FTMの男性に「お前、嫁もいるのにメスになりたがるなんてクズだなw ほら、お望み通りにしてやるよ!」とか罵られながらペニバンで〇される妄想をしていた既婚女装子さんが、その妄想が実現しました。
その体験をピンクチャンネルの既婚女装スレにアップしているまで、ご紹介します。
(ほんの少し編集・加筆しています。ご了解ください)
ヤられて来た。
出張の体で都内某所ホテルで念入りに変身。
彼(FTM)がクルマで迎えに来てくれて郊外の彼の自宅へ。
彼のパートナー(純女)も待ち構えていた。
これは聞いてなかったけど、何かが壊れて覚醒した。
自分は純男のチンポにはとっくに負けてた。自分よりもデカくて強い男にメスにされてたわけだから。
でも、いくら男ホル入れて筋トレマッチョの髭ヅラとはいえ、やっぱFTMは体格も自分と大して変わんない。
そんな彼に完全にビッチとして扱われて、徹底服従を強いられた。
恥ずかしい屈辱的なコト散々言わさせられながらディルドで掘られまくった
(自分で頼んだんだけどなw)
パートナーさん(純女)に動画撮られた
ただ計算外だったのは、FTMは純男と違って射精で終わりにならないコト。
しかも今までの純男彼氏達は中年以上だったげと、今回の彼は30代でジム通いが趣味。
男ホル盛りまくっている。
とにかく攻撃的に延々と〇された、力強くて乱暴に。
こっちは女ホルですっかり筋肉落ちてて、さらに皮膚が弱くなってんので腕とか掴まれてアザになっちゃった。
途中でホントに泣けてきたけど、彼にはプレイだと思われて殴られて更に〇された。
女ホルで精神も弱くなってんのか、抵抗する気も無くなった。
そこからはずっと泣きながらレ〇プ状態だった。
見物のパートナーさんは興奮してオナニー始めてた。
向こうも完全に「男」として「女」を〇すのに酔ってた。
こっちが純女以上に女らしくしようとするのと同じかも。
>完全に「男」として「女」を〇すのに酔ってた。
この心境、わかるともいえるし、わからないともいえます。
彼に感想を聞いてみたいところではあります。
レギュレーションを〇す恐れがあるので、一部伏せ字にしました。
その体験をピンクチャンネルの既婚女装スレにアップしているまで、ご紹介します。
(ほんの少し編集・加筆しています。ご了解ください)
ヤられて来た。
出張の体で都内某所ホテルで念入りに変身。
彼(FTM)がクルマで迎えに来てくれて郊外の彼の自宅へ。
彼のパートナー(純女)も待ち構えていた。
これは聞いてなかったけど、何かが壊れて覚醒した。
自分は純男のチンポにはとっくに負けてた。自分よりもデカくて強い男にメスにされてたわけだから。
でも、いくら男ホル入れて筋トレマッチョの髭ヅラとはいえ、やっぱFTMは体格も自分と大して変わんない。
そんな彼に完全にビッチとして扱われて、徹底服従を強いられた。
恥ずかしい屈辱的なコト散々言わさせられながらディルドで掘られまくった
(自分で頼んだんだけどなw)
パートナーさん(純女)に動画撮られた
ただ計算外だったのは、FTMは純男と違って射精で終わりにならないコト。
しかも今までの純男彼氏達は中年以上だったげと、今回の彼は30代でジム通いが趣味。
男ホル盛りまくっている。
とにかく攻撃的に延々と〇された、力強くて乱暴に。
こっちは女ホルですっかり筋肉落ちてて、さらに皮膚が弱くなってんので腕とか掴まれてアザになっちゃった。
途中でホントに泣けてきたけど、彼にはプレイだと思われて殴られて更に〇された。
女ホルで精神も弱くなってんのか、抵抗する気も無くなった。
そこからはずっと泣きながらレ〇プ状態だった。
見物のパートナーさんは興奮してオナニー始めてた。
向こうも完全に「男」として「女」を〇すのに酔ってた。
こっちが純女以上に女らしくしようとするのと同じかも。
>完全に「男」として「女」を〇すのに酔ってた。
この心境、わかるともいえるし、わからないともいえます。
彼に感想を聞いてみたいところではあります。
レギュレーションを〇す恐れがあるので、一部伏せ字にしました。
おはようございます。
今朝の寒いですね。
埼玉も氷点下だそうです。
1月下旬のつもりでいないといけないですね。
今月は『くいーん』のバックナンバーの紹介が続きます。
まあ、お楽しみください。
今回は美香子さんと真理子さんの『女装レズビアンストーリー』
『くいーん』1993年2月号に掲載された投稿体験記です。
女装レズビアンストーリー
「くいーん」愛読者の皆様、女してますか。今日は、私(美香子)と女装仲間の真理子とのことを聞いて欲しくってお便りしています。お休みの日は二人で、いつも私のマンションで一日中、女のコになりきって遊んでいます。
日曜日の昼頃、たくさんの女装用品のつまったバッグを持って、真理子が訪ねてきます。いろいろお話しながらお化粧します。(1時間以上お化粧します)
それから、二人で一緒にお風呂に入ります。手に石鹸をぬって、お互いに愛撫するように相手の身体を洗うのですが、胸をもむようにして乳首をつまむと、真理子はもう声をあげてPを大きくしてしまいます。Pをしごいてあげると、腰を使って反応します。
Aにそっと指をすべりこませると「お願い、いかせて」と泣きそうになって哀願します。さんざんじらした後、しかたないので、一度いかせてあげます。
いつものことで、エッチな真理子は一旦固くなると何時間でも勃起したままなのです。これではお風呂から上がって女装するにも、スキャンティーがはけません。
これは皆様方にもためして欲しいのですが、手でしごいて欲望を満たす時、液が出る瞬間に手をサッと離します。液はほとばしりますが、もやもやした気分が残り、満足感に欠けるのですぐに再びしたくなります。
やがて、お風呂から上がり、お化粧をなおして衣服を身につけます。
