(プロローグ)
様々な種類が数ある認知症の内の大多数、90%以上の割合を占めているのが、『アルツハイマー型認知症』というタイプの認知症なのです。皆さんが日ごろ耳にしたり、或いは目にすることが有る認知症は、殆どが、アルツハイマー型認知症なのです。そのアルツハイマー型認知症について、若年で発症することもあるとして、若年性アルツハイマー型認知症の発病であるとする『誤診』がまかり通っているのです。意識的な世界における脳全体の「司令塔の役割」を担っている『前頭葉』の機能レベルを精緻に評価し、判定できる手技を持っていない為に、専門の医師や学者までもが、この世に存在していない架空のものである「若年性アルツハイマー型認知症」が存在しているかのような発言を繰り返していて、テレビ番組でも幾度となく取り上げられていたりするのです。「若年性アルツハイマー型認知症」は、側頭葉性健忘症(基本的に若年で発症し、「高度の記銘力障害の症状と顕著な海馬の萎縮が特徴であるものの、前頭葉の機能が、正常なレベルに在る」のが特徴なのです)を誤診しているケースが大半であり、時に、「緩徐進行性失語症」を誤診しているケースがあるのです。
客観的な事象事実として、アルツハイマー型認知症は、老年発症が特徴なのであり、60歳代のお年寄りの12%、70歳代のお年寄りの30%、80歳代のお年寄りの50%、90歳代のお年寄りの75%、100歳代のお年寄りの97%は、「アルツハイマー型認知症」の発病者なのです(発病者=小ボケ、中ボケ、大ボケの全てが対象)。厚労省の調査では、75歳以上の「お年寄り」の5人に1人が要介護の状態に在るそうなのです。そうであるからこそ、末期の段階でなくて、早期の段階で見つけて治すこと、更には、発病自体の予防が不可欠と考えるのです。
「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症は、「超高齢社会」に特有な落とし児、社会現象なのです。「アルツハイマー型認知症」は、「前頭葉」を含む「脳全体の機能レベル」に厳密にリンクした三段階に区分される症状(最初の段階が「小ボケ」、次いで、「中ボケ」の段階があり、最後が、専門の学者や医師が初期症状であると誤解しているもの、末期の段階である「大ボケ」の症状が確認されることになる)が発現して来るのが特徴なのです。世界的に、アルツハイマー型認知症の研究者であり、権威とされる人達(学者、医師、製薬会社の研究者)は、誰一人として、①意識的な世界が関わるタイプの認知症であることに気づいていなくて、②意識的な世界の要である『前頭葉』の機能も、その根幹をなす注意の分配力の機能も備わっていないマウスの行動ばかりを研究していて、③「記憶障害に起因して発病する」との「重大な誤解」を前提にしていて、④物忘れの症状にしか関心が行っていなくて、⑤アミロイドベータの蓄積とか、タウタンパクの蓄積とか、脳の萎縮とか、アセチルコリンの不足とかの要因、「それ等が発病の原因とは無関係のものである」ことに気づかないで、⑥誤った場所をただ深く掘り続けるだけでいて、➆「重大な誤った」内容である『アルツハイマー型認知症は、発病の原因が不明で、治すことが出来ないし、症状の進行を遅らせることが出来ないし、発病自体を予防する方法も無い』という情報を、「権威という傘」の下で、情報発信し続けているのです。その結果、「脳のリハビリ」により症状を治したり、重症化の進行を抑制することが可能である本当の意味での早期の段階、「小ボケ」及び「中ボケ」の段階を見落としていて、『介護』する以外に方法が無い末期の段階である「大ボケ」の段階で発病を見つけて、効きもしない薬(「対症療法薬」)を処方しているのです。⇔三段階に区分される類型的な症状については、4月1日付の『F-04』を参照してください。
我が国日本は、世界でトップの高齢化率を誇り(身体が持つという意味)、「アルツハイマー型認知症」の発病者数についてもアメリカに続いていて、(身体が持つのに、肝心の脳が持たない)『お年寄り』の数が、2025年には、700万人に達するとするのが、厚労省の予測数値なのです。皆さんは、この数値を見てどう感じられるのでしょうか。身体が持ちながら、脳が持たない為に、「第二の人生」を、自分らしく、イキイキと生きる意味がどこかに置き忘れられているのです。余りの多さに驚きますか、どうですか。この数値に驚かないで頂きたいのです。この数値は、末期の段階の発病者、「大ボケ」の段階のお年寄りの数だけなのです。小ボケの段階も、中ボケの段階も、見落とされている為に、この数値には、入っていないのです。
回復させることが可能である本当の意味での早期の段階、小ボケ及び中ボケの段階について、前頭葉の機能レベルを精緻に評価し、判定出来る手技を持たないために、世界中の専門家達(専門機関)から、見落とされているのです。『アルツハイマー型認知症』を発病して、『介護』が不可欠の状態にあるお年寄り達(私たち「二段階方式」の区分で言う「大ボケ」の段階のお年寄り)の『介護』に要する費用だけで、現在時点で、年間で10兆円を超える規模(一般会計と特別会計の合計)にまで、膨れ上がってきているのです。➡このほかに、発病の診断費用(もはや治すことが出来ない段階、『末期の段階』で発病を見つけて居るので、発病のレッテル貼りの意味でしかない)と治療効果が期待できない単なる「対症療法薬」の処方の費用の合計額も、ほぼ同規模に上っているのです。
