二つまとめて書きます。記事を分けるほどのことは無いからです。
(1)トランプ氏のロシア口撃一発目
産経新聞 2025/1/23 09:11
『トランプ氏「ばかげた戦争やめろ」 露との取引不成立なら「高関税・制裁」とSNSに投稿』
https://www.sankei.com/article/20250123-FZM7DDZ2M5IPVBL3PRQTSXGPCI/
これが本当かどうか確認するには、TASS通信を見るのがいいです。
TASS通信
Trump threatens to curb Russia’s exports if no deal on Ukraine reached
1月23日 02:00
(日本語訳)トランプ大統領、ウクライナ問題で合意に至らなければロシアの輸出を制限すると警告
どうやら本当で、自分のSNSの投稿記事です。
TASS通信の記事から引用
『「もし我々(ロシア)がすぐに『合意』を結ばなければ、ロシアが米国や他の参加国に販売するあらゆるものに高水準の税金、関税、制裁を課す以外に選択肢はない」とトランプ氏は自身のTruth Socialページに書いた
さらに、米国大統領はロシア側に「非常に大きな恩恵」を与える用意があると述べた。「今すぐ和解し、この馬鹿げた戦争を止めろ!事態は悪化するだけだ」と同氏は書いた。』
大体、このような内容のようです。
一応、言うのはタダだから吠えてみた・と言うことでしょう。
実は、中国はこれで結構軟化しています。
去年ですが、「中国が台湾に武力行使したらどうしますか❓」との記者の質問に対し・・・
「アメリカは介入しない。200%関税をかける!」と答えました。
中国も堪えて、その後トランプ氏への姿勢が軟化しました。
トランプ氏がヤバイ中国は、どうしたか❓
子分の日本の頭をナデナデして、日本を懐柔しています。
すぐそれに乗る軽薄な日本政府。どうかな❓と思いますけれど・・・
中国の主要貿易相手国
https://www.tokai-center.or.jp/pdf/24/kaihou2024_3.pdf
輸出 米国(14・8%)、日本(8・4%)、韓国(7・2%)
輸入 輸入 台湾、韓国、日本
アメリカ
https://boueki.standage.co.jp/america_export_basic/
2022年輸入 1位:中国16・4%
日本2021年
https://www.jftc.or.jp/kids/kids_news/japan/country.html
輸出 ①中国21・6% ②アメリカ17・8% ③台湾7・2%
輸入 ①中国24・0% ②アメリカ10・5%
何故、中国が「200%関税」で軟化したのか分かりましたね❓
せめて日本は手なずけておこうと言うわけです。
「台湾有事は、日本有事!」
台湾有事が起きれば、間違いなく世界大恐慌が起きます。
一番先に沈没するのは、日本です。
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トランプ氏は、これに味をしめて、ロシアにも軽く先制「口撃」をしました。
しかし、ロシアには全然効き目がありません。
既に相当の経済制裁を科しています。あと、何を制裁するのか悩むでしょう❓
おまけにロシアの主要輸出国は中国とインドで、どっちも一筋縄では行かない相手です。
まあ、マスコミ向けにリップ・サービスしたと言うことかと思います。
ほとんど、意味のない冗談みたいな話だと分かると思います。
マスコミは、喜ぶネタです。
(2)クルスク戦線でロシア軍が進撃
航空万能論 2025.01.23
『ロシア軍がクルスクで領土を奪還、ポクロウシクでもT-0504を遮断寸前』
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/russian-forces-retake-territory-at-kursk-nearly-cut-off-t-0504-at-pokrovsk/
クリスマス休暇明けの大進撃の後、ロシア軍は一服していました。
その後、ウクライナ軍は何とかスジャ南のマフノフカの拠点を奪還してロシア軍を2kmほど南に押し返しました。
ウクライナ軍が、反撃できたのはこれだけです。
小休止していたロシア軍は、再び前進してマラヤ・ロクニャの南西方面で支配地を広げました。
ジリジリとマラヤ・ロクニャの補給路の幹線道路38k024に接近しつつあります。目測約2km程度でしょうね。この補給路を遮断されるとマラヤ・ロクニャから北のエリアは、放棄して撤退するしかないでしょう。
兵力不足のウクライナ軍は、強力な拠点があってもその横から突破されて、結局包囲を避けるために撤退することの繰り返しです。どこでも、こんな光景が見られます。
(3)ポクロウシク東方面
ヴォズドヴィジェンカVozdvyzhenkaを制圧した後、周辺に占領地を広げていました。突出部を作って面的に広げるのはロシア軍の常套手段です。こうするとウクライナ軍は反撃のチャンスが生まれません。遅いですが手堅い作戦です。強い方が手堅く攻めるのですから、ウクライナ軍には反撃の余地がありません。
既に北西方向の大物流幹線道路のT-0504は戦闘範囲に入っていましたが、こちらの方向に進撃を始めました。あと1kmくらいで道路に到達します。これで東のコンスタンチノフカ(Костянтинівка)方面への補給は、ポクロウシクから北に大きく迂回してクラマトルスクКраматорськに送るしかありません。相当、北部ドネツクへの補給は苦しくなっていると思います。
それに比例してチャシブ・ヤル(Chasiv Yar)やトレツクТорецькでロシア軍が進撃しています。
トレツクТорецькは、市街戦が最終段階でロシア軍が掃討作戦に入っています。
更に状況は悪化しつつありポクロウシクに西のドネツク市から来ている補給路の2本目の鉄道と幹線道路E-50まで北に5km地点までロシア軍が進出しています。
ルートT-0406の北にある拠点のコトリーネ(Kotlyne)をロシア軍が制圧しました。
この北には、幹線道路E-50まで拠点になる集落はありません。
畑地帯で塹壕と陣地だけでどれだけ防衛できるかと言うと、数で押されればやがてはロシア軍に突破されるでしょう。
こうなるとポクロウシクとデイミトロフМирноградは、西のドニプロ市から来る補給を失います。
時間の経過とともに段々、中部ドネツクと南ドネツクのウクライナ軍は苦しくなっていきます。
南ドネツクでは、ヴェリカ・ノボルシカ(Velyka Novosilka)の包囲戦が最終段階で、もう守りようがありません。
ここを攻めているロシア軍は、やがて北上してポクロウシク包囲戦に参加するでしょう。
解説の仕様もなくウクライナ軍の苦戦が時間とともに強まります。
停戦交渉をロシアに申し入れる以外に取るべき道は、ありません。
これ以上、戦闘を継続しても無駄にウクライナ兵が死傷するだけです。
※関連日記目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑧
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27
メモ
ウクライナ向け米製兵器は欧州が費用負担、NATO事務総長表明
By ロイター編集
2025年1月23日午後 7:46 GMT+91時間前更新
https://jp.reuters.com/world/ukraine/NIC5LLUW7RL3JGI2KHUF42SJPI-2025-01-23/