一次リーグ突破

めでたいんだけどさあ。嬉しいんだけどさあ。嫌でも2007年の日本シリーズを思い出さずにはいられなかったねえ。

当時オレは、中日ファンだった。"オレ流" 落合のファンでもあった。その落合が同年の日本シリーズ第５戦の９回目で、完全試合目前のピッチャー山井を岩瀬にスイッチした。

岩瀬は絶対的抑えと言われていた名投手だから、中日は１対０の接戦に勝って53年ぶりに日本一になった。

だから中日ファンとしては嬉しいし、めでたいし、落合の石橋を叩いて渡る采配を称賛すべきだったんだけどさあ。ひょっとしたら山井がシリーズ初の完全試合達成かもという、最高にスリリングな、生涯に何度も観れないようなドラマは水の泡と消えたんだよね。

あれ以来オレは中日に興味を失い、パリーグに関心を移した。

西野監督の采配も、長谷部の行動もオレは非難しようとは思いません。それぞれの立場でベストを尽くしたんだと思う。

ただ、緩慢なパス回しが始まった瞬間、オレはリモコンの電源ボタンを押した。

案の定

ほらな。平壌放送「拉致問題は解決済み｣。

そらトランプはリップ・サービスで拉致解決を議題にしたとか言うだろうけどさ、本気のワケがあるもんか。他国の問題に深入りして北朝鮮の機嫌を損ね、てめーのノーベル平和賞受賞のチャンスを逃したら大損だもの。

それなのに安倍とか菅とかは、なんでまた易々と手の内さらけ出してしまうワケ？　北の非核化費用を日本が負担するのは当然、て、まだ北がカネを出せとは一言も言ってないうちから。

簡単に非核化と言うけどねアンタ、費用は200兆を超すんだよ。

まさか全額負担はないだろうが、韓国と折半しても100兆。日本人が新生児から寝たきり老人まで、一人当たり100万負担する計算じゃん。どこにそんなカネがあるんだよ。

国庫の赤字は既に1000兆オーバー。南海トラフ地震が発生すれば、被害額は最悪1400兆。日本は世界の最貧国に転落するかも知れない、てのに。

そうまでしてトランプのご機嫌をうかがいたいかねえ。車や鉄鋼・アルミの関税であれだけコケにされながら。

東日本大震災、熊本地震と来て、群馬で県史上最大の地震があったと思ったら、大阪で観測史上最大の地震。千葉沖では海底がスロースリップ。滅多に地震がない沖縄でも５月末に震度３。いくら学者が否定しても、巨大地震の接近を懸念せざるを得ない。

こんな時に国の舵取りをこんな連中に任せておいて、日本は大丈夫か。

新幹線事故

奇怪。

昨夜の報ステによれば、山陽新幹線ののぞみのボンネットが破損したのに、運転士は異常に気づかなかったんだとさ。点検したら、人体の一部が見つかったんだよ。人身事故じゃん。

画面で見る限りは、車体に血痕がベットリついているようにも見えた。それじゃなくても、あれだけ大きな破損だのに、気がつかないとは。

もっと違和感を覚えたのは、報ステのキャスターのコメントだ。新幹線は今夜運休し、明日は平常に戻りますって、それだけ？　あんた、人命より列車の運行ダイヤの方が重要なワケ？

そらまあ情報が乏しくて、なんとも言いようがなかったのかも知れないが、仮にも人体の一部が見つかったってんだよ。誰かが重傷を負ったか亡くなったことは間違いないだろうが。一言、心配です、ぐらい言ってもバチは当たらんだろ。

この前の日曜には、東海道新幹線車内の無差別殺傷事件で、被害女性を助けようとして犠牲になった梅田さんが犯人を刺激して惨事になった、みたいなことをフジのMrサンデーのリポーターが口走って炎上した。

ニュースの現場にいる人って、人の死に鈍感なのかね。

インドじゃ、無戸籍の幽霊人口が１億もあって、ガンジス河に死体がプカプカ浮いていても誰も気にしないんだそうだけど。

歴史的会談？

正確に言や、歴史的茶番だろ。

そら、会談しなきゃ何も変わらないから、やらないよりはマシだった。しかし、金正恩が自分の命綱の核を手放すとは到底考えられず、トランプの方もアタマにあるのはノーベル平和賞獲りと中間選挙の勝利だけ。

形だけの合意文書に署名して、勝った解決したと国内向けに大宣伝をやるだろう。本当に非核化が実現するかなんぞ、知ったこっちゃない。拉致問題は無論、そっちのけだ。というか、北の言う「解決済み」が既成事実化される。

日本にも昔、ノーベル賞が欲しくて欲しくて、カネを遣いまくった右翼のジイさんがいたが、ノルウェーの平和賞委員会はさすがに相手にしなかった。今度も宜しく頼みます。トランプなんかが受賞したら、世も末だ。

しかし、トニー賞授賞式でのデ・ニーロのスピーチは痛快だったね。"Fuck Trump!" 会場がまた、総立ちになって喝采したのが素晴らしい。

一方、是枝裕和監督の「祝意辞退」もこれに劣らずカッコいい。「公権力とは潔く距離を保つというのが正しい振る舞いなのではないかと考えています」日本の映画・テレビ界で、これほど旗幟鮮明な、覚悟の明快な意思がかつて１回でも示されただろうか。

是枝作品は「誰も知らない」も「そして父になる」も、オレはもう一つ物足りなかったんだけど、今後は見方が変わるかも知れない。