これこそが 真の原因 物忘れ
したり顔する 自称の名医 By kinukototadao
& 認知症の権威とされる人達が知らない一番重要なこと
○アルツハイマー型認知症の症状は、「記憶の障害」の症状が必須の要件ではないのです:
アミロイドベータの蓄積とかタウタンパクの沈着とか脳の萎縮とかを「アルツハイマー型認知症」発病の原因とする説が(発病との因果関係が立証されていないので、正確に言うと、仮説に過ぎないのですが)未だに主張されています。特に、アミロイドベータ説については、欧米の巨大製薬メーカーからは既に捨て去られているにもかかわらず、我が国では、著名な独立行政法人を先頭にして、何故だか分からないのですが、今なお声だかに主張され、研究が拡大継続されている状況なのです。
この説は、アミロイドベータの蓄積によって情報を伝達する役割を担っている神経細胞の機能が次第に失われていくものと考えているので、「記憶の障害」を必須の要件と捉えているのです(その点では、このブログでたびたび取り上げて問題点を指摘してきているあの「DSM-4」の規定と同じ視点に立っているようなのですが)。
この説の言うように、アミロイドベータの蓄積が「アルツハイマー型認知症」発病の原因であるというのであれば、「アルツハイマー型認知症」を発病したお年寄りで早期の段階の人達(小ボケ及び中ボケ)は、「脳のリハビリ」(脳の使い方としての「生活習慣」の改善)により正常な状態に回復させることが出来るという実態をどのように説明することが出来るのでしょうか。聞いてみたいものです。
「脳のリハビリ」によって正常な機能レベルに回復させることが可能な最期の段階、私たちの区分で言う「中等度認知症」(中ボケ)の段階になってくると、昔の記憶はよく想起されてくるのに対して新しい記憶の想起が難しくなってくることが、私たちがこれまでに集積してきた「脳機能データ」の解析により明確な事実として確認されているのです。これは、「記銘」する機能が衰えてきていることが原因なのです。「中ボケ」の人達の脳機能データに確認される現象、昔の記憶(長期に保存されている記憶)が比較的に良く想起されるのに対して、最近の記憶(短期にしか保存されていない記憶)を想起することが難しいという現象は、長期に保存されている昔の記憶(長期記憶)とは、記銘する機能が良く働いていた頃の記憶であり、短期にしか保存されていない最近の記憶(短期記憶)は記銘する機能が衰えてきた最近の記憶と言うことになるのです。
自分なりに、生き甲斐や目標がある生活が継続されている中であっても、「加齢」とともに機能が衰えていくという性質(私たちの言葉で、「正常老化の性質」)が内在している意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能{私たちの言葉で言う、「前頭葉」(前頭前野を言うものとする。以下、同じ)の三本柱の機能}が、その「正常老化の性質」に加えて更には、ナイナイ尽くしの「単調な生活」が継続される下で廃用性の機能低下を起こしてきた結果、すなわち三本柱の機能が加速度的に衰えてきたその結果に過ぎないのです。アミロイドベータが蓄積したせいでも、タウ蛋白が沈着したせいでも、脳の委縮が進行したせいでもないのです。
この記憶するに際しての「記銘」の度合い(記銘度)が高いと長期に保存されて想起が可能になるのに対し、記銘度が低いと短期にしか保存されなくて想起が出来なくなる、それが「長期記憶」と「短期記憶」に分かれる「メカニズム」なのだというのが私たちの主張なのです。長期記憶と短期記憶のメカニズムもわからないで居て、マウスが迷路の中で餌を探して彷徨い歩く行動ばかりを分析して居て、「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズムを研究しているとするレベルで、「治療薬の開発に一定の目途がついてきた」などとマスコミ受けの発表ばかりしないでいただきたいのです。60歳を超える年齢の「高齢者」だけを対象として、「前頭葉」を含む脳全体の機能がナイナイ尽くしの「単調な生活」が日々継続されることにより廃用性の機能低下(異常で加速度的な機能低下)を進行させていくというメカニズム、そのメカニズムによる病気(そのメカニズムを原因とする病気)なのです。すなわち、食生活ではなくて、脳の使い方としての意味でいうところの「生活習慣病」だと私たちは考えているのです。私たちがこれまでに集積してきた「脳機能データ」の基礎に立っていえば、「アルツハイマー型認知症」の発病を予防する薬も、治療する薬も、進行を和らげる薬も、開発される可能性はないというのが結論なのです。空気ポンプの例でいうと、ゴム管の部分の不具合で空気が流れないのではなくて、そもそも空気を押し込む役割の柄の部分を押し出してやらないから空気が流れないのです。
