久しぶりのPiTaPaで歩くシリーズ。旅の始まりは住之江区。地下鉄の住之江公園駅で下りて、午後の日差しを受けながらニュートラム沿いに西へ一駅歩きます。住之江競艇場の南側ですから、ボートファンがたくさん。歩くにつれ工場が増えてきます。平林駅前と書かれた交差点で北向きに進路を取り、あとはひたすら一本道を歩きます。この辺りは木材関係の工場が多いようで、また、北海道の木材を扱っているという看板をいくつか見かけました。大きな船ではるばる材木が運ばれていたんでしょう。
今日は正月の4日。ほとんどの工場もまだ営業に入っていないらしく、また工場地帯ゆえ人家もまず見えません。人の気配がしない道を一人とぼとぼ歩きます。およそ1km.弱でしょうか、道はどん詰まりになって、そこが木津川渡船場です。この渡し船はこちら住之江区と向こう岸の大正区を結んでいるはずです。右手上空には新木津川大橋が木津川をまたぎ、大きなトラックが軽快に走っているのが見えます。
用意周到とか遺漏なきというような単語は私の辞書にはありません。思いつきでここまでやってきたのですが、渡船場が近づくにつれて不安になるってきたことがひとつ。今日は船は動いているのだろうかということです。もし動いていなかったら、この道をまた引き返さなければなりません。待合所に入って確認すると、1月1日~3日は運休なのだそうです。ほっと胸をなで下ろしたのでした。時刻表を見ると、平日と休日のダイヤの違いが大きい。休日は半分くらいの運行本数になってしまいましす。そして平日、休日ともに10時代、11時代、13時代、14時代には1時間に1本しか運行がありません。地元の生活の足というより工場への勤め人のための渡船なんですね。私はというと20分ほど待たなければならないとこがわかりました。ふと気づくとこの待合室は寒い。北風が通り抜けます。それで、あのおじさんは待合室でじっと待っているが寒くて、うろうろしているわけだなと思いました。
木津川の川幅はせいぜい300mくらい(大阪市のサイトによれば岸壁間238mとあります)です。向こうには鉄鋼関係の大きな工場。風向きによって石炭のような臭いも住之江区までやってきます。頭上はるかに新木津川大橋。この橋は高さを稼ぐのに一方(大正区側)だけがループになっていて、上空からは山菜のゼンマイのように見えるだろうと思われます。残念なことに徒歩では渡れないようです。上流には千本松大橋が見えます。こちらは両方ループで、いわば眼鏡ですね。
大正区側から船がやってきました。ダーっと走って、ギューっと止まるメリハリある操船。乗っていたのは乗務員2人と自転車2台の1家族。下りしなにはちゃんとお礼を言っていました。反対に乗り込むのはうろうろのおじさんと私の2人。乗務員は笑顔で「こんにちは」と私たちを迎えてくれました。気持ちのよいものです。このときちょうど、川を下る大きな貨物船が目の前を通過しました。そいつをやり過ごしてから一気に駆けだしたという印象です。ダーっ、ギューっで、大正区。私もお礼を言って船を下りたのでした。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます