ミクロもマクロも

心理カウンセラーが気ままに書き続ける当たり前

一人でする事は・・・

2005-10-31 22:52:36 | Weblog
茨城県の震度3の影響だったのか、2時半頃に目が覚めて、さあ、それから
どうしようか?よ。前の晩、6月に作っていた『あんず酒』を、ロックで飲んで、
早々と「おやすみなさい」
このせいだったのだと思うわ。ぐっすり眠って、熟睡時間はたっぷりだったって事。
3時半位までグズグズお布団の中。

やおら起きて、着替えて、大きなスパゲッティ用鍋に作ったスープストック。
もう一度、ほどほどに温めて、キッチンペーパーで漉して、1回分ずつの袋作り。
空気を抜いて、平たくして、冷めたところで冷凍庫へ。20パックは出来たから、
当分の間、美味しいそれが使えるのよ。かなり濃い、コラーゲンの塊って感じ。
洋風にも中華風にも使える便利なスープストック。
脂肪はほとんど除去したので、ヘルシーよ。

ハルナサンと共同で耕している畑に行って、春菊やチンゲン菜(パクチョイ)を
抜いて、朝とりのフレッシュお野菜よ。早速スープに入れて朝食の一品。

午後は、これも又やっと届いたユリの球根を、鉢植えに。全部で5種30球。
土は新しく、チャンと名札も立てて、来年に備えます。楽しみ~~~!
そして、今は亡き『中島らも』の本を、貪り読んだ1日。未だに彼の死は、信じ
られない、そんな存在です私の中のらもは。
ケイコサンからの本も含めて、10冊は下らない本が、読まれる順番を待ってい
ます。これを至福と言わずして、何を言う?の、嬉しい嬉しい私です。

そう、上野の森が、ちょっと呼んでるのよ。2大美術展がね。
西洋画と浮世絵のそれが。その気になったら、フラ~~~ッと行くかも知れないわ。
いまや、一人海外旅行も当たり前になりつつあるらしい。やっと大人になったって
事ね。自分のためだけに遣う時間は、ものすごく贅沢な事だと思います。それが
海外ならなおさらね。ですから、お友達と過ごす時間も楽しいけれど、一人の時間は
大切にしなきゃ。いつもいつも誰かといなければ、という人は、自分の時間を生きて
ないってことで、もったいないわね。
そう思う人間ですから、上野も一人で向かいます、行くとしたら。


美男1人と美女2人の家族

2005-10-31 05:57:37 | Weblog
そうだ今日は日曜日だったわ、たまには顔を見に行こうかな。
前の晩に又、濃厚なスープストックを作って、それを漉すための不織布と、
小分け用のパックを買いに、駅近くのスーパーへ出かけて、その帰りにフト
思ってね。誰の顔かって? ラウラ、フランコ、カリートの家族の面々にね。
おウチに電話。
"Hola!"って、フランコの声。
「もしもし」
「アッレイコチャン?」
"Si,como esta? Raura esta?(はい、元気?ラウラいる?)"
「ラウラ、今マルエツ行ったよ」
" con Karito?(カリートも一緒?)"
「いっしょ。レイコチャンどこ?」
「マルエツ。gracias.(ありがとう)」
いましたいました、美女2人。
" Cuanto tiempo!(久しぶり!)"
カリートとホッペにチュッ!
ラウラは1週間分のお買い物。お休みは、1週間に日曜日だけだから。
山のようなお買い物。アパートは近いけれど、持って帰れない。
フランコが自転車でお迎え。
"Franco,Hoy no tengo diccionario,entendiste?" "Si"
(フランコ、今日辞書持ってないからね。わかった?)(うん)
彼等には一足先にお帰り願って、私も少々お買い物。ラウラがゴーヤ
のお料理が知りたいって。それでは、彼女のお台所で、本日はお料理
して進ぜよう!よ。彼女が作るそれは、全部ペルー料理みたいだから。
もちろん、外では色々食べているらしいけれど。

「インターネットで、従兄と5年」
「5年ぶり?」
「そう、ここ、こう」
って、前髪が後退したって。従兄さんとインターネットでお互いの近況報告
ですって、お互い動画で、ペルーと日本間で。
真新しい大きな大きな画面のパソコンに動画が。
「これって、今のペルーの番組?」
「そう」
「すっごーい!カリートわかる?」
「うん、わかるよ」
「ところで、カリートは日本語とスペイン語とどっちがいい?」
「日本語」
「でも、スペイン語でお話もしてね」
「うん」
保育園に行っている彼女は、必然的に日本語の方が多く耳にするのですもの、
当たり前なんだけど、両親は少し寂しいでしょうね。
メカ痴の私には、ペルーの番組をタイムリーにどうやって見られるのか不思議。

それにしても、カリートの成長振りには、目を見張るものがあったわ。
ついこの前まで、赤ちゃんぽくって、ラウラとお話してると、ヤキモチを焼い
て、す~ぐ邪魔してたその子が、しっかり相手になるのだから。
何ヶ月かの間の子どもの成長は素晴らしい!