○「アルツハイマー型認知症」の本当の意味での初期の段階、特に、脳のリハビリを施すことにより治す(「前頭葉」を含む脳全体の機能を正常なレベルに回復させる)ことが容易である、「軽度認知症」(小ボケ)の段階で確認される認知症としての症状はどれをとってみても「記憶の障害」とは関係のない症状ばかりなのです:
この段階では、左脳も右脳も運動の脳も全て働きが未だ正常な機能レベルを保っているのです。肝心の「前頭葉」の働き具合だけがもはや正常域にはなくて異常な機能レベルに衰えてきているのです。世間の(日本を含めて世界中の)認知症の専門家とされる人たちは、「DSM-4」の規定に代表されるように(或いは、その規定に影響されていて)極めて重い症状が発現してくる段階にしか注目していないのです(「DSM-4」の規定を例にしていえば、失語や失行や失認といった症状の確認を要求していて、私たちの区分でいう「重度認知症」(大ボケ)の段階の症状、極めて重度の末期の段階のさらにその後半にならないと発現してこない症状にしか注目していないのです)。
私たちは、「社会生活」に支障が起きてくるレベルを「軽度認知症」(小ボケ)として区分し、「家庭生活」に支障が起きてくるレベルを「中等度認知症」(中ボケ)として区分し、セルフケアに支障が起きてくるレベルを「重度認知症」(大ボケ)として区分し、前頭葉を含む脳全体の機能レベルに対応した三つの段階に区分される認知症の症状を類型化しています。その脳機能データによれば、「DSM-4」が第一の要件としている「記憶の障害」に加えて第二の要件として規定している「失語」、「失行」又は「失認」の症状が発現してくるもっと前の軽いレベルの人達(「大ボケ」の段階の人たちのうちで、そうした症状がまだ出てきていない人たち)でさえ、セルフケアに支障が出ている状態なのです。言い換えると、「DSM-4」が要求している「失語」、「失行」又は「失認」の症状の確認は、あまりに重い症状の確認を要求していることになるのです。
このことを私たちのデータに置き換えてみた場合、「DSM-4」が要求する基準では、前頭葉の機能を含む脳全体の機能レベルが余りにも衰えてしまっている段階になって初めて「アルツハイマー型認知症」と診断することを要求しているということになるのです。これでは見つけても手遅れ、余りにも見つける段階が遅すぎて治せない結果を招来してしまっているのです。こうした段階で見つけることに何の意味があるのかと言いたいのです。治せる段階を見つけてこそ意味があるのに、規定の誤りから治せる段階があるのに見過ごしてしまう結果を招いているのです。医療の現場で「アルツハイマー型認知症」の患者の診断に日々従事している医師達は、その社会的使命責任からしても、もっと前の軽い段階、「治せる段階」があることに早く気付くべきなのです。
然も、医療の現場で幅を利かせている診断の手技或いは、機器等は、私たちが開発した「二段階方式」が判定上の必須の条件として実施している「前頭葉」の機能レベルを計測し、判定することもなく(判定できないで居て)、CTやMRIや果てはPETまで使用して、保険の点数自体が極めて高く診療報酬は高額になるものの「アルツハイマー型認知症」のレベルの計測とは無関係である機器を使用して、ただ単に脳の形と萎縮の程度を計測しているにすぎないのです。
ある意味で、「記憶の障害」の症状を外観的に観測して、あれこれと推測しているに過ぎないとしか言いようがないレベルの診断なのです。その結果、極めて重度の症状が発現してこないと自信を持って「アルツハイマー型認知症」であることを診断できないでいて、もっと軽い段階、脳のリハビリを実践することにより正常なレベルに脳の機能を回復させることが可能な本当の意味での初期の段階であり、私たちの区分で言う「軽度認知症」(小ボケ)の段階及び「中等度認知症」(中ボケ)の段階を見落としてしまっているのです。
