BBC
【解説】 なぜウクライナはアメリカにとってそれほど重要なのか
2019年11月15日
ジョナ・フィッシャー、キーウ(キエフ)特派員
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-50429406
朝日新聞
②バイデン大統領、ウクライナに積極姿勢のわけは 背景に深い関わり
中川仁樹2022年1月22日 12時00分
https://www.asahi.com/articles/ASQ1P56YWQ1NUHBI034.html
停戦しても危機は去らない プーチン氏を駆り立てる「恐怖」とは
論説委員・駒木明義2022年6月6日 18時00分
https://www.asahi.com/articles/ASQ6474NQQ50USPT00D.html?iref=pc_rensai_article_short_1508_article_3
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②の記事から一部引用
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侵攻すれば「高い代償を支払い、後悔することになる」とロシア側に警告する一方、昨年12月にはロシアのプーチン大統領と電話などで2度会談し、一連の欧米とロシアとの協議につなげた。積極的な姿勢の背景には、長年にわたるウクライナとの深い関わりがあった。
ロシア軍の侵攻が近いと危機感を強めるウクライナ。かつてソビエト連邦だったこの国を何度も訪れ、「ロシア離れ」を後押ししてきたのがバイデン氏だ。現地で発した数々の発言からはウクライナ自立への強い思いがうかがえる。
「1964年、私たちは(ウクライナの国民詩人)シェフチェンコに希望を見た。自由なウクライナを夢見ることをやめなかったからだ。40年後の2004年、私たちは正義を求める自由な市民の力が何を達成するかを見た。いまウクライナ人は成し遂げたことに誇りを持つべきだ」
バイデン氏は副大統領就任から半年後の09年7月、ウクライナの首都キエフを訪問。親ロシア候補の大統領選での不正疑惑に抗議して「当選」を覆し、親欧米政権を樹立した「オレンジ革命」を称賛した。
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※【タラス・シェフチェンコ】
帝政ロシア時代(1814年~1861年)の詩人(芸術家)です。バイデンさんが関わりの深い西ウクライナ民族主義者(バンデーラ主義者)とは、ほぼ無関係と言えます。バンデーラ主義者の思想は20世紀の初頭に始まりました。しかも、当時の支配者であるポーランドに対する独立運動です。
つまり、この辺りからバイデンさんには帝政ロシア時代の農奴解放運動と現代に近い時代のポーランド領:西ウクライナ人のポーランドに対する独立闘争との違いが認識できていません。ごっちゃにしています。バイデンさんは、西ウクライナ民族主義者と東部・南部ウクライナが全然違う国であることを認識していないと思います。あるいは、アメリカの政治家には、こんな誤認識をしている人が多いのかもしれません。
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バイデンさんが、ウクライナに関心を持ったのはこの記事によると1964年です。
バイデンさんが生まれたのは1942年11月20日です。22歳の若い時にウクライナに共鳴しました。
第2次世界大戦が終わった9年後で、東西冷戦が激化する事件が起きた年です。
【キューバ危機】
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%90%E5%8D%B1%E6%A9%9F
あるいは若きバイデンさんが、ウクライナに関心を持ったのは、この事件がキッカケかもしれません。
デラウェア州選出上院議員を務めたのが1973年1月3日 – 2009年1月15日です。
『バイデンに利用され捨てられたウクライナの悲痛』
遠藤誉 2022/2/25(金) 11:22
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/cf3953f7d8ec2af5f55ce6ce9bd242fba987b2be
(この記事には、興味深いことが沢山書かれています。一度読むことをお勧めします。)
この記事によれば、副大統領時代に6回ウクライナを訪問しています。
2009年7月のオレンジ革命後、ウクライナを訪問して応援演説をしています。
そして、オレンジ革命には・・・
『 また、原因としては、ロシアが南東部よりの当時の政権側にあからさまに肩入れしたためである、との説明がなされることが多い。
だがその一方で、他国勢力の介入という点では、ユシチェンコ陣営に対する米国からの介入があったとする見方も存在しており、具体例としては、米国の投資家ジョージ・ソロスの名などが挙げられている。 』
その後の2014年クーデターを見ると、確実にアメリカ(CIA)が関与していると思います。
ジョージアにも関与しています。
2024年2月25日NYタイムスのCIAのウクライナ関与に関する記事とスプートニクの反論<再掲載2025・01・16
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/3171a86e3f55fb9d6ff47b6486db326c
細かいことは以前の日記に書きましたので、それを読んでください。
この日記では、バイデンさんの個人的な考え方を見ていきます。
ここまで書いてくれば、バイデンさんの思想的な背景が分かると思います。
キューバ危機は、バイデンさんが22歳の時起きました。その年、バイデンさんは深くウクライナに感銘を受けます。
