認知症の早期診断 介護並びに回復と予防のシステム

アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病なので、発病を予防でき、早期治療により治せるのです

市町村による住民参加型の「地域予防活動」の展開(B-75)    

2017-01-25 | アルツハイマー型認知症の予防を国民的テー

 

 & 仕事とは無縁の「第二の人生」を何十年も生きる意味とは

プロローグ)マスコミ報道によると、今年2017年は、病気の診断や治療法の研究などで人工知能(AI)の活用が加速される年になると予測されています。その大きなテーマの一つが、「アルツハイマー型認知症」の治療及び予防に最適な医薬品の開発や症状の発現及び進行の原因の解明とされているのです。皆さんご存知のように、同様の解析方法によって、「アルツハイマー型認知症」の発病との間の因果関係の立証がないままに、これまで、ココアや赤ワイン、或いは青魚の摂取が発病との間で因果関係が存在するかのような誤った報道が為されてきたのです。AIと言うのは、大量のデータをコンピューターに読み込ませておいて、自動的に特徴を抽出する技術に過ぎないのです。解析の対象となるデータに、従来型の食生活と言う視点での生活習慣の要因、ワインやココアや青魚の飲食しか読み込ませていなくて、肝心の脳の使い方としての「生活習慣」の中身とその実践の程度とが読み込ませてないのであれば、AIは、誤った結果を抽出してしまうことになるのです。「アルツハイマー型認知症」の本質について、脳の使い方としての「生活習慣」に起因した病気、廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行によるものだとする考え方及び「発病の要件」として、『「第一の要件」に60歳を超える年齢の「高齢者」を及び「第二の要件」にナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」、脳の使い方としての単調な「生活習慣」を挙げて主張する人達は、研究者であれ、学者であれ、医師であれ、この日本中だけでなく、世界広しと言えど私たち以外には存在しないのです。言い換えると、何処の医療機関のデータを解析の対象にしようと、脳の使い方としての「生活習慣」を読み込ませることは出来ないのです。強いて可能性として挙げれば、運動くらいの物しか期待できないのです。皆さんもご承知のように、これまでは、飲食と言う「生活習慣」面の項目だけしか読み込ませていなくて、それが為に、実は何の関係もないものなのに、そうした項目があたかも発病との間に「因果関係」があるかのような誤った解析(誤った特徴の抽出)がなされてきただけのことなのです。要は、どのような視点から、どのような項目を解析の対象となるデータとして読み込ませてあるかが最も重要なことなのです。深層学習機能により、人工知能がプロの将棋や囲碁の棋士に勝つようなところまで機能が充実してきたからと言っても、それは過去のプロ棋士による「実戦譜」とその要点を読み込ませてあるが為に強いだけのことであって、AIを活用するということだけで、「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズムが解明されることには直結しないのです。それよりは、私たちが「二段階方式」の「手技」の活用により集積してきた14689例にも及ぶ精緻な「脳機能データ」の解析の方が、正しい発病原因の情報を与えてくれるのです。その「脳機能データ」の解析結果と全国440を超える市町村で展開を指導してきた住民参加型の「地域予防活動」の実践の成果の方が発病のメカニズム及び症状進行のメカニズム更には、発病自体を予防する方法及び症状を回復させる(治す)方法の解明には遥かに役に立つのです。

私たちが発病のメカニズム及び症状が重症化するメカニズムを解明し、発病自体を「予防」したり、本当の意味での早期の段階で見つけて「治す」方法を解明した結果並びにその実践の成果とに基づいて言うと、「アルツハイマー型認知症」の発病についての「第一の要件」は、『第二の人生を送っている60歳を超える年齢の「高齢者」であること』であり(私たちが、「脳機能データ」を解析し発見した「加齢」に起因して起きてくる「前頭葉」機能の正常老化という問題であり)、「第二の要件」は、日々を暮していく上での脳の使い方としての「生活習慣」について、『「前頭葉」の出番がどの程度あるか否か』、言い換えると、『生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない単調な生活、ナイナイ尽くしの「単調な生活」を送っているか否か』、すなわち、『「前頭葉」を含む脳全体の機能の廃用性の加速度的で異常な機能低下に起因した衰えの進行』という項目を「判定の対象項目」に取り入れていない限り、正しい解析結果を得ることは出来ないことなのです。「ビッグ・データ」の解析が即ち正しい判定結果につながるという程に単純なものではないのです。要は、「どのような項目を解析の対象項目に取り入れているのか」が最も大事なことなのですから。その意味で、こうした報道の仕方も、やや雑に過ぎると思うのです。

