「北の山・じろう」日記

内容は主に時事問題。時々株式投資関係の記事も交じります。

トランプ政権のウクライナ和平仲介の進捗状況と内容<2025・02・11

2025-02-12 10:24:16 | 中立の視点で見るウクライナ紛争

関連記事
トランプ氏、プーチン氏と会談したと明かす 「人々が死ぬのを止めたがっている」
2025.02.10 Mon posted at 13:12 JST
https://www.cnn.co.jp/usa/35229239.html
トランプ・プーチン電話会談の米報道、ロシア政府は否定も確認もせず
Anthony Halpin
2025年2月10日 0:18 JST
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2025-02-09/SRF7MET0G1KW00
トランプ氏側近、今週ウクライナ訪問=ゼレンスキー大統領
By ロイター編集
2025年2月11日午前 4:49 GMT+919分前更新
https://jp.reuters.com/world/ukraine/AVHPJ4NCLBKTXDVQMPA6DOYRMM-2025-02-10/
トランプ氏、ウクライナ大統領と来週会談の公算 「戦争終結望む」
By ロイター編集
2025年2月8日午前 7:15 GMT+93日前更新
https://jp.reuters.com/markets/commodities/R4HN3YHSLBPMNOMOPO6KSXVE4I-2025-02-07/トランプ氏の④紛争終結計画、ロの再侵略抑止が重要 ゼレンスキー氏
By ロイター編集
2025年2月10日午前 7:43 GMT+921時間前更新
https://jp.reuters.com/world/ukraine/AGHFVP5X6VMA3EZGGPZX6U3YYE-2025-02-09/
駐米ウクライナ大使、米大統領補佐官と初会談 「徹底した議論」
By ロイター編集
2025年2月7日午前 11:20 GMT+94日前更新
https://jp.reuters.com/world/ukraine/7T432MQSJRKHLHV3MCUODO3CDU-2025-02-07/
⑥米と新たな軍事援助協議せず、支援なお継続=ゼレンスキー氏
By ロイター編集
2025年2月6日午前 9:04 GMT+95日前更新
https://jp.reuters.com/world/ukraine/EEVTUCP4DNNCXFFHKSNJRICSMM-2025-02-06/
ロシア、米国から接触の「適切なシグナル」待っている=国連大使
By ロイター編集
2025年2月10日午前 9:07 GMT+920時間前更新
https://jp.reuters.com/world/ukraine/6BKAP7KHKNP6XCX5KQLGLPQ52M-2025-02-10/
ロシア外務次官「米国がまず行動を」、関係改善に向け要求
By ロイター編集
2025年2月6日午前 11:32 GMT+95日前更新
https://jp.reuters.com/world/ukraine/VDDYNEEQO5IIBOG4ZS7L34HBCU-2025-02-06/
ロシア、トランプ氏の発言歓迎 ウクライナのNATO加盟巡り
By ロイター編集
2025年2月5日午後 7:28 GMT+95日前更新
https://jp.reuters.com/world/ukraine/TITAEJT4YVJX3KCN3ZB4BFFBYY-2025-02-05/
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水面下では、実務者同士による話し合いが行われているのであろうと思います。当然、詳細は不明です。トランプ氏がプーチン氏を電話会談したという話が出ていますが、ロシア側はノーコメントです。
記事を見ると、どうやらトランプ氏はゼレンスキーとの直接会談をするようです。
その前にトランプ氏側近がキエフを訪問して会談して事前の打ち合わせをするのでしょう。

この流れに合わせるようにゼレンスキーの停戦条件も具体的になりました。それが④の記事です。
⑥の記事では、今後の軍事援助については協議していないと発言しています。USAIDの資金供与停止と併せて資金と武器については、今後の話し合いになります。事実上外堀を埋められたと言えます。

<④の記事での発言>
「トランプ氏は戦闘を終結させるだけでなく、プーチン(ロシア大統領)がわれわれに二度と戦争を仕掛けられないようにする必要がある」
「米国と欧州がわれわれを見捨てず支援し、安全の保証を提供してくれるという理解があれば、(ロシアとの)どのような形式の会談にも応じる用意がある」
要は停戦後のウクライナの安全をEUとアメリカが保障してくれれば停戦交渉に応じる・と言うことです。
これまでは、NATO即時加盟を条件にしていましたから、それは引っ込めました。ゼレンスキーとしても資金と武器の供与を保留にされると戦争継続が不可能になりますから、応じざるを得ないと言うことです。

