蒲田耕二の発言

コメントは実名で願います。

ヨーロッパの音

2012-06-10 | 音楽
スピーカーをモニター・タイプからDaliの超小型に換えたら、俄然CDを聴くのが楽しくなった。ヴォーカルが伸びのびと潤い豊かな歌をうたう。使い込むうちに、低音もけっこう出るようになった。

これに味を占めてAVサラウンドのフロントも、以前から音色が好みだったTannoyに変更。といってもオートグラフ、スターリングといった大型の高額機種では無論なく、マーキュリーというTannoyの中で一番廉いヤツである。

鳴らし始めは、参った。音がスピーカーの奥で生気のない固まりになってモゴモゴ。アンプのボリュームをいくら上げても前に出てこない。大体、音色がカサカサしてTannoyらしい色気がない。

こりゃアカン、やっぱ安物は……と悔やみつつ、CD掛けっ放しで約2時間。すると、あらら~、音質が突如一変したじゃありませんか。堰を切ったように音の奔流があふれ出してきた。

弦は華やかな艶をおび、ギターは爽快な切れ味を増し、ヴォーカルは晴ればれと歌いだす。価格で3倍のDaliに迫る勢いだ。

つまりこのスピーカー、つぼみの状態でユーザーに届けられるんですね。信号を流し込むと、それを滋養に大輪の花が咲く。コスト・パフォーマンス比の良さ以上に、そういう造りから透けて見える職人気質に感心した。

昔、日本の旅の宿では、チェックアウトする泊まり客に何時ごろ昼食をとるつもりか訊ね、それに合わせて彼らに持たせるおにぎりの握り方を変えたそうだけどね。ちょっと違うか。

ともあれ、スピーカーはヨーロッパに限る。音楽はヨーロッパに限る。ヨーロッパ白人は大嫌いだが。
コメント
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