真理子はセーラー服が好きで、ブリッコです。私はボディコンに超ミニの衣装が好みです。
そして、いつものようにまるで演劇をするみたいに、二人とも役になりきります。真理子は女子高生、私はOL。話はすべて架空のものです。
「先週、授業中気分が悪くなったので、保健室にいって寝てたら、今年大学を卒業したすごくセクシーな新任の保健室の先生からせまられ、やがてパイプを使っていかされてしまったの。その日以来、私その先生のペットにされてるの」
「まあ、やらしい。その先生と私とどっちがセクシー?」
「そりゃあ、美香子お姉様の方よ」
真理子を挑発するため、わざと脚を組み変え、そのつど黒のレースのパンティーを見せつけます。
もう、真理子は目をトロンとさせ、下は固くなってるにちがいありません。
「ビデオでも観ようか」といってスイッチをつけると、真理子は「すごーい」と私の体にすり寄ってきます。外国のニューハーフもので、ニューハーフニ人がシックスナインになって巨大なPをくわえています。
画面に刺激され、私達もいつのまにかヘビーキスをして相手のスカートの中に手を入れ、パンティーの上からもみあいます。
パンティーをとりあい、立ち上がって抱きあいます。
ミニスカートの下からのぞいている固くなったP。真理子のスカートをまくり上げ、Pどうしを押しつけあいます。ふくらんだ胸どうしも押しつけ合い、チークダンスを踊るようにしばらく恍惚感にひたります。
やがてがまんできなくなった私達は、隣の寝室のべッドヘ場所を移します。
衣服を互いに脱がせっこし、真理子はスッポンポンに、私はガーターストッキング姿です。
二人で互いに、身体を愛撫しあいます。耳や乳首をたっぷりと時間をかけてなめます。
もちろん二人ともAは最も感じるところなので、小型パイプを挿入した上でのプレイです。
そして、来週の再会を約束して、別れます。
東京 美香子
出所 『くいーん』1993年2月号
続きです。
ある夜、若くてやせぎすの、美人ではないが妙にセクシーな男娼とプレイしたときは強烈でした。あたしの背中に足を巻きつけて、女以上のよがり声を上げるのです。
男がアナルでそんなに快感をおぼえるものかと驚いたのです。話によると彼は有名な演技派でボスの愛人でしかもここの稼ぎがしらだそうです。その上彼は昼間は都の職員だというから笑っちゃいます。だって、ここは東京都の施設であり管理者は当然都の駅員かそれに近い人間に違いないですから一体どうなっているのって感じです。
このセクシーな彼からいろいろなこと、いわばオカマのテクニックを敦えられました。殿方に誘われたとき「あたしと何がしたいの」というセリフ、それも彼から覚えたものです。
あの頃、上野に男娼の館があったことも、今思うと妙に現実感がありません。強烈な体験をした筈なのにです。余りにも非現実な世界なので現実の思い出から遊離して、夢のような気がしているのかも知れません。
売春防止法施行以後、全国の売春地帯が閉鎖されたあとに、男娼というだけで売春が都の施設の中で公然と行なわれていた事実すら非現実なことです。
さほど年月も経っていないのに色褪せて頼りなくなっていくあれは、あたしの中でイメージされた憧れの快楽の世界だったのかも知れないし、あるいは女装は異端であり続けたいと思う願望の夢なのかも知れません。だって建物の構造や、店の数、遊びの値段、上納金の額等、聞いてはいてもすべて漠然として何ひとつ正確な記憶がありませんから。
もし正確に御記憶の方がおいででした是非お教え下さい。
あたしの夢が夢ではなく現実である事をもう一度確認し、暗い通路に点々と並ぶ赤い灯りは幻でなかったと思いたいのです。
その他の方々も感想をおきかせ下されば幸いです。
乱 桐子
(出所 『くいーん』1993年6月号)
>あたしの夢が夢ではなく現実である事をもう一度確認し、暗い通路に点々と並ぶ赤い灯りは幻でなかったと思いたいのです。
夢うつつの世界での記憶が現実であっていてほしいという乱桐子さんの想い、私はよくわかります.....。

作者の乱桐子さん
ある夜、若くてやせぎすの、美人ではないが妙にセクシーな男娼とプレイしたときは強烈でした。あたしの背中に足を巻きつけて、女以上のよがり声を上げるのです。
男がアナルでそんなに快感をおぼえるものかと驚いたのです。話によると彼は有名な演技派でボスの愛人でしかもここの稼ぎがしらだそうです。その上彼は昼間は都の職員だというから笑っちゃいます。だって、ここは東京都の施設であり管理者は当然都の駅員かそれに近い人間に違いないですから一体どうなっているのって感じです。
このセクシーな彼からいろいろなこと、いわばオカマのテクニックを敦えられました。殿方に誘われたとき「あたしと何がしたいの」というセリフ、それも彼から覚えたものです。
あの頃、上野に男娼の館があったことも、今思うと妙に現実感がありません。強烈な体験をした筈なのにです。余りにも非現実な世界なので現実の思い出から遊離して、夢のような気がしているのかも知れません。
売春防止法施行以後、全国の売春地帯が閉鎖されたあとに、男娼というだけで売春が都の施設の中で公然と行なわれていた事実すら非現実なことです。
さほど年月も経っていないのに色褪せて頼りなくなっていくあれは、あたしの中でイメージされた憧れの快楽の世界だったのかも知れないし、あるいは女装は異端であり続けたいと思う願望の夢なのかも知れません。だって建物の構造や、店の数、遊びの値段、上納金の額等、聞いてはいてもすべて漠然として何ひとつ正確な記憶がありませんから。
もし正確に御記憶の方がおいででした是非お教え下さい。
あたしの夢が夢ではなく現実である事をもう一度確認し、暗い通路に点々と並ぶ赤い灯りは幻でなかったと思いたいのです。