世界の歴史上、未だに誰一人として解き明かせていないのが『意識』なのです。加えて、「アルツハイマー型認知症」の発病原因も、世界中の誰もが、未だに解明できていないのです:この私、Tadを除いては。権威達が原因不明とする「アルツハイマー型認知症」は、「意識」が関わる世界、「意識的な世界」における根幹をなす機能である意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能(以下、『前頭葉の三本柱の機能』と呼びます)の廃用性の機能低下に起因した機能障害を原因とする実行機能の機能障害、即ち、『前頭葉』の機能障害がその発病を惹き起こす「真の原因」なのです。心理学者も、哲学者も、脳科学者も、『アルツハイマー型認知症』の専門家達も、『前頭葉の三本柱の機能』が『実行機能』の発揮度自体を支配し、管理し、下支えしていること、即ち、『両者は、機能発揮面での二重構造の関係にあること』を知らないし、「前頭葉の三本柱」の機能、「実行機能」及び「評価の物差し」の機能の複合機能体が、『前頭前野の穹窿部』に局在する脳機能総合体、即ち、『前頭葉』と呼ばれているものであることさえ知らないのです。
生きた人間の『意識』(B-11と12を参照)との関わり方、『意識』を構築し、管理し、コントロールしている機能である『注意の分配力』の機能との関わり、更には、『第二の人生』を送る上で継続されるナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』に起因した廃用性の異常な機能低下の進行という要因、この要因が、アルツハイマー型認知症の発病の原因を解き明かす鍵なのです。
アルツハイマー型認知症研究の専門家達が、追いかけまわしている「マウス」には、これらの機能は、備わってはいないのです。意識的なもの、意識的に行われる思考、思索、行為、行動や発言には、必ず『目的性』と『ケースシミュレーション』と『選択』が不可欠の要素として存在しているのです。その目的性とは、予め目標を定めて、当該目標を実現する為の方法をケースシミュレーションして選択し、選択された手段を目標の実現にむけて管理し、実行することなのです。「目的性」支配の基礎にある根幹をなす機能が「評価の物差し」の機能(ブログB-83を参照)なのであり、「目的性」を管理し、コントロールしている脳機能が、『注意の分配力』の機能なのです。評価の物差しが選択する対象に注意が分配される度合いに因り、選択された対象に対する意識の覚醒度が高く/低く変化するのです。
意欲、注意の集中力、就中、注意の分配力の機能の発揮レベルが、極端に低い状態に抑えられている為、意識の覚醒度が極めて低い状態下でのみ起きてくることになる所謂「夢を見ている世界」(脳の機能を守るために進化の過程で獲得された機能であるサーカディアンリズム下の世界)は、「注意の分配力」の機能の働きが極めて低いレベル(異常なレベルと同じ機能レベル)に抑制されている為、『目的性』を維持し、管理し、コントロールすることが出来ないことが特徴なのです。その為、夢を見ている状態下では、論理の展開も、支離滅裂のものにしかならないのです(論理の展開を求めようとすると覚醒度が上がるので、目が醒めてしまうのです)。
『アルツハイマー型認知症』を発病して、末期の段階にまで症状が進行したお年寄り(「かなひろいテスト」が異常と評価される基準値を示していて、MMSEの総得点が、換算値で一桁になる、「極めて重度の段階」にあるお年寄りのことなのですが)が、『徘徊する』のは、当該「目的性」を維持し、管理し、コントロールすることが出来なくなっているからなのです(=「注意の分配力」の機能が極めて異常なレベルにまで衰えてきていることが原因なのです)。「徘徊行為」について、「何らかの特定の目的」がある行動であるかのような説明をする学者や医師が多いのですが、単なる憶測の類に過ぎないレベルの理解なのです。
「加齢」に起因した前頭葉の正常老化の性質とその機能低下という『基礎要因』及び「第二の人生」を送る上で展開されるナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」(生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない単調な暮らし方)の継続に起因した廃用性の機能低下の進行という『加重要因』、異なるこの二つの要因が、同時に存在し、充足されることに因る「相乗効果」により、『廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行していくこと』の先に、『アルツハイマー型認知症』の発病及び症状の重症化の進行が待っているだけなのです。分かってみれば、『コロンブスの卵』程度のことだったのです。この私Tadが世界で初めて解き明かした、「アルツハイマー型認知症」発病のメニズム、第二の人生を送る上での脳の使い方に起因したもの、『生活習慣病』であるに過ぎない(食習慣も、糖尿病の発病も、学歴も、直接の因果関係は存在していない、無関係)ことについて、根拠となる脳機能データを提示して、説明するものなのです。
