節電

今度の大震災と原発事故にわずかでも救いがあるとすれば、それまでの無駄に気づかされたことではなかろうか。オレんちでいえば、まず電子レンジ。冷蔵庫の上から転落して壊れたが、以来３週間、なくても全然、不便に感じない。

もともとミルクの温めとか冷凍食品の解凍ぐらいにしか使ってなかったが、その程度の用途で1500Ｗ近い電力を食ってたんだから無駄の象徴だ。ミルクは鍋に入れてガスレンジに掛けりゃ温まるし、冷凍食品は自然解凍の方が風味が損なわれない。

家電メーカーの宣伝に乗って、うかうか電力を浪費していたのを反省。同じ伝で、暖房便座なんてのも要らないね。あんなものなくても、用を足すには全然困らない。

外に目を転じれば、最近どの駅にも設置してあるエスカレーター。特に下りのヤツは要らない。エレベーターは足の不自由な人々のために絶対、必要だが、二重に設置する必要があるか。下りエスカレーターで若い連中が脇を駆け下りていったりすると、足腰の弱ったお年寄りは崖っぷちで強風に煽られるような恐怖を覚えるそうだ。

脚に自信のある若者は、階段を使うべし。その方が筋力アップにもなるよ。

自動ドアってのも無駄、というより横着の象徴じゃないかね。人間には手というものが備わってるんだからさ。いま設置されている自動ドアをすべて普通のドアに換えるには、莫大な費用が掛かるだろう。だが、モノにはすべて寿命がある。寿命が来たヤツから取り替えていけばいい。

無論、世の中には手の不自由な人々もいる。そんな人々のためには、居合わせた人がドアを開けてあげる。そういう社会的マナーを根づかせる方が大事なんじゃないか。

初動ミス？

地震の翌朝、首相が空から福島原発を視察したのを自民と公明が「政治的パフォーマンス」「現場の邪魔をした」と非難。よく言うよ。

もしも公明の言うとおり、「官邸に腰を据えて」陣頭指揮していたとしてみ。間違いなく「怠慢だ」「責任放棄だ」と口をきわめて罵ったことだろう。

要するにこいつらは、首相に得点させまいと足を引っ張りまくってる。何度も言うが、未曾有の国難だと分かっているのか。ケチな党利党略でアラ探しをやってる場合じゃないだろう。

大体、原発建設を推進してきた自民と、それを支持してきた公明が、口をぬぐって知らん顔しているのは、どういう神経だ。現場で決死の作業を続けている作業員、不自由な避難所暮らしを強いられている福島県民に申し訳ないと思わないのか。次の選挙に備えて、しっかり覚えとくからな。

それにしても、原発の状況説明で時々テレビに顔を出す東電の副社長、どうしてああモゴモゴ不明瞭な、苛立たしいしゃべり方すんのかね。ハラの中に自己保身があるからじゃないのか。

未曾有

こいつらだけは、許せない。

筆頭は東電幹部。社長も副社長もおろおろ口ごもるばかりで、会見からは事態収拾を図る強い決意と決断がまるで伝わってこない。さっさと海水を注入しておけばよかったものを、それじゃ原発が使い物にならなくなる、大損害だ、ってんで躊躇したんじゃないのか。それが、いまの大規模な放射能災害を招いたのと違うか。

地域独占の殿様商売でアグラをかいてきたから、緊急事態や他人の痛みに対する感性が鈍化しきってるんだろう。目線が国民生活に全然向いてない。日航やＮＨＫと同じだね。

ついでに言うと、東電のホームページに置いてある「週間計画停電」予定表なるPDFファイルが、おそろしく読みづらい。妙にデザインに凝って、かえって分かりにくくしている。独りよがりな企業体質の象徴だ。

次に許せないのが、自民党谷垣。首相の入閣要請を断った。原発開発を推進してきたのは歴代の自民党政権だ。その尻拭いを現政権だけに押しつけるのは卑怯だろう。当然、おまえらも責任をかぶるべきだ。泥まみれになるべきだ。

その代わりに閣外から協力するとか言ってるが、おまえらこの10日間、どんな協力をしたというんだよ。被災者救済と事故対策にどれだけ尽力したというんだよ。何もやってないじゃないか。

