ミサコもレナも居ないなんて

2021年10月13日 | 日記
私の職場、障がいがある子のデイサービスに来ていた6年生のミサコ…

母親からの虐待により、救急車で病院に運ばれ、そのまま児相に保護された。

とりあえず二ヶ月間の保護で、母親の状態によっては完全に施設に入ることになるらしい。

悲しい。そして寂しい…

ミサコの母親は真の悪だとは思えない。

いつもちゃんと手作りのお弁当を持たせてよこしたし(たとえばレナのお弁当はいつもコンビニ)、連絡帳もちゃんと読み、毎日何か書いてよこした。そこに愛情を感じた。

本当は娘を可愛いと思っているはず。

母親もきっと何かを抱えて苦しんでいたんだろう。


いつも楽しそうに元気いっぱいだったミサコ。

ミサコがデイから居なくなり、すっかり寂しくなった。

ミサコはここの、おひさまみたいな子だったんだなあ。

会えないのは寂しいけど、どんなカタチでも幸せになって欲しい。


そしてデイ1手がかかるきかんぼう、レナ。

レナはウチのデイサービス以外に他のデイも使うようになり、あまりうちには来なくなってしまった。

自由に過ごすウチのデイサービスと違い、そこは時間のスケジュールがキチンとしているらしい。

あの自由奔放に振るまい、周りの人達に迷惑をかけるレナが、そんなキチッとした所でやっていけてるんだろうか。慣れないしくみに気持ちを縛られ、辛い気持ちで過ごしていないだろうか。心配になる。

私は我がままなレナをしょっちゅう注意し、それでもレナを少しは理解して接してきたつもりだ。

手がかかってもレナを相手にすることに働きがいを感じていた。

レナにもあまり会えなくなるなんて…

レナの母親は明らかに勘違いをしている。

レナに必要なのはキチンとしたデイサービスではなく、自分自身、母親の愛情なのだ。なぜ気がつかない!バカッて怒鳴ってやりたい!

ミサコの母親は連絡帳にちゃんと目を通していた。お弁当も作ってきた。

でもレナの母親は連絡帳を見ないどころか持たせてもよこさない。お弁当はコンビニ。あるいは何も持たせてよこさず、

「あとで支払うので何か買ってやってください」

と電話が来ることしょっちゅう。

買って、あとでレシートを差し出すと、お礼のひとこともなくお金をよこす態度の悪さ。

お金を払えば文句ないだろって考えなのだろう。

レナはコンビニ弁当が恥ずかしいのかもしれない。みんなから離れた場所に座って食べている。

レナがいつも荒れているのは母親のせい。

我が子に手をあげるミサコの母親も悪いが、母親としての優しい心の無いレナの母親の方がもっと悪い。本当に腹が立つ。


ミサコもレナもデイサービスに来なくなり寂しいのだが、更に2年生のマナトもあまり来なくなった。

マナトの母親もまた問題がありそうだ。

まだ二十代前半のシングルマザー。

いつも露出の多い服装で迎えに来るのだが、いつもマナトというよりウチの男性職員達に近づいて話しかけたり、時に体を触ったりしている。

普通、保護者は帰りの迎えに来ると玄関で待っているのだが、マナトの母親はズカズカと中に入って来る。そうして男性職員に話しかけるのだ。

そしてまたウチの男性職員達もデレデレを隠しきれないバカッぷり。

コウタさんだけはマナトの母親が近づいて来ても知らんぷりをしていてさすがだと思った。

マナトから時々「新しいお父さんが来た」という言葉を聞いている。

しかも新しいお父さんが少しの期間で次から次と変わる。

何かそういったことがマナトに影響し出したんじゃないかと感じている。

マナトがずっとデイを休んでいた。時に学校も連絡無しで休んだりしているようだ。

一昨日は職員のササキが学校に迎えに行くと、泣いて送迎車に乗らなかったそうで、結局自宅に帰ってしまった。

でも!昨日は来た!久しぶりにデイサービスに来た。

何か不安そうな表情のマナト。久しぶりに来たから緊張していたのだろう。

マナトが来たのが嬉しくて私は思わずマナトを抱きしめた。

「久しぶりだねー!来てくれて嬉しいよー!」

なんだか私は泣きそうだった。

ミサコもレナも、そしてマナトも居なくなったら悲しくて、もう私はやっていけないんじゃないだろうか。


ダンナを亡くして、息子はひとり暮らしし出し、仕事で元気な子供たちを相手にすることが私の気持ちの張り合いだった。

静か過ぎるこの職場では、私の気持ちが奮い立たない。

ここ数ヶ月間の悲しさが堪えきれず溢れてきて、なんだか胸に穴が開いた気分で、空しくなる。