   

&「アルツハイマー型認知症」のお年寄りに対する「家族介護」の問題

私たちの区分で言う本当の意味での早期の段階、「小ボケ」や「中ボケ」の段階であれば、「家族介護」にも重要な意味があるのです。要求される「脳のリハビリ」の実行自体を家族が支えることが不可欠ではあるのですが、脳の機能レベルに対応した「脳のリハビリ」(脳の使い方としての「生活習慣」の改善)が要求されるだけなので、それ自体はそれほど家族の負担にならないだけでなくて、「脳のリハビリ」の実践を家族が支えることにより、発病者を正常な機能レベルに回復させることができるからです。家族にとっても大きな達成感が得られることになるのです。

これに対して、私たちの区分で言う末期の段階、大ボケ」の段階にあるお年寄りを家族が支えるということは、「脳のリハビリ」による回復の道が閉ざされてしまっていて、「大ボケ」の枠の中での更なる症状の重症化が進んでいくという極めて困難な状況の下で、家族が本人のセルフケアを支えることだけが要求されるという内容となってしまうのです。前頭葉」(「前頭前野」を言うものとする。以下、同じ)を含む脳全体の機能レベルがそこまで衰えてきてしまっていると、「脳のリハビリ」の効果が期待できなくなり(「前頭葉」を含む脳全体の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させてくる中で、「大ボケ」の段階の症状が発現してくるまでに「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルが低下してきてしまっていると、「脳のリハビリ」を実行する目的も意味も理解できないだけでなくて、「脳のリハビリ」の内容を理解できないし、その実行の仕方を理解することも出来ないが為に、「脳のリハビリ」の実行自体が不可能となってしまうのです)、そこには「介護」しか残されていないということなのです。

  

& 関心を寄せて、問題意識を持っていただきたいのです

 前回(2017.01.01)のブログで、色々な種類が数ある認知症の内の大多数、90%以上を占めているのが「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症であること並びに「アルツハイマー型認知症」の本質は廃用症候群に属する「生活習慣病」(但し、此処で言う「生活習慣」とは、食生活ではなくて、脳の使い方としての生活習慣」であることに留意する)であって、発病自体を予防することが出来るし、早期の段階で見つければ治すことが出来るものであることを明確にしました。そこで今回は、住民参加型の地域予防活動」の必要性と重要性について問題提起したいと考えるのです。何しろ、「アルツハイマー型認知症」の発病の診断投薬及び末期の段階にまで症状が進行した発病者の介護の為の総費用が、2015年度の実績ベースで15兆円を超えるという天文学的な規模に達していて、この先その額は、更に増大の一途を辿るものと予測されている重大問題だからなのです。

発病自体を「予防」し並びに早期の段階で見つけて「治す」しかこの問題の解決方法は有り得ないのです。これまでにもこのブログで詳細な根拠を提示して、指摘し問題提起してきたように、発病のメカニズム及び症状が重症化していくメカニズムから言って、発病自体を予防したり、症状を治したり、症状の進行を抑制したりする効能を有する「薬」が開発されることは、未来永劫有り得ないことだからなのです。『「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症は、発病の原因が不明であって、治すことが出来ないし、発病を予防する方法が見つからない』とか言って、この問題をむしろ奇禍として、売り上げの獲得だけに腐心しているのが医療機関なのです。発病自体を予防し、早期の段階で見つけて治すという命題に真摯に向き合うことが出来るのは、市町村の保健師さん達だけなのです。その保健師さん達の活動を後押しし、住民参加型の「地域予防活動」の展開を拡大していくには、皆さん個人の理解と参画とが必要不可欠となるのです。

   