この段階の症状を詳細に検討してみれば、「記憶障害」が第一義的な症状なのではなくて、私たち人間の意識的な世界を支配していて、脳全体のコントロール・タワーの役割を担っている「前頭葉」の個別の機能、すなわち自ら様々なことに取り組むための「自発性」、色々なテーマを思いつくための「発想」、実行しようとする内容を組み立てる上で必要な「理解」や「計画」や「工夫」、実行内容をシミュレーションする上で必要な「考察」や「分析」や「予見」、実行した場合の結果の推測に必要な「推理」や「想像」や「洞察」、予期しない状況に対応するための「機転」や「修正」、状況や実行内容の「判断」、感情の高ぶりを抑えるための「抑制」、実施を指令するための「決断」、「指示」、更には「創造」や「感動」といった機能等、「前頭葉」の個別機能の機能障害に起因する症状が第一義的な症状だということに気付くはずなのです。この場合に注意すべきなのは、こうした症状は「老化現象」ではないということなのです。なぜなら、こうした症状は「前頭葉」の機能が異常なレベルに衰えてきていることが必ず確認されるからです。言い換えると、「老化現象」としての症状である場合は、「前頭葉」の機能が正常なレベルにあることが必ず確認されるからなのです。
「アルツハイマー型認知症」の研究や医療に従事している皆さん、「記憶の障害」の症状は「アルツハイマー型認知症」の症状の、必須且つ第一義的な症状ではないことに早く気付いて欲しいのです。「記憶の障害」という症状並びにその重い軽いの程度に拘泥している限り、本当の意味での早期の段階がある(「アルツハイマー型認知症」にも、回復させることが可能な段階がある)ということにいつまでも気づけないままで居ることになるのです。
例えば、回復させることが困難な段階である「重度認知症」(大ボケ)の後半になって現れてくる『□着ている服を脱ぎたがらず、便で汚れた下着をそのまま平気で着ている □ 風呂に入るのを嫌がる
□ 服を正しく着られず、ズボンを頭からかぶったり上着に足を通したりする □ 家族の名前を間違えたり、子供を配偶者と間違えたりする □ 自宅に居ても落ちつかず、出て行きたがる□ 大小便を失敗しても、後の処置ができない□大小便で汚れた下着を、押し入れなどに隠す□ 今が昼なのか夜なのかがわからなくて、夜中に騒ぐ
□夜中に起きてくる、家中の電気をつけて回る、会社に行くとか田んぼに行くとか言い張る□ 痛んだものを平気で食べ、食べ物でないものを口にするetc.』といった症状は、忘れている(覚えていない、又は、思い出せない)が故の症状なのではなくて、そもそも、自らがしている(しようとしている)行為が何を意味し、どのような目的や動作や言動を伴うものなのかが分からない(或いは、そのような行為自体が、手順を含めてどのように、どの程度実行すべきなのかが理解できないが故の行為なのです。
生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない、ナイナイ尽くしの「単調な生活」が日々継続される下で、廃用性の加速度的で異常な機能低下により「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルがそこまで衰えてきてしまっていることが直接の原因となり、その状況や環境及び行為自体の目的や内容や意味そのものが理解できなくなってしまっているが為に起きてきている症状なのです。アミロイドベータの蓄積やタウ蛋白の沈着や脳の委縮の進行が原因で記憶の障害が起きてきて、そのことが第一義的な要因となって惹き起こされている様々な程度と態様とで構成される症状を発現している訳ではないことに早く気づくべきなのです。「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症は、ナイナイ尽くしの単調な生活習慣が継続していることに起因して起きてくる、廃用性の加速度的で異常な脳機能低下、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルの異常な低下をそのままに反映した段階的な症状が発現してくるのが、特徴なのです。「前頭葉」の機能自体が無いマウスやアルツハイマーマウスを何時まで追いかけていても、このことに気づくことは無いのです。