ラウラにゴーヤの始末の仕方を教えて、
「ところで、お醤油なんてある?」
「ある」
お醤油とお砂糖、少々の塩。豚肉・ゴーヤ・人参・玉葱・豆腐。
「おいしそう!」って、カリートが。

ラウラは、ひよこまめを柔らかくなるまで煮ている。隣りの大鍋には
"Pollo?(鶏肉)"
"No,pato."
"Pato?"
「う~ん、・・・あひる」
" Donde ?"
"Corazon Latino"
何か、グリーン色の葉っぱを刻んだものをそのお肉の上にパラパラと。
ン,この匂いは?・・・コリアンダー、シャンツァイ(香菜)、パクチー
と呼ばれるそれ。
”Poco mal olor.(少し臭い)"
「でも、おいしいよ」

私は、ゴーヤ・チャンプルに続いて、カキフライを。
グアテマラで、その単語を知らなかったばかりに、悪戦苦闘だった小麦粉。
"Raura,hay la harina?(ラウラ、小麦粉ある?)"
「あるよ」
パン粉はないと思って、買っていったのは正解。

「おいし~い!」
"Muy rico?"
「うん、おいしい!」
苦味もほとんどない、ゴーヤ・チャンプル。レモンをジュッと絞った熱々カキ
フライ。3人とも、美味しいって、あっという間になくなったわ。カリートが
お野菜をぺロッと。
なあんて、いい子でしょう。レモンも大好きですって。

ラウラの、トロトロになるまで煮込んだお豆もアヒルの煮込みも、言う事なし!
でも、お夕飯カットの私なのに、しっかりご飯にそれぞれがつがれていて。・・・
エーイ、構う事ない、明日から又始めれば!
美味しいものは美味しく戴く。固辞するのはイヤラシイってね。ア~~ァ。

東京で、『中国文化研究会』へお出かけだった、セニョール・ダン。
いつもより、1日早いご帰還で、晩酌を始めていたところ。
 秋は、足早にお日様が沈みます。
アラッ、不織布を買ってくるのを忘れたわ。最初のお店になかったものだから。
まあ、キッチンペーパーで代替。
美男・美女の2人と怪しげな2カ国語会話。フランコは相変わらずだけど、
ラウラの日本語は上達。 やっぱり女の方が早いって事!? そういえば、昔、
日本に留学の中国人のご夫婦、奥さんのモンチャンは、3年で、日本人と変わ
らない日本語を操って、しかも『笑点』の落語を聞いて笑ってたからねえ。
チョウサン(ご主人)はダメ~~。
女はオシャベリだから、外国語の習得も早いんだよって、誰かが言ってたけど、
そうなのかしらねぇ? 9月から始めた「第3次スペイン語講座」なんだけど、
なにやかやの理由で、10月は1回もなし。11月も2週から。こんないい加減
な授業は、辞めちゃおうかな。マリアさんやラウラ達に教えてもらう方が、何倍
も身につく(かな?)ってものじゃない?
そう、私は「スペイン語をお勉強してますの。ホホホ」って、女じゃあないから。
いつも言うように、しゃべってなんぼ、が言葉ですものね。
           Gracias Franco Raura y Karito. Hasta pront.



アメリカハナノキからカワハギへ

2005-10-27 23:09:55 | Weblog
2日続けて行きました。
ドイトへ、ふらっと。インターネットで注文のパンジーが、
♪ま~て~どく~らせ~~ど、こ~~~ぬは~な~を~~~♪ でね。
待ちくたびれて、いつでも植えられるように土の用意はしてるのだけど。
それで、ビオラでも買いにってね。まあ、それは幾株か買ったんだけど、
それより何より、ある木に吸い寄せられたのよ。

コニファー類って、突然何かの拍子にアラ?アラ?アラ~~~?で、容赦なく
枯れる事があるのよ。今は彼岸に行っちゃったけど、園芸の専門家の従兄がいてね。
「なんで?」「本卦還りをおこす」「ダメになっちゃうの?」「そう」
なんでもないのもあるのよ、もちろん。すくすく育って、そびえてるのなんかもね。
ウチはなぜか、シルバー系がいけない。それで、隣家との間に何かないかなあって、
それも考えて、ブラブラしてたら、私の目を釘付けにした「アメリカハナノキ」
そう、かえでの種類で、50~60cm位。
その紅葉の美しさったら、思わず1株買っちゃった。黄色から真紅まで変わるの。

どう考えても、自然の中か、かなり広い敷地、あるいは街路樹向きとは思ったんだ
けど、迷わずに買ったの。
小さなお庭ですから、さあてどうしようって考えたんだけど、紅葉樹なんて1本も
ないので、かえってアレコレ迷わずに、えーいここ!で植えました。深く掘って、
腐葉土をシッカリ埋め込んで、お水もたっぷり。