その他の方々も感想をおきかせ下されば幸いです。
乱 桐子
(出所 『くいーん』1993年6月号)
>あたしの夢が夢ではなく現実である事をもう一度確認し、暗い通路に点々と並ぶ赤い灯りは幻でなかったと思いたいのです。
夢うつつの世界での記憶が現実であっていてほしいという乱桐子さんの想い、私はよくわかります.....。

作者の乱桐子さん
つづきです。
その一年位前、このアパートの一室で数ケ月も前に死んでいた一人暮しの老人が発見されたという新聞記事を見ました。
敗戦の名残りを濃厚に引きずっでいるとあたしには感じられで長くないであろうこの建物の運命を予感しました。そこであたくしは久しぶりでそこを訪ねました。男娼の店は数軒に減っていて、暗い通路は一層暗さを増していました。その中の見覚えのある中年の男娼の店に上がりました。
彼は淡々とした口調で「もう長い事ないのよ。ここを出たら新宿のドヤ街にでも立つしかないわね、だってあたしはこれが本職だもの」といいながら、あたしのものを馴れた様子で口に含みます。
彼は口をもごもごさせながら「隣の小夜ちゃんは旦那を見つけて日暮里に店を持って出ていったっていうけど嘘よ、絶対に嘘」とか「東京都の建物の中で堂々と商売してきたんだもの都が責任をもつべきよ。あたし遠の将来を、そう思はない?」とか「この頃はかつら冠って商売してる素人がふえて参るの。あたしなんか自分の毛なのよこれ」と喋りまくっていました。
彼がトイレに出ていったあと、改めてあたしは小さい部屋を見廻しました。四畳半をカーテンで二つに仕切り、入口の方には古いステレオコンポと化粧台があり、奥がいわゆるベッドルームで万年床が敷いてあります。壁には一年中の女の服がびっしりぶら下がっていました。
彼等は十二時に店を閉めると、それぞれの住居に帰ります。従って泊りの客をとることは許されていません。
あたしがここを訪れてから十数年になります。たいてい遊ぶ相手は熟女風のベテランを選びます。いろいろな話がきけるしあのテクニックも巧みだからです。
ある時、人のいい男娼にプレイはいいから女装したいと言い、彼の下着とかつらを借りて化粧したことがあります。久しぶりの女装にあたしはかなり興奮し、ここで働きたいからボスに紹介してと彼に本気で頼んだことがあります。
というのは、以前彼からこの十数軒を管理するボスの話をきいていたからです。相撲の親方株のように各店の株があり、その株を買わないと商売が出来ないことになっているそうです。その上ボスに一晩六千円、一と月十八万円を上納しなければなりません。客一入のいわゆる『チョンの間』で五千円、一晩では二人で一万円がいいところ、一ケ月25日慟いて二十五万円、その中から十八万円払って、残りで生活し洋服を買い化粧品を買ったらいくらも残りません。それでもなかなか株を手離す人はなく、新しく参入するにはボスの強力なコネが必要な訳です。
「決してもうかりゃしないわよ。それでも止めないのはみんなこの商売が好きなのよ。この道に入ったら本当に抜けられなくなるわよ。あたしは十二時すぎると、森の中で客を取って稼ぐの。そうしないとここの家貨払えないでしょ,中には角の若い小夜ちゃんのように貴女と同じサラリーマンで夜ここでオカマやってる人もいるけど、どっちが本業だか本人もわからないんじゃない」
あたしも小夜ちゃんを知っています。そしてあのくらいならあたしだって出来る--と思ったのは、久しぶりの女装で興奮していたからに違いありません。
>相撲の親方株のように各店の株があり、その株を買わないと商売が出来ないことになっているそうです。
こうした制度はどの世界にもあるのですが、男娼窟にもあったのですね。
その一年位前、このアパートの一室で数ケ月も前に死んでいた一人暮しの老人が発見されたという新聞記事を見ました。
敗戦の名残りを濃厚に引きずっでいるとあたしには感じられで長くないであろうこの建物の運命を予感しました。そこであたくしは久しぶりでそこを訪ねました。男娼の店は数軒に減っていて、暗い通路は一層暗さを増していました。その中の見覚えのある中年の男娼の店に上がりました。
彼は淡々とした口調で「もう長い事ないのよ。ここを出たら新宿のドヤ街にでも立つしかないわね、だってあたしはこれが本職だもの」といいながら、あたしのものを馴れた様子で口に含みます。
彼は口をもごもごさせながら「隣の小夜ちゃんは旦那を見つけて日暮里に店を持って出ていったっていうけど嘘よ、絶対に嘘」とか「東京都の建物の中で堂々と商売してきたんだもの都が責任をもつべきよ。あたし遠の将来を、そう思はない?」とか「この頃はかつら冠って商売してる素人がふえて参るの。あたしなんか自分の毛なのよこれ」と喋りまくっていました。
彼がトイレに出ていったあと、改めてあたしは小さい部屋を見廻しました。四畳半をカーテンで二つに仕切り、入口の方には古いステレオコンポと化粧台があり、奥がいわゆるベッドルームで万年床が敷いてあります。壁には一年中の女の服がびっしりぶら下がっていました。
彼等は十二時に店を閉めると、それぞれの住居に帰ります。従って泊りの客をとることは許されていません。
あたしがここを訪れてから十数年になります。たいてい遊ぶ相手は熟女風のベテランを選びます。いろいろな話がきけるしあのテクニックも巧みだからです。
ある時、人のいい男娼にプレイはいいから女装したいと言い、彼の下着とかつらを借りて化粧したことがあります。久しぶりの女装にあたしはかなり興奮し、ここで働きたいからボスに紹介してと彼に本気で頼んだことがあります。