今日は、アルツハイマー型認知症が廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病に過ぎない(但し、食生活は無関係であり、『脳の使い方』としての視点と意味で言う生活習慣で会うことに留意する)ものであり、世界的に通説の地位にあるとされる(支持する人たちが多いというだけの意味)『通説であるアミロイドベータ仮説、少数説であるタウタンパク仮説及び異説であるアセチルコリン仮説という「3つの仮説」の主張内容が誤りなのであり、「仕事」とは無縁の日々の暮らし方となる『第二の人生』を送る上での生活習慣、「脳の使い方」としての『生活習慣』が、発病との直接の因果関係が確認できる真の原因であり、食生活や学歴や糖尿病の発病等と「アルツハイマー型認知症」の発病原因とは無関係であることの重要な証拠資料となる『脳機能データ』を提示して、説明したいと考えるのです(今回提示する『3つの脳機能データ』は、私たち「二段階方式」が世界に誇る内容のものなのです)。加齢に起因した機能低下の進行とナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続に起因した廃用性の機能低下の進行が同時に進むことに因り、意欲の機能が異常なレベルに衰えてきて、機能構造的な反映として注意の集中力及び注意の分配力を持続的に高度に発揮する力が異常なレベルとなる結果として、機能発揮上の二重構造の関係にある実行機能の発揮度が異常なレベルに衰えてきたことの直接的な反映が、アルツハイマー型認知症の症状として発現してくる、これが、発病及び症状の重症化が進行する真のメカニズムなのです。「3つの仮説」が想定する記憶の障害に起因して発病するとの前提自体が誤りなのです。
近い将来に、『アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病(但し、第二の人生を送る上での「脳の使い方」としての「生活習慣」であり、食生活や学歴や糖尿病の発病とは無関係のもの)である』という考え方が、世界的に確認され、「世界標準」となることを確信しているのです。現在は、「政府大綱」の第一条で、将来の研究課題であるとして棚上げにされている『発病自体の予防及び早期診断による回復』というテーマが、第一義的な意味での政策目標となっていることを予告しておきたいのです。
&1『MMSE下位項目の低下順』(項目困難度)の事象事実が示す「脳機能データ」の意味
(1)下記のデータは、私たちが『二段階方式』の手技を活用して集積した14689人もの『アルツハイマー型認知症』を発病した「お年寄り達」の『脳機能データ』の解析結果が示すグラフです。多人数であることもさりながら、全ての段階、「小ボケ」、「中ボケ」及び「大ボケ」の全ての段階のお年寄りの「脳機能データ」であることが極めて重要なのです。権威があるとは言え、世界中の権威ある機関は、重度の症状、末期の段階である「大ボケ」の段階しか関心が無い(「前頭葉」の機能レベルを精緻に評価し、判定出来る「手技」を持たないために、MMSEのテスト結果しか持っていなくて、末期の段階である「大ボケ」の段階のテスト結果しか持っていないので、データの存在自体に気づいてもいないのです)。
※1『アルツハイマー型認知症』の発病患者であれば、且つ、その場合に限り、必ず、この項目の順番に出来なくなっていくことが、「事象としての事実」なのであり、客観的で、科学的な「脳機能データ」として提示しているのです。この一事をもってしても、発病原因に関する『DSM4』の第一要件の規定内容及び「3つの仮説」の主張内容は、誤りであるということなのです。
※2「MMSE下位項目の項目困難度」が高い順に示すと、想起、注意と計算、時の見当識、所の見当識、三段階口頭命令、模写、文を書く、記銘、書字命令、復唱、命名となります。
「事象の事実」としての当該「脳機能データ」によると、「記銘」という項目は、11の下位項目により構成されていて、30点が満点である『MMSE』の総得点が、10点を切った段階(「大ボケ」の後半の段階)になって初めて、『満点でない人の方の数が満点の人の数よりも多くなる』ことを示しています。項目困難度が極めて低い項目である(『前頭葉』を含む脳全体の機能の機能レベルが、極めて異常なレベルにまで低下してきていても、正解できるお年寄りの数が多い項目である)ことを示しているのです。二段階方式の区分で言う末期の段階である、『大ボケ』の段階(前頭葉の機能レベルが異常なレベルに在って、左脳と右脳の機能レベルを判定するMMSEの換算値が、14点以下からは、大ボケの段階に入っていくのです)の前期、MMSEの得点が14点から10点までのお年寄りであれば、「記銘の項目」は、未だ半数以上が出来ることを示しているのです。一定レベル以上の意欲と注意の集中力とが残っていれば、注意の分配力の発揮が僅かにしか出来ないレベルであっても、記銘は出来ることを意味してもいるのです。他方『想起』は、「注意の分配力」の機能の高度な発揮が不可欠となるのです。
即ち、「想起」という項目は、11の下位項目の内で、最初に出来なくなっていく項目なのです(項目困難度が最も高いことを意味する)。MMSEの総得点が28点を切った段階で(マイナスが2点となった段階で)、満点でない人の数の方が既に多くなることを示している、「極めて困難度が高い項目」=極めて高度なレベルでの注意の分配力の機能の発揮が要求される項目)ということなのです。