う~~ん、いい色!毎年この紅葉を満喫できるなんて、たまらない!
高木樹だから、しっかり剪定するつもりよ。ほどよい高さでね。これを垣根に?
いいえ。落葉樹を植えたりなんかしません。隣家に迷惑になるでしょう?あの枯れ
葉が舞い落ちるって、自分のうちだけにしなきゃね。ハラハラ落ちる様を、
「ええ、風情があっていいですよね」
なんて言っても、頬は引きつるって。そんなものです、人んちのモノは。

1夜あけて、その木を眺めてたら、あと2本!になって、雨の中に車を出して、
もう2株。そして、「ボックスツリー」って名の西洋柘植も買って、それを垣根の
一部に使う。 ええ、雨が上がった今日、深く深く掘って、植え込んだわ。全部!

午前中、図書館が開く時間を知らず、15分の時間つぶし。図書館のすぐ近くにある
「徳善寺」という禅寺へ。そのお寺は萩寺として有名(この近在で)。以前1度だけ
ふら~っとその萩を見に行った事があるけれど、今日は、境内をうろうろして、雨の、
参詣者なんて1人もいない静かな中、あまた(数多)ある萩は、花の時期はとうに過ぎ
去り、ただ重たげに、雨に打たれた枝がうつむいているばかりでした。
戻って、図書館で、ちょっと調べ物。来るや否や、つっぷして眠ってしまった男の子。
私の隣りの女の子も、書きものをしていたけれど、こちらも、あっという間に睡眠時間
に突入。学生時代の私の姿を彷彿。
そう、図書館は静かだから、眠けが襲ってきやすいのよね。

おなかの時計が忠実に、お昼ご飯の時間よって知らせてくれて、何冊か借りて、外に出
てみれば、すっかり雨は上がって、移り気な秋の空。

小分けに冷凍しているスープストックを溶かし、味付けをして、チャッチャッチャとワ
ンタンを作って、これも小分け冷凍している小松菜をポキポキ折って入れて、美味しい
ワンタンスープの出来上がり。もんじゃ焼きのようなお好み焼きが、このところの私の
昼食なので、きょうはちょっと嬉しいランチよ。
コラーゲンの塊みたいなスープストックは、本当に便利なので、切らさずに作りおきし
ておきたい1品です。

そして、お庭に出て、楽しい園芸よ。そうこうしていたら、宅配便がパンジーを配達。
秋の日はつるべ落としで、そのあとは、セニョールのためのお夕飯の準備よ。私は
「レイコ」(私のオリジナル)と言う名のカクテル1杯だけだから毎晩。
携帯が受信。
「カワハギさばける?」って、お休みで出かけていたウチの宇宙人から。もちろん
「できるわよ」の返事。

カワハギ2匹、2枚?(平べったいので)それを名前の如くに一気にはいで、薄作りの
お刺身。もちろん肝をお醤油に溶かして、それにつけて戴くのよ。私は、フグより好き。
最近こんな風景は珍しいので、私もカワハギなんぞつまみながら、カクテルを飲んだ
今夜だったわ。ごちそうさま、ウチの宇宙人。

秋の日は・・・

2005-10-24 19:55:41 | Weblog
朝7時頃のお散歩は、ほんの先頃までとは正反対の歩き方。私がね。
朝日を避けて、物陰を選んで歩いていたのに、最近は、その日陰を避けてるわ。
だって、ここ横浜も少しヒンヤリの朝になったのですもの。
 リード付きだと、反抗的。自由にしてやれば、ピッタリくっついて歩く犬の
お陰で、毎日欠かさずに、30分から1時間はお散歩が出来るわ。前にも書い
たけれど、イギリス人じゃない私に、散歩の習慣はないし、怠け者だから、ホ
ントお犬様様よ。 

今日は、セニョール・ダンは、お昼前からお出掛け。夕方からお友達と横浜で
一杯ですって。こういうお友達がいることは、退職した、元サラリーマンとし
ては幸せね。 毎月会ってるみたい。いい事です。

静かな秋の1日は、ケイコサンからお借りした本と、がっぷり四つに組んで。
パウロ・コエーリョの本。彼女から来た、2冊目となるコエーリョの作品。私が
選ぶことはない作者。だって、知らなかったのですもの。彼女のお陰よ、本当に。
私がその本を置いてたら、ウチの宇宙人が見かけて、
「あの本どうしたの?」
「知ってる?」
「常識!」
「悪かったわね、常識のない女で。最近まで知らなかった私よ。ケイコサンが貸
してくれたのよ」
「面白いのは『悪魔とプリン嬢』」
「早速、聞いてみよう!」
息子とこういう会話ができるのは、幸せな親よね。