というのは、以前彼からこの十数軒を管理するボスの話をきいていたからです。相撲の親方株のように各店の株があり、その株を買わないと商売が出来ないことになっているそうです。その上ボスに一晩六千円、一と月十八万円を上納しなければなりません。客一入のいわゆる『チョンの間』で五千円、一晩では二人で一万円がいいところ、一ケ月25日慟いて二十五万円、その中から十八万円払って、残りで生活し洋服を買い化粧品を買ったらいくらも残りません。それでもなかなか株を手離す人はなく、新しく参入するにはボスの強力なコネが必要な訳です。
「決してもうかりゃしないわよ。それでも止めないのはみんなこの商売が好きなのよ。この道に入ったら本当に抜けられなくなるわよ。あたしは十二時すぎると、森の中で客を取って稼ぐの。そうしないとここの家貨払えないでしょ,中には角の若い小夜ちゃんのように貴女と同じサラリーマンで夜ここでオカマやってる人もいるけど、どっちが本業だか本人もわからないんじゃない」
あたしも小夜ちゃんを知っています。そしてあのくらいならあたしだって出来る--と思ったのは、久しぶりの女装で興奮していたからに違いありません。
>相撲の親方株のように各店の株があり、その株を買わないと商売が出来ないことになっているそうです。
こうした制度はどの世界にもあるのですが、男娼窟にもあったのですね。
国立国会図書館で閲覧した『くいーん』1993年6月号のなかで、興味深いルポが掲載されていました。
乱桐子さんが書かれた「上野男娼街」です。
上野公園にあった木造二階建てマーケットが男娼街だったというのです。
上野というエリアは文化的と思われていますが、おどろおどろしい気に覆われている地域でもあります。
乱さんのこのルポは上野のおどろおどろしさを深く感じさせるものです。
何回かに分けてご紹介していきます。
JR上野公園口の改札を出ると、正面に上野文化会館があります。左に坂を降りていけば御徒町、反対に右にだらだら坂を登って二百メートルもいくと左側に木造二階建のマーケットがありました。
正確にいえば元マーケットであり二階がアパートでしたが、今はきっと跡形もないに違いありません。夜、この暗い通りでこの建物はさらに黒い闇に包まれてうっそうとたっていました。数年前迄、ここは好き者が秘かに通った男娼の館だったのです。
多分この建物は終戦間もなく引揚者の施設として、東京都が上野公園の一画に建てたものと思われます。構造が変わっていました。一升枡の中に五合枡を置いたように外側と内側の二棟になっていました。
正面の入口にペンキ塗りのアーチがあり『文化マーケット』なのか『文化アパート』なのか消えかかって読めない字が書いてありました。そのアーチをくぐると、外側と内側の間の通路がマーケットの店舗になっていたようです。その店舗の跡が男娼の店になっていました。
昼間は死んだようにひっそりとしていますが、夜になると食虫植物の蜜に誘われるように背中を丸めた客が吸い込まれていきます。中に踏み込むと、湿った空気と闇に包まれ、勿ち非現実的な気分になります。そう、大正か昭和初期の魔窟がこんな風だったに違いないと思わせる甘受な戦慄に全身の毛が逆立ちます。
数段の石段を燈火が通路に点々と並んでいます。男娼の店に客がついていれば室内を暗くし、通路の灯りが点けられるのです。一つの店の広さは四畳半位、その中で厚化粧した女装の男娼がむせるような色香をふりまいて客を誘っています。数えた事はありませんが、四角い外側の棟の三辺の通路に並んだ男娼の店は15軒ぐらいです。
ぶらぶら歩いていくといきなりネグリジの男娼が店を飛び出して来るのにぶつかります。彼は小走りに入口に近い共同便所に飛び込み、出てくると、水道の蛇口に跨って下半身を洗います。そしてタオルを絞り、又店に小走りに戻っていきます。たぶん、そのタオルで客の体を拭くのでしょう。そうした彼の行動にあたしは憧れと感動を覚え、しばらくたたずんでしまいます。
この建物が現在あるかどうかは判りませんが、四年位前に見に行ったときは完全に廃屋になって死臭が匂うようでした。
乱桐子さんが書かれた「上野男娼街」です。
上野公園にあった木造二階建てマーケットが男娼街だったというのです。
上野というエリアは文化的と思われていますが、おどろおどろしい気に覆われている地域でもあります。
乱さんのこのルポは上野のおどろおどろしさを深く感じさせるものです。
何回かに分けてご紹介していきます。
JR上野公園口の改札を出ると、正面に上野文化会館があります。左に坂を降りていけば御徒町、反対に右にだらだら坂を登って二百メートルもいくと左側に木造二階建のマーケットがありました。
正確にいえば元マーケットであり二階がアパートでしたが、今はきっと跡形もないに違いありません。夜、この暗い通りでこの建物はさらに黒い闇に包まれてうっそうとたっていました。数年前迄、ここは好き者が秘かに通った男娼の館だったのです。
多分この建物は終戦間もなく引揚者の施設として、東京都が上野公園の一画に建てたものと思われます。構造が変わっていました。一升枡の中に五合枡を置いたように外側と内側の二棟になっていました。
正面の入口にペンキ塗りのアーチがあり『文化マーケット』なのか『文化アパート』なのか消えかかって読めない字が書いてありました。そのアーチをくぐると、外側と内側の間の通路がマーケットの店舗になっていたようです。その店舗の跡が男娼の店になっていました。
昼間は死んだようにひっそりとしていますが、夜になると食虫植物の蜜に誘われるように背中を丸めた客が吸い込まれていきます。中に踏み込むと、湿った空気と闇に包まれ、勿ち非現実的な気分になります。そう、大正か昭和初期の魔窟がこんな風だったに違いないと思わせる甘受な戦慄に全身の毛が逆立ちます。
数段の石段を燈火が通路に点々と並んでいます。男娼の店に客がついていれば室内を暗くし、通路の灯りが点けられるのです。一つの店の広さは四畳半位、その中で厚化粧した女装の男娼がむせるような色香をふりまいて客を誘っています。数えた事はありませんが、四角い外側の棟の三辺の通路に並んだ男娼の店は15軒ぐらいです。