(2) 「記銘」は、『今から、私が3つの単語を言いますから、言い終わった後で、私が言った通りに行ってください』と教示して「みかん」、「でんしゃ」、「27」の3つの単語を、ゆっくり目に(単語の間に1秒間の間隔を置くくらい)連続して言って聞かせた後、その通りに復唱してもらうものです。ある程度の意欲と注意集中力の発揮が要求される項目です。末期の段階である「大ボケ」になっていても、その前期(かなひろいテストの結果が「前頭葉の機能が、異常なレベルに在る」と判定され、且つ、MMSEの結果が、換算値としての総得点が、14点以下10点以上の場合を言う)であれば、出来る場合の方が多い項目であり、容易な項目に入ります。この段階のお年寄りであれば、「DSM-4」の規定の第二要件が、アルツハイマー型認知症の発病であると診断する上で確認を要求している症状、失語や失認や失行の症状は確認されないレベルなのです。
「想起」は、上述した「3つの単語」を記銘して答えてもらい、『後で言ってもらいますので、覚えておいてください』と教示した後に、いくつかの質問に答えてもらった上で、記銘の5分後に、『ところで、先ほど、後で言ってもらいますので、覚えておいてください』と言い、『3つの言葉を覚えてもらいましたが、覚えていますか?その3つの言葉を言ってください。何だったでしょうか?』と質問するもの。記銘で覚えた3つの単語を、いくつかの他の質問後に(3つの単語を保持して、且つ、他のテーマを実施することに因り、注意の分配力の機能の高度な発揮が要求されることになる為、単に記銘するのでなくて、同定されるところまでいかないと、必要なレベルでの記銘度が確保できないのです。前頭葉の三本柱の機能のうちで最も高度な機能であり、最初に衰えて行く機能でもある「注意の分配力」の機能が異常なレベルに衰えてきているお年寄りの場合は、極めて困難度が高い項目となる)、記銘から5分経過後に尋ねて、どれだけ想い出せるかを見るものです。同定する為に、分析、理解、洞察、推理、シミュレーション、検索という個別実行機能の発揮が要求されるために、一定レベル以上での意欲、注意の集中力の発揮が要求される上に、一定レベル以上での注意の分配力の機能の発揮が要求される為に、11あるMMSEの下位項目の中で、困難度が最も高い項目なのです。
そもそも、『記憶』は、記銘して、保持して、想起するという行程で構成されているものなのです。「記銘」が、困難度が極めて低い項目であるのに対して、『想起』は困難度が極めて高い項目であることを示しているこの脳機能データは、何を意味しているのでしょうか。記銘と想起の項目の困難度の乖離は、『注意の分配力』の機能が関わることが要求されるのか/否かが要因であるということなのです。「記銘」の場合には、一定レベルでの意欲と集中力さえ発揮出来ればいいのに対して、「想起」の場合には、両者に加えて、「注意の分配力」の機能の高度な発揮が要求されるところが異なるのです。注意の分配力の機能の発揮が要求されるか/否かが、両者の項目困難度の差異となって表れてきているのです。前頭葉の三本柱の機能は、「意欲」、「注意の集中力」、「注意の分配力」の順に、機能が高くなっていくのです。「注意の集中力」を分配したものが「注意の分配力」であり、注意の集中力を下支えているのが「意欲」なのです。
アミロイドベータの蓄積による「老人斑」やタウタンパクの沈着による「神経原線維変化」が、情報を連絡する神経細胞の大量死を招くことが、記憶障害を惹き起こす結果として、アルツハイマー型認知症を発病することになると主張するアミロイドベータ仮説やタウタンパク仮説の主張内容が誤りであることを示す「事象事実としての証拠データ」なのです。神経細胞の大量死に因る記憶障害が発病の原因であるとするなら、発病者について、『項目困難度の順番』が存在することを示す『事象事実』を合理的に説明することが出来ないのです。
「想起」は、「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能の発揮が要求される項目なのですが、それらの機能の中でも、特に、『注意の分配力』の機能の高度な発揮が要求される項目であることが重要なのです。詳細を記述すると、想起は、『注意の分配力』の機能(3つ以上の異なる複数のテーマを、同時に並行して処理する上で、不可欠の機能)の発揮により、所謂『実行機能』(分析し、理解し、判断し、企画し、計画し、洞察し、推理し、シミュレーションし、検索し、比較し、選択し、決定し、決断し、抑制する等の機能)の発揮が顕現されることになるのであり、私たち人間だけに備わる特有な機能であり、「前頭葉の三本柱」の機能の内で、最も高度な機能である『注意の分配力』の機能が少しでも異常なレベルに衰えてくると、「想起」(想起するには、分析、理解、洞察、推理、シミュレーション、検索等の機能の活用が不可欠)すること自体が、それだけ困難になることを意味しているのです。
これに対し、「記銘」は、意欲及び注意の集中力の機能と僅かな機能レベルでの注意の分配力の発揮しか要求されないので、11の下位項目中、4番目に容易な項目(中々衰えて行か無くて、ずっと保たれていく機能)であると言うことになります{『MMSE下位項目の項目困難度』のデータは、「大ボケ」の段階のお年寄りにしかMMSEテストを実施しない権威者たち(権威があるとされている機関)には、現在でも猶、未知のものなのです=存在自体を知らない}。
