CNN 2025.01.22
『トランプ氏、プーチン氏を批判 「彼はロシアを破壊している」』
https://www.cnn.co.jp/usa/35228523.html
一部抜粋引用
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トランプ氏はホワイトハウスで記者団に対し、ロシアのプーチン大統領についてこう語った。「彼は取引をすべきだ。取引をしないことで彼はロシアを破壊していると思う」
トランプ氏はこれまでになく率直に、戦争がロシアにもたらした経済的損害に焦点を当てた。「ロシアは大きな問題を抱えることになると思う。彼らの経済を見てほしい。ロシアのインフレ率に注目すべきだ」と述べ、10%に近づいている物価上昇率を指摘した。「私は彼(プーチン氏)とうまくやっていた。彼が取引をしたいと望んでいることを願う」
さらにトランプ氏は、戦争でのロシアの死傷者数にも漠然と言及した。西側当局の推定ではロシア兵70万人が死傷している。
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これは、ほぼ西側のウクライナ支援賛成主義者が、支援を正当化するときに使うお決まりの内容です。
トランプ大統領は、宗旨替えしてウクライナ支持になったのか❓と、思うでしょう❓
ところが、カラクリがあって⇒【本稿はCNNのニック・ペイトン・ウォルシュ記者による分析記事です】
CNNの公式見解だとは言っていません。記者独自の見解だと逃げる余地を残しています。
いわゆる「観測気球・記事」です。まずかったら、「あれはCNNとは無関係です!」と逃げるのだろうと思います。
同じタイミングで、ロシアのスプートニク日本も記事を書いていました。
スプートニク日本
『トランプ氏が全ての外国支援を90日間にわたって停止、ウクライナに停戦を迫る狙いか』
2025年1月22日, 11:19 (更新: 2025年1月22日, 13:17)
https://sputniknews.jp/20250122/90-19521550.html
抜粋引用
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トランプ大統領は20日、諸外国に対する全ての支援を90日間にわたって停止する指令に署名・・
トランプ大統領はロシアのプーチン大統領をと、早急に会談したいと発言した。
(ア)ロシア側が停戦交渉に応じない場合、追加制裁を発動するかと記者団に問われると、トランプ大統領は「恐らくそうなるだろう」とコメントした。
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先に連邦下院ではマッコール議員(国土安全保障の議長)やターナー議員(情報特別委員会の委員長)など、ウクライナへの武器供与を呼びかけるタカ派議員(いずれも共和党)が要職から解任されていた。いずれのポストにもウクライナへの軍事支援に反対する議員らが選ばれた。
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(1)CNNの記事でスプートニクに合致しているのは(ア)の部分だけです。
ここまで内容が乖離していれば、どちらかが意図的にミスリードしようとしています。
CNNの記事で疑問なのは、トランプ氏が、「ウクライナ支援賛成主義者」の長ったらしいプロパガンダを全部発言した点です。おそらくトランプ氏は、仮に聞いたとしてもそんなのはすぐ忘れてしまうでしょう。
世間話のような気軽な話の中でトランプ氏が意味も理解せず単に頷いた程度のことを、「否定しなかったから、こうだ!」と強引に正当化して、あと適当に切り貼りして記事を書いているように見えます。
何より、「あれは記者個人の見解です」と逃げられるようにしている点が怪しいですね❓
これまでのトランプ氏の発言とまるで流れが違う点も、ほとんど嘘だろ❓と思えるほどに整合性に欠けています。
(2)一方、スプートニクの記事は、ウクライナに取って飛んでもないことを報道しています。
『トランプ大統領は20日、諸外国に対する全ての支援を90日間にわたって停止する指令に署名』
これは、バイデンさんが退任前に供与を約束した「大盤振る舞い」の分で、供与前の分が含まれる可能性があります。特に武器供与は期間がかかるケースが多いです。これから武器や弾薬、ミサイルを調達して送る分は、おそらく「待った!」がかかるのでないですか❓
バイデンさんが退任前にトランプ氏に対する嫌がらせみたいに決定した外国への「すべての支援」を停止すると言っているのです。ウクライナの分が例外である可能性は少ないと思います。
加えて米下院の重要ポスト、マッコール議員(国土安全保障の議長)やターナー議員(情報特別委員会の委員長)などが解任されています。いずれもウクライナ支援を呼び掛けていた共和党議員とのことです。代わりに起用されたのが、ウクライナ軍事支援に反対する議員だそうです。当然、共和党議員でしょう。
つまり米下院もトランス氏の就任に合わせて、議会重要ポストの議員を支援推進から支援反対の議員に入れ替えて、まあトランプ氏の政策発動の準備をした・と言うことでしょうね。
(3)こうして、(1)と(2)の記事を読んでどちらが信頼度が高いと思いますか❓
時間が経過すれば、どちらが敢えて嘘を言っているのか判明します。
米民主党支持マスコミの抵抗は、相当しつこいような気もします❓
ヨーロッパの左派と組んで徹底抗戦のようです。
現職のアメリカ大統領と競り合って勝てるかどうか、見ものですね❓
ほぼ、欧米の左派連合VS右派連合の戦いになりそうです。
(米共和党+トランプ+欧州極右~米民主党+欧州左派)
※同じ問題について、立場が違えば正反対の記事が出てくる例として取り上げました。
プロパガンダやミスリード(捏造を含む)に騙されない基本は、まず両方の言い分を読む(聞く)ことだと思います。
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★追記・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
その後、ニュースを見ていたらロイターの記事がありました。どうも、この記事が一連の他のメデイアのソースでは、ないかと思います。
産経新聞
『トランプ氏、ウクライナ早期停戦へ仲介外交始動 交渉拒否すれば追加制裁とロシアに圧力』
https://www.sankei.com/article/20250122-DNR65Z6EI5NJRE4W72YSWBT7P4/
これも、結構「尾ひれ」を付けて話を膨らませています。
では、ソースと思われるロイターの記事は❓
【トランプ氏、ウクライナ和平拒めば対ロ制裁も 中国にも関与要求】
2025年1月22日午前 8:57 GMT+913時間前更新
https://jp.reuters.com/world/ukraine/HMOKTCWWNZNSRIFDWFXON4MUW4-2025-01-21/
この記事の中でロイターが書いているのは・・・・・
『トランプ米大統領は21日、ロシアのプーチン大統領がウクライナ戦争の終結に向けた交渉を拒否した場合、ロシアに制裁を科す可能性が高いと述べた。』
ロイターが書いているのは、あくまで・・・・・
ロシアが交渉を拒否した場合の事について言っています。
『ロシアが交渉を拒否した場合に「のみ」、追加制裁を科す可能性が高い』と言及しているだけです。
★随分、それぞれの記事タイトルからは違う印象を受けませんか❓
CNNの記事は、本当にトランプ氏がCNNの記事のように発言したのかは、全然分かりません。
ロイターのごく簡単な内容とは、全然違います。
よくあるパターンは、誰かが何かを書いて、それに「尾ひれ」を付けて話が拡散していくというケースです。
地球を一回りすると、物凄い話になったりします。
※関連日記目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑧
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27