ぶらぶら歩いていくといきなりネグリジの男娼が店を飛び出して来るのにぶつかります。彼は小走りに入口に近い共同便所に飛び込み、出てくると、水道の蛇口に跨って下半身を洗います。そしてタオルを絞り、又店に小走りに戻っていきます。たぶん、そのタオルで客の体を拭くのでしょう。そうした彼の行動にあたしは憧れと感動を覚え、しばらくたたずんでしまいます。
この建物が現在あるかどうかは判りませんが、四年位前に見に行ったときは完全に廃屋になって死臭が匂うようでした。
この週刊ポストの記事コピーを手に入れましたが、50年以上のものでしたので、黒く字がつぶれています。
人の目では読むことできますが、OCRスキャンしてみたら全く認識できません。
拡大コピーしてみたり、白黒反転させてみても、これは全くダメでした。
とはいえ、これだけ面白い記事をボツにするのはもったいない。
Wordの拡張機能である音声入力で、自分の声で吹き込みました。
認識率70%くらいだったでしょうか。
校正をしながら改めて熟読してみると、この記者さんの取材力の高さ・描写力の上手さを再認識しました。
人の目では読むことできますが、OCRスキャンしてみたら全く認識できません。
拡大コピーしてみたり、白黒反転させてみても、これは全くダメでした。
とはいえ、これだけ面白い記事をボツにするのはもったいない。
Wordの拡張機能である音声入力で、自分の声で吹き込みました。
認識率70%くらいだったでしょうか。
校正をしながら改めて熟読してみると、この記者さんの取材力の高さ・描写力の上手さを再認識しました。
さすが、週刊誌の記者さんですね。
臨場感あふれるルポを書かれています。
秘密パーティのスナック会場、床にはギリギリと縛られた和装麗人・ユリさんが転がされています.....。
一角の照明が上がり、真紅の絨毯に逆エビ後ろゾリに縛られた和装の女。
太ももの白さが緋縮緬を割る。つけ根が影になって、どう見ても女体。
みんな無関心な「てい」でグラスを傾、脇の女性(?)と濃厚なたわむれ。
転がされた和装は紅潮した顔で、猿轡の下から苦しげに息を弾ませ、のたうつ。
その拍子にたくましく怒張したものが、むき出しになる。
「縛られて、無視され、苛められるほど最高なのよ」
オリエさんがそっと耳打ちし、ハイヒールの先で猿轡のあたりをグッとこじ開ける。
「さあ、こんな人ほっといてみんな帰りましょう」
この一言が決定打。目が虚ろになり四肢がブルブルふるえたかと思うと、鮮やかなシルシが、緋縮緬にパァと散って生臭い匂いがムッと鼻をつく。
「さあ、これでユリは一巻の終わり。洗濯代が、また大変ねえ」
オリエさんは戒めを解きながら笑った。
女房にバレるのがこわい
「女装マニアのタイプはさまざまですが、ナルシズム(自己愛)というのが共通点。しかし変態とは絶対違います。女装が進むと男に抱かれたいと思う。S(サド)とM(マゾ)とホモがこれですね。だいたい女装の90%がM型で、Sは10%ぐらい。(会長・佐川一夫=仮名)
年齢別では、10代=3人、20代=5人、30代=8人、40代=10人、50代以上=6人(うち8人が独身)。
職業別では会社役員=7人、自営(開業医が多い)=4人、管理職=6人、公務員(助教授を含む)=6人、サラリーマン(財閥系大企業M社・S社を含む)=7人、学生=3人
女装マニアの段階は(助教授の)ユミちゃんは第一期。
次は外出しないが女装をクラブのだれかれに見せたい。
第三期は女装して、一般の女性に近づいてみる。
このときは2、3人連れ立って外出。男に声をかけられたらそれだけで暴発。
進んで第四期になると男が欲しくてたまらない。
ホルモン注射をしたり整形まで行く。
こうなるともう男に戻れないんです(佐川会長)
<11時30分頃>
この時間になってもまだ誰も席を立たない。
男と女のカップルから外れた女たちも、ほとんどメロメロになり絨毯のあちこちでゴロゴロ転がりながら、裾もあらわに、うめいたり、あえいだり。
僕もマユミさんとオリエさんの2人に翻弄され、頭はボーッとなり、身体がいうことをきかない。
マユミさんは火のような息づかいでオリエさんの裾に手を入れ、オリエさんは僕の膝に顔を伏せ、頭をふるわせる。
そのうちオリエさんが「アーっ」と声を上げてくずれる。
「あたし、着道楽だから」というエイコ(会社社長・47)さんも着物の裾を崩したまま、あえいでいる。
「わたしプリーツスカートを着て、はじめて喫茶店に入ったの。そしたら男の人が後ろからスカート引っ張るの。『女に見られたって』 カ――と火照っちゃって、それでも振り向けないのよ。思いきって歩いたらドサッと植木鉢が倒れて、勘違いってわかった時の恥ずかしさったら……。(カズコ・小児科医=40)
「このクラブのおかげでわたし会社勤めができるのよ。もちろん会社では秘密よ。誰だって私のことモーレツ社員だと思ってるわ。(エリコ・会社課長38)
<12時10分>
ようやく三々五々、席を立ち始める。
別室の化粧室、文字どおり『化粧落とす』室へけだるくのろのろと集まる。
さすがに、どの顔も鼻先の化粧がまだらにはげて、心なしか歓楽の後のむなしさが漂う。
外国ではもっとおおっぴらにこの種のクラブがあるそうだが、僕が見た限りでは、まだジメジメした感じは隠しきれない。
階段を上がって一歩踏み出すと、いつもの雑踏。先刻のことが夢のように思う。
「先ほどは…」と不意に声がかかる。
メガネと鞄の中年の紳士。まじまじと見るとこれがオリエさん。
