きの書評

備忘録~いつか読んだ本(読書メーターに書ききれなかったもの)~

ヴォルゴフというロシア人の画家

2019-05-24 10:52:27 | ドラマ・映画
最近気になっている画家がいる。
 
題材はだいたい「海辺に女神様がいる」という内容で、
タッチはクラシックだがモデルの髪型は現代風。
 
ドロドロの油絵の具で、光と影をみごとに操っているとしか言いようのない、
モネの庭にルノアールを遊ばせたような美しい情景を、次々と出してくる。
 
才能があるというのは、こういう人を言うのではないのか。
 
何度も見たいと思うのは、その作風が好きだという証拠なのだろう。
トーマス・マックナイト以来、珍しく気になった画風だ。
 
 
あの、やたらに描くのが早いボブというアメリカの画家も、
確かに自然の木々を描く技術は素晴らしいと思うが、
自分はこれが好きなんだ!という魂のようなものが入ってない気がして、なじめなかった。
 
ところが、ウラジミール・ヴォルゴフは違う。
彼は純粋に女神様たちを描くのが好きなんだ、どうしても、これがいいんだ!という
想いというか、執着心のようなものが伝わってくる。
 
はたして、岩場でドレスを浸して、裸足で優雅に肩を出したりしている女神様たちは、
日焼けもせず、その後どうやって家に帰るのだろうという疑問は残るが、
 
まぁ確かに美しいんだから、全て良しとするか。
 
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