特選黒松剣菱 1.8ｌｉｔｒｅ

  このwebの時代に、自社のサイトを持っていない醸造所があります。灘は御影の剣菱酒造株式会社です。そういえば、「ケンビシ」という名前はよく知っているのに、コマーシャルの類にお目にかかった記憶がない。「はくつーる」とか、「はじめての町で～」なんてフレーズは子どもの頃から染み付いているのに、「ケンビシ」は記憶にありません。どうやら、剣菱ブランド500年、広告ということにはあまり興味のない会社のようです。
  特選黒松剣菱というお酒をいただきました。ですからどれくらいの値段なのかも知りません。
  1本を飲み終えた今、コメントを書こうと思うのですが、飲み物や食べ物の特徴を言葉で表現することって難しいですね。タレントが旅先やスタジオで食べ物のコメントをするたびに、もうちょっとマシなコメントの仕様はないのかと腹立たしく思うことしばしですが、自分でやってみようと思うと、飲み物食べ物への知識のなさと言葉を知らないことで、 うなる意外になすすべがありません。
  そこで、ラベルの文言を写してみます。

黒松剣菱は熟成貯蔵したお酒です。本来の風味をお楽しみいただくために冷暗所にて保管の上、できるだけお早めにお飲みください。
酒質 濃醇旨口

  なんとも、素っ気ない。「こんな厳選した材料をこんな設備で作って、こんなふうにうまい。」とか、普通書きませんか。
  飲んだ印象は、しっかり骨のある味、そして、日本酒の味、香りの後にもう一段、なにかが控えている、そういう奥の深さが感じられるということです。言葉少なで愛想はないけれど、しっかり期待に応えてくれる頼もしさという感じです。美味です。美味い酒を造れば広告なんてしなくても、客は買ってくれるということだったのかもしれません。ここまで読んでくださった方には申し訳ありませんが、そんなコメントしかできません。
  どうでもいいことですが、IMEに「剣菱」という単語がありました。webに自社サイトもないのに、Microsoftが認めた剣菱。聞くところによりますと、広辞苑に唯一載っている日本酒の銘柄だそうです。