蒲田耕二の発言

コメントは実名で願います。

ちょうちん持ち

2023-11-11 | テレビ
自慢にもならないが、テレビドラマというものをオレはほとんど観ない。最後に完走したのが宮藤官九郎脚本の『タイガー&ドラゴン』だから、もうほぼ20年前のことだ。以来1話か2話、チラッと観たのはあっても観続けたシリーズはない。

なにがイヤって、決まった曜日の決まった時刻にテレビの前に座らされるのがイヤだ。録画しろ? メンドくさい。だいいち、そこまで手間かけて観たいとは思わない。

いまはTVerや各局のオンデマンド・サービスがあるから、いちいち放送時刻を気にしなくていい。録画の手間を掛けなくていい。それでも観ない。

そのオレが気を変えて『泥濘の食卓』なるドラマを観る気になったのは、朝日新聞デジタルが2週にわたって異常にホメちぎっていたからだ。「さまざまな人間模様がカオスに交錯する」「想像を絶する恐怖の食卓」云々と、地球の終わりが来たかのような騒ぎだ。

で、TVerで配信されている分を視聴。なるほど、テレビドラマの認識を改めさせる出来映え……では全然なかった。テレビドラマのつまらなさを再認識させる出来だった。気持ちのこもってないセリフ回し、型通りの拙速演技、ストーリーをなぞるだけで才気も創意もない演出、べったり平面的で深みのない画面。2話まで観たところでギブアップ。

そんなもん、無視すりゃいいじゃん⎯⎯と、オレも思うけどね、このままじゃハラの虫が治らない。

別にドラマの出演者や演出者にハラを立ててるわけじゃない。朝日にハラを立てているのだ。露骨な広告を、あたかも読むべき記事であるかのように配信する朝日に。これ、有料記事だよ。筆者は番組のプロデューサー。これぞステマ。

こんな風にテレビ業界とズブズブだから、ジャニー喜多川の醜悪な犯行を長年、見過ごすことになったんじゃないかね。

メキシコほか数カ国が、大阪万博から撤退意向。開催が無理なのはすでに明白なのに、350億掛けて木造リンク建設だと。泥縄式に税金を注ぎ込んでどうする。東京五輪の失敗に、まったく学んでない。
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談志の『芝浜』

2021-11-22 | テレビ
立川談志の没後10周年だというので、十八番の演目を放送していた。どうにも興味が湧かない日本シリーズの中継を中座して、そっちを観た。

さすがに見事な芸だった。扇子をキセルに見立ててくわえる所作、目に見えない杯を手にとって口に運ぶ仕種、拾った大金に浮かれ、長屋仲間に大盤振る舞いして笑い惚ける酔態、いずれも迫真の芸だった。

亭主のためにカネを隠す女房を、賢いしっかり者というより小心でいじらしい亭主思いの女のように描いた造型もスジが通っている。

しかし観ていて、これって話芸なのかねと思った。

古今亭志ん生の高座を、オレは観たことがない。テレビでも観たことがない。知っているのは、放送録音だけだ。だから声だけ言葉だけしか知らないが、それでもあの人の口演では情景が見えた。長屋の連中がいかに苦労してタクアンを音がしないように噛むか、お茶で酔っぱらった振りをするかが目に見えた。

声も細くて甲高く、かすれているのに、ケンカの振りが本物のケンカになって一気に山場へとなだれ込んでいく迫力の凄まじさといったら、なかった。

目を瞑って談志の噺を聴いて、同じように情景が目に浮かぶだろうか。所作は役者のように上手いが、声はドラマを演じているだろうか。ラジオ時代の志ん生と、テレビ時代の談志の違いかも知れないが。

ただ、談志にも共感できる点はある。放送の前振りで出ていた志らくと神田伯山によると、談志は晩年、なるべくヘタに演じようとしていたそうだ。分かるなあ。

桂米朝とか圓生とか小さんとか、昭和の名人といわれた噺家がオレは軒並み嫌いだった。特に米朝が嫌いだった。端然とした噺し振りや落ち着いた佇まいから、大御所の権威がプンプン臭った。庶民の暮らしの猥雑さやホコリっぽさが、彼らの噺からは洗い落とされていた。落語家が庶民性を失ってどうする。

談志も自民党入りしたころから権威臭を放つようになったが(だから好きになれなかった)、本業の落語だけは庶民芸能の猥雑さを失うまいと心がけていたのではなかろうか。

伯山と志らくという、やはりあんまり好きになれない売れっ子タレントが談志の志をしっかり理解していればいいが。

レコードに続いてカセットも人気復活とか。そのうち、オープンリール・テープもリバイバルするかもね。引っ越しの際に、ほとんど捨ててしまったよ。チクショー。
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報ステ復活?

