おとぎ話「桃太郎」の隠された意味
- 外山滋比古『新版思考の整理学』筑摩書房2024年 より -
p.170
<引用>
インブリーディングということばがある。近親交配、近親結婚のことだ。
ニワトリでも同じ親から生まれたもの同士を交配しつづけると、劣性になり、卵もうまなければ、体も小さく弱々しいものになってしまう。
人間でも同じことで、近親結婚はおもしろくない遺伝上の問題をおこす。
・・・・
桃太郎の話は、このインブリーディング(近親結婚)を戒める教訓を含んでいるように思われる。
・・・・
「おばあさんが川から桃をひろってくる」というのは、よそから嫁を迎えるという象徴だろう。
桃が女性を示すことは一般に承認されやすい。
川を流れてきた桃というのは、縁もゆかりもない“流れものの女”である。
“流れものの女”などとしては人々に受け入れられない、そこで川を流れてきた桃とした。
その桃からすこやかな桃太郎が生まれるというのは、優生学上の知識を具体例で示したことであるにすぎない。
逆に言えば、昔の人にインブリーディング(近親結婚)の害にいかに深くむしばまれていたかの証拠ある。
<引用終わり>
・・感想・・
「桃太郎」のおとぎ話に、そういう隠れた意味があったとは思わなかった。
おそらく(この本を読んだ人以外は)だれもしらないのではないか。
以上
- 外山滋比古『新版思考の整理学』筑摩書房2024年 より -
p.170
<引用>
インブリーディングということばがある。近親交配、近親結婚のことだ。
ニワトリでも同じ親から生まれたもの同士を交配しつづけると、劣性になり、卵もうまなければ、体も小さく弱々しいものになってしまう。
人間でも同じことで、近親結婚はおもしろくない遺伝上の問題をおこす。
・・・・
桃太郎の話は、このインブリーディング(近親結婚)を戒める教訓を含んでいるように思われる。
・・・・
「おばあさんが川から桃をひろってくる」というのは、よそから嫁を迎えるという象徴だろう。
桃が女性を示すことは一般に承認されやすい。
川を流れてきた桃というのは、縁もゆかりもない“流れものの女”である。
“流れものの女”などとしては人々に受け入れられない、そこで川を流れてきた桃とした。
その桃からすこやかな桃太郎が生まれるというのは、優生学上の知識を具体例で示したことであるにすぎない。
逆に言えば、昔の人にインブリーディング(近親結婚)の害にいかに深くむしばまれていたかの証拠ある。
<引用終わり>
・・感想・・
「桃太郎」のおとぎ話に、そういう隠れた意味があったとは思わなかった。
おそらく(この本を読んだ人以外は)だれもしらないのではないか。
以上
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