ガス台の上には、コトコト、グツグツと、大ぶりの豚肉の入ったお鍋が。パイナ
ップルの芯は捨てないで、冷凍庫に保存。牛肉・豚肉を煮る時、あるいは、タレ
に漬ける時は、それを入れるのよ。パイナップルの酵素が繊維を柔らかくしてく
れるから。
お夕飯は、セニョールは要らない。私もこのところ、お夕飯カットなので、夜も
たっぷり時間があるわ。 お風呂に入って、あとはコーヒー片手に読書。
テレビはま~ず見ない。フフフ、中丸明の本は1日で終ったわ。相変わらずの名
古屋弁をちりばめた義経記よ。ふ~ん、面白いじゃない!こういう見方も、ってね。
アッ、お肉はどうするって? ハイ、明日『ポートーフ』になります。

ユトリロと本とケイコサン

2005-10-22 21:44:49 | Weblog
横浜駅で待ち合わせ。
やっと、待ちに待った『ユトリロ展』へ、ケイコサンと。
その前に、崎陽軒の地下のレストラン(名前は忘れたわ)のバイキングランチを。
飽食の時代? いいえ、飢餓民の列。そう言う風に思えた、長い長い列になった
オープン待ちのお客さん。こんな風景は、私の記憶にはない。

まあまあのお料理が、並んで、バイキングのよさの色々を戴いて、ケイコサンの
モロッコ旅行のお話をお聞きして、いよいよお互いに本の交換。
翻訳本3冊(うち2冊はハードカバー)を、私のためにケイコサンが持っていらして。
私からは、4冊をって思ったのだけど、どれもハードカバーで、いかんせん重すぎよ。
それで今日は2冊に。
ケイコサンにお返しする本を入れたら、それでも4冊なのですもの、彼女が持って
帰るには重すぎる。次回にしましょう、で。続いて、BOOK OFF で、3冊。
もう1冊欲しい本があったけど、探しても見つからない。では、高島屋のギャラリ
ーへ行きましょう。

土曜日と言う事もあってか、すごい盛況の会場。
パリの町並みは、『白の時代』と言われる、これぞユトリロという絵が並ぶ。
独学の絵。どうしても母親を語らずには、ユトリロの絵は存在しない母子関係。
ロートレックやルノワールの絵のモデルにもなった母も元は画家。
けれども、ケイコサンに
「ワイドショー並みの扱いね。あそこまで知らしめる必要はないように私は思うけど」
の、彼にまつわる人間関係および個人史解説。
知る人は知る、ユトリロのバック。酒代の代わりに絵を描いた。苦悩の画家。
それでいいじゃない、って思う私。なんだか、いやね。ほじくりまくって、テレビの
ワイドショーみたいな扱いが。
それはそれとして、やっぱり迫ってくる白の時代と言われるパリの街。
なんどもなんども描いた『ラパン・アジル』の酒場は今もそこにある(写真)。

風景画ということもあって、わかりやすく、それも観賞しようという人が多かったの
かも。それでも、あまりに有名な画家。何千枚も描いたと言われる絵は、もちろん、
日本人収集家の元にもかなりあるらしい。
「大丈夫?」と聞かれたくらいに重い、印象派の画家とその作品群がぎっしり詰まっ
た美術本が、会場で売られていて、私が買ったのを見て、ケイコサンが。
「大丈夫よ、欲と二人連れだから。いつか模写をってね」と私。
ユトリロが生まれ育ったパリの地下は墓場だけど、ビザが有効な期間、住んでみたい
わねえって、ケイコサンと私。フランス語が、スペイン語と同じロマンス語でも、
あの言語は、挑戦する気にならないわねって、お互いに。
でも、ケイコサンは去年パリへ行らしてらっしゃるのよ。その彼女は、絵を鑑賞して、
そこの風景を思い出されたのね、
「やっぱりパリはいいですね」
「そうねぇ。行った事ないけど、文化、歴史の大きさかしらね。大人って感じよね。
それからしたら、アメリカは、子ども」
「ええ、そんな感じがしますね」
「文化は一朝一夕には出来ないものねぇ。伊達にパリはない、って」

もう1回、コーヒータイムをとっても、またたく間に時間が経って。
「1日お付き合い、ありがとう。とても楽しかったわ。お借りした本をお返しする時
は、Corazon Latino に行きましょうか」
「ええ、随分長いことマリアさんに会ってないし、いいですね」
たま~にお会いするケイコサンだけど、浮世の話が少ないのが嬉しい。
生臭い話(損得話)が出ないのが、何より嬉しいケイコサンとの逢瀬です。
本当に、生臭い話は、彼女のご近所で、変死した死体から立ち上る異臭のお話はあっ
たけど。そこから推理小説、ホラー話へ。でも横溝正史の本はね~~って。好きじゃ
ないお互いに。

そして、ええ、もちろんお夕飯はカット。コーヒーを片手に書いて(打って)います。
今日もまたい~い1日でした。ほとんど日の射さない今日の横浜でしたが、コーヒー
を飲む私たちのバックの空は、
「ケイコサン、後ろを見て!すごくきれいよ~」
「ホント!お天気はよくなかったですよね1日。でも、きれいですね~~」
沈む夕日が、漂う雲を、ピンクに染めて、藍色の向こうに消えていきました。