 &「アルツハイマー型認知症」の正体が廃用性「生活習慣病」であるということについては、二つの重要な側面があるのです。

第一の側面は、「アルツハイマー型認知症」を、回復させることが可能な本当の意味での早期の段階、私たちの区分で言う「軽度認知症」(小ボケ)及び「中等度認知症」(中ボケ)の段階で見つけるには、私たちが開発した「二段階方式」のような使い勝手が良くて且つ精緻な診断ができる「神経心理機能」テストの使用が不可欠となるということなのです。然も、「神経心理機能」テストによる「前頭葉」を含む脳全体の「機能レベル」の判定と廃用性の機能低下の基礎となる過去数年間の脳の使い方としての生活習慣(「生活歴」)の聞き取り並びに「生活歴」の聞き取りに基づく脳を活性化させるための「生活習慣」の改善指導がと回復と予防の方法になるので、投薬や手術といった「医行為」が必要とならないのです。ついでのことに付記しておくと、医療機関が活用したがるCT(コンピュータ断層撮影装置)やMRI(磁気共鳴画像装置)やPET(陽電子放射断層撮影装置)やSPECT(単光子放射断層撮影装置)等の診療費が極めて高額な機器の使用並びに機器の使用に付加的に良く活用している「長谷川式」(脳の後半領域「左脳と右脳」の働き具合の判定)の使用では、肝心の「前頭葉」の機能レベルの判定には全くのこと役に立たないのです。「前頭葉」の機能レベルを精緻なレベルで判定できないのでは、回復させることが可能な本当の意味での早期の段階で(私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階)「アルツハイマー型認知症」を見つけることは出来ないということなのです。

「第二の側面」は、発病の有無及び症状の程度を「診断(判定)する方法」が、肝心の判定自体には何の役にも立たず無用の長物に過ぎないCTやMRIやPETやSPECT 等の保険点数が高くて高額な治療費を稼げるだけの機器は不必要であり、逆に、「二段階方式」のような保険点数が極端に低いが精緻な判定が可能である「神経心理機能」テストの使用が不可欠となるので、医療機関にとっては事業としてペイしないということが重要なポイントなのです。その上、症状の進行を抑制したり、或いは回復や予防に効く「」はそもそも存在し得ないものなのであり、医療現場で現在行われている「投薬」は、「無用の長物」として不必要となるからなのです。

         

コーヒー・ブレイク)認知症が専門の医師達から「原因不明で治らない」とされている「アルツハイマー型認知症」からの回復は、本人にとっては勿論のこと、家族にとっても極めて大きな意味があります。

私たちの区分で言う「大ボケ」の段階の症状、末期の段階の症状が発現してきていないと「アルツハイマー型認知症」の発病とは診断しない医師達が言う早期の段階と言うのは、「大ボケ」の段階の前半の症状が発現している段階、MMSEの換算後の得点で言うと、14点から10点までの段階を捉えて言っているので、「脳のリハビリ」により回復させることが可能な本当の意味での早期の段階のことを言っている訳ではないのです。ところが、回復させることが可能な本当の意味での早期の段階(私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階)を見つけるには、「二段階方式」のような精緻な「神経心理機能」テストの使用が不可欠となるのです。「前頭葉」の機能レベル、就中、私たちが「前頭葉」の三本柱の機能と名付けている、「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能についての精緻な判定が不可欠となるからです。CTやMRIでは、形しか計測できないので、早期の段階を見つけることはできません。たとえ「f-MRI」や「PET」や「SPECT]を使用しても、「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能についての精緻な判定は困難なことなのです。

「アルツハイマー型認知症」の本質は、脳の使い方としての「生活習慣病」であり、「前頭葉」を含む脳全体の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくものなので、見つけられないで放置されたままでいると重症化が進み、末期段階の「重度認知症」(大ボケ)になります。診断に際して高額な費用が掛かるCTやMRIやPETやSPECTを使っても、末期の段階である「重度認知症」の段階で見つけていたのでは、せっかく見つけても手遅れ、回復させることは困難なのです。「重度認知症」の段階で見つけていたのでは、「大ボケ」の枠組みの中での「更なる重症化」が進行していくだけという介護の生活の継続とその負担の中で、診断費用や介護の負担だけでなく介護費用も大変となり、周りの家族だけでなくて、自治体や国にとっても、介護保険制度の財政面からもこの先不可避的に重大な政策問題となってくるのです。天文学的な規模で増大の一途を辿っている現状に鑑み及びこの先の更なる増大という問題に鑑み介護保険の料率を野放しに増やしていくことは政権を担当する与党にとっても極めて困難な問題となってくるのです。

