子を自分の傍らにすわらせ頭をなでている。
 年上の子どもたちは口々に「×子はほんとに醜いアヒルの子だなあ」と食事中なぶりつづけていました。
  ・・・ 私は、その母親を殴りつけてやろうと思ったくらいです。

 ところが母親が死んだあと、生後まで父親の身の回りの世話をやき、結婚まで犠牲にして弟の面倒をみたのがその娘さんでした。私が何回か縁談をすすめると「おじさん、私結婚するような柄じゃありません」と淋しく笑っていました。
おそらく母と姉弟からうけた心の傷が消えなかったのでしょう。
  ・・・ 私の目からみれば子どもたちのうち一番やさしい気性の、できた子はその娘だったのですが ・・・ 。


こうした家庭は意外に多いのです。

「どうもあの子は虫がすかない」

  などといい放つお母さんはたくさんいます。


口先だけならまだよい。

ほかの子といっしょになっていじめる母がある。


幼いうちだけではありません。

未婚時代に服を買うとき 結婚するときの仕度のととのえ方にも

  ・・・ 露骨な差別をつける母がいる。



どの子にとっても 母は母です。


「この指輪は長女に」

「この帯止めは次女に」

  ・・・ と へだたりなく心を配るのが母親であるはずです。


父親の遺品を分けてやるときも

長男 次男に差別なく 子どもの個性や好みを考えて分け与えるのが

  ・・・ 母親の公正な態度でしょうね。





憂うる心 : 差別ごころ           ( 母 : NO.122 )

2010-12-26 05:29:20 | Weblog
世の中には ルナールの『にんじん』に出てくるような母もいる。

「差別ごころ」で子どもを扱う母もあります。



他人には分からない「何か」理由があるのでしょうが ・・・

母の不平等な愛は

  ・・・ かならず兄弟間のきしみとゆがみを広げていきます。