共産主義時代にあったウクライナの思想は、「バンデーラ主義=西ウクライナ民族主義」です。
【ステパーン・バンデーラ】
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%90%E3%83%B3%E3%83%87%E3%83%BC%E3%83%A9
【ウクライナ蜂起軍】
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8A%E8%9C%82%E8%B5%B7%E8%BB%8D
その軍隊であるウクライナ蜂起軍は1954年まで旧ソ連と戦い続けました。
『残党は西ヨーロッパ、特に西ドイツや、支援者の移民がいるアメリカ合衆国に逃亡した。』
1964年若きバイデンさんが、ウクライナに共鳴したのは、このような時代です。おそらく亡命したバンデーラ主義者とも会って話を聞いているのではないかと思います。
東西冷戦が激化した年です。若きバイデンさんは、バンデーラ主義者から黒い過去を除いた「美しい思想」を聞いて感動し、それが今も変わらぬウクライナ観になっているのだろうと思います。
だから、どんな手段を使ってもウクライナの独立を助け自立させることがバイデンさんの正義なのだろうと思います。これは理屈や損得ではなく信念と言っていいでしょう。
そいてバイデンさんは、人生の長い部分を東西冷戦下で生きてきました。ソ連の後継国家であるロシアを叩き潰すこともバイデンさんには、正義であったろうと思います。
バイデンさんには、これ以外は目に入らないのだろうと思います。反対する人間や国は、バイデンさんの正義の実現を妨げる極悪に見えていたのでは、ないか・と思います。
バイデンさんが異常にウクライナに拘るのには、このような時代的・思想的背景があるのでは、ないでしょうか❓
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一方で、そんなバイデンさんは、ある組織にとっては非常に便利で役に立つ人物です。
米CIAが、マンデーラ主義者とコネを作り浸透したのは、1950年代だという元CIA分析官の指摘があります。
もう、東西冷戦が始まっていますから旧ソ連と戦うマンデーラ主義者にCIAが浸透して支援しても不思議ではありません。むしろ積極的にやったでしょう。CIAは、その後もソ連の中に残ったマンデーラ主義者の残党をコネがあったと思います。ソ連の情報を収集するには、非常に役に立ったと思います。当然、亡命したバンデーラ主義者もいます。
ウクライナ独立の時も独立後もCIAは、ウクライナに関与し続けているでしょう。
2009年オレンジ革命には、関与している疑いが濃厚です。
このCIAの活動と二人三脚で活動してきたのが、バイデンさんだろうと思います。
バイデンさんの正義を実現するために必要だったからです。
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ウクライナは、稀にみる腐敗汚職国家です。これは独立後から続いていて、今も同じです。
そのような国家に深く関与していれば、何らかのダーテイな関係が出来る可能性は、あります。
それを決定的にしたのが、2014年ウクライナ・クーデターです。
こうして西ウクライナ民族主義者(=バンデーラ主義者)は積年の願いを達成しました。
それを後押しした当時副大統領だったバイデンさんへの見返りが、息子のハンター氏へのウクライナ企業の厚遇であったとすれば、話の辻褄は「ピタリ!」と合います。
これが事実だとは、言っていません。強い可能性があると指摘しているだけです。
PRESIDENT Online
「次男は月収500万円」バイデン父子がウクライナから破格報酬を引き出せたワケ 安倍政権の対ロシア外交を妨害も
名越 健郎拓殖大学客員教授
2020/11/27 11:00
https://president.jp/articles/-/40870
(2025・01・20記録記事①(個人的閲覧用)名越 健郎)
(https://kitanoyamajirou.hatenablog.com/entry/2025/01/20/004513)
BBC
【解説】 なぜウクライナはアメリカにとってそれほど重要なのか
2019年11月15日
ジョナ・フィッシャー、キーウ(キエフ)特派員
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-50429406
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こうして順を追って見てくると・・・
「ロシア侵略者=極悪!」「ウクライナ被害者=絶対正義」
と言うNATOのスローガンは、単なるスローガンでしかないことが分かると思います。
そして西ウクライナ民族主義者が暴力的手段で政権を奪取したために、東部と南部の住民に対して弾圧的支配がはじまりました。ウクライナは、単に旧ソ連の行政区画であって、「中央~西ウクライナ(=旧ポーランド領)」と「東部と南部ウクライナ(ロシア帝国時代からのロシア領)」は、全く別の国だからです。
結局、これがドンバス戦争からウクライナ紛争に続く流れを生み出してしまいました。
西ウクライナ民族主義者が、「中央~西ウクライナ(=旧ポーランド領)」だけで独立すれば、このような問題は起きませんでした。
だから私が主張するのは、このような問題を将来的に解決するには、【「中央~西ウクライナ(=旧ポーランド領)」と「東部と南部ウクライナ(ロシア帝国時代からのロシア領)」を別の国にするべきだ】と言うことです。
※関連日記目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑧
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27