     

〇 医療現場の実態

テレビがいろいろな種類のものを取り上げるので認知症にも種類がたくさんあることは、皆さんもご存じだと思います。その種類が数ある認知症の中で、「アルツハイマー型認知症」が認知症全体の90%以上を占めているのです。高齢化の更なる進行が予測される中で、このまま放置していたのでは、「アルツハイマー型認知症」を発病するお年寄り達の数も増え続けることが予測されているのです。その「アルツハイマー型認知症」こそ、保健師さんにとって、「保健及び予防活動」の最も重要な対象となる「テーマ」だということなのではないでしょうか。発病自体を「予防」することが出来るし、更には「治す」ことも出来るのが「アルツハイマー型認知症」の特徴であって、発病自体を「予防」し及び症状を「治す」為には、「前頭葉」の出番が出来るだけ多い「生活習慣」の構築と実践、言い換えると、「脳の健康」と言う視点からの保健指導活動が唯一の方法となるものなのです。然もこうした活動には、「医行為」という問題は、全く関係してこないのです。

一方で医療の現場では、「前頭葉」を含む脳全体の機能を、「脳のリハビリ」により正常なレベルに回復させることが可能な本当の意味での早期の段階(私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階のこと)で見つけるには何の役にも立たない、CTやMRIやPET等の機器(医療機関側から見れば、保険点数が高いので高額の診療費を稼げる)を使用して、回復させることが困難となる末期の段階である「大ボケ」の段階で見つけて、その前半を初期とし、後半を後期と位置付けているのですが、「前半であれ後半であれ、もはや治すことは「困難」であり見つけるのが遅すぎる)、おまけに、効きもしない「」を何種類か処方してみるというだけの診断がまかり通っているのです。それらの薬は症状を治す効能を有しているのではなくて、「発揚」させたり、或いは「抑制」させたりと言った対症療法的な効能しか有しないのです。それを症状の進行を抑制する効果があると誤解していて、有用な「治療方法」と信じている医師が多いのにも驚かされるのです。

売上高を稼ぐことを至上命題とする医療機関は、必要な規模での売上高を稼ぐことが出来ない「アルツハイマー型認知症の「予防」にも、或いは、本当の意味での早期の段階で見つけて「治す」ことにも、何の興味も関心も持てないでいるのです。

   

アルツハイマー型認知症」は、回復可能な早期の段階(「小ボケ」及び「中ボケ」)の診断(判定)にはCTもMRIもPETも不必要(無意味)なのです。本当の意味での早期の段階で見つけることが出来れば、「脳のリハビリ」により正常な機能レベルへの回復が可能である上に、その為の治療には薬が不必要なのです(「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを正常なレベルに回復させることが出来る、治療の効能を有する「薬」は、世界のどこを探してみても未だに開発されていませんし、未来永劫あり得ないことなのです)。診断している医療機関も、薬を開発している製薬会社も、「前頭葉」の働きについての知識と理解が浅すぎるというしかないのです。認知症の専門家、就中「アルツハイマー型認知症」の専門家とされる人達が、「DSM-4」の規定の重大な誤りに早く気付くべきなのです。加えて、アミロイド・ベータ説やタウ蛋白説の主張内容の重大な誤りに早く気付くべきなのです。そのことによって、「アルツハイマー型認知症」の本質が、廃用症候群に属する単なる生活習慣病に過ぎないことが確認され、理解された時、世の中は、「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復及び発病自体の予防を明確な目的とし且つ、それに特化した活動として、住民参加型の「地域予防活動」を国策として我が国の隅々にまで展開して欲しいと考えるようになるはずなのです

将来的に「アルツハイマー型認知症」を発病して、介護が必要となった時に備えて、自分の消費行動自体を抑制して、貯蓄に励んでいるお年寄り達が、家の外に出て行って、幅広く交遊の輪を広げて、趣味や遊びや人付き合いや運動、或いは、地域興し等の活動に積極的に参加するようになれば、更には交遊の為に、或いは「第二の人生」をもっと楽しむ為に浴室やキッチンやリビング等の一部をリフォームするようになれば、地域経済自体も活性化してくることになるのです。