○ 「前頭葉」の個別機能の認知度及び発揮度を左右している意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能(以下、「三本柱の機能」という)の役割と内在的な性質:
「前頭葉」の個別機能によるその認知度及び発揮度は、「三本柱の機能」の発揮度に左右されていて、「三本柱の機能」の機能の発揮度が高まれば「前頭葉」の個別機能の認知度及び発揮度が高まるし、「三本柱の機能」の機能の発揮度が低くなれば「前頭葉」の個別機能の認知度及び発揮度も低くなるという相関関係(機能発揮上の「二重構造」の関係)にあるのです。その上、「三本柱の機能」には、加齢とともにその機能レベル自体が衰えていくという性質が内在しているのです(「正常老化の性質」)。その為、60歳を超える年齢の「高齢者」が、何かをキッカケとしてナイナイ尽くしの「単調な生活」を継続していると、「前頭葉」の各種個別機能の認知度及び発揮度は、加齢に伴う「正常老化の性質」による緩やかな機能低下に加えて廃用性の機能低下が加味されることになり、両者の「相乗効果」としての加速度的な機能低下が起きてくることになるのです。
60歳を超える年齢の「高齢者」たちの「前頭葉」の各種個別機能の機能レベルは、ナイナイ尽くしの「単調な生活」が継続される生活習慣の下で、正常な機能レベルから正常下限のレベルを経て、ついには異常なレベルへと衰えていき、異常なレベルに衰えてきたときから、「前頭葉」の機能レベルを直接に反映した「アルツハイマー型認知症」の症状が発現してくることになるのです。その後も、ナイナイ尽くしの「単調な生活」が継続されていると、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルの低下の更なる進行を直接に反映し、且つその脳機能レベルに対応したレベルの「三段階の症状」が発現してくることになるのです。
○ 意識的に何かのテーマを実行する世界と「三本柱の機能」の働き
意識的に何かの「テーマ」を実行しようとするに際して必要不可欠の、
「状況の判断」、「テーマの構想」、「内容の計画」、「構成の保持」、「シミュレーション」、「実行内容の選択」、「実行の決断」等の「前頭葉」の諸機能を十分に発揮するには、思考の過程中での或る一定レベルでの「三本柱の機能」の機能レベルの維持による認知機能の発揮が要求されることになります。「三本柱の機能」の機能レベルが異常なレベルに衰えてきていると、上述した「前頭葉の諸個別機能」がちゃんと働けないのです。
その各工程での情報の交信(受け取り、処理、発信)に要求される「認知度」は、「前頭葉」の働きの中で最も基礎的で且つ重要な機能である「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」という「三本柱」の機能が正常に働くことが不可欠の前提条件となります。この「三本柱」の機能に下支えされる形で、発想や計画や工夫や洞察などの高度な認知機能がちゃんと発揮されることになる(認知機能を発揮するうえで、「二重構造」/「層構造」となっていることに注意)のです。実は、「三本柱」のこの機能は、「記憶」の工程である「記銘」、「保持」及び「想起」の機能発揮度にも深く関わっていて、影響しているのです(30代の後半から、「前頭葉」の機能が正常なレベルにありながら、それにもかかわらず所謂「物忘れ」の症状が発現してくるのは、「三本柱の機能」に内在する「正常老化の性質」とこのメカニズムによる為だと、私たちは考えているのです)。
&「アルツハイマー型認知症」の症状発現の特徴
○「アルツハイマー型認知症」の場合は、最初に、「前頭葉」の機能だけの異常なレベルでの機能低下が起きてくるのです:
然も、その機能が異常なレベルに衰えてくる直接の原因は、アミロイドベータの蓄積による老人斑の形成でもなく、タウタンパクの沈着による神経源線維変化でもなく、ましてや脳の委縮の進行による萎縮の度合いの拡大でもないのです。それでは、「アルツハイマー型認知症」の症状が発現してくる直接の原因とは何なのかと言えば、使われる機会が極端に少ないことに起因した、廃用性の機能低下が原因なのです。何かをキッカケとして、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない、ナイナイ尽くしの「単調な生活」の継続、脳の使い方としての「生活習慣」が脳機能の異常な低下を惹き起こしている真犯人なのです。このことは、私たちが集積してきた14689例にも上る精緻な脳機能データが示していることなのです。
