ゆうとたいへ

六十を過ぎて始めた自転車旅行、山登りをつづります

おとぎ話「桃太郎」の隠された意味

2025-02-12 | 昼間のエッセー
おとぎ話「桃太郎」の隠された意味

- 外山滋比古『新版思考の整理学』筑摩書房2024年 より -

p.170

<引用>

 インブリーディングということばがある。近親交配、近親結婚のことだ。
 ニワトリでも同じ親から生まれたもの同士を交配しつづけると、劣性になり、卵もうまなければ、体も小さく弱々しいものになってしまう。
 人間でも同じことで、近親結婚はおもしろくない遺伝上の問題をおこす。

・・・・

 桃太郎の話は、このインブリーディング(近親結婚)を戒める教訓を含んでいるように思われる。

・・・・

 「おばあさんが川から桃をひろってくる」というのは、よそから嫁を迎えるという象徴だろう。
 桃が女性を示すことは一般に承認されやすい。
 川を流れてきた桃というのは、縁もゆかりもない“流れものの女”である。

 “流れものの女”などとしては人々に受け入れられない、そこで川を流れてきた桃とした。
 その桃からすこやかな桃太郎が生まれるというのは、優生学上の知識を具体例で示したことであるにすぎない。
 逆に言えば、昔の人にインブリーディング(近親結婚)の害にいかに深くむしばまれていたかの証拠ある。

<引用終わり>

 ・・感想・・

 「桃太郎」のおとぎ話に、そういう隠れた意味があったとは思わなかった。
 おそらく(この本を読んだ人以外は)だれもしらないのではないか。

以上


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