蒲田耕二の発言

コメントは実名で願います。

公務員

2012-10-11 | 社会
山形の消防署が救急車出動の要請に応じなかったために19歳の大学生が死に、そのおふくろさんが市を提訴した。そのニュースにオレは初め、腹癒せか意趣返しと違うか、と思ったが、違うね。ネットで公開されている119番通報の内容を聞いて、考えが180度変わった。

大学生がハァハァ喘ぎながら、体調が悪くて、と訴えている。名前を聞かれても19と繰り返すぐらい、余裕がない。必死に電話しているのが分かる。相手の救急隊員の方は色々と質問するが、内心メンドくせーなと思いながら応対してるのが声にありあり。

「自分で歩けるか」という質問はマニュアルどおりなんだろうが、気の弱そうな大学生は気力の衰えも手伝ってだろう、隊員の言いなりに「歩けます」と答えている。苦しい息の下から絞り出すような声である。

普通の感覚の人間なら、その調子からタダ事じゃないと判断するはずだ。だが救急隊員はこれ幸いと、病院を紹介して電話を切ってしまう。最後に「お大事に」だとさ。

公務員は働いても働かなくても給料が変わらない。長い目でみりゃ勤務成績で差がつくかも知れないが、差し当たっては変わらない。競争社会の民間会社とは、そこが違う。

だから、公務員はなるべく仕事をしない。できることなら全然したくない。しかし税金でメシ食ってる手前、何もしないと格好がつかないからシブシブ形を整える。

警察は真犯人を捕まえるより、誰でもいいから犯人らしいのを捕まえて早期の一件落着を図る。最近のコンピューター・ウィルス冤罪事件がいい例だ。

救急隊員だって、出動せずに済むならそれに越したことはない。で、マニュアル片手に遣り取りして出動条件をみたしていなければ、お大事に、で済ます。

山形の大学生は、こういう公務員の鈍感、怠慢、無責任の犠牲者だ。おふくろさんの請求額が1000万だなんて、慎ましすぎる。1億ぐらい請求したっていい。人の命はカネに換えられないけれど。

それぐらいの負担を掛けないと、官僚から地方公務員まで「公僕」なんていう図々しい連中は懲りないだろ。
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大学教授

2012-10-09 | 文化
どういうわけか小学生のころから教師運が悪く、いつもニラまれてばかりいた。で当然、教師教授の類が嫌いである。彼らは大体、傲慢横柄思い上がりが顔に浮いている。普段、生徒学生相手に威張り散らしているからだろう。

でもノーベル賞獲った山中さんは、ちょっと違うみたいだね。テレビ局の誘導もあるんだろうけど、エラそうな顔をするでもなく笑いを噛み殺すでもなく普通の顔で話しながら、そこにソコハカとないユーモアが漂う。見ていて思い出したのが、『股間若衆』という本。

東大の木下直之という先生が書いた本だが、書いたきっかけが、どこかの駅前で男性裸像彫刻を見て、性器が妙な具合にデフォルメされてるのに疑問を抱いたことだったそうだ。

文系の教授だから、書名になったダジャレがとっさに浮かび、以来そのダジャレに突き動かされるように日本各地の男性裸像をルポした研究書。

最初は芸術新潮に載せた単発記事だったらしいが、「股間若衆」「新股間若衆」と来て編集者も悪ノリしだし、『和漢朗詠集』てのもありまっせ、てんで「股間漏洩集」まで書いた。

という風に紹介すると、下ネタのお笑い本か何かに聞こえてしまうが、やはり淡々と格調を保ちながらソコハカとない可笑しさをにじませた文章である。「曖昧模っ糊り」なんて言葉が浮かず、品よく文脈に溶け込んでいる。こういうのを知性と言うんだろうなあ。

久しぶりに読んでいて、何度か微笑させられてしまった。ま、教授にもピンからキリまでありってことです。
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東電ビデオ

2012-10-06 | 福島原発
東電が渋々公開した原発事故ビデオをテレビ局が報道番組で紹介していたが、どこに重点を置くかで各局のスタンスが明瞭に分かったね。

まず、夕方のフジ。タイトルじゃ東電幹部がア然発言などと報じていたが、そこはほんのおシルシ。内容はもっぱら当時の官邸の過剰介入で現場が混乱した、ってことに終始していた。まあフジ産経グループは原発推進、民主党政権憎しで一貫してるんだから、当然といや当然だが。

NHKニュースウォッチ9は相変わらず中途半端で、東電本店の煮えきらなさと官邸の過剰介入に触れはしたものの、遠慮がちだから何が問題なのか、結局はっきり伝わらない。

ついでながら、しゃべってるうちに声が段々低く小さくなる大越キャスターの癖、いい加減で治してもらえないものかねえ。聴き取りづらくて仕方がない。キャスターなのに、発声法の訓練受けてないのかよ。

スポーツ・コーナーを始めるときの、担当女子アナとのワザとらしい楽屋ネタ話も、やめて欲しいよ。クサい。

話を戻して、いちばん旗幟鮮明だったのは、やっぱり報道ステーション。現場の危機感をよそに、東電本店が未練がましく原発に海水を入れるのをためらう(錆びて使い物にならなくなるから)様子を克明に伝えていた。

官邸の介入が現場を混乱させたのは事実だろう。だけどさあ、ああいう状況で国を背負うトップが一向に事情を知ろうとしなければ、そっちの方が大問題なのと違うかね。

これだけの国難を引き起こしたのは、根本的に東電、というか原子力ムラの安全神話という名の怠慢と無責任ではないか。そのことを忘れてもらっちゃ困るよ。
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