アッ、そうそう、見知らぬご婦人から、二人分の招待券を戴いちゃったのです私達。
チケット売り場で、今正に買おうとしていたところへ、
「どうぞ、二人分ですから」って。そのまま人ごみの中へ、そのご婦人は。

神は、その御業を、人を介してなされるってね。
行いよき二人の女に、ささやかなプレゼントを、って。フフフ・・こんな風に解釈
してもいいでしょう、ネ、ケイコサン? 一人800円也。お陰様で、印象派の本を
買えたわ、800円引きで。  Thank you Mam.
翻訳本なのよ、その本は。かなりな厚さの本。ウ~~ン、いつでも会える名画の数々。
こんな淫靡な楽しみは、(セックスだけが淫靡なのではありません)それこそ一人で、
ニヤニヤと楽しむのです。ええ、ユトリロの母がモデルになっている絵も入ってるわ。
  このー幸せ者がー! の私です、相変わらず。



面白い?

2005-10-19 08:16:29 | Weblog
ファクスが、1枚の紙を吐き出しています。
『男の料理クラス』から、次回のメニューの材料と作り方を書いたものが。
セニョール・ダンが、区主宰のそれに参加して、2年以上になるかしら?
「ちょっと読んで見て」
な~んだか、腰のすわりの悪い説明文。
長年、お台所に立っている者にしたら、う~ん。というような。
「これは、こう。ここは要らない。これは違うお料理だと、私は思うわ」
セニョールは、専門家には敬意を払う人。私はちょっと疑う女。
「あのねえ、何でも鵜呑みにしないで、ホントかな?が必要よ。昔から、
例えば、煮物は、材料が柔らかくなったら調味料をいれましょうって。そう
してきたけど、最近、ホント?で、初めから一緒に入れてるわ。結果は、美味
しいし、問題はない。お料理って、創造することだから、自分で、色々試して
って、必要よ。ところでお当番?」
「そう、次は、俺たちが当番だから、1回試作して、早めにその結果、直さな
きゃいけないところがあれば、これを書き直さなきゃいけないんだよ」
「でも、専門家がついてるんでしょう?それにしたら、お粗末だし、説明が
おかしい。こんな説明文、私だったら気が失せる。幼稚園児に言ってるような
部分もあるし」
「栄養士がいるけど、料理なんかやってるかなあと思わせる女だよ。
それに、しょうがないんだよ。毎回初めての料理だから、全員幼稚園児並って。
正直、出来上がればいい、だよ」
「ふ~ん。面白くないわね。なんでも面白がって、楽しまなきゃ」

義務で、やらなきゃいけない、なんて、長い宮仕えでしみ込んだものなのね。
楽しむ、自分のする事をぜ~んぶ楽しんでこそ、人生あり!でしょ?

スサーナから、メイル。写真も送られてきたので、お電話で
「 どこの景色なの?」
「歩いていた途中ハハハ・・」
「又、何かいわくありの場所かと思ったわ」
「きょうは?」
「今日もまたお休みよ。先生は、アルゼンチンからお帰りになったんだけど、
お知りあいの方のお葬式が入って、本日もお休みですって。今月は1回もない
のよまだ。スサーナとスズキクンのお勉強に、参加しちゃおうかなあ。フフフ、
es broma冗談よ。あの意欲満々の彼の、個人レッスンのお邪魔をしたら悪いじゃ
ない。だけど、こんなにお休みが続くと、olvido todo ぜ~んぶ忘れちゃったり、
なんてね」
そしたら、スサーナが
「ところで、あのオジサン。いきなり、辞めますって。ちょっと落ち込んじゃ
ったのよ。私のやり方が悪いんじゃないかって。彼は、難しくてついていけま
せんからって、言ってたけど」
あのオジサンは、50代の男性(多分)。
私が最初に通っていた木曜日教室の、今じゃ唯一の男性生徒らしい人。
「う~ん、あの教室がねえ。オジサンを押し出しちゃったのかも知れないわよ。
それと、ホラ、日本人特有の、出来ないのが恥ずかしい、間違ったらみっともない、
それが優先したら、やってけないんじゃない?私みたいに、外人よ私は、間違って
当たり前じゃない! 間違えるのも、転ぶのも、ぜ~んぶひっくるめて面白がろう
じゃなきゃねえ。カッコつけようってするから、や~めたになるんだと思うわ。
1度、お茶しましょうよ、そのオジサンと。だって、やっと新しい事に挑戦して、
すごすご?そんな~もったいないの一言よ」
「ええ、電話して見るわ」

