「北の山・じろう」日記

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ドニプロ川東岸クリンキーからウクライナ軍が撤退、軍事ブログの読み方<ウクライナ紛争2024/07/18

2024-07-18 20:15:21 | 中立の視点で見るウクライナ紛争

2024.07.18
ウクライナ軍兵士788人がクリンキーで行方不明、埋葬できた戦死者は262人
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/788-ukrainian-soldiers-missing-in-klynki-262-dead-buried/

過去日記にクリンキーの戦場について書いた記事がいくつかあります。詳しくは、それを読んでください。
結論を言うとゼレンスキーが考えた政治的な作戦です。
ザルジニーが「ウクライナ戦線は膠着状態にある」とイギリスのメデイアに手記を投稿し、ゼレンスキーと激しく対立しました。
このケースではザルジニーが正しいです。
ザルジニーの認識を打ち消し、ウクライナ軍が攻勢をかけているという戦況を胡麻化すための作戦です。
この当時ゼレンスキーは欧米の支援の取り付けのために奔走していました。そのためにもウクライナ軍が攻めているという見せかけが必要でした。

はっきり言ってそれ以外に何の目的もなく成功の成算もない自殺作戦です。これを始めたのは去年の11月前後だと思います。以降、このウクライナ兵を殺すしか結果の出ない作戦を延々と続けてきました。

しかし、ここにきてウクライナ軍の兵士不足はどうにもならないほど悪化しました。さすがにこんな無意味な作戦は続けられないと言うことで、やっと撤退を決めたようです。今年の1月に止めて当然です。それを今まで引きずってきました。ゼレンスキーの命令なので参謀本部は作戦を中止することが出来ませんでした。

これは次の項目にも関係します。
ゼレンスキーの作戦への口出しが、戦況を大きく悪化させた主な原因です。
ウクライナ軍が大敗北(と大損失)を被った戦闘には必ずと言っていいほどゼレンスキーの無茶な命令があります。
大きな戦闘を上げると、ソレダル防衛、バフムト市街防衛、アウデイーイウカ市街防衛などです。
ハルキウ北部防衛とロシア軍攻撃もその一つです。

ゼレンスキーが撤退を禁止し、無理な攻撃を命令するからウクライナ軍は、作戦計画を立てることが出来ません。
軍事のド素人のゼレンスキーが自分の思い付きで命令を出すのですから計画性も軍事的合理性もありません。
結局、全部命令を守るから全部失敗するという構図が出来上がってしまいました。

そうなるとその失敗を糊塗する必要が出てきます。
ゼレンスキーはウクライナ軍に責任を転嫁します。
将軍が無能だから、指揮官が無能だから兵士の士気が足りないから負けたという言い訳です。
このトカゲの尻尾きりで追放された将軍や旅団長クラスの指揮官は、相当な数に上ります。
そもそも幹部人材に乏しいウクライナ軍でこんなことをやっていれば、有能なあるいは経験豊富な幹部はいなくなります。
その結果、ゼレンスキーお気に入りの無能な幹部が増殖していくという構図があります。

ゼレンスキーを大統領の座から追放しない限り、ウクライナ軍がまともな軍隊として機能することはないと思います。
その上でこの戦争をどう戦うのか、あるいは停戦交渉を始めるのか決めなくては、なりません。
今のままでは、無能と言うより有害なゼレンスキーの政治的な立場のためにウクライナ軍の兵士は無駄に死に続け国土の破壊は続きロシア軍に領土を削られ続けると思います。
ゼレンスキーには、ウクライナの未来をどうする、国民をどうする・などと言う考えは一切ありません。
自分と自分にぶら下がっているグループの「権力の維持=利権構造の維持」があるだけです。
だからウクライナ兵が、どれだけ死のうと気にしないのです。すでにゼレンスキーは独裁者になりました。私利私欲にまみれた一番タチの悪い独裁者です。