2021-07-10 | テレビ
報道ステーションが古賀茂明さんの「I am not Abe」パネルでゴタゴタして(面白かったなあ、あのときの番組の慌てぶり)、古舘伊知郎が似非リベラルの馬脚を顕して、ディレクターが芸能派に代わって、キャスターも社畜丸出しのボクちゃんに代わって……あれからもう、5〜6年になりますか。

あれ以後、ニュースステーション時代から見ていた報ステをオレはピタッと観なくなった。ぜーんぜん面白くなくなったもの。ボクちゃんアナの剃り眉やオバさんアナのほうれい線見るとメシが不味くなるし。

なんせ生ぬるい発言ばかりで、ワサビ抜きの寿司食ってるみたいな番組になっちまったもんね。

しかし、10月から元NHKの大越健介氏がキャスターになるっていうから、久々に観てみようかな。

NHKニュースウォッチ9の歴代のキャスターの中で、大越さんはほとんど唯一、骨のあるコメントをする人だった。NHKという官邸忖度が激しい組織の中で、あれだけの発言をするのは想像以上の勇気が要ったと思う。

ここ数年はスポーツ番組で当たり障りのない仕事をしていたが、あれ絶対、上層部に左遷されたんだよね。

その大越さんが就任するんだから、ひょっとしてニューステ以来の報道スピリット復活? もっとも、いまのテレ朝はNHK以上に官邸ベッタリ姿勢だから、早河会長と見城番審委員長が退任しない限り、政府公報機能を継続するだけかもしれないが。

10月からってのが、なんだか暗示的だよな。オリンピック開催中の何が起きるか分からん事態と、そのあとに高い確率でやってくるだろう感染大爆発/医療崩壊にヘタなこと言ってもらっちゃ困る、ってこと違うか。

大越さんも、テレ朝ではなくTBSで小川アナとコンビを組んだ方が輝くかもね。
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ショーン某

2016-03-18 | テレビ
って、「クヒオ大佐」を地で行く感じだね。あの映画のモデルになった結婚詐欺事件は40年前の出来事だが、日本人の白人コンプレックスはいまも変わらず続いていたわけだ。

整形しまくりでアメリカ人に化け、バレると、これからどうやってメシを食おうとションボリってとこがクヒオ。映画の方の詐欺師は銀座のホステスをだまそうとして歯が立たず、逆にカネを巻き上げられそうになってショボーンとしてたけどね。

しかし、結婚詐欺なんてケチな犯罪はやらず、巨大権力のテレビ局を法に触れることなく手玉にとったんだから、ショーンて男、むしろあっぱれじゃないですか。身をもってテレビの虚構性を暴いて見せた。

それと、顔は作り物でもあのバリトン・ヴォイスは作り物じゃないだろう。声は発声訓練で響きを改善することはできるが、声質そのものは変わらない。変えようがない。

コメンテイターだの経営コンサルタントだのと背伸びをせず、オペラ歌手でもやってればよかったんだよ。それなら、ひとかどの存在になっていたと思うけどねえ。

クローズアップ現代の国谷キャスターがとうとう最終回を迎えてしまった。あれだけ凛と背筋の通ったジャーナリストは、なかなかいませんよ。知的で上品で。

報ステが彼女をMC、もしくはせめてコメンテイターに迎えてくれたら少しは見直すんだけどね。ま、いまの会長じゃ無理だろな。
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報ステ・サプライズ

2016-02-12 | テレビ
番組最後の恒例インタビューに吉田拓郎登場。報ステに拓郎? でも、朝日にだって芸能欄があるしね。それに、古舘伊知郎が拓郎の大ファンだったらしい。報ステは、古舘のプロの制作だし。

で、現れた拓郎が若々しいので、二度びっくり。今年70だというのに、62の古舘の年下にしか見えない。まあ髪を染めたり前髪を垂らしたり、若作りは確かだが、日ごろ摂生に努めてもいるのだろう。

しかし、自分はこっち(フォーク)側じゃなくてあっち(芸能)側にいるべきだったとの発言には、別に驚かなかったね。「結婚しようよ」なんか完全にアイドルソングだったじゃん。「旅の宿」は歌謡曲。

歌がひばりや三橋美智也ほどうまくなかっただけ。でも、オレも嫌いではなかったけどね。

頻尿の人にコンサートに来てもらっちゃ困る、客席が落ち着かないとうたいづらい、て発言は呑めないなあ。芸能人なら、三波春夫の「お客様は神様です」精神じゃなきゃ。

ナベプロに入った方がよかったかも、などとも言っていたが、入っても成功しなかっただろうね。こんな風にプロ根性に欠けるんじゃ。

それにしても、身もフタもない古舘の熱烈半狂乱ぶりには鼻白んだね。フォークとかシャンソンとかは、やっぱり音楽を聴き慣れない人が好きになるジャンルなんだなあ。どっちも曲より歌詞が命だから。

そのシャンソン関係じゃ、一昨日の晩にNHK-BSでエディット・ピアフの番組をやっていたが、お粗末の極みだったね。大野某とかいう「シャンソン評論家」が、ピアフは母親がアラブ系だったから喉が強かった、などと言っていた。

アラブ系じゃなく、カビールとイタリア系のハーフ。評論家を名乗るなら、事実を正確に踏まえておけ。

大体、アラブ系だとなんで喉が強いんだ? こういう十把一絡げの人種観が偏見のもとだろうが。
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