※3『記憶』について言うと、「記銘度」が高い内容は、良く保持され、良く想起されるのです。記銘度を高めるためには、オウム返しのような単純な記銘ではなくて、記憶の対象を同定できるだけの注意の分配力の機能の発揮が要求されることになるのです。『直前に食事をしたことさえも忘れている』という症状は、もともと記銘度自体が低いことを意味するのです(『前頭葉の三本柱』の機能が異常なレベルに機能低下してきた反映により記銘する機能が極めて異常なレベルにまで衰えてきている)。そうした症状は、「大ボケ」の後半になって(脳の後半領域の認知機能テストである「MMSE」の総得点が10点を切った一桁となる段階で)、初めて発現してくる症状(「極めて重度」の症状)であることが分かるのです。
(4) 猶、『アルツハイマー型認知症』研究の専門家とは言え、脳の機能レベルを判定するに際し、MMSE(又は、長谷川式)しか実施しないのですが、これでは脳の後半領域(左脳及び右脳)の機能レベルを判定しているに過ぎず、肝心の意識的な世界における脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』の機能レベルの判定が行われていないのです。これでは、『脳全体の機能レベル』をきちんと判定していることにはならないのです。脳の後半領域の機能レベルだけでなく、同時に、『前頭葉』の機能レベルを判定しているのは、世界中で、私たち「二段階方式」だけなのです。「二段階方式」の手技では、『かなひろいテスト』により、『前頭葉』の機能レベルを精緻に判定することが出来るのです。
※4このブログ(F-05)で例示した『小ボケ』の段階で発現が確認される様々な症状は、「認知症」の症状、『アルツハイマー型認知症』発病患者の本当の意味での初期(最初の段階)に確認されるものばかりなのです。ところが、認知症診断を専門とする医師は、「DSM-Ⅳ」の規定が確認を要求している失語、失認、失行の症状、並びにそれ等よりももっと重い症状だけが、『アルツハイマー型認知症』の症状であると誤解しているのです。その為、「小ボケ」や「中ボケ」の段階の症状が発現してきて、何かがおかしいと感じている同居の家族が、発病した「お年寄り」を伴って診断に訪れても、「発病してはいない=アルツハイマー型認知症の症状は発現していない」と診断してしまうのです。「失語や失認や失行」などよりも軽い段階にそれなりに関心がある医師でも、「物忘れの症状」の程度や頻度だけで構成されたものであり、判定基準と言うには極めて曖昧な内容であり、お粗末に過ぎるMCI(Mild Cognitive Impairment=軽度認知障害)と言った意味不明の基準を持ち出して、「発病の前駆的状態にある」と説明して、発病の予防の為と言い4種の「対症療法薬」(実際の効能としては、症状を治したり、症状の進行を遅らせる治療の効能は有していなくて、症状の発現の程度や仕方をコントロールする効能しか有していない「4種の薬」の内のどれか)を処方するのが、今でもなお、医療現場の診察の実態なのです。
MMSEの下位項目には、上述のように出来なくなっていく順番(落ち方の順番)があります。脳が壊れてもいないのに、「老化が加速される」ことにより働きが衰えていく、「アルツハイマー型認知症」の発病の有無の判定をする上で、この脳機能データの解析結果が不可欠のものとなるのです(テストで出来なかった減点項目を構成する下位項目の内容が、このグラフ通りであれば、それは「アルツハイマー型認知症」の発病を推定させ、減点項目がこの構成とは異なっていれば、「アルツハイマー型認知症」以外の認知症、又は、認知症と紛らわしい病気を推定させることになるのです)。極めて「価値ある指標」なのです。
※5それらのことから、次のような「物差しの存在」が見えてくるのです。例えば、MMSEの総得点が29点の時、何かの項目が出来なくて、マイナス1点となっている訳です。そのマイナス1点を構成している最も可能性の高い「下位項目」は何かを、次のようにして予測することができる訳なのです。それは、最初に落ちる項目(出来なくなる項目)によって1点落としたはずであり、それが何かを考えるのです。それは、「アルツハイマー型認知症」の場合であれば;項目困難度が最も高い「想起」でマイナス1点となったはずです。その結果、MMSEの総得点がマイナス1点の29点となったはずなのです。
この判定を行う時、MMSEの減点内容を構成する下位項目の内容(項目とその組み合わせ)が「一定の法則に従う」ことが、極めて重要なのです。更には、認知症の種類あるいは認知症と紛らわしい病気により、落ちていく順番には一定のパターンが有るので、減点を構成する項目とその組み合わせが何であるか、言い換えれば、『どのような落ち方のパターンを有しているのか』を判定することによって、認知症の種類ならびに認知症と紛らわしい病気の判定および鑑別が可能となるのです(「二段階方式」では、それらの病気の判定について、『個別事例判定マニュアルC』を著作し、詳細に説明し、発病の的確な判定と的確な医療機関への受診に結び付けているのです)。
例えば、「アルツハイマー型認知症」であれば、MMSEの総得点が高い場合は、「減点は項目困難度の高い項目同士の組み合わせによる」ものでなくてはなりません。MMSEの総得点が高いのに、減点を構成する項目が項目困難度の低い項目になっている場合は、「アルツハイマー型認知症」以外の認知症又は病気を疑うことになる訳なのです。二段階方式のテスト結果だけで、被験者に対し、どの種類の医療機関を受診させるのが適切かを、的確に判定できるのです。