「アルツハイマー型認知症」を発病した、極めて多数の患者について集積した脳機能データの解析からわかったこと、その脳の機能の衰え方の特徴についてもう少し詳しいことを明らかにすると、脳全体の司令塔の役割を担っていて、私たち人間の意識的な世界を支配しコントロールしている「前頭葉」の機能が左脳や右脳や運動の脳に先行する形で最初に異常なレベルに衰えていくことに加えて、世界的に評価が確立された神経心理機能テストである「MMS」で判定される「下位項目」についても、出来なくなっていく順番があるということなのです(裏返して言えば、脳機能の衰え方の順番に極めて厳格な規則性があるということなのです)。アミロイドベータの蓄積でもなく、タウタンパクの沈着でもなく、ましてや脳の委縮でもないからこそ言えることなのです。私たちが主張しているように、廃用性の機能低下を本質とするからこそ、このような衰え方が確認される(脳機能が衰えていく順番とその明確な規則性の存在)と考えているのです。専門家の皆さん、いかがですか。
& 「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルの異常な低下に対応した段階的な症状の発現を特徴とするのが「アルツハイマー型認知症」:
極めて精緻な神経心理機能テストである「二段階方式」を活用して、「前頭葉」を含む脳の機能レベルとそれに厳密に対応した認知症の症状に関するデータを集積していくと、「アルツハイマー型認知症」の場合は、三つの段階に区分することができることに気付くのです。
左脳右脳も未だ正常な機能レベルにあって、「前頭葉」だけが異常な機能レベルに衰えてきている「軽度認知症」(小ボケ)の段階では、脳のリハビリによって正常な機能レベルに回復させる(「アルツハイマー型認知症」を治す)ことが容易なのです。
「中等度認知症」(中ボケ)の段階では、「小ボケ」の段階では正常な機能レベルにあった左脳と右脳とがともに異常なレベルに衰えてきているのです。「前頭葉」は、「小ボケ」の時よりもさらに異常な機能レベルに衰えてきています。この「中ボケ」の段階では、脳のリハビリに励む生活を密に実行させることによって、正常なレベルに回復させることが未だ可能なのです(まずは、「小ボケ」の段階に戻して、次いで、正常なレベルに回復させることになります)。
「重度認知症」(大ボケ)の段階になると、「中ボケ」の段階の時に比べて、左脳も右脳も、「前頭葉」も、「中ボケ」の時よりも、更に異常なレベルにそれぞれの機能が衰えてきているのです。この段階にまで機能が衰えてきてしまっていると、もはや機能を回復させることは困難になるのです(「中ボケ」のレベルに回復させることさえ困難になることに注意してください)。
世間では、「アルツハイマー型認知症」の症状を分類するに際して、「中核症状」とか「周辺症状」とか命名した呼称を使用していて、いかにも正しい分類であるかに聞こえるのですが、実はこうした分類自体に特別意味がないというだけでなくて、誤った分類でもあるのです。「アルツハイマー型認知症」の症状は、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルに対応した形で症状が発現してくるのが重要な「特徴」であり、且つ、「前頭葉」、「左脳」、「右脳」、「運動の脳」という順序で、廃用性の衰えが進行していくのです。したがって、認知症の専門家とされる人達の区分でいう周辺症状なるものは、右脳と運動の脳を主足る機能として、わずかに働きが残っている「前頭葉」と左脳との共同作業としての総合的な働きの結果に過ぎないのです。「周辺症状」として分類されている症状は、「小ボケ」や「中ボケ」の段階の脳機能の下では、絶対に発現してくることがない症状なのです。「大ボケ」の段階の脳機能レベルの人達の内でも後半の機能レベル、言い換えるとMMSの得点が一桁になってからでないと発現してこない症状なのです。