飽きっぽい=私、みたいにす~ぐ諦めちゃってた人間よ。一言で「面白くない」で。
「ねばならない!」が、優先して、その先に何があるかわからない。続く訳がない!
母が、「負けて悔しくないの?」に、「うん。競争なんかしたくないし、くだらな
い」って、親を、奈落の底に突き落とした娘だったからねえ。まわりの大人達の
「頑張れ!」が、圧力だったし、「馬鹿みたい」って、思ってたのよ。

そして、そんな下らない掛け声を無視して、やっとやっと面白がれる自分になれた
って。だから、ステータスだったり、競争だったり、何かの行動の元にそれがある、
「ご勝手にどうぞ。失礼します」で、バイバイよ。そう言う人は、いっつも上目遣い
で、人の反応をうかがってるのよ。そう、人のために生きてるってね。
バランスを取りながら、そこそこの言動よ。オ~~もったいない!ねぇ。

なんでも面白がる。失敗も何もよ。でも、やってみて初めてわかるってこともある
から、進むも引くも勝手だし、いい訳なんかいらない。
「つまんなかった」が立派な理由ですものね。
面白がれる人が、好きよ。もっともらしい理由やいい訳は要らない。そこに、
「私は人と比較して、上!」なんてジャカマシイ、さもしい気持ちが潜んでいたら、
 ♪さようなら さようなら~~、好きになった人~~~♪
になっちゃうのよ。
だって、そう言う人の顔は、品がないからね。卑しい顔をしてる。でね、私はバイ
バイするのよ。 ええ、でも、人は変わるものだから、いつかまた仲良くなれる日
が、来るかも知れない、本当に?う~ん、難しいわね、その人の価値観て、結構
強固なもので、それが、生きるよすが、かも知れないから。

さあ、セニョールの試作を楽しみに。なんか、すぐ手を出しちゃいそうな予感が
するわ。ジイサマ達の中で、セニョールは若いんですって。
「授業参観あり?」
「いや、ダメだろう」
ですって。奥様方が、自分の連れ合いの奮闘振りを見てみるのも悪くはないって
思うけどね。
だけど、考えてみたら、セニョールが作ったお教室のお料理、1度も口にした事が
ないって、美味しくないってことなのかしら。きっとそこに、面白さを見つけてない
セニョールだと思うわ。料理?レイコがやればいい! なのよ多分。

ピンポーン!
ご近所のヤマシタサンが、2匹の大きなお魚を携えて。
「剣崎で、ウチのユウジが釣ってきたの。イナダだよ」
「ウワー、大きい!ワラササイズじゃない?」
「食べてよ」
「2匹も戴いていいの?」
「いいんだよ。近所に配ってるんだから」
「ありがとう、いただきま~す!」
 
ワカシ→イナダ→ワラサ→ブリ、って、出世魚の代表ね。地域によって、若干
呼び名が変わるけれど。サイズで呼び名が変わっていきます。
ヒラマサやカンパチも仲間らしいけれど、見た目では判別できない私です。
でも、美味しい!どれもこれも。
そういえば、セニョールはこの頃釣りに行かないわねぇ。
家族が、あまり嬉しそうな顔をしなくなってきたからね。張り合いがなくなっ
ちゃったのよ、多分。

昨日、包丁を研いだばかり。まずは3枚におろして、お刺身に。てりやき用に。
アラ煮に。セニョールのお料理仲間のお一人に、1匹分差し上げました。
喜びは分けあってね。
               ごちそうさま ヤマシタサン

こんな雨の日は・・・

2005-10-17 21:51:07 | Weblog
こんな雨の日は、
スサーナにメイルでご機嫌伺い。日本語じゃあないわ。
昨日は、マリリンとお互いにレインコートを着て、お散歩へ。
でも、あまりに雨脚が強くなって、リターンよ。濡れに行ったみたいな、
かなりみすぼらしい、雨の滴に濡れそぼった二人、じゃない、一人と一匹。
続いて今日も雨。オシッコシートには、オシッコしかしないマリリンで、その
我慢強さを褒めます。

続いて、こんな雨の日は、
車を出して、どっさり食料品の買出し。
時々行く、韓国食材店へはコチュジャンを求めて。
「アニョンハセヨ(こんにちは)」
コチュジャンを買って、
「コマッスムニダ(ありがとう)」私が。
「さようならは?」
「アニョカセヨ(と聞こえた)」本当は、
「アンニョンヒ ケセヨ」送る人
「アンニョンヒ カセヨ」去る人
帰って、ちょっと調べてみたら、この違いがあったのよ。

さあ、続けて、こんな雨の日は、
鶏一羽を大鍋に入れて、グツグツ。
アク(灰汁)をしっかり気長に取って、久しぶりに、ピリ辛スープ。
生姜・ニンニク・大根・人参・ぜんまい・ネギ・ニラをたっぷり鶏肉と。
お箸でほぐれる肉と骨。具沢山のから~~い、あつ~~いスープ。
これからの季節には、頻繁に作りたいお料理よ。

