きの書評

備忘録~いつか読んだ本(読書メーターに書ききれなかったもの)~

これからの「正義」の話をしようを読んで

2019-07-10 19:06:00 | 書評
カントの純粋さに比べて、ベンサムのサイコパス具合いはどうだろう。
 
最近の哲学と科学は、愛や勇気や神などの市場価格のつけられないものになると急に手を出しかねるようになって、
どうすべきかを提案することはできないだろうが、一切を禁止する方向にしか行かない気がする。本来それらが一番大切なはずなのに。
 
さて、富豪は自由経済では自由なんだから良しとされているが、サンデル教授はどうもこれが「正義」という側面から見たら良くないと思っているような気がする。あの人はこう言ってるとか、この主張ではこう説明できるとか、客観的な立場で見ている感じではあるのだが。
 
勝った相応の見返りを受け取ることが間違っているわけではないけれど、富に限りがあるのだから、結果的に一人占めは多数の貧困を生む。
これを世界規模でやったら、ただ単に搾取されたような国が出てきて、誰の目にも正しくないことが明らかだが、アメリカ国内では自分たちが負けた場合にはおかしいとも何とも思わないのか。
 
暴論だが、仮に「1億円以上は相続できない」というようにしたら阿鼻叫喚だろうけど、リセットされて昔の固定された身分社会みたいにならなくて良いかも。
相応の取り分を受け取ることができるが一代までという。
 
 
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