(2)軍事ブログの読み方
あらかじめお断りしますが航空万能論を批判しているのではありません。ウクライナの戦況を知るには非常に役に立つブログです。ウクライナ寄りの立場に立ちつつ中立的な視点から記事を書いています。
軍事情報としては、非常に役に立ちます。
ただ管理人自身が言っているように政治的なことには疎いです。だから正義感から書いた記事が、結果としてプロパガンダになる部分が出てきます。
これはやむを得ないことで、その部分は情報の受け手が解釈を変えて受け取るべきだと思います。

2024.07.18
①ウクライナ軍がチャシブ・ヤール、トレツク、ニューヨークで失敗した原因
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/why-the-ukrainian-military-failed-in-chasib-yar-toletsk-and-new-york/

この記事で引用されている「ウクライナ人ジャーナリストのブトゥソフ氏」は度々管理人が引用しています。
それはそれで役に立つ部分があります。
ウクライナ軍がなぜ失敗したかを指摘しているからです。

ところがこの「ブトゥソフ氏」は、ウクライナ軍に関しては細かく批判します。
しかし、ゼレンスキーやウクライナ政府、あるいは過激民族主義者を批判することは、一切ありません。
つまりウクライナ軍を批判するための政府の代弁者の一面も強く持っています。
違う言葉で言うと政治(ゼレンスキー)の失敗を軍に押し付ける役割を果たしています。

2024.07.6
②ウクライナ軍が繰り返す失敗、兵士不足、不適切な指揮、陣地の欠如、攻勢準備の察知
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/ukrainian-militarys-repeated-mistakes-lack-of-troops-inadequate-command-lack-of-positions-offensive-preparations/
2024.07.5
③トレツク方面で戦うウクライナ人、司令部が自殺行為同然の任務を要求すると批判
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/ukrainians-fighting-on-the-tretsk-front-criticize-command-for-asking-them-to-carry-out-suicidal-missions/
2024.06.27
④アゾフ旅団、解任されたソドル中将をマリウポリ防衛まで遡って失態を非難
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/azov-brigade-blames-dismissed-lt-gen-sodor-for-failures-dating-back-to-defense-of-mariupol/
アゾフ旅団
著名なウクライナ人活動家のセルヒー・ステルネンコ氏
国防委員会のベズフラ副委員長

大体、この辺りが出てくると政府の失敗を軍に押し付けるために軍批判をして、時には将軍の解雇を要求しています。

実際には、ゼレンスキーが陣地や領土の死守を命令します。現場では、兵士不足・兵器不足・砲弾不足・兵士の疲労困憊などにより命令遂行が困難になります。
その限界を超えた部隊が大きく突破を許しています。
戦いようがない状態です。

それを放置してゼレンスキー命令(ほぼ不可能な命令)を連発して、ウクライナ軍は各個撃破の形で負けています。
負ける原因はゼレンスキーの実行不可能な命令であり国防省が必要な武器弾薬を前線に送り届けないからです。

このような状況を見る限り、ウクライナ軍参謀本部にも現地の指揮官や兵士たちに問題があるようには見えません。もう戦うのが無理(限界を超えている)な現地部隊に無理な命令を出すことが、ウクライナ軍が負け続ける原因です。
誰が指揮しようとどの部隊が戦おうと大差ないと思います。

こういった状況を糊塗し、ゼレンスキー初め政府幹部の責任を回避するために軍をスケープゴートに仕立て上げて、その都度幹部の首を切っています。

首を切るべきは、ゼレンスキーでありゼレンスキー一派です。ここら辺を追放しない限り、もうウクライナはどうにもならないと思います。
①~④は、ゼレンスキーの責任を軍に押し付けるために書かれた記事です。

この辺りの微妙なウクライナ国内の権力闘争を読み取ってほしいと思います。そうすれば、マスコミが伝えるのとは全然違うウクライナ国内の政治が分かると思います。


※関連記事目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑤
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27



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