脳全体の司令塔の役割を担っていて、意識的な世界を支配しコントロールしている「前頭葉」が殆ど機能していないレベルで、且つ左脳も不十分にしか機能していなくて、右脳と運動の脳が主体という状態で、状況を判断し、テーマを考え付き、その内容を構成し、実行の判断をしているのです。言葉による相互コミュニケーションでの内容の理解も、自分が行おうとする行為の目的や内容の理解も、自分がその時置かれている状況の判断も、殆どできていないことを理解すべきなのです(「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルにリンクした症状なのであり、その結果として、理解できていないが故の様々な程度及び態様下での「言動」や「行為」を行っているに過ぎないのです)。
「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症の特徴は、各種及び各レベルでの症状の発現が、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルに厳密に対応した形で症状が発現してくるのであって、アミロイドベータの蓄積の量とかタウタンパクの沈着の量とか、或いは脳の委縮の進行の度合いとかとは、無関係のものなのです(「アルツハイマー型認知症」を発病し、且つそのナイナイ尽くしの「単調な生活」習慣が継続される下で、「症状」が重症化し末期の段階である「重度認知症」の段階にまで進んでいったその副産物に過ぎないと私たちは考えているのです)。それ故にこそ、たとえばアミロイドベータの蓄積量とかを精緻に検出できる独自の方法を完成したからと言って、「アルツハイマー型認知症」の本当の意味での初期の段階を精緻に判定できることにはつながらないのです。このことを指摘し、断言しておきたいと考えるのです。取り上げて報道しているマスコミは、単に相手の言うがままを報道しているにすぎないのです。世間一般の人達に誤解を与え、(実現されることはないのに)実現されそうな甘い期待を抱かせ、「アルツハイマー型認知症」の「地域予防活動」を実践主導したいと考えている保健師さん達に、二の足を踏ませることになっているだけのことなのです。働き盛りの若い年齢で、「アルツハイマー型認知症」を発病する人たちが増えているとの誤った報道をしたのと同じ過ちを繰り返そうとしているのです。あー!嘆かわしや。
& 空気ポンプの柄を押してやらないから、空気が出てこないだけ
自転車のチューブに空気を入れる「空気ポンプ」という機器があります。アルツハイマー型認知症は、空気をチューブに運ぶ紐状のゴム管の部分(脳で言えば、情報を伝達する神経線維や海馬の機能)に支障があるのではなくて、ポンプを押して空気を押し出してやる部分(脳で言えば、情報を処理し、発信してやる、「前頭葉」を含む脳の機能)に支障が起きてきたことにより、正常に働かなくなったことが原因で発病する病気なのです(生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもないナイナイ尽くしの「単調な生活」の継続により、「廃用性の機能低下」が進行してきて、「前頭葉」を含む脳全体の機能が異常なレベルに低下していることが直接の原因で「認知症」の症状がでてくる)。
先日もあるテレビ局が、日本を含む最近の世界各地での「アルツハイマー型認知症」の治療薬の開発の動向などを特集していました。支離滅裂というか、糖尿病や心臓病の薬が「アルツハイマー型認知症」の治療薬として有望だとしてみたり、「大ボケ」の症状が発現している(「大ボケ」のレベルにまで「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルが低下した)お年寄りに対する介護に接する人たちの態度次第で(対応の在り方次第で)症状が回復する(言い換えると、「前頭葉」を含む脳の機能が回復する)かのような報道が為されていました。こんな報道がなされるたびに、「アルツハイマー型認知症」の予防を目的とした市町村の保健師さん達と地域のボランティアとの共同による「地域予防活動」への着手の決断の時期が遠のいて行ってしまうのではと恐れるのです。
注) 本著作物(このブログB-40に記載され表現された内容)に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。
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脳機能から見た認知症(具体例をベースとしたもう一つのブログです)
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