「女房にバレないように化粧おとして、匂いが残ってないか、ものすごく気を使うんです。離婚騒ぎでも起こされちゃっあコトですからね。でも正直言って化粧落とすのが惜しくって、その時が一番つらいですね」
オリエさんは肩を落として人ごみに消えていった。
出所 『週刊ポスト 1972年4月14日号』
いかがでしたでしょうか。
52年前に行われて女装パーティですが、私が出ていたピーチ倶楽部の集会とあまり変わらないな、というのが私の感想でございます。それと和装美人が多かったようですが、これも52年前という時代だからでしょうか....。


臨場感あふれるルポを書かれています。
秘密パーティのスナック会場、床にはギリギリと縛られた和装麗人・ユリさんが転がされています.....。
一角の照明が上がり、真紅の絨毯に逆エビ後ろゾリに縛られた和装の女。
太ももの白さが緋縮緬を割る。つけ根が影になって、どう見ても女体。
みんな無関心な「てい」でグラスを傾、脇の女性(?)と濃厚なたわむれ。
転がされた和装は紅潮した顔で、猿轡の下から苦しげに息を弾ませ、のたうつ。
その拍子にたくましく怒張したものが、むき出しになる。
「縛られて、無視され、苛められるほど最高なのよ」
オリエさんがそっと耳打ちし、ハイヒールの先で猿轡のあたりをグッとこじ開ける。
「さあ、こんな人ほっといてみんな帰りましょう」
この一言が決定打。目が虚ろになり四肢がブルブルふるえたかと思うと、鮮やかなシルシが、緋縮緬にパァと散って生臭い匂いがムッと鼻をつく。
「さあ、これでユリは一巻の終わり。洗濯代が、また大変ねえ」
オリエさんは戒めを解きながら笑った。
女房にバレるのがこわい
「女装マニアのタイプはさまざまですが、ナルシズム(自己愛)というのが共通点。しかし変態とは絶対違います。女装が進むと男に抱かれたいと思う。S(サド)とM(マゾ)とホモがこれですね。だいたい女装の90%がM型で、Sは10%ぐらい。(会長・佐川一夫=仮名)
年齢別では、10代=3人、20代=5人、30代=8人、40代=10人、50代以上=6人(うち8人が独身)。
職業別では会社役員=7人、自営(開業医が多い)=4人、管理職=6人、公務員(助教授を含む)=6人、サラリーマン(財閥系大企業M社・S社を含む)=7人、学生=3人
女装マニアの段階は(助教授の)ユミちゃんは第一期。
次は外出しないが女装をクラブのだれかれに見せたい。
第三期は女装して、一般の女性に近づいてみる。
このときは2、3人連れ立って外出。男に声をかけられたらそれだけで暴発。
進んで第四期になると男が欲しくてたまらない。
ホルモン注射をしたり整形まで行く。
こうなるともう男に戻れないんです(佐川会長)
<11時30分頃>
この時間になってもまだ誰も席を立たない。
男と女のカップルから外れた女たちも、ほとんどメロメロになり絨毯のあちこちでゴロゴロ転がりながら、裾もあらわに、うめいたり、あえいだり。
僕もマユミさんとオリエさんの2人に翻弄され、頭はボーッとなり、身体がいうことをきかない。
マユミさんは火のような息づかいでオリエさんの裾に手を入れ、オリエさんは僕の膝に顔を伏せ、頭をふるわせる。
そのうちオリエさんが「アーっ」と声を上げてくずれる。
「あたし、着道楽だから」というエイコ(会社社長・47)さんも着物の裾を崩したまま、あえいでいる。
「わたしプリーツスカートを着て、はじめて喫茶店に入ったの。そしたら男の人が後ろからスカート引っ張るの。『女に見られたって』 カ――と火照っちゃって、それでも振り向けないのよ。思いきって歩いたらドサッと植木鉢が倒れて、勘違いってわかった時の恥ずかしさったら……。(カズコ・小児科医=40)
「このクラブのおかげでわたし会社勤めができるのよ。もちろん会社では秘密よ。誰だって私のことモーレツ社員だと思ってるわ。(エリコ・会社課長38)
<12時10分>
ようやく三々五々、席を立ち始める。
別室の化粧室、文字どおり『化粧落とす』室へけだるくのろのろと集まる。
さすがに、どの顔も鼻先の化粧がまだらにはげて、心なしか歓楽の後のむなしさが漂う。
外国ではもっとおおっぴらにこの種のクラブがあるそうだが、僕が見た限りでは、まだジメジメした感じは隠しきれない。
階段を上がって一歩踏み出すと、いつもの雑踏。先刻のことが夢のように思う。
「先ほどは…」と不意に声がかかる。
メガネと鞄の中年の紳士。まじまじと見るとこれがオリエさん。
「女房にバレないように化粧おとして、匂いが残ってないか、ものすごく気を使うんです。離婚騒ぎでも起こされちゃっあコトですからね。でも正直言って化粧落とすのが惜しくって、その時が一番つらいですね」
オリエさんは肩を落として人ごみに消えていった。
出所 『週刊ポスト 1972年4月14日号』
いかがでしたでしょうか。
52年前に行われて女装パーティですが、私が出ていたピーチ倶楽部の集会とあまり変わらないな、というのが私の感想でございます。それと和装美人が多かったようですが、これも52年前という時代だからでしょうか....。


昨日の続きをアップします。
闇の中にもれる熱い吐息
<午後10時過ぎ>
「ねえん、おじさま」
マユミさんの手が僕のジッパーにかかる。妖気と水割りで変になりかけたとき、一段と照明が暗くなる。
奥の壁にするすると白い幕。
映画はカラーで海浜の松林。ロープをむしられ真紅のセパレーツの水着の胸が派手にひきむしられ、むちむちした乳房が飛び出す。
ヤクザ学生に抵抗する良家の娘その太もものクローズアップ。
這いまわる男の指がついに下の方にかかる。
「つまんない、普通のフィルムなんて…..」
闇の中で不満の声が上がった。
(普通というのはシロ・クロなのだ)
ところが、どっこい「普通」じゃないんだ、これが…..。
