-初めての外出で自信をつけた春樹は、女装した自分のことを「はるか」と呼ぶことにした。
はるかは、ますます大胆にあちこち出かけるようになった。ただ、ふつうのセーラー服ならともかく、白萩女学園があまりにも名門なため、どこでも目立ちすぎるのが悩みだった。同世代の少年や少女とすれちがうと「おっ、白萩だ」という目で穴があくほど見られることが多い。そこまで女装に自信がない春樹は、いつはるかの正体が見破られるかヒヤヒヤしたりした。
いろいろ考えているうち、ふと、無謀ともいえる計画を思いついた。
(そうだ。学校のなかなら、一番目立たないんじゃないか)
灯台もと暗しという。男の子が女生徒になりきって女子校のなかを歩きまわることなど、誰が考えるだろうか。それに、姉の通っていた名門女子校のなかがどんなふうになっているのか、絶対に男の子の入れない禁断の場所だけに、好奇心をそそられた。
(よし、試してみよう・・)
だが、偵察に行ってみると、朝の登校のときは、姉を追い出した冬木先生が校門ひ前にがんばっている。何度か偵察をくりかえし、放課後なら校内に入りやすいことがわかった。
白萩女学園の下校時間に合わせて家を出、学園の近くにある公園のトイレで着替えた。
三々五々、生徒たちが出てくる校門の近くでチャンスをうかがい、いかにも忘れものか何かをして戻るように見せかけ、スルッと入りこんだ。そのときのスリルだけで激しく勃起してしまい、歩くのがなんとなくぎごちなくなってしまった。
校舎のなかに入ってしまうと、誰もはるかのことを怪しまなかった。最初のうちは生徒や先生とすれちがうたびにドキドキしたものだが、そのうち、自分がほとんど透明人間のように自由に歩きまわれることがわかって拍子抜けしてしまったぐらいだ。
出所『セーラー服下着調べ』 館淳一著 マドンナ社 1991年刊
6回にわたって、春樹クンの女子高校生女装と女装外出の冒険の部分を引用しました。
中学生の頃って、女性下着に憧れますよね。
そして、着てみたいという願望があっても当然です。
館先生はこれをファンタジーとして、書いています。
まあ、この後は春樹クンは年上のお姉さまにつかまってしまい、おもちゃにされるんです....