と言うわけで停戦交渉を始める流れは、出来上がったと言えます。
中身については、当然不明です。

観測記事
ウクライナ戦争終結へ、米国とロシアの間で密かに進む合意形成
(EUとウクライナの説得は後回し、最後は米国の「力」でごり押しか)
2025.2.4
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/86405?page=2

「先月26日にウクライナのメディアが報じた内容」
「記事によれば、この米国案は欧州の外交筋に渡され、その後それがウクライナにも回ってきた。その中には、以下のような今後の交渉スケジュールと要合意内容が記されている。」
「報じた当のウクライナのメディアは、この内容が本当に米国の作成した計画書なのか、あるいはフェークなのかについて、いずれにも受け取れるとして結論を避けている。」

ウクライナのメデイアが報道したと言うだけで真偽不明の情報です。誰かが、リークしてそれをウクライナのメデイアが報道しました。これは、真偽などどうでも良く、いわゆる観測気球でしょうね❓
事前に内容をアナウンスメントしておくと言うことだろうと思います。
おそらく、有無を言わさずゼレンスキーは、似たような内容の合意を迫られるのではないか・と思います。
来週には、多分ホワイトハウスでトランプ大統領との直接会談が予定されているようです。

ゼレンスキーが合意しなければ、更に何らかの方法で締め上げる予定でしょう。
同意すれば、次はロシアとの交渉に取り掛かる段取りだろうと思います。
だから来週のトランプ氏との会談でゼレンスキーが白旗を出せば、話は意外に早く進行するかもしれません。

ゼレンスキーがゴネれば、また締め上げる必要がありますから、時間がかかりそうです。
締め上げるネタは、ゼレンスキーのネガテイブ・キャンペーンでしょう。ゼレンスキーの不都合なネタが西側のメデイアを賑わすことになるかもしれません。

『ロシア対外情報庁(SVR)がNATOのゼレンスキー中傷キャンペーンの可能性を指摘、ほかTASSの記事<ウクライナ紛争2025・02・04』
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/57f4e80d7e5677b4b25fbde831a2cdc8

多分、それに備えてロシアは事前に責任回避をしたのだろうと思います。
(ゼレンスキー中傷キャンペーンをやっているのは、西側だ!)

どっちにしてもウクライナ国内では、敗戦の責任を押し付ける「スケープ・ゴート」は不可欠です。
幸い責任を押し付けなくても、ほとんど全部責任のある便利な人物がいます。
おっとっと❓

※関連日記目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑧
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27


トランプ停戦案の中身⇒元を取り返して負け逃げ<ウクライナ紛争2025・02・11

2025-02-12 10:23:13 | 中立の視点で見るウクライナ紛争

時事通信
ウクライナ「ロシア領になるかも」 トランプ氏、領土割譲示唆か
2025年02月11日15時51分
https://www.jiji.com/jc/article?k=2025021100398&g=int

時事通信が珍しくFOXニュースのインタビューを報道しています。
トランプ政権にとって一番の重要な点は・・・
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その上で、米国が対ウクライナ支援で拠出してきた巨額の資金を「取り戻したい」と表明。ウクライナには大量のレアアースが埋蔵されていると指摘した。5000億ドル(76兆円)相当のレアアースを米国に供給するよう要求し、ウクライナ側が「基本的には同意した」と明らかにした。
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「5000億ドル(76兆円)相当のレアアース」がどの範囲を指しているのかは不明です。全部なら相当、利益を乗せています(あくどい!)。
これまでアメリカがウクライナに提供してきた金を、ここから返済させたいようです。いよいよトランプ氏の本音が出てきました。これに関しては、ロシアの方が先に報道しています。