    

& 住民参加型の「地域予防活動」の展開により介護費用の大幅な削減が可能に

2015年度ベースで15兆円を超える規模にまで膨れ上がっている介護関連の費用(診断、投薬及び介護の為の費用。以下、介護関連総費用と言う)の一部を取り崩す形でこの「地域予防活動」に振り向けていけば、僅か数年が経過する内に増大の一歩を辿るものと予測されている「介護関連総費用」が急速に減額していく明確な成果を生むこととなり、その減額分を子育て支援などのわが国に必要不可欠の重要な政策の実施に振り向けていくことが出来るようにもなるのです。

 私達が蓄積してきた「アルツハイマー型認知症」を発病した人達の多数のデータを解析すると、正常下限から「小ボケ」へ、「小ボケ」から「中ボケ」へ、「中ボケ」から「大ボケ」へと症状が進んでいくにつれて、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」の働きが加速度的に衰えていくことが分かるのです。発病の前後を通じて、「前頭葉」を含む脳全体の機能が廃用性(日常の生活面で、使われる機会が極端に少ないことによる機能の低下)の加速度的で異常な機能低下を進行させていくことが分かるのです。そして、医師達が「アルツハイマー型認知症」の発病と診断している症状とは、末期の段階の症状、「前頭葉」を含む脳全体の「機能レベル」自体の衰えを直接的に反映したアウト・プットとしての「大ボケ」のレベルの症状が発現してきているだけのものなのです(「大ボケ」の段階の更に後半にならないと発現が確認されない症状、「DSM-4」の規定が「第二の要件」として確認を要求している「失語や失認や失行」の症状が発現してくるようになると、「前頭葉」は殆ど機能していないことが分かるのです)。

   

&「アルツハイマー型認知症」に効く薬など存在し得ないのです

 医療の現場では、「アルツハイマー型認知症」の症状の進行を和らげ、或いは抑制する効能を有するとした薬が処方されているのですが、そもそも、「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズム及び症状重症化のメカニズムに鑑みて言えば、症状の進行を和らげるものであれ、症状を治すものであれ、そもそも「アルツハイマー型認知症」に効く薬など未来永劫存在し得ないことなのです薬の効能とは全く別の要因の存在、症状の進行を和らげ、抑制し、或いは症状を回復させる働きを有する要因である脳の使い方としての「生活習慣」、廃用性の機能低下で衰えてきた「前頭葉」の三本柱の機能である、意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能の回復に作用する脳の使い方としての「生活習慣」という要因について無知であるが為に、当該の薬を製造している製薬会社による「因果関係の評価自体がずさんなだけなのです。そのことについては、私たちが集積してきた「脳機能データ」が明確に証明していることなのです(ここを「クリック」してください)。

 自分が置かれている状況を判断し、その状況判断に沿った「テーマ」を発想し、「テーマ」に沿った実行を企画、計画し、その実行の内容を組み立て、記憶の倉庫に内蔵している判断基準に基づいて最終的な実行内容を選択して、決定する働きをしている、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」の働きが、「薬を飲む」(薬を貼る)だけで機能回復することなどありえないことなのです。「前頭葉」は、左脳、右脳、運動の脳の三頭立ての馬車の「御者」なのです。「脳の機能」を回復させるには「前頭葉」の機能を回復させることが不可欠になるのです。「前頭葉」の機能を回復させるには、しっかり「使う」ことしか方法はないのです。発病者本人にとって「前頭葉」の出番が出来るだけ多い生活の仕方を組み立て実行するしか他に方法は無いのです。薬が効くような代物ではないのです。

「本当の意味での早期の段階の判定及び早期段階からの回復や発病の予防」のために不可欠である「神経心理機能」テストの使用及び脳を活性化する為の「生活習慣」の改善のための指導は、事業として必要となるだけの「収益」をあげることが期待できないのです。医療機関といえども事業体ですので、必要な規模での収益が上がらない事業を継続的に実施していくことはできないのです。従って、「収益はあげられなくても、費用が減るメリットがある」ことで事業として継続して展開できる自治体や国でしか、対応が期待できないということになるのです。

       

