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木曽の伝説 第五集 (王滝編)
「浦島の釜」
野口集落の氷が淵に、「浦島の釜」と呼ばれているところがあります。
この集落は他と比べて小さな集落だったので、祝い事や葬式というように、人の集まることはめったにありませんでした。ですから、急に人の集まりがあると、「器」が足りなくて、大変困りました。
そこで村人は器を貸してくれるという「浦島の釜」へ行き、そして紙に貸してほしい器の数をかいてそこへ置くと、真っすぐうちに帰りました。
あくる日、半信半疑でもう一度そこへ行ってみると、きれいな器がきちんとそろえて置かれていました。おかげで村人達は、とても助かっていました。そして、使った後に器を返すことを、誰ひとりとして忘れたことがありませんでした。
ある日、この集落で結婚式が行なわれることになり、いつものように「浦島の釜」から器を借りました。ところが、返す時になって、村人の一人が器のふたが一つなくなっていることに気が付きました。。一生懸命探しましたが、結局見つかりませんでした。しかたがないので、そのまま返すことにしました。
このことがあってからは、どんなにお願いしても、決して器を貸してくれる事が無かったということです。
昔からの伝説には、今の人への教訓が織り込まれていますね!