お昼前に横浜駅に続く某デパートの正面で待ち合わせ。
ウン十年も横浜の住人をやってるのに、そのデパートの正面に立ったのは初めて。
買い物などもま~ず来ない。欲しいものはあるけれどない!ってあたくしよ。
大体が、モノを欲しがるって、ちょっと恥ずかしいって女だから、デパートの
袋を持って歩くなんて、すっごく恥ずかしい。やむを得ず買い物をする場合は、
家から無地の袋を持参して、入れ替えるのよ。ブランドに擦り寄るなんてみっと
もない事はしないの。オー、考えるだけでも気持ち悪い。無縁の場所です百貨店。
1年以上振りのかつての級友と待ち合わせ。中国留学生援護会での中国語仲間。
あたくしは、横浜駅構内を通過するのが苦痛になって、退会。本当に雑踏が苦手。
彼女も様々な理由で、同じ机を並べていた級友たちと別れて、別のクラス(レベ
ル)へ移動。通学曜日も変更。1~2年も経つと、環境も色々と変わります。
「気分は若い頃と変わらないのに、いや~ね~ドンドン年取って」
って言うことですお互いに。
お子さんのいない彼女は、老けるスピードが違います。ゆるやかです。
女もですが、男の人も所帯を持たない人はゆるやかに老けて行きます。ま、どっ
ちみち老化してゆくのは自明の理ですけれど。
昔々からある「ライオン」という名のレストラン。昔は洋食屋ってところだった
かしら? ここは、お昼と言えども圧倒的に中高年男性が多いお店です。
決して高くはない、ツマミも充分、メニューも庶民的。ぶらりと入ってくる殿方。
ジョッキを傾けて、気の置けない仲間と談笑。どこもかしこもオバサンと若者が
喜びそうなたたずまいの今時レストランの中、どこか昔風のそこです。
流行に鈍い、あるいはそれに連れ添うのを潔しとしない中高年には、安心と変わ
らぬ雰囲気がいいようです。いわゆるスイ-ツなんてものはありません。
ソフトクリームだけって言ってたかしら。硬派なお店です。
「どこで待ち合わせますか?」
「昔々、ランチクルーズなんて、ちょっと気分を変えて友人達と船で東京湾1周
なんてしたのよ。下船の合図で、全員、”エッもう降りるの?”よ。誰も船が動
いたことすら気がつかなかったって。でね、私達には場所は全く関係ない、道端
だろうが地下道だろうが、ってね。爆笑よ。だから、出たとこ勝負でいかが?」
そこで、ライオンと言う名のお店で、シャベルシャベル!アラッもうこんな時間?
では、いつか八景島シーパラダイスに行きましょう!で、再見。
帰って、セニョールはいつものように独り晩酌。
さっさとお夕飯の支度をして、あたくしも。
「ご馳走様でした。次は今夜来ない?ってお呼ばれしてるんだけど、いい?」
「いいよ」
サンダル履きで、伺えるお宅です。
「お邪魔します」
夜更けまで、人の心理の不思議さ、面妖さのアレコレ。
挙句、エディプスコンプレックスの話まで。
「何それ?」
って、彼女は聞きます。
「10代の頃だったと思うわ、その語源はギリシャ神話から来てるって覚えたのは」
「ギリシャ神話?」
「ええ、多分。男の子と母親の関係についてね。うまく乗り越えなきゃいけない
母と息子の関係。う~ん、ギリシャ神話を読まれたらわかるわ」
「何か特別な事?」
「ええ、マザコンはその延長ね。私は長男を授かった時に、心して育てようって
決心したものですよ。なんせ、異性ですから親子と言えども」
「そうなんだ~」
夜話にしてはかなり難しい話です。色っぽくない話。
ご主人がお出かけで、夜っぴて女2人の話は続きます。コーヒー片手に。
ひっそりと、小さな声で
「遅くまでお邪魔しました。おやすみなさい」
「気をつけてね」
「目と鼻の先ですもの大丈夫です、ありがとう」
昨日は、2人の友人と合計12時間のおしゃべりでした。
先日の横浜のホテルに外泊した時の友人との逢瀬は、帰ってすぐ「お昼寝~!」
疲労困憊してました。しゃべるより聞く方が疲れることを知りました。
しゃべる事は吐き出すことですから発散です。
けれども、聞き役は受け手ですから、技術が必要なのかも知れません。
ついつい身を入れて。これは聞きベタなのです。
来月から、勉強が始まりますから、もっともっと聞き上手になれるでしょう。
思い起こせば12才の小学6年生。ハッキリ覚えているそのシーン、言葉。
「聞いて欲しい事があるの」
級友でした。相談事にかなり適切な答えをしました。今思っても。
今朝、犬の散歩の帰り道の事です。すれちがった知人。決して親しくはない
あたくしに、先頃悩みを打ち明けられ、泣いていらした。
「お元気~?」
「はい、お陰様で。その節はありがとうございました!」
「ああ、よかったわ~」
誰かの頬が緩むお手伝いが出来るって、幸せです。ですから、ありがとうの
言葉はこちらからです。 ありがとう~~~~!
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