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- 日本最速高速リフト導入
奥伊吹スキー場の今シーズンの最大の話題は、栃の木ゲレンデに高速リフトを導入したことでしょう。私がこのスキー場に最初に来たころは、長さの違うシングルリフトが2本架かっていたように記憶します。長いほうは今のクワッドリフトの降り場より上部まで運んでくれていました。
それがローディングカーペットつきのクワッドになったのはいつのことでしょう。10年ほど前のことでしょうか。そして今シーズン、5億5000万円をかけて高速リフトに衣替えをしました。客の立場でいえば、昨シーズンまで6分かかっていた乗車時間が2分40秒に短縮されるわけです。関西エリアで高速クワッドを導入しているのは6スキー場しかないそうです。関西エリアで21年ぶり、7番目の導入。高価ですからどこでも簡単に、「ほなら、うちのゲレンデにも…」というわけにはいかないのです。
自動循環式(ゲレンデでは一般にデタッチャブルとか、高速リフトとか呼ばれる)リフトは時速18km(=秒速5m)、固定循環式は時速8km(=秒速2.2m)以下と決められています。ところが、大枚をはたいて架けた自動循環式リフトはたくさんの客を運ぶのかといえば、そうでもありません。自動循環式クワッドだろうが、以前から奥伊吹スキー場にあった固定式クワッドだろうが、理論上1時間あたりに運べる人員は2400人で同じです。搬器の速度に関係なく、6秒毎に4人が運ばれてくるものとすれば、1分当たり40人、1時間当たり2400人です。じゃ、3秒毎に搬器がやってくれば1時間当たり4800人になるではないかということになりますが、そんな危険なことはできません。かくして、クワッドは2400人という固定された輸送人数になるわけです。では、このスキー場は輸送能力が変わらないのに何億円もかけて、クワッドリフトの高速化をしたのかというと、それもまた違うらしい。リフトに乗っていると時折、乗り場や降り場のアクシデントでリフトが止まったり速度が落ちたりします。その分輸送能力が落ちます。固定式は乗降時も秒速2.2mですが、自動循環式の場合輸送時は秒速5m、乗降時は秒速1mです。乗降時にゆっくり動いている分アクシデントは少ないと考えられます。しかし、それだけのために高速化か?と思いますよね。大切なのはスキー場のイメージです。『タビリス』は、この導入により、「ワンランク上のスキー場にイメージアップする」と記しています。
スキー場のサイトによれば、「これまでの『2.5倍』になって、乗車時間は6分から約2分半に短縮されます。」というわけです。2分40秒を約2分半と、少しだけ「盛り」の表現。 さらに、リフトの速度は決められていますから、「日本最速高速リフト」には違いありませんが、奥伊吹が飛びぬけて速いというわけではありません。
(つづく)
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