上の方は確かにボインなのに、男が思いっきり股を割るとピョンと飛び出したのが、サーモンピンクの巨大なペニス。
そのタケリ具合に、僕はたちまち劣等感。
男同士でもこんなになれるかと疑うぐらい、執拗な愛撫とスーハーが延々と続き、大写しのカメラは女役の濃厚な表情をなめ、指の動きを追う….。
闇の中は熱い吐息、あえぎが渦巻き、いつの間にかマユミさんの指が画面と一緒にデリケートに這い回って、僕の呼吸も荒くなる。
隣では和服の裾へ男の手が潜り込み、ほおずりと接吻と接吻。
その隣でも男の肩にがっくりと顎を乗せたカクテルドレスの子が、眉をしかめて、鼻声を出している。
クラブの入会金は、女装の人2000円。女装しない人5000円。月会費1500円。
都内にクラブ(マンションの一室)四か所あり。
そこへ行けば、化粧品、衣装(和洋)、履物(靴・草履)、アクセサリー、かつらが完備。
使用料一回2000円を払えばいつでも女装が楽しめる(ただし学生は半額)
危うく暴発しそうになったがようやく踏みこらえたとき、やっと映画がザ・エンド。
11時ごろ解散と、聞いていたのでホッとしてたちかけると「まだよぉん」とマユミさん。
「あっ、いやっ、いやっ」
奥の隅で悲鳴があがる。
5、 6人が群がる中で、ムチッ、パチッと肉を打つこもった音。
「ユリちゃんっていつも縛られないとだめなの」
大柄なカズコさんが楽しげにいう。
カズコさんの瞳がキラキラして唇が半開きになっている。興奮しているのだ。
闇の中にもれる熱い吐息
<午後10時過ぎ>
「ねえん、おじさま」
マユミさんの手が僕のジッパーにかかる。妖気と水割りで変になりかけたとき、一段と照明が暗くなる。
奥の壁にするすると白い幕。
映画はカラーで海浜の松林。ロープをむしられ真紅のセパレーツの水着の胸が派手にひきむしられ、むちむちした乳房が飛び出す。
ヤクザ学生に抵抗する良家の娘その太もものクローズアップ。
這いまわる男の指がついに下の方にかかる。
「つまんない、普通のフィルムなんて…..」
闇の中で不満の声が上がった。
(普通というのはシロ・クロなのだ)
ところが、どっこい「普通」じゃないんだ、これが…..。
上の方は確かにボインなのに、男が思いっきり股を割るとピョンと飛び出したのが、サーモンピンクの巨大なペニス。
そのタケリ具合に、僕はたちまち劣等感。
男同士でもこんなになれるかと疑うぐらい、執拗な愛撫とスーハーが延々と続き、大写しのカメラは女役の濃厚な表情をなめ、指の動きを追う….。
闇の中は熱い吐息、あえぎが渦巻き、いつの間にかマユミさんの指が画面と一緒にデリケートに這い回って、僕の呼吸も荒くなる。
隣では和服の裾へ男の手が潜り込み、ほおずりと接吻と接吻。
その隣でも男の肩にがっくりと顎を乗せたカクテルドレスの子が、眉をしかめて、鼻声を出している。
クラブの入会金は、女装の人2000円。女装しない人5000円。月会費1500円。
都内にクラブ(マンションの一室)四か所あり。
そこへ行けば、化粧品、衣装(和洋)、履物(靴・草履)、アクセサリー、かつらが完備。
使用料一回2000円を払えばいつでも女装が楽しめる(ただし学生は半額)
危うく暴発しそうになったがようやく踏みこらえたとき、やっと映画がザ・エンド。
11時ごろ解散と、聞いていたのでホッとしてたちかけると「まだよぉん」とマユミさん。
「あっ、いやっ、いやっ」
奥の隅で悲鳴があがる。
5、 6人が群がる中で、ムチッ、パチッと肉を打つこもった音。
「ユリちゃんっていつも縛られないとだめなの」
大柄なカズコさんが楽しげにいう。
カズコさんの瞳がキラキラして唇が半開きになっている。興奮しているのだ。
週刊ポスト 1972年4月14日号に「女装パーティ潜入ルポ」が掲載されていました。
いまから52年前です。
当時、女装はまったくのアンダーグランドでありました。
そのころに行われた女装愛好者の集まりはどのようなものだったでしょうか。
記事のコピーを入手しましたので、再録します。クラブの秘密パーティに記者が潜入したものです。
潜入ルポ 医師・会社役員・高校生・助教授が集まる女装パーティの痴態
15歳から68歳まで「愛好者」たちがみせた変身と恍惚の一部始終
とにかく「パーティ」をのぞいてみていただきたい。カクテルドレスの中年紳士、ミニスカートの青年、和服姿のでっぷり太った初老の男…。場内に流れる妖しいリズムにのって踊り、もつれ合う。目をそむけ吐き気を催すのはオクれている証拠か。なにしろ「脱自己」をめざす 果敢な試みなんだそうだから--。
化粧をするとボーっとなる
「私って子供の時から母の化粧品なんかいじって、いつも叱られてたの。女の下着つけたらどんなに気持ちいいだろうなんて、本気に思い詰めていたわ それでいっぺん女装してみたらもうやめられなくなって….」(会社員・22・クラブではカヨコと名乗る)
「鏡を見ながら化粧するでしょ。下地からクリーム、アイシャドウ、頬紅、ルージュ。ええ普通の女の人の手順よ。衣装をつける頃にはもうボーっとなっちゃって、下着がつっぱっちゃって、一度なんか帯を締め終えて ポンとお太鼓を叩いた途端、いっちゃったわ」「大学助教授・32・ユミちゃんが会員名」
<3月中旬土曜日・午後7時40分>
黒いレザー黄金のノッカーの扉をして一歩踏み込む。内部が暗く、数分--目が慣れると赤と紫のミラーボールが先着の会員(20人くらい)を照らす。いる、いる。和服の服装が9人、ミニスカートが3人、キラキラしたカクテルドレスが5人、男の服装そのままが4、5人。
手前のカウンターに腰を下ろすとセーラー服の子がスッと脇に座る。「新しい会員のかた?」
早速ビールを抜いてくれる。
「君いくつなの?」
「17よ。真弓って呼んで」
「マユミちゃんは、そいじゃ高校生?」