例えば、MMSEの総得点が28点と前頭葉を含む脳全体の機能が高いレベルに在る事を示しているのに、減点のマイナス2点を構成している下位項目の内容が、『前頭葉を含む脳全体の機能が相当に低いレベルに在ることを示している「復唱」や「命名」である』時は、「失語症」を疑うことになるのです(失語症の詳細については、「個別事例判定マニュアルC」の第二章P91~に詳述)。
➡ 世の中の権威とされる人たち、学者や研究者達だけでなくて、認知症の診断を専門とする医師達にも、この事実を知っていただきたいのです。「アルツハイマー型認知症」の発病の原因として提示されている『3つの仮説』の主張内容は、誤りなのであり、それらの「仮説」では、『MMSE下位項目の項目困難度』という「事象事実の存在」を合理的に説明できないということなのです。加えて、新型コロナの感染回避策としての『3密の回避』に徹した生活を続けている(脳の使い方としての生活習慣)お年寄り達の間で、専門の学者たちが取り上げ騒いでいる『脳のフレイル』が確認されるお年寄り達の顕著な増加現象について、その症状が、私たち「二段階方式」が例示列挙する「アルツハイマー型認知症」の最初の段階の症状、「小ボケ」の段階で確認される類型的な症状そのものであることに注意していただきたいのです。小ボケの段階を「脳の機能面」から定義すると、左脳と右脳は正常な機能レベルに在って、脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』の機能だけが異常なレベルに在るということなのです。このことは即ち、『実行機能』の発揮度が異常なのであり、実行機能の機能発揮上の二重構造のメカニズムから、意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能が異常なレベルに在ることを意味しているのです。その反映が、小ボケの段階に特有な類型的症状として確認されるということなのです。意識的な世界は、三頭立ての馬車が運航する世界なのです。馬車を牽引する馬(左脳、右脳、運動の脳)が元気一杯でも、肝心の御者(脳全体の司令塔である前頭葉)が居眠りしている状態は、その運航結果(前頭葉を含む脳全体の機能レベルのアウトプット)は、正常ではなくて、異常なもの、即ち、「認知症の発病としての症状」であることを理解すべきなのです。
&2 アルツハイマー型認知症発病患者の『標準的な滞留期間』の存在が示す意味
(1)「アルツハイマー型認知症」の症状について、米国精神医学会が策定した診断規定である「DSM-Ⅳ」の第二要件は、「失語、失認、失行(紛い)の症状が発病の初期症状である」と規定しています。その為、世界中の権威ある専門家と言われる人達【機関】は、未だに、『その規定内容自体が、重大な誤りである』ことに気づいていないのです。疑うこともしないで、そのまま信望しているのです。即ち、彼等は、末期の段階の症状である「大ボケ」の段階で初めて発現が確認される症状(F-04を参照)だけが、「アルツハイマー型認知症」の症状だと信じていて、私たち二段階方式の区分で言う本当の意味での早期の段階、「小ボケ」及び「中ボケ」の段階の症状が存在していることに気づいてもいないのです。
その原因は、「意識的な世界」における脳全体の「司令塔の役割」を担っている「前頭葉」の機能レベルを精緻に評価し、判定出来る「手技」を持たないことが原因でもあるのです。彼等は、「アルツハイマー型認知症」の発病について、「認知機能障害」を重要な条件としていて、問題にしながらも、脳の後半領域、左脳と右脳の機能レベルを判定する(それしか判定できない)認知機能テストであるMMSEテストしか実施していないのです。
(2)「アルツハイマー型認知症」は、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした三段階に区分される症状、二段階方式の区分で言う「小ボケ」、「中ボケ」及び「大ボケ」の段階に特有で類型的な症状が確認できるのが特徴なのです。即ち、「アルツハイマー型認知症」の発病としての症状については、『脳のリハビリ』により回復させることが出来るか否か及びその程度により、三段階に区分されるのですが、そこには以下のような一定の標準期間としての「滞留期間」の存在が確認されるのです。
「小ボケ」 3年間が標準的な滞留期間 (治すことが比較的に可能)
「中ボケ」 2~3年間が標準的な滞留期間(症状の進行の抑制が未だ可能)
猶、末期の段階である「大ボケ」については、標準となる滞留期間自体が存在しないことに注意して下さい。「大ボケ」の段階にまで症状が進行してくると、身体がもつ限り(死を迎える迄)、大ボケの枠の中で、症状が更に重いものになっていくだけなのです。身体が持つケースであれば、最終的には、植物人間状態となるまでに、「前頭葉」を含む脳全体の機能が衰えて行くことになるのです。
世の中には、『家族介護』を美化するような発言や書籍が存在するのですが、実態は、そんなに生易しいものではないのです。『介護離職者』(「親の介護」をする為に、「子が離職」して、自分自身の人生の追求をあきらめてしまうこと)が累計数で100万人を超えてしまっているのが、我が国の現実なのです。
