座面左から
ミズナラ、オニグルミ、ホウ
脚は旋盤にて紡錘形に加工後、銑による削り出し仕上げ
真ん中はオニグルミ材、両脇はタモ材
ミズナラは丸い大きいドングリがなり、熊が冬眠するために大事な秋の実りです。
秋になると木登り上手なツキノワグマが登り、枝を折り、引き寄せながら食べるため、折れた枝に付いていた葉は落葉せずそのまま樹上高く冬を越し、春今の時期まで目立ちます。
これを熊棚(くまだな)といい森を散策する時に興味深く見ることができます。
工房周りにもミズナラ、コナラの木が自生していて、大抵熊棚のあるナラの木には根元から熊が登った爪跡も観察できます。
鋭い爪痕はぞっとします。
材料としてはとても硬く、刃物で仕上げた跡は艶つやです。
放射状組織という、年輪と直行した組織を持ち、キラキラと輝くように光りとてもきれいです。
本柾目(完全に柾目、年輪に直行した製材)では放射状組織が虎の模様のように出て虎斑と呼ばれ素晴らしい杢目のひとつです。
木工を習い、初めて作ったロッキングチェアはミズナラでした。乾いた材を削っている時の匂いはおいしそうで大好きな香りです。
ナラの木を加工しているといつもその頃のことが思い出されます。
32年前かぁ、楽しかったなぁ。
今も楽しいけど。