蒲田耕二の発言

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開会式

2024-08-05 | スポーツ
パリ五輪の開会式がダ・ヴィンチの最後の晩餐をオチョクってると、ローマ教皇庁が文句を言ってるそうだ。そうかねえ。

オレはむしろ、目の玉が飛び出る値段のドレスを纏ったマヌカンがカネと暇を持て余す上流人士の前をのし歩くパリ・コレクションの、格差の象徴みたいなショーを風刺しているように見えたけどね。そもそも、LGBTを登場させたのがけしからんて、そういう考え方の方が問題ではないか。

数えきれないほど起きた聖職者の性暴力事件を隠蔽しといて、偽善にも程がある。

ともあれ、今度の開会式は抜群の出来だったと思うよ。まず、各国選手団の入場を船乗り込みにしたアイディアが素晴らしい。そして、途中に挟み込む様々なパフォーマンスに、船乗り込みと同じぐらいのエネルギーと工夫を注いでいたのが、また素晴らしい。何十もの各国選手団がゾロゾロ行進する間の気が遠くなるほど退屈な時間を精いっぱい回避していた。

何しろ入場式って、当の選手たちがうんざりするそうだからね。ロンドンだっけ? リオだっけ? 選手が途中で逃げ出した事件があったじゃん。

もっとも、おかげで昼間の川べりで踊る羽目になったレディ・ガガのショーが、さっぱり冴えない形で終わることになったのは気の毒だったけど。

若いヒップホップ・ダンサーたちの乱舞も圧巻だった。五輪、じゃなかった、スポーツの生命讃歌を端的に表していた。

あと、セリーヌ・ディオンの歌手としての実力に改めて感心した。あの「愛の讃歌」という壮大にして空虚な歌を、あれだけ説得力を込めて歌いこなせる歌手はいま、ほかにはいないだろう。シャンソン界にはピアフ以後、間違いなく絶無。

ともあれ、没個性と二番煎じを極度に嫌い、独創性を何より重視するフランス人のアナーキー気質が最良の形で結実したイベントだったよな。凡庸を絵に描いたようだった東京五輪とは、なんたる違い。歴史に残る開会式だったと思うよ。この調子だと、閉会式にはどんな演出を見せてくれるか楽しみだ。競技にはさっぱり関心が持てないが。

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