私たち「二段階方式」が、『アルツハイマー型認知症は、廃用性症候群に属する単なる生活習慣病なのであり、早期診断(小ボケ又は中ボケの段階で、発病を見つけること)と早期治療(脳のリハビリを実践すること)により、治せるし、症状の更なる進行を抑制できることに因り「介護の予防」が可能であるし、更には、「発病自体の予防」が可能であること』について、北海道から九州に跨る452の市町村での先駆的な活動、『アルツハイマー型認知症の早期診断による回復、介護の予防及び発病自体の予防を明確な目的とした住民参加型の地域予防活動』の実践指導により、疫学的に実証してきているのです。それにも拘らず、「政府大綱」では、その第一条の規定で、「早期診断による回復と発病自体の予防は、将来の研究テーマである」と明記しているだけで、「介護の予防」しか、実施されていないのが現状なのです。
発病者は増え続けていて、重症化の進行に因り、「介護」が不可欠のお年寄りの数が増え続けていて、単年度ベースでの「介護費用」だけで、既に10兆円を超えているのです。背後にどのような考え方、或いは、反対勢力が存在しているのか分からないのですが、マスコミや、我が国の政策を議論する為の存在であり、国民の血税で養われている「野党」でさえも、このことを問題にしてもいないのです。
(3)ここに提示する『標準的な滞留期間』と個々の実際のケースの実態との間に僅かな期間ながら、差異が存することが認められる場合があります。その差異については、当該被験者の過去の「生活歴」(キッカケを契機に開始されたナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続に関わる具体的な生活習慣の実態)を詳しく聞き取ってみると、確認される差異を埋めるに足る理由(「脳の使い方」としての「生活習慣」の存在)が確認できるのです。それは、プラスの要因(当該段階における滞留期間を長くする要因)の場合とマイナスの要因(当該段階における滞留期間を短くする要因)の場合とが確認できるのであり、その詳細に関わる「脳機能データ」が、次の&3で説明する「生活習慣要因」なのです。
&3「 脳の老化のスピード差」をもたらす『生活習慣要因』の存在が示す意味
60歳を超えた年齢の『高齢者』が、「左脳」が専管する「仕事」とは無縁の日々の暮らし方となる『第二の人生』を送る中で、何事かに挑戦しようとする本人の意欲を喪失させてしまう何等かの「生活状況」の発生が『キッカケ』となり、ナイナイ尽くしの「単調な生活習慣」が始まり、発病してから3年間が『小ボケ』の期間、『中ボケ』の期間が2~3年間続き、発病から5~6年経つと『大ボケ』になる」というのが大原則であり、『判定の標準的な指標』となります。「大ボケ」のレベルになると、正常レベルへの回復を期待することはもはや困難となります。その「大ボケ」のレベルの枠の中で、運動の脳や右脳を刺激する「生活改善」により或る程度の改善がみられることはありますが、「中ボケ」レベルへの改善の見込みさえも、その可能性が極めて低いものになってしまいます。そこまで廃用性の機能低下が進行してしまうと、右脳や運動の脳は、大ボケの枠の中での或る程度の改善が未だ期待できるのですが、肝心の『前頭葉』(前頭前野を言うものとする。以下、同じ)の機能レベルが改善できなくなってしまうのです。 とはいえ、「大ボケ」レベルで、右脳や運動の脳を刺激する「生活改善」を試みることさえもなく、「介護」しているだけでは、症状はさらに重いものになっていきます。同じ「大ボケ」のレベルといっても、その幅は大河の幅のように極めて広いものなのです。
「小ボケ」や「中ボケ」のレベルの間であれば、「脳の使い方」としての「生活習慣」の影響により「前頭葉の三本柱」の機能の出番が増えたり減ったりする中で、前頭葉を含む脳全体の機能レベルの顕著な「改善」(症状の進行が抑制されて、「滞留期間」が長くなる)や「低下」(症状の進行が加速されて「滞留期間」が短くなる)が見られるのです。
言葉によるコミュニケーションが可能なので、『脳リハビリ』(脳の使い方としての生活習慣の改善)の意味を本人が理解できるので、家族の支えと後押しとがあれば、脳リハビリを続けることができるからです。また、ナイナイ尽くしの「単調な生活習慣」が継続されているように見えてはいても、実際の生活実態を詳細に聞き取ってみると、それなりに「プラス要因」の生活が入り込んでいたり、逆に「マイナス要因」の生活が入り込んでいたりするものなのです。上述の基準に適合しないケースは、下図に例示する「プラス要因」と「マイナス要因」の「生活習慣」の質と量とが脳に働いて、「アルツハイマー型認知症」の症状の回復や進行の抑制や重症化の更なる進行に影響を与えているのです。
私たちエイジングライフ研究所が開発した『二段階方式』を活用するときは、定期的に最高次機能の「前頭葉」及び高次機能の「左脳と右脳」の働き具合を神経心理機能テストで測定し、「生活実態」を「30項目問診票」に当てはめて、生活の自立度を判定し、更に、「生活歴」の聞き取りからその期間中の「生活習慣」としての脳の使い方を具体的にチェックします。「二段階方式」では、神経心理機能テストによる脳の働き具合の定期的で総合的な判定結果を、「改善」、「維持」、「低下」の三段階に区分し判定します。そして、対象期間中の「生活習慣」を脳の機能レベルの判定結果と照らし合わせるのです。「改善」、「維持」、「低下」の各々のケースについて、その人の脳を活性化させるような「生活習慣」としての生活実態があったのか、プラス要因やマイナス要因がどのように入り混じっていたのか、或いは、ナイナイ尽くしの「単調な生活」が継続したままだったのか等を詳細にチェックするのです。そうした判定によると、前頭葉を含む脳全体の機能レベルの推移(改善、維持、低下)と対象期間中の脳の働き具合を支える「脳の使い方としての生活習慣」としての生活実態とは、必ず合致していることが確認されることになるのです。