スプートニク日本
ウクライナが提案するレアアース、大半はロシアの管理下に
2025年2月8日, 14:44 (更新: 2025年2月8日, 14:45)
https://sputniknews.jp/20250208/19565369.html
「ウクライナの地下資源は一部の試算によると、15兆ドルに達するが、その大半がドンバス地域(ドネツクとルガンスク)に集中しており、すでにウクライナの管理下にはない。」
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ウクライナに告ぐ、「米国をダシに使うことはもう許さない」=トランプ大統領
2025年2月8日, 10:45 (更新: 2025年2月8日, 11:13)
https://sputniknews.jp/20250208/19565006.html
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「米国の納税者から集めた資金の対価についてはすでに彼(ゼレンスキー氏)に伝えた」
会見の中でトランプ大統領は米国が行った投資の保証を求めた。
「我々はこれだけの資金を投資したのだ。そして、この状況がいつ終わるのか、その終わりを見届けたいと言っているのだ」
そして、「誰もが古き良き米国を利用したが、もう利用はさせない」と付け加えた。
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Forbesのウクライナ支社の試算だったと思いますが、ウクライナに眠る地下資源は「15兆ドル約2250兆円」との試算もあります。「10兆ドル約1500兆円」は確実に超えるでしょう。
この地下資源の70%程度は、現在のロシアの支配地域にあると考えられています。
仮に少ない方の1500兆円X30%=450兆円になり、少なくとも西側がこれまで提供した武器や資金には十分足ります。もう合計30兆円を超えているのでないですか❓最近、合計金額を見なくなりました。
アメリカ半分で15兆円です。余裕で回収できる金額です。
有望な鉱山か鉱脈に担保権を設定しようという考えでしょう。
これを停戦仲介の条件にしようと言うわけです。

バイデンさんが始めた戦争であろうと金はアメリカの金であり返せ!と言うことです。
もうウクライナに勝ち目がないのを見て、金を回収して後は負け逃げする心算のようです。

どうもニュースを見ていると、今後の武器供与はヨーロッパに押し付けるようです。
アメリカの武器が欲しければヨーロッパの金で買ってウクライナに供与しろ!と言っています。
停戦後の平和維持軍や復興資金もヨーロッパが出せ!と言っています。

いわゆるアメリカの得意技の「都合が悪くなったら逃げだす」をやろうとしているみたいです。
だから、トランプ氏にとってはウクライナの領土分割がどうなろうと、ロシア領になろうとどうでもいいと言っています。
完全、無責任宣言と言えるでしょう。
こんなアメリカの尻馬に乗ってロシアとの戦いに血道をあげたヨーロッパとウクライナは愚かと言うしかありません。
もっともヨーロッパは、最後はウクライナの地下資源から貸金を回収し、開発に食い込んで利益を上げる心算なのかもしれません。復興資金が100兆円かかろうと、残り30%でも何とかなりそうです。

ゼレンスキーが、どれほど馬鹿か分かるでしょう❓
ロシアの軍事介入を呼び込んで本格戦争に拡大したのは、ゼレンスキーです。
これを煽り立てたのはバイデンさんかと思っていましたが、裏にいたのはボリス・ジョンソンかもしれません。
2015年のミンスク2合意を履行して内戦を終わらせれば、地下資源のほとんどはキエフ政府の支配地にありました。さっさと平和にして資源開発に取り組めば、ウクライナは豊かな国になれたでしょう。そこに食い込んで分捕ろうとしたのが、多分イギリスです。
バイデンさんはロシア潰しをしたかっただけだろうと思います。

しかし、キエフ支配地にもまだ残りは十分あります。
あまりキエフが負けすぎると、それさえなくなります。
キエフ政府の支配地の地下資源に担保権を設定し、それをロシア政府にも認めさせた後は、領土はどうなろうといいのだろうと思います。キエフ政府が負ける前にアメリカの投資金について担保権を設定したいのでしょうね❓
それが将来ロシア領になろうとアメリカの担保権が有効なら、アメリカは構わないと言うことだろうと思います。

キエフ政府は、「世紀の災難」と言うべきでしょう。
バイデンさんとボリス・ジョンソンに唆されて騙されたのが運の尽きでした。
(ウクライナに栄光あれ!)
(その使い方:大体ナチスの「ハイル・ヒトラー!」と同じです。ウクライナ民族主義者の掛け声のようなものです。「勇者に栄光あれ!」と返答するのだそうです。)
おっとっと❓
ウクライナ領を分割することになったら、ハンガリー、ルーマニア、ポーランドは確実に取り分を要求すると思います。第2次世界大戦後、スターリンが分捕った分です。その地図。メドヴェージェフ大先生がこれを公表した時は笑いものになっていましたが第2次大戦前は、こんな国境線だったのかもしれません。

ゼレンスキーが真っ青になるメドヴェージェフの作ったウクライナ地図とは?<2023年10月
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/2fc5dd9ac27d6c6766fa3c2eb0af27e3

※関連日記目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑧
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27