細い襟首から背にかけてのゆったりとクセのない長い髪。鼻にかかった声が甘い。
「僕、女装じゃないけどいいのかな」
「ええ、男の人が少ないから大歓迎じゃない」
全く調子が狂う。あどけないマユミちゃんをはじめ、掛け値なしのオトコばかりと途中で何度も自分で確認していないとオトコが不明になってしまう。
「お願い、離してぇ」
「かわいいね、僕とお話ししようよ」
隣のボックスで、黒のパンタロン、胸に白いリボン、赤いブラウスの子が嬌声を上げる。
「あの子なんて、名前?」
「エイコよ、大学生なの」
相手は財閥系のバンカーだという。バンカー氏がエイコを膝の上に抱きすくめ、ほおずりしている。
一方の隅では、白地に大輪の菊花模様の和装が、赤いミニスカートとしゃべっている。
「今日のカズヨさん、おきれいねぇ。ミニがすごくかわいい….」
「あーら、オリエさんだってお色気いっぱいよ。あたし、おねえさまにキスされたい」
カズコさん(会社員・28)とオリエさん(開業医・46)の粘っこいやり取りの向こうでは、着流し、薄いサングラスの中年男がカクテルドレスと抱き合って、熱い口づけの最中。音楽のボサノバがけだるく流れ….。
高校生から助教授、会社社長の女装マニアが「月一回、都内某所でマル秘パーティーを開く」という噂を聞き、僕はこの目で見たいとさる筋に依頼。やっとOKが取れて、指定の喫茶店(新宿三越裏・H)で呼び出しを待つことしばし。
かねて打ち合わせどおりの仮名で、店へ電話があり、そこから別の場所を指定される、という厳重なチェックぶり。
女装ファンなら誰でもOKとはいえ、入会には紹介者が必要で(「芙蓉クラブ」はマジメな女装ファンであることが第一条件)、秘密保持が厳しく守られている。
やっと指定のクラブ(新宿コマ劇場付近にあるビルの地下室。普段は普通のクラブ)にたどりついて、そこでまた2度目のチェックをされたのである。
いまから52年前です。
当時、女装はまったくのアンダーグランドでありました。
そのころに行われた女装愛好者の集まりはどのようなものだったでしょうか。
記事のコピーを入手しましたので、再録します。クラブの秘密パーティに記者が潜入したものです。
潜入ルポ 医師・会社役員・高校生・助教授が集まる女装パーティの痴態
15歳から68歳まで「愛好者」たちがみせた変身と恍惚の一部始終
とにかく「パーティ」をのぞいてみていただきたい。カクテルドレスの中年紳士、ミニスカートの青年、和服姿のでっぷり太った初老の男…。場内に流れる妖しいリズムにのって踊り、もつれ合う。目をそむけ吐き気を催すのはオクれている証拠か。なにしろ「脱自己」をめざす 果敢な試みなんだそうだから--。
化粧をするとボーっとなる
「私って子供の時から母の化粧品なんかいじって、いつも叱られてたの。女の下着つけたらどんなに気持ちいいだろうなんて、本気に思い詰めていたわ それでいっぺん女装してみたらもうやめられなくなって….」(会社員・22・クラブではカヨコと名乗る)
「鏡を見ながら化粧するでしょ。下地からクリーム、アイシャドウ、頬紅、ルージュ。ええ普通の女の人の手順よ。衣装をつける頃にはもうボーっとなっちゃって、下着がつっぱっちゃって、一度なんか帯を締め終えて ポンとお太鼓を叩いた途端、いっちゃったわ」「大学助教授・32・ユミちゃんが会員名」
<3月中旬土曜日・午後7時40分>
黒いレザー黄金のノッカーの扉をして一歩踏み込む。内部が暗く、数分--目が慣れると赤と紫のミラーボールが先着の会員(20人くらい)を照らす。いる、いる。和服の服装が9人、ミニスカートが3人、キラキラしたカクテルドレスが5人、男の服装そのままが4、5人。
手前のカウンターに腰を下ろすとセーラー服の子がスッと脇に座る。「新しい会員のかた?」
早速ビールを抜いてくれる。
「君いくつなの?」
「17よ。真弓って呼んで」
「マユミちゃんは、そいじゃ高校生?」
細い襟首から背にかけてのゆったりとクセのない長い髪。鼻にかかった声が甘い。
「僕、女装じゃないけどいいのかな」
「ええ、男の人が少ないから大歓迎じゃない」
全く調子が狂う。あどけないマユミちゃんをはじめ、掛け値なしのオトコばかりと途中で何度も自分で確認していないとオトコが不明になってしまう。
「お願い、離してぇ」
「かわいいね、僕とお話ししようよ」
隣のボックスで、黒のパンタロン、胸に白いリボン、赤いブラウスの子が嬌声を上げる。
「あの子なんて、名前?」
「エイコよ、大学生なの」
相手は財閥系のバンカーだという。バンカー氏がエイコを膝の上に抱きすくめ、ほおずりしている。
一方の隅では、白地に大輪の菊花模様の和装が、赤いミニスカートとしゃべっている。
「今日のカズヨさん、おきれいねぇ。ミニがすごくかわいい….」
「あーら、オリエさんだってお色気いっぱいよ。あたし、おねえさまにキスされたい」
カズコさん(会社員・28)とオリエさん(開業医・46)の粘っこいやり取りの向こうでは、着流し、薄いサングラスの中年男がカクテルドレスと抱き合って、熱い口づけの最中。音楽のボサノバがけだるく流れ….。
高校生から助教授、会社社長の女装マニアが「月一回、都内某所でマル秘パーティーを開く」という噂を聞き、僕はこの目で見たいとさる筋に依頼。やっとOKが取れて、指定の喫茶店(新宿三越裏・H)で呼び出しを待つことしばし。
かねて打ち合わせどおりの仮名で、店へ電話があり、そこから別の場所を指定される、という厳重なチェックぶり。
女装ファンなら誰でもOKとはいえ、入会には紹介者が必要で(「芙蓉クラブ」はマジメな女装ファンであることが第一条件)、秘密保持が厳しく守られている。
やっと指定のクラブ(新宿コマ劇場付近にあるビルの地下室。普段は普通のクラブ)にたどりついて、そこでまた2度目のチェックをされたのである。