「アルツハイマー型認知症」には、他の種類のどの認知症とも異なる、明確で且つ重要な特徴があります。皆さんお気づきでしょうか。

それは何かというと、発病する対象者が、60歳を超える年齢の「高齢者」に限られているということなのです。若い年齢では発病しないということなのです。アミロイドベータの蓄積による老人斑の生成とか(アミロイドベータ仮説)、タウ蛋白の蓄積による神経原線維変化とか(タウ蛋白仮説)が発病の原因であるとしたら、この実態をどのように説明することが出来ると言うのでしょうか。

 私たちは、「脳機能データ」の解析結果から、このことを明確に説明できているのです。私たちが集積してきた14689例にも及ぶ精緻な「脳機能データ」によると、私たちの意識的な世界を構築し、支配し、コントロールしている「前頭葉」の機能、就中、「前頭葉」の三本柱の機能と私たちが名付けている意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能には、生来的な性質として、日々の脳の使い方としての「生活習慣」の内容の如何に拘わらず誰でも、「加齢」によりその働き具合が衰えていくという性質があるのです。その衰え方のカーブはと言うと、20歳代の前半が機能レベルが最高であって、以降は100歳に向かって緩やかに直線的なカーブを描いていきながら衰えていくという性質があるのです。特に、第二の人生が始まったばかりの65歳時で言うと、全盛期の半分くらいの機能レベルにまで衰えてきているのです。更に、「アルツハイマー型認知症」の年代別の発症率で言うと、60歳代ではその12%、70歳代ではその30%、80歳代ではその50%、90歳代ではその75%、100歳代ともなるとその97%もの人が、アルツハイマー型認知症を発病しているという実態があるのです(但し、 ここに示した数値は、「小ボケ」、「中ボケ」及び「大ボケ」の全てを含んだ数値であることに注意する。厚労省が発表している数値は、「小ボケ」及び「中ボケ」の段階のお年寄りの数値は含まれていなくて、末期の段階の「大ボケ」の段階のお年寄りだけの数値であることに留意する)。「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症は、誰でもが80歳や90歳まで生きるようになった「超高齢化社会」に特有の社会現象であり、産物なのです。

日本は世界に先駆けて「超高齢社会」に突入しています。この先、高齢化が更に進んでいく中で、医療機関も国も市町村も、何もしないでこのまま手をこまねいて放置していると、高齢者の大半は、「身体が持ちながら、脳が持たない」結果として、行き着くところは「アルツハイマー型認知症を発病したお年寄り」の更なる増加という、悲惨な将来像が、はっきりと見えてきているのです。厚生労働省が発表している認知症のお年寄りの数460万人というのは、末期段階の「重度認知症」(大ボケ)のお年寄りだけの数なのです。「重度の記憶障害」という誤った医療指針の為に見逃されている回復可能な「小ボケ」と「中ボケ」とを合わせた数は、「大ボケ」の3倍にもなるのです。然も、「大ボケ」の3倍の数にもなる「小ボケ」と「中ボケ」の段階の人達は、ナイナイ尽くしの「単調な生活」を見直して、脳を活性化する「生活習慣」を日常生活に取り込身、構築し、実践することにより、正常なレベルに「回復」させることが出来るのです。財政面は国の負担とし、活動面は市町村を主体として、「アルツハイマー型認知症」の予防並びに早期段階の発見と回復を実践して、「小ボケ」と「中ボケ」になるお年寄り自体の数を減らし、更には「重度認知症」に重症化していくお年寄り達の数を減らす「政策」を継続的に実行するのです。そのうえで、「重度認知症」のお年寄り達に対する「介護保険」の適用を手厚くすることが重要だと思うのです。そうすれば、「認人介護」とか「介護離職」とかの悲惨な社会現象は消えていき、過去の時代のものとなるのです。

         

& 「アルツハイマー型認知症」の発病自体の予防と早期診断による回復の為の活動を担う中核となる人は、医師ではなくて保健師さんなのです

〇 発病の予防及び早期の段階で見つけて治す方法は、「前頭葉」を活性化する「生活習慣」の改善指導と「脳のリハビリ」指導が唯一無二の方法となるが為に、発病の診断に際してはCTやMRIやPETと言った保険点数が高くて極めて高額な治療費を稼げる機器は不必要となり、謳い文句とは違って症状の進行を抑制する効能を有していない投薬も不必要となるので、売り上げの確保にしか興味が持てない医療機関は、そうした活動には何等の関心を持つことが出来ないのです。「アルツハイマー型認知症」の発病の「予防」と早期診断による「回復」という、超高齢化社会で最も重要となる「テーマ」の遂行には、「医行為」は全く関係なくて、医師ではなく「保健師さん」がその「主役」となって活動することになるのです。

