「北の山・じろう」日記

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ジョージア大統領がスパイ法は違憲と憲法裁に訴える<2024.07.16

2024-07-16 22:51:53 | ヨーロッパ

ジョージア大統領、スパイ法は違憲と憲法裁に訴え 法律の停止求める
2024/7/16 09:05
https://www.sankei.com/article/20240716-KRWSXEXAUNKTRB2PDO554LZFRU/

ジョージアの近い過去の歴史と国内政治については、いくつか記事を書いてきました。
何故同じ問題を繰り返し取り上げるかと言うと・・・
「プロパガンダやフェイクニュースを知ってほしいこと」
「情報の歪め方を知ってほしいこと」
「ダブルスタンダードと中立や妥当性を知ってほしいこと」
などが、理由です。

ジョージア問題とジョージアに関する西側の報道には、全部一式含まれています。

(1)情報のミスリード=歪め方
「スパイ法」と大体書きます。
非常に嫌なイメージを刷り込みます。
『野党側は、政権に批判的な団体などを「外国のエージェント(代理人)」に指定し、スパイと同義に扱うロシアの法律と同じだとして反発・・・』
実は、カナダも同じ内容の法律を作成し可決しています。
カナダの場合は、全く問題視されません。

この法律を日本に当てはめて考えると❓
中国やロシアから資金提供を受けている団体が、反政府活動を煽り立てることを制限する法律です。
「外国から多額の資金提供を受けて反政府活動をしたり、そそのかしたりしてはダメだ」
法律の趣旨は、大体こんな内容です。
カナダの法律も大体同じだと思います。

何か問題がありますか❓
これをさも悪いことのようなイメージを持たせて、批判して止めさせようとしています。

今回違憲だとして憲法裁に訴えたズラビシビリ大統領。
この人は、ジョージアにアメリカの傀儡の独裁的政権が成立した後、独裁者追放のための政治活動を行います。
現在の政権与党である「ジョージアの夢」と協力して独裁者ミヘイル・サアカシュヴィリの追放に成功します。
その後、政治の主導権は「ジョージアの夢」が掌握し現在も政権を握っています。

ズラビシビリ大統領はフランス人でフランス外務省に勤務していました。その後招聘されてジョージアの政治と携わります。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%AD%E3%83%A1%E3%83%BB%E3%82%BA%E3%83%A9%E3%83%93%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%AA
フランス国籍は、現在どうなのか知りませんがしばらく二重国籍者でした。
背景が示す通りフランスとEUの代理人と言うべき人です。
だから政策は当然EU加盟であり、EU加盟を邪魔する勢力とは敵対します。
「外国の代理人法」があると自分の政治活動を制限されます。だから何としても親EU派のためにこの法律を潰したいわけです。
EU加盟を積極的に主張するグループは、ほぼEUから資金提供を受けて活動していると見ていいと思います。
それだけならまだ許せる部分もありますが、「ジョージアの夢」を政権の座から追放することも狙っているはずです。
EUとの関係もあり現在の政府は、露骨な反政府勢力の弾圧は控えていますが、EUから資金提供を受けている反政府勢力を自由に活動させる考えは、当然ありません。

こうしてほぼフランスとEUの代理人と言えるズラビシビリ大統領と真っ向から対立しています。
『ジョージアの夢からの支援を受けて大統領に就任したズラビシュヴィリではあったが、やがて同党が親ロシア的であり、欧州連合やNATOへの加盟に消極的であると繰り返し非難するようになり、やがて訣別の道を選んだ。』
ズラビシビリ大統領は、ウクライナと同じことをジョージアに持ち込もうとしていると言えます。
このような政策をウクライナが取ったから今のウクライナ紛争を招き寄せることになりました。

それを回避して紛争に巻き込まれることを避けている現在のジョージア政府の政策は、当然のことです。
ズラビシビリ大統領はジョージアのウクライナ化を図っているとも言えます。
「外国の代理人」そのものでしょう❓