こんな雨の日は、
久しぶりに会った近所の人に、
「太った?」
「うん、糖尿病患者みたいな食事なんだけどねえ」
「親からもらった身体よ。もう、食べちゃえ!」
「いやよ!みっともない体型はいらな~~い!だから、夕飯抜きにしよ
うかな、よ。燃費のいい車と同じよ。でも、作るのが好きだからちょっ
と辛いものがあるのよねぇ」

こんな雨の日は、
いつものように、くっついてくるマリリンを脇に、ソファに腹這って、
お行儀悪い読書。いつもソファに置いてある、大判タオルを、ウールの
ひざ掛けに替えて、寒さ対策。
大体同時に、3冊上がり~~!い~いペースよ。
ケイコサンにお返しする本2冊。手持ちの本をお勧めすれば、彼女も又、
何冊か、貸してくださるそうで。その中には、お互いにスティーブン・
キングの本があったわ。私からは、彼のエッセイ。彼女からは、彼の
小説が。私からは、ほかに春樹の小説と、翻訳本をね。
ええ、ユトリロ展に行く二人です。その時に交換される本の話。

こんな雨の日は
やっぱり 幸せな私です。

雑踏の中へ・・・フ~~~

2005-10-13 10:38:45 | Weblog
 早々とお洗濯物を干して、久しぶりの青空と乾燥した空気に恵まれた昨日。
お仕事をお持ちのコタクン(シーズー)の飼主さん。その彼女と、ここ私がちょ
っと遠出という時にだけ会う不思議。あとは、ま~ずお会いしない。
「マダム、今日はどちらへ?」
「今日?たまには教養もつけなきゃねって。フフ・・・絵画展」
「また、きょうはシックに決めて。見るからにマダムね」
「ありがとう。イヨー、旦那。どちらへ?じゃなくて良かったわハハハ・・」

2枚のチケットを持って、出かけました。
もう、全然気にならなくなった横浜駅の改装工事。ええ、あれは未完成がい
いのよ。ガウディ設計のサグラダ・ファミリアのように。(かなりヤケ!)
そして、とうとう、呪いがとけて(?)、優勝したあのレッドソックスのように
なる日は、設計者の頭の中にはあるのでしょうけどね。すっごい変な例えだけど。
もう、かの球団のファンのように、勝つな!みたいに、そのままそのまま!の
気分になりそうな。そのくらい、いつも工事中の横浜駅構内。

東海道線で、東京駅。向かうは『大丸』百貨店。う~ん、前回がいつだったか
記憶にないほどの久しぶりのそこ。さっさと(ここまで2~3回聞いたけど)、
12階のギャラリーへ。
『巨匠デ・キリコ展』と銘打った、イタリア人画家、ジョルジョ・デ・キリコの
作品展。メタフィジカ(形而上絵画)と呼ばれる画風。フッと、ダリのシュール
絵を思い出したけど、そのシュールレアリストたちへ、大きな影響をあたえたと
いう不思議な作風。油彩・素描・ルネッサンスの絵の模写、彫刻と、110点の
作品群は、不思議で、そして、圧倒的な存在感をかもし出し、その空間にいました。

さて、昼食をと思って、デパートとくれば大食堂のイメージのそれは最早なく、
都会のデパートには、なんでもありのそれは、ないのじゃないかしら?
ウロウロと歩いてみれば、聞いた事のある(知っているまではいかない)屋号の
店が、和食・中華・洋食と、立ち並んでいる。場所代を含む、高い和食の昼食。
まあ、こんなものでしょうの味。やっぱり私が作るお料理の方が上って、チラッと
思ったり。そのどうでもいいような料理の調味料は、『ガブリエル・アンジェリコ
の恋』クリスティン・ヴァラ著、中川あゆみ訳の本。
ケイコサンから、ゲバラの本と一緒にお借りしてた本よ。少し、鼻の奥がツンとする
お話。
お行儀が悪いことは、言うに待たないわ。けれども、それなくして純粋に味を楽し
めない料理と向き合うなんて、悲しすぎるじゃない? 
まあまあ、の味のコーヒーで、どうにか終わりにして、又東海道線よ。

降りた駅は『川崎』。川崎『市民ミュージアム』に行きたいけれど、チケットの
裏面には川崎と言う文字は印刷されていない。駅員さんに聞けば、南武線で『武蔵小杉』
まで行って、そこからバスでって。
そのとおりに出向いて、着いたそこは広大な敷地に、様々な設備が。
野球場・テニス・プール・子どものための遊技場ETC.こんもりとした森もあって。
その中に、ひときわ大きな建物。それが『市民ミュージアム』常設の歴史資料室や、
マンスリー(なぜ、月決めと言わないのか?)展示物やら、どの部屋も広い。そして、
『浮世絵名品展』。私が目指す展覧絵画。
版画、肉筆画のそれは、北斎・歌麿・広重他。お馴染みの浮世絵が並ぶ。
東海道中、宿場・宿場の当時のたたずまい、人々の姿。
歌舞伎役者、風景、庶民の生活、などなどが、こまかく描かれて、遠くヨーロッパの
画家達、印象派の画家達へ与えた大きな影響をもつ浮世絵の世界に、しばし浸って、
思うは、『アール・ヌーボー』。あの曲線は、浮世絵の影響だったのよね、なんて。