国家的災厄だってことが分かってんのか。

ビートたけしって野郎にも失望したね。閣僚が作業服着てるのはワザとらしい、無意味だ、などとケナしていた。そんな詰まらんケチつけて、それこそどんな意味があるんだよ。タキシード着て対策に当たれとでも言う気かよ。いじましい揚げ足取りなんかやってる場合じゃないだろ。

最後に許せないのが、東京の主婦。被災者でもないのに目を血走らせて、なくなる、なくなる、と世迷い言を口走りながら食品を買い占めまくってる。ほとんど餓鬼だね。

しかし「なくなる」という根拠って、何なんだよ。おまえらの被害妄想だけだろが。40年前のトイレットペーパー騒動から少しも進歩していない。オレは石原慎太郎ってヤツが大嫌いだが、少なくとも主婦に関しては、そのアイデンティティは「我欲」だと言って間違いじゃないね。

この10日間で最大の救いは、若い官房長官が就任早々、すばらしい対応能力を発揮したこと。この非常事にあれだけ精力的かつ冷静沈着に行動し、国民に対して論理的に説明できる人物なんて、そうはいないよ。

営業左翼の朝日は相変わらず政府の足を引っ張るようなことばかり書いてるが、あの信頼感にみちた官房長官がいるおかげで、国民はどれだけ安心を与えられたことか。もしも政権交代がなく、漢字読めないアニメの殿堂内閣がいまも続いていたら、と思うと、想像するだに背筋が寒くなる。

メア発言

東が「方便」と言えば、西は「ゆすり」。沖縄も踏んだり蹴ったりだね。

「ゆすり」は論外だが、所詮は感情論だ。しかし報道されたメア発言を子細に読むと、最後の最後にもっと重大な、とんでもない問題を含んでいる。

「（日本の）憲法が変われば、米国は日本の国土を米国の国益を促進するために使えなくなる。日本政府が支払う高価な受け入れ国支援は、米国の利益だ。我々は日本でとてもいい取引をしている」

これって、いわゆる“思いやり予算”のことだろ。在日米軍は日本のためじゃなく、アメリカの利益のために日本にいる。カネがほしくて駐留している。

そのことを、これぐらいアケスケに明言したアメリカ人て、初めてじゃないか。おのれのハラの内を正直に暴露してくれて、むしろ賞めてやりたいぐらいだよ。

しかし朝日、ＮＨＫその他、日本のマスコミは「ゆすり」発言ばかりセンセーショナルに報道して、こっちの方は採り上げない。どういうわけだ。

不都合な真実から国民の目を逸らせるための工作と違うか。

40年前、沖縄返還に伴う日米密約を男女の不倫問題にすり替えてゴマ化した前科が日本の“マスゴミ”にはあるからね。

リビア

モロッコ、アルジェリア、チュニジア、エジプト。北アフリカの国は、ほとんどが音楽の宝庫である。だけど、リビアの音楽ってのは知らないなあ。ＣＤとか出てんのかね。ティナリウェンがリビアでスタートしたのは有名な話だが、彼らはマリ人だ。

音楽大国が連なる北アフリカで、リビアのとこだけポッカリ虚空なのは、やっぱ強権政治が災いしてんじゃないのかね。

ナチス・ドイツ、スターリンのソ連、毛沢東の中国。考えてみれば、強権政治の国家にはロクな音楽がない。あっても名ばかりの、聴いてる方が恥ずかしくなるような御用音楽ばっかりだ。

北朝鮮も似たようなもんだろう。いつだったか、金正日のブスデブ三男坊を称えるナントカ大将の歌とかいう、噴飯ものの歌がテレビで流れていた。

ま、音楽だの美術だのといった感性の産物は、精神の自由が保証されてないと窒息死するってことですな。強権政治は人間の行動だけでなく、精神も束縛するからね。

それにしても、40年前に革命を起こした当時のカダフィは、反植民地主義の清貧な闘士ってイメージだったけどねえ。カストロと並んで。それがいまじゃ、アメリカが凍結した資産だけでも3兆6000億だとよ。権力は腐敗する。

変わって、わがニッポン。前原外相の政治資金報告書に自称記載ミス。だけじゃなく、脱税関連企業から献金だと。

一方、もと市民運動家の首相は嫁さん同伴で夜な夜な赤坂の料亭ホテル巡り。人間は変質する。

旧自民党政権と、どこが違うんだ。