このブログで詳細に説明してきたように、「アルツハイマー型認知症は、原因も分からないし治らない病気」という考えは、誤りなのです。「重度の記憶障害」という誤った医療指針に基づいて、末期段階の「重度認知症」(大ボケ)のお年寄りばかりを見つけて診断してきた精神科医の誤解が原因なのです。

 これまでのブログで詳細にメカニズムを説明し、開示した根拠となるデータからも分かるように、「アルツハイマー型認知症」は廃用性の「生活習慣病」なのです。早期段階(「小ボケ」及び「中ボケ」)で見つけて、ナイナイ尽くしの「単調な生活」を見直し、脳を活性化する「生活習慣」を日常生活に取り込むことにより、正常レベルに「回復」させることが出来るし、「予防」することもできるのです。「高齢者」を抱える個々の市町村が実施の主体となり、行政活動の中の重要なテーマとして「アルツハイマー型認知症」の予防活動を位置づけ、住民参加型の「地域予防活動」について、「継続性」を持って取り組むことが重要となるのです

「アルツハイマー型認知症」の「地域予防活動」に取り組む専門の保健婦さんを配置して、地域のいろいろな組織やボランティアを取り込み、継続的な自主活動として、出来るだけ小さな「地域単位」で密度の濃い予防活動に取り組むことにより、何等の対策も為されないままに放置されてきて既に天文学的な規模となってしまっている「介護関連の総費用」を劇的に削減させることが期待できるのです。「アルツハイマー型認知症」の発病の予防や早期の段階で見つけて治すことには無関心で、その診断に際しては、保険点数が高いだけで早期の段階の判定には向いていないCTやらMRIやらPETと言った機器を動員して、おまけに回復させることが困難となる末期の段階である「大ボケ」の段階で見つけて、更には、効きもしない薬を何種類か処方しているというのが医療現場の実態なのです。そうした売上高第一主義の医療機関に対策を委ねたままにしていたのでは、「介護関連の費用」はどこまでも増大していくだけのことなのです。医療機関や製薬会社にとっては、『アルツハイマー型認知症は、原因が分からないし、治すことも予防することも出来ないタイプの認知症である』という「錦の御旗」を掲げて居さえすれば、そのことが、極めて大きな、天文学的な規模での売上高の維持と増大につながっているという訳なのです。現状はと言うと、医師としてのプライドや使命感は、何処かに、置き忘れてしまっているとしか言いようがない状態に在るのです。

         

アルツハイマー型認知症」を予防する為の「生活習慣」の確立を目的とした生活改善の指導は、脳を生き生きと使う「生活習慣」を個々人が日常生活に取り込み、実践することが核になります。それは、生き甲斐なく、趣味なく交遊なく、運動もせず、目標となるものもない、ナイナイ尽くしの「単調な生活」と裏返しの生活が「指標」になります。

前頭葉」に十分な情報が上がっていき、「前頭葉」の機能がフルに働くような「生活習慣」、特に、趣味や遊びや人付き合いの場面での働きを司る「右脳を中心とした生き方」を指標として、脳イキイキ教室で体験させ、日々の生活に自分なりの「前頭葉が活性化する生活習慣」を構築させ、実践させるように指導することが重要となります。これまでは、「身体の健康」というテーマについて大きな役割を果たしてきた保健師さんたちは、これからは、「脳の健康」という大きなテーマについて極めて重要な役割を果たすことが期待されているのです。

介護保険で期待されている、従来型の「身体介護サービス」提供の担い手ではなくて、「生き甲斐創造の手助け」となる新しいタイプのサービスを提供する担い手になっていただきたいと切に願うのです。

注)本著作物(Bー75に記載され表現された内容)に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。   

   エイジングライフ研究所のHP左の部分を「クリック」してください)

   脳機能から見た認知症(具体例をベースとしたもう一つのブログです)

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