「北の山・じろう」日記

内容は主に時事問題。時々株式投資関係の記事も交じります。

ドイツ>脱原発神話の後に来た世界<2024/07/19

2024-07-18 20:16:57 | ヨーロッパ

脱炭素、難民流入、インフラ崩壊…世界の「見切り品ショップ」に成り果てたドイツが歩み続ける「発展途上国への
2024.06.28
川口 マーン 惠美
https://gendai.media/articles/-/132745

マーン 惠美さんは作家であり学者ではありません。
だから学者ほど細かな知識はないと思います。
しかし、作家の目から物事を鋭く観察しています。
もちろん、全部が正しいわけではありません。
しかし、聞くべき部分はあります。

私が最初にマーン 惠美さんの文章を読んだのは10年少々前です。
原発問題を通して知りました。
当時は私はまだ原発問題を知らず、福島第1原発事故に激怒していました。
当然、脱原発の方に考えが行きます。
その当時、脱原発の旗手がドイツです。
マーン 惠美さんは当時から脱原発絶対反対の立場でした。
脱原発をよしと考えていた私は・・・
「この人、原発利権の手先なんだろうか❓」
と(失礼ながら)思っていました。
しかし、時々マーン 惠美さんの投稿記事を読んでいたのは、読むべき部分が原発問題以外で多かったからです。

それから10数年が経過し、私が素人的に考えた脱原発はエネルギー政策を無視した机上の空論に賛成していたことに気が付きました。川口 マーン 惠美さんが主張していたことが正しかったことが、今分かります。

環境問題には、このような机上の空論的な部分が非常に多いです。多すぎると言えます。数を集めて声を大きくして誤魔化すので、何が本当なのかが大抵分からなくなります。そうやって誤魔化すのが環境問題に限らず、色々な場面で使われています。

原発事故は安全対策を今のレベルで施していれば避けられたと思います。
原発は当然危険なものです。
しかし安定的な長期のエネルギー確保を考えるなら原発のエネルギーもエネルギー構成に加えて活用するのが合理的です。
原発が危険だから悪いのではなく、危険な原発を利用するのに十分な安全対策もなく、原発の運営について監視する制度がなかったのが、原発事故が起きた原因です。
原発に携わる関係者の手抜きが起こした人災です。
だから安全対策の徹底とその監督行政をしっかりやれば、原発は事故リスクを減らして活用できるはずです。
「原発安全神話」を作ってしまったのが、事故の原因と言えます。

自動車事故は度々起きます。
だから危険なので自動車を禁止します。

大体、同じ理屈です。
事故が起きた時の範囲やレベルは全然違いますが、両方とも人間が生活していくのに不可欠な道具です。
だから自動車の方は、事故を減らすために安全運転を推奨したり、法律を厳しくしたり自動車の安全性を高めたり様々な事故低減の努力をしながら毎日、多くの人が利用しています。

原発も全く同じことです。
原発は逆に聖域化され、一部の限られた人々しかそこに参加してきませんでした。
ほとんどの人が何だか全然分からない。
「専門家は、大丈夫です。
絶対、安全です。事故は起きません。」
大体、こんな調子でやってきて事故が起きました。
自動車のようにやってきたら事故は起きなかったはずです。
福島第1原発と大体同じ条件で運用されてきた東北電力の女川原子力発電所は、危機はあったものの際どく過酷事故は防げました。
その理由は、福島第1原発より安全性に気を付け事故に対する耐久性が高かったからです。
詳しくは省きますが、女川原発と同じ程度の建設当時からの安全対策があれば、福島第1原発の事故は防げていた可能性が大きいと思います。
今のような安全基準があれば、ほぼ防げるでしょう。

原発に対する考え方が、180度間違えていたのが原発事故の起きた理由です。
「原発は危険な設備なのだから、十分注意して安全対策にも万全を尽くさなければならない」
こうするべきなのに、「安全です!大丈夫です!」とゴマ化したから結局、事故が起きました。

随分、長く書いてしまいましたが要は原発は現在の社会において大きな電力供給に不可欠な電源の一つだと言うことです。
原発を自然エネルギーに全部置き換えることが出来る・と言うのは明らかなウソです。
自然エネルギーの供給の不安定性を補うのは、やはり火力です。
原発を廃止すれば、火力の部分を石炭化天然ガスで補うしかありません。
地球温暖化問題を考えるならどうです❓
日本は、原発の電力が減った分をかなり石炭火力で補っています。
天然ガスは、供給が不安定で価格が高騰すれば電気代も高騰します。

ドイツで今起きている問題は沢山あります。
しかし原発を廃止して電力供給が不安定になり電気代が高騰を続けていることも大きな原因です。

そのほか、色いろドイツで起きている国内問題を川口 マーン 惠美は投稿記事で書いています。
一定の時間が経過すると有料記事になりますから、無料のうちに読むことをお勧めします。

新聞やテレビでは分からない色々なことが分かると思います。
これを読んでチンプンカンプン❓
もう少し勉強なさると、よろしいと思います。
人間は勉強するから賢くなります。
☆ごく一部だけ抜粋引用
『・・・実は、ドイツの公共インフラはすでにボロボロだ。16年も続いた前メルケル政権は、EUで一人勝ちと言われた好景気時代に内需を疎かにし、国防費を切り詰め、警察も縮小し、ましてや、長い年月とコストがかかる割には、その効果が評価されるかどうかわからないような国土強靭化のための公共投資などには、ほとんどお金を使わなかった。疎かにされたのは教育も同様で、校舎が老朽化しただけでなく、教師は不足し、子供の学力も落ちた。・・・
・・・ちなみに国際競争力の1〜3位は、シンガポール、スイス、デンマークだ。中国は14位、サウジアラビアが16位。それに比して欧米勢は、オーストリアが26位、イギリスが28位、フランスが31位と、どれも芳しくない。ロシア制裁に熱心な国々が打撃を受けている様子が明白だ。・・・
・・・投資に関する悪条件は、エネルギー政策の失敗の他、誤った移民政策、デジタル化の遅延、税制の問題や行き過ぎた官僚・書類主義など多岐にわたる。いずれにせよドイツがEUの牽引役だと思っているのは、未だに政府のグリーン・ディールやデジタル・トランスフォーメーションなどの効用を信じている人々だけかもしれない。・・・』

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項目「ヨーロッパ」の目次②
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/70484af7010580642c91d2a502a7002d



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