(2)ダブルスタンダード
つまりジョージア政府を批判する西側は、ジョージアをEUに出来たらNATOに引き込みたいから、それに消極的なジョージア政府を何かにつけて批判しています。
EUやNATO加盟推進をする自分たちの傀儡の政治グループを制限するのは、とんでもないことだ!
と言っていることになります。
内政干渉を禁止するのは、ダメだ!と言っているのと大体同じです。
普通ない考えるなら内政干渉をしているEUの方が悪すぎるでしょう❓
いや、悪くない!と言うのがダブルスタンダードです。
ややダブルスタンダードの事例としては適当でないかもしれません。
「中立や妥当性」の視点に立てば、EUの言うことの無茶苦茶さ加減が分かると思います。

日本で中国やロシアが、どっぷり資金入れた政治団体を作って反政府活動をやらせたら、どうします❓
日本政府は禁止するに決まっているでしょう!
中国やロシアが、「禁止しちゃイカン!」と言っているのと大体同じ構図です。
立場を変えて自分たちの身の置き換えると、大体どういうことなのか具体的に理解できます。

カナダの場合は問題視されないのが、ダブルスタンダードです。カナダが良くてジョージアが悪い理由は何もありません。
「カナダは仲間だから良くて、ジョージアはまだ仲間になっていないからダメだ!」
分かりやすく言うと、こういう内容です。

(3)では、なぜジョージア政府はこのような政策を取るのか❓
ほぼアメリカの傀儡と言える独裁者ミヘイル・サアカシュヴィリ元大統領が強烈な反ロシア親NATO政策を取りました。その結果ロシアとの戦争になり、ジョージアは停戦し領土の一部はロシアの後援を得て独立しました。
2008年
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%97%E3%82%AA%E3%82%BB%E3%83%81%E3%82%A2%E7%B4%9B%E4%BA%89_(2008%E5%B9%B4)
アメリカがNATO東方拡大を決めた、すぐ後の事件です。

このような過去の歴史がありその後政権を握った「ジョージアの夢」は、ロシアとNATOに対し中立政策を厳格に守っています。
特に親ロシア政策を取っているわけではありません。
ロシアの介入を避けるためには、ジョージアにとってはNATOに対する中立政策は、絶対に必要なことです。

「ジョージアの夢」は、ジョージアの国家主権を守り外国からの干渉を排除するのが基本的な政策です。
そのためには、ロシアとNATOに対し中立政策を厳格に守ることが絶対に必要なわけです。

EUのやっていることは、ジョージアのこのような国際環境を無視して自分たちの側にジョージアを引き込もうとしているにすぎません。

それにジョージア政府が消極的だから、何かと理由を付けて(難癖をつけて)マスコミを使ってジョージア政府批判を繰り返しているというわけです。
EUは、ウクライナ・ジョージア・モルドバ付近でこのような悪事を働いています。モルドバは、ほぼ傀儡化しました。
ウクライナも傀儡化しましたが、ロシアとの戦争になってしまいました。

ジョージアが中立政策を取る理由が理解できると思います。
このように見てくると西側のジョージアについての報道は、ほぼプロパガンダであり部分的にはフェイクニュースだと分かると思います。

※ジョージア政府の立場からすると、フランスとEUの代理人であるズラビシビリ大統領が最後の悪あがきをしていることになります。
ジョージア国内には、色々な政治勢力が残っていて「ジョージアの夢」は、それらの勢力に配慮しながら政権運営をしなければならない処に苦労があります。
ズラビシビリ大統領派もいれば、元大統領のミヘイル・サアカシュヴィリ派の残党だって残っていると思います。
こういった有象無象を抑えながら、ジョージアの主権と国益を守る政治をするのが、「ジョージアの夢」の最大の政治目標です。
ジョージアの中では、一番まともな政治勢力だと思います。だからジョージア国民が支持しているのだろうと思います。

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