以下続きです。
ところで、二大経済週刊誌の同日発売号に同様の特集を組ませた「仕掛け人」は誰か? と いう設問の種明かしをしておきましょう。
皆さん、もうお気づきでしょう。そんな影響力を持っているのは巨大広告代理店「電通」し かありません。2012年の「電通ダイバーシティ・ラボ」の調査は、「仕掛け」のリソース(資源)だったのです。
2012年の日本におけるLGBTブームの端緒を仕掛けたのは「電通」という説、証拠はない推測ですが状況的にまず間違いないでしょう。この話を「電通」の関係者に振ったことが あります。ニヤリと笑っただけで何も答えてくれませんでしたが。 こういう批判を、私があちこちで繰り返してきた結果? さすがに「電通」の数字の信憑性に疑問を抱くメディアも増えてきました。現在ではNHKも『朝日新聞』も「123人に1人」と はあまり言わなくなりました。「蟷螂之斧」(弱者が自分の力をわきまえず、強者に立ち向かうこと)なりに少しは効果があったのでしょう。
そもそもの話、性的少数者の数的把握はかなり困難です。まず、どこまで含めるべきか?といった問題。I (Intersex) は? Q (Queer)やQ (Questioning) は? Aは (Asexual) は入れるの? などです。それによってかなり数値は違ってくるはずです。つぎに、何をもっ てL、G、B、Tとするかのカテゴリー設定の問題があります。たとえば、Gなら「男性を 好きになったことがある男性」と定義するか、「男性と実際に性行為をしたことがある男性」 と定義するかで、かなり数値は違ってきます。Lも同様で「女性を好きになったことがある女性」なのか、「女性と性行為をしたことがある女性」なのかで数字は大きく(たぶん倍以上) 違ってくるでしょう。でも「性別を移行したいと思っている人」と定義するか、「実際に性別 を移行して生活している人」と定義するかで大きな違いがあります。
というような説明をすると、多くのマスメディア関係者は、それなりに納得します。 「なるほど、よくわかりました。 した。三橋先生のおっしゃる通りだと思います。ところで、先生はLGBTの比率はどのくらいだとお考えですか?」(ぜんぜんわかってないじゃないか!)
どうしても「数字」を欲しがるのは、メディアの悪癖です。仕方なく、内心の怒りを抑えて 「きちんとした調査に基づいた数値ではなく、長年、この世界を観察してきた私の印象です」と断った上で、男性はGが2%、Bが0.5%、女性は上が1%、Bが2・5%。全人口比で10%になったらマイノリティでなくなるわけでもありません。
また、3%だから人権を無視してもいい、8%なら人権を認めるべきだという話でもありません。3%だろうが8% だろうが、LGBT+の人権は認められるべきであり、それに基づいて「SOGI平等」を達成する施策がなされるべきなのです。数値に本質はありません。
出所『これからの時代を生き抜くためのジェンダー&セクシュアリティ論入門』三橋順子著 辰巳出版 2023
>Gなら「男性を 好きになったことがある男性」と定義するか、「男性と実際に性行為をしたことがある男性」 と定義するかで、かなり数値は違ってきます。
後者の定義であれば、私もBではなくGに定義されますね。
>3%だろうが8% だろうが、LGBT+の人権は認められるべきであり、それに基づいて「SOGI平等」を達成する施策がなされるべきなのです。数値に本質はありません。
私はこの三橋さんの主張に大きく同意します。
今日は土曜日。
きれいな朝日が昇ってきました。
みなさま、素敵な週末をお過ごしください。
ところで、二大経済週刊誌の同日発売号に同様の特集を組ませた「仕掛け人」は誰か? と いう設問の種明かしをしておきましょう。
皆さん、もうお気づきでしょう。そんな影響力を持っているのは巨大広告代理店「電通」し かありません。2012年の「電通ダイバーシティ・ラボ」の調査は、「仕掛け」のリソース(資源)だったのです。
2012年の日本におけるLGBTブームの端緒を仕掛けたのは「電通」という説、証拠はない推測ですが状況的にまず間違いないでしょう。この話を「電通」の関係者に振ったことが あります。ニヤリと笑っただけで何も答えてくれませんでしたが。 こういう批判を、私があちこちで繰り返してきた結果? さすがに「電通」の数字の信憑性に疑問を抱くメディアも増えてきました。現在ではNHKも『朝日新聞』も「123人に1人」と はあまり言わなくなりました。「蟷螂之斧」(弱者が自分の力をわきまえず、強者に立ち向かうこと)なりに少しは効果があったのでしょう。
そもそもの話、性的少数者の数的把握はかなり困難です。まず、どこまで含めるべきか?といった問題。I (Intersex) は? Q (Queer)やQ (Questioning) は? Aは (Asexual) は入れるの? などです。それによってかなり数値は違ってくるはずです。つぎに、何をもっ てL、G、B、Tとするかのカテゴリー設定の問題があります。たとえば、Gなら「男性を 好きになったことがある男性」と定義するか、「男性と実際に性行為をしたことがある男性」 と定義するかで、かなり数値は違ってきます。Lも同様で「女性を好きになったことがある女性」なのか、「女性と性行為をしたことがある女性」なのかで数字は大きく(たぶん倍以上) 違ってくるでしょう。でも「性別を移行したいと思っている人」と定義するか、「実際に性別 を移行して生活している人」と定義するかで大きな違いがあります。
というような説明をすると、多くのマスメディア関係者は、それなりに納得します。 「なるほど、よくわかりました。 した。三橋先生のおっしゃる通りだと思います。ところで、先生はLGBTの比率はどのくらいだとお考えですか?」(ぜんぜんわかってないじゃないか!)
どうしても「数字」を欲しがるのは、メディアの悪癖です。仕方なく、内心の怒りを抑えて 「きちんとした調査に基づいた数値ではなく、長年、この世界を観察してきた私の印象です」と断った上で、男性はGが2%、Bが0.5%、女性は上が1%、Bが2・5%。全人口比で10%になったらマイノリティでなくなるわけでもありません。
また、3%だから人権を無視してもいい、8%なら人権を認めるべきだという話でもありません。3%だろうが8% だろうが、LGBT+の人権は認められるべきであり、それに基づいて「SOGI平等」を達成する施策がなされるべきなのです。数値に本質はありません。
出所『これからの時代を生き抜くためのジェンダー&セクシュアリティ論入門』三橋順子著 辰巳出版 2023
>Gなら「男性を 好きになったことがある男性」と定義するか、「男性と実際に性行為をしたことがある男性」 と定義するかで、かなり数値は違ってきます。
後者の定義であれば、私もBではなくGに定義されますね。
>3%だろうが8% だろうが、LGBT+の人権は認められるべきであり、それに基づいて「SOGI平等」を達成する施策がなされるべきなのです。数値に本質はありません。
私はこの三橋さんの主張に大きく同意します。
今日は土曜日。
きれいな朝日が昇ってきました。
みなさま、素敵な週末をお過ごしください。