ジンと呼ばれるお酒があることは、子供のころから知っていました。茶箪笥のガラス戸の奥には、ブランデーやウイスキーの横に透明な液体が入ったジンなるものがありました。洋酒瓶を並べておくのがハイカラだった時代なのでしょうか。今だから白状しますが、コーヒーにブランデーやウイスキーをキャップ一杯ほど入れて飲むと、胸の辺りが温かくなっておいしいということを小学生のころから知っていました。祖母から教わったのです。こうして考えると、私はビールや日本酒よりもずっと先に、しかも未成年も未成年、子供のころから洋酒を味わっていたことになります。だからロクな人間にならなかったとも思う。いや、それより前に、梅酒は頭がふぁーとなって心地よいものだと知っていたはずなので、チャイルドドリンカーだったわけですね。
そんな私ですが、茶箪笥のジンの味見をした記憶がありません。スピリッツと呼ばれる、カクテルとかいうものの材料に使うものだと教わったから、単独では味わわないものだと思っていたのでしょうか。ジンライムとかジンフィズとか、言葉は知っているけれど飲んだことがなかった。カクテルなんて女性が飲むもんでしょうくらいに思っていました。我が子が読みだしたコミックでは、黒の組織が登場し、そのうちの一人がジンというニックネームだったとか…
名前だけは知っているけれど、飲んだことがなかったジンを先日買ってみました。理由は、いただきものの柚子がしなびていくのがかわいそうで、使いみちはないかと思ったことでした。カクテルベースに使うのなら、柚子の果汁を絞っても飲めるのではないだろうかと考えたのでした。
ウヰルキンソン。炭酸屋さんとして記憶していますが、さらにこの商品には製造がニッカウヰスキー、販売がアサヒビールという、三階建て?商品でした。して、その味は。すっきりしてうまいではないか。薬くさいのではないかとかアルコール臭さがつよいのではないかと勝手な想像をしていましたが、ロックでも水割りでもおいしく、香りもすっきり爽やか。値段も手ごろ。ただし、難解なのは裏のラベルの説明書き。
「ウヰルキンソン・ジン」は、ニッカウヰスキーが長年培ってきたスピリッツ製造の技が息づくジンです。10種類以上のボタニカルを使用し、シトラスのニュアンスを際立たせることで、爽やかな甘さとビター感のある味わいを両立させました。ハーブが重なり広がる香り、なめらかな飲み心地、軽やかですっきりとした後味が特徴です。そのまま飲んでもおいしく、いろいろな割材との相性も楽しめます。
シトラスって何?なんのことはない、ミカン属のこと。イコールではないにせよ大雑把にいえば柑橘類。ボタニカルって何?「植物由来の」という意味。もっと簡単に書けばいいのにね。
続いて買ったのはバートンというアメリカで製造されたジン。価格もウヰルキンソン・ジンとほぼと同じくらい。こちらはウヰルキンソン・ジンよりも香りが地味です。カクテルベースとしてはこちらにほうがいいのでしょうか。
調べてみると、今やジンは日本の蒸留酒輸出額でウイスキーに次ぐ2番目におり、焼酎より額が多いそうですね(食品産業新聞社ニュースWEB)。輸出の一番のお得意国はジンの発祥地オランダだというから驚きです。日本でもジンは売り上げがどんどん伸びているそうです。
そして3本目を買うことになりました。今度のはイギリス製だそうで、ギルビーという一本。これまでの2本は量販店でかったのですが、今回はスーパーで売っていたものを買いました。いえ、3本とも1000円を切るようなリーズナブルなものです。そのギルビー。私の感覚では3本の中で一番ドライ感が強い。ヘビーな印象です。
リーズナブルな3本ですがどれもすっきり酔えます。
しばらくは、ジンを楽しんでみようと思います。
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