ジョージ・ソロス氏と東欧の民主化とUSAID<ウクライナ紛争2025・02・12

2025-02-12 08:14:52 | 中立の視点で見るウクライナ紛争

ジョージ・ソロス氏の略歴
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%BB%E3%82%BD%E3%83%AD%E3%82%B9

(英: George Soros、1930年8月12日 - )
ハンガリーブダペスト生まれのハンガリー系ユダヤ人
ハンガリーのユダヤ人に対しホロコーストによる殺戮が始まった。1944年
彼の家族は、自分たちがクリスチャンであることを証明する書類を購入して戦争を生き延びた。
翌年、ソロスはナチス・ドイツ軍とソ連軍による熾烈なブダペスト包囲戦を生き延びた。
その後、ソ連軍によるの虐殺を目の当たりにしハンガリーを脱出することを決意する
1946年、ソロスは西側でのエスペラント青年議会に参加することによって、戦火で荒廃しソ連に占領された祖国から逃れ、17才のときに家族とフランス、次いでイギリスに逃れた。
1947年、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)に入学する。
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政治運動家
慈善事業
オープン・ソサエティ財団 (Open Society Foundations) 創設者
現在では100ヵ国を超える国々で活動している
ブダペストにある中央ヨーロッパ大学 (CEU) 共同創設者
1970年代以来慈善家として活動している
アパルトヘイトが行われていた南アフリカの黒人生徒のケープタウン大学への通学援助のために基金の提供
鉄のカーテンの後ろでの反体制運動への資金提供を始めた
ソビエト連邦への反対
ソロス vs. ジョージ・W・ブッシュ
(ブッシュを当選させないため徹底的に民主党を支援、しかしブッシュが当選)
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スプートニク日本
ソロス氏のUSAID~米国の税金は世界で混乱を引き起こすべく流用された
2025年2月8日, 08:39
https://sputniknews.jp/20250208/usaid-19564574.html
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ジョージ・ソロス氏は世界有数の投資家として知っている人は多いでしょう。
しかし、東欧問題やウクライナ紛争、現在のヨーロッパ政治のニュースを読んでいると、しばしばジョージ・ソロス氏の名前が出てきます。そこでジョージ・ソロス氏が、どのような人物なのか調べてみようと思いました。

まず、多分ソロス氏のバック・ボーンにあるのは、ホロコーストと旧ソ連とナチスドイツの激戦であろうと思います。
ハンガリーがホロコーストに関与したのが1944年。ソロス氏14歳。
旧ソ連の虐殺。ソロス氏15歳。

忘れないように書いておきます。ガザの写真

【特集】AFPのベストショット:6月8日~6月14日
2024年6月18日 17:00 発信地:その他
https://www.afpbb.com/articles/-/3524697

探したかったのは、この写真です。
【今日の1枚】ホロコーストの犠牲者に思いを寄せて ハンガリー
2025年2月5日 12:15 発信地:ブダペスト/ハンガリー [ ハンガリー ヨーロッパ ]
https://www.afpbb.com/articles/-/3560573

この写真の当時、ソロス氏は14歳~15歳です。
ソロス氏は、ナチスドイツには触れません。何か思うところがあるのでしょう。想像は出来ますが書きません。
旧ソ連に対する絶対否定が、この頃生まれたのであろうと思います。

ソロス氏の慈善事業への取り組みは、速いです。1970年代からですので40代から取り組んでいることになります。まだ投資家としては成功していません。働いて稼いだお金で細々と始めたのでしょうね❓
最初から鉄のカーテンの内側にあった国々の反体制派に資金援助を始めました。
当然、CIAはこれに目を付けたと思います。ソロス氏はアメリカのためではなく、ただ鉄のカーテンに閉じ込められている人々を助けたかったのだろうと思います。

時は流れ、旧ソ連が崩壊して東ヨーロッパの国々で民主化運動が起きる過程でソロス氏は資金提供を続けたのだろうと思います。特に投資家として成功した後は、資金も大きくなっていたでしょう。このソロス氏の慈善活動は、アメリカ(CIA)のNATO東方拡大政策とピタリと一致しています。そのためソロス氏の活動にUSAIDの資金が流れ込み始めたのだろうと思います。活動履歴に長く現地にコネのあるソロス氏を通じて資金提供すれば便利で簡単でしょう。あるいはソロス氏の方も資金を求めたのかもしれません。
東ヨーロッパでソロス氏の慈善事業とCIAやUSAIDの活動が重なってしまうのは、これが理由です。
やっていることと目的が同じだったからです。