そうした極めて多数の事例の分析とデータの積み重ねから、上記「老化のスピード差」の期間が導き出されているので、この「小ボケ」、「中ボケ」の期間は標準的な指標となるのです。ところで、大ボケの標準的な期間というものは、存在しません。「大ボケ」の段階にまで症状が進行してくると、身体がもつ限り(老衰により及び他の何らかの病気が原因で、死を迎えることになるまで)、「大ボケ」の枠の中で、症状がさらに進行して重くなっていくだけなのです(介護する側の労苦だけが増していく)。この指標となる期間と実際のケースの期間との間に差異があるときは、「プラス要因」(滞留期間を長くする)と「マイナス要因」(滞留期間を短くする)とが複合して働いて、脳の機能レベルの変化に影響を与えているのです。その実態を丁寧に確認する作業がとても重要なのです。こうした多数のデータの積み重ねから、専門家たちから原因も分からないし、治らない病気とされている「アルツハイマー型認知症」を発病する原因は、「加齢」(60歳を超える年齢の高齢者であること)が「基礎要因」であり、『第二の人生』を送る生活の下での「脳の使い方」としてのナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続が「加重要因」であることが分かったのです。
この場合、どのような「生活習慣」が脳の不活性化をもたらすのかについては、標準的なものを類型化して導き出すことはできるのですが、絶対的なものではなくて、あくまで相対的なものだということが留意すべき重要なポイントです。「キッカケ」の発生を個々の本人の「前頭葉」がどのように評価したのかが、「前頭葉」の「三本柱」の意欲、注意の集中力と注意の分配力の働き具合に直接影響するからです。「キッカケ」の発生を契機として『意欲』を喪失し、ナイナイ尽くしの単調な日々が始まり、継続することで生活習慣化することが、前頭葉を含む脳全体の機能について、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくこととなり、そのことが、『アルツハイマー型認知症』の発病に直結していくことになるからです。更に「小ボケ」と「中ボケ」のレベルであれば、日々の「生活習慣」の改善により、正常レベルへの脳機能の回復が可能であることが分かったのです。但し、「大ボケ」のレベルにまで脳の機能が衰えてしまった人達は、「中ボケ」レベルへの機能の回復さえも期待できないことも分かったのです。「前頭葉」を含む脳全体の極めて異常なレベルに低下した機能レベルの問題並びに「前頭葉」及び「左脳」の異常なレベルへの機能低下によりコミュニケーション自体が機能しないので、本人が「脳リハビリ」の意味も目的も理解できなくて、「脳リハビリ」自体が実行できないからなのです。従って、「アルツハイマー型認知症」の場合も、早期発見(小ボケ及び中ボケの段階での発見)と早期治療(「脳のリハビリ」)が極めて重要だということなのです。猶、ここで言う「治療」とは、「前頭葉」の出番が増えて活性化するような脳の使い方としての「生活習慣」の改善のことを言います。現在、殆どの医療機関で行われているような、「重度の記憶障害」の症状並びに「失語、失認又は失行」の症状を基準にして診断する方法では、回復困難な「大ボケ」しか見つけることが出来ないのです。回復可能な「小ボケ」と「中ボケ」の早期段階で発病を見つけて、本人の前頭葉を含む脳全体の機能レベルに見合った「脳のリハビリ」を実施することが、症状を回復させる及び症状の重症化の進行を抑制する『唯一の方法』なのです。
※権威達が語る内容自体が『重大な誤りである』ことが放置されていて、新型コロナに対する感染回避策としての『3密の回避』の徹底が叫ばれ、要求されている社会状況の中で、「第二の人生」を送っている「高齢者達」の間で、実は、「アルツハイマー型認知症」の新規発病者数(小ボケの段階)、症状の重症化の進行者数(小ボケ➡中ボケの前期;中ボケの前期➡中ボケの後期;中ボケの後期➡大ボケの前期;大ボケの前期➡大ボケの後期)が増え続けているのです。⇒ 「脳のフレイル」は、前頭葉の三本柱の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行により、異常なレベルにまで衰えが進行している(=アルツハイマー型認知症の発病者であり、少なくとも、小ボケの段階にある)ことを意味しているのです。
※【脳の老化のスピード差をもたらす「生活習慣」の要因】
以下は、「標準的な滞留期間」との差異を生じさせている『生活習慣の要因』を例示したもの(滞留期間を長くするプラス要因と滞留期間を短くするマイナス要因がある)。➡『アルツハイマー型認知症』は、性質それ自体として治すことが出来ないのではない、医師達が見つけている段階が遅すぎるせいで、治せないだけなのです。「早期診断」と「早期治療」を怠っているせいなのです。
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