女装子愛好クラブ

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森村誠一さんのご冥福をお祈りいたします

2023年07月26日 | 女装子愛好日記
森村誠一さんがお亡くなりになりました。
心よりご冥福をお祈りいたします。

ちょうど大学生のとき、映画「人間の証明」の大キャンペーンが角川文庫で始まり、その流れて古本屋で森村さんの初期の作品を読み出しました。
私の一番のお気に入りは『銀の虚城(ホテル)』。
ホテルマンだった森村さんの実体験も含めて、ホテルの裏側が本当によくわかる小説です。

赤痢菌培養液がたっぷりと手に揉みこんだ男が従業員食堂のめし櫃のしゃもじを握った! 翌朝、三百名の欠勤者を出したホテル大東京は完全な麻痺状態に陥り、直ちに営業を停止した。出世欲に燃える男を巧みに利用する東都ホテル社長。ライバルのホテルの評判を落とすべく密命を受けた高村博は、餌につられて必死に画策する。しかし、犯罪まがいのことまでして成果を上げた彼を待っていたものは……。冷酷な大企業の腐蝕した内面を鋭くえぐる森村誠一の力作! 出所:amzon

このなかでも、私が印象に残っている話が米兵のR&Rです。
ベトナムに行かされた兵士は東京で休息や元気回復を目的でRest& Recreationを与えられます。
高村が勤務するホテルにもこのRRで宿泊している兵士がいます。
しかし、彼は外出もしません。
彼のことを変だと思った主人公はその若い兵士に話しかけます.....。
このエピソードから1960年代末、東京もベトナム戦争に関わっていたことを知ることができます。

そして森村さんが都市センターホテルのフロントマンだったとき、ここを定宿にしていたのが梶山季之氏でした。
フロントマンに梶山季之氏は「これ、編集者が来たら渡しておいて..」と告げて外出しました。
流行作家の湯気の出るような原稿を読みながら、自分も小説家になると決めたそうです。

天国に行った森村さんを梶山季之さんはきっと歓待するでしょうね。

改めて、森村さんのご冥福をお祈りいたします。





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