これが、現在のロシアには腹立たしいわけです。といってソロス氏がCIAの手先であるわけではありません。
ソロス氏が創設したオープン・ソサエティ財団の活動は、世界100か国に及ぶ膨大なものです。

アメリカ国内では、ジョージ・W・ブッシュを当選させないために猛烈な活動をしたようです。これはブッシュ氏が勝利して大統領になりました。ここにソロス氏の政治的傾向が見えます。米共和党的な政治の否定です。米民主党を支持して相当な活動をしてきたのであろうと思います。

そして西ヨーロッパでは、左派政党に資金提供しているようです。
イタリアのメローニ首相が、イーロン・マスクの右派勢力に対する資金提供を西ヨーロッパが批判したのに猛烈に抗議していました。
「ソロス氏やビル・ゲイツは左派に金を出しているじゃないか!」

今、西ヨーロッパ政界では左派全盛と言えるほど、左派勢力が強いです。
ソロス氏の米民主党支持と併せて考えると西欧の左派全盛を生み出したのは、ソロス氏やビル・ゲイツなどアメリカの大金持ちからの左派への資金提供も大きく影響していると思います。

鉄のカーテンの時代から自由を求める人々に活動資金を提供し、旧ソ連崩壊後は東ヨーロッパ諸国で民主主義が定着するように資金援助してきたソロス氏の活動は立派だと思います。
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しかし、今時代が変わりました。
もうロシアが共産主義に戻ることはありません。東欧の民主化も一巡しました。
大体、どの国もその国なりに政治体制が出来上がり安定しました。
それなのに「民主的」な勢力に資金を出し続けることは、逆にその国の政治的不安定を起こしてしまいます。
それが、ウクライナでありジョージアでありモルドバやベラルーシです。
今では内政干渉になっています。その国の行先は、その国に任せるべき時が来ています。

その最大の弊害が、米民主党と欧州左派です。
ウクライナ紛争を引き起こしてヨーロッパは大混乱に陥りました。
過剰な内政干渉の結果と言えるでしょう。
世界中に西欧式民主主義を押し付けることは不可能です。
東ヨーロッパでさえ、独自の道を歩む国が複数あります。

結論は、欧米は他国や他の地域への内政干渉は、もう止めるべきです。
ソロス氏も同じです。もう東西冷戦の時代は、終わって新しい時代が始まっています。

トランプ氏がUSAIDの閉鎖を決意したのは、時代の変化を理解しているからだろうと思います。

※関連日記

21世紀に東ヨーロッパをNATO化しようとしたアメリカとUSAIDとジョージ・ソロス<ウクライナ紛争2025・02・11
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/014624e78df0abe64983e934c765cac1

過去日記から興味深い日記を再度、考えてみます(アメリカのNATO東方拡大政策)<2025・02・08
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/c1b5b4e2bbd371912801a42bda09dabc
なぜ、トランプ政権は「米国際開発庁(USAID)」の閉鎖に踏み切ったのか❓⇒追記あり<2025・02・06
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/26b98b7152b25f515906103a6b5a693c
日本のマスコミが全く報道しないドイツ政界の現在地>左派独裁になりかけている<2025・02・10
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/46c905e4b2b1af4cda2b83e8ea469e44
ドイツ政界の異常な「AfD」狂騒曲(ヨーロッパの外から見ると異常に見える)<2025・02・03
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/13e84826ae6003b372738dd59a7ba214
『私とスパイの物語』著者「孫崎享」と近藤大介の対談<2025・01・31
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/4e028ae638edd4954d8fbdb85d497a6c
第2次世界大戦の思想とは❓⇒ファシズムVSリベラル+コミュニズムの戦い<2025・01・31
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/733bc420fcf809134f33fe427550feae
ドイツに見る言葉の誤魔化しや意味のすり替えは、やがて独裁主義に至る例<2025・01・25
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/2bdc279fd044f65a4583e65dc4dfcbff
欧州で右派政治家の反撃が始まる、伊メローニ首相がイーロン・マスクを擁護<2024・01・10
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/abd4f227b1d1269a2e42e6ab827e02a1


※関連日記目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑧
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27

項目「ヨーロッパ」の目次④
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/70484af7010580642c91d2a502a7002d