着物の図柄に魅入ってしまって、一人、その日本人の『美意識(センス)』に、
ーーでしょ!--。何に?誰に? いいのよ、自己完結なんだから。

帰路を、どれで?
バスで田園都市線に、小田急線に乗り換え。相鉄線、タクシーでやっと我が家へ。
今日の階段数は、金毘羅様のあの階段に匹敵するくらいだったわね、なんて思ったわ。
だって、階段しか使わないって思ってるから。
帰ってみれば、セニョール・ダンは、晩酌も終わりになってて、片付け出してたわ。
私は、お夕飯はカット! お茶を入れて、慌しかった1日を振り返って、しみじみ、
大勢の人がいる所が苦手って、再確認したものよ。やっぱり田舎人ってね。

フフフ、けれど、来週末は『ユトリロ展』に出向くのよ。これは横浜。人出も何する
ものぞ!のお楽しみよ。何しろ好きなのですもの。ただこの一言。そのためにイソイ
ソ出かける私だと思うわよ。その上に、久しぶりにお会いできるケイコサンとご一緒
なんてね。
ランチを取りながら、本の話に、もちろんユトリロからパリの話へ。そして、年明け
草々にモロッコへお出かけのケイコサンなので、そのお話もね。スペイン語が通じる
かの地なのですって。モロッコ、その突端がスペイン領なんて。複雑なヨーロッパと
それを取り囲む国々の歴史は、興味深いでしょ? ゆっくりと話すケイコサンの口か
ら出てくる言葉は、私をひきつけて離さないのよ。

ああ、しかし、浮世は騒がしく、物が溢れ、その中で、人々が溺れそうに見えたわね。
飽くことのないさまざまな事・物への探求・欲求。ウ~~~疲れる~~!の私。
All or Nothing の女には、な~んにもいらない欲しくないの今時の巷よ。

チューリップの球根は、とりあえず40球を土の中へ。あと10球はどこへ植えよう
かしら? まもなくユリの球根も届く筈だし、友人に頼んだパンジーの苗も間もなくね。
そして、フラッと写生なんかに出かけようかしら?
やっぱり、こんな事が似合ってる私のようです。



秋雨の中の誕生日

2005-10-09 11:56:58 | Weblog
雨のそぼふる秋の日。
母がまだこちらの岸辺の人なら、今日は盛大にお誕生日のパーティだったはずです。
今日は『米寿』のお誕生日に当たります。
生年月日を元号で言うより、西暦のほうが覚え易かったのでしょう、本人にしても。
1917年よ、って。う~~ん、何年だったっけ?大正・・・、よりも。
その母が、糖尿病が元で、脳梗塞で寝たきりになり、そして、帰らぬ旅へ行って早
6年。

母のための祭壇はありません。
ウ~ン、ハッキリ言って、『困った時の神頼み』の人でしたし、『死者は死者に任
せよ』の言葉。それを実行する人でもありました。
シベリアで抑留、そのまま帰らぬ人となった父の法事など、したこともなく(何の
遺品もない知らせだけの死なんて、認めたくなかったのかもしれません)、いきな
り3人の娘達を一人で育てなければならない境涯に立たされた母は、「生き仏が大
事」と言って憚らない人でした。 それを非難なんかもしませんし、宗教が、いか
に偏狭なものかも知ってます。そして、『仏作って、魂入れず』のように、形骸化
するそれに、身を委ねない。何かを拝む事はしない私でもありますから、日々の中
で、庭に咲く花々や、初物の果物を供え、嬉しい・楽しい話は、バラのレリーフ仕
様の額縁に納っている、ロングドレス姿のその母に語りかけるだけです。

母が大好きだった柿と梨。何より何より好きだったユリの花、それと、この秋に、
見事に咲いてくれた、バラの名花「ブルームーン」と、香り高い「ホワイト・クリ
スマス」をドカーンと写真のまわりに飾り、そして、母を語るには欠かせないタバコ。
セニョール・ダンに1本もらって、
「これがなきゃねえ、お母さん」
いつも写真を置いてあるテーブルには、本がいっぱいあります。
母を私が誇りとしてきた、その大きな理由の一つに、かなりな読書家だったことで
すから、写真を取り囲むように、様々なジャンルの本があります。

今朝、果物とゴージャスなお花と、母が好んだ銘柄とは違うけれど、火をつけたタ
バコを供えながら、
「お母さん、お誕生日おめでとう。何か面白い本あった?」
って、聞きました。ええ、残念ながら返事はなかったけれど、ほとんど節操のない,
という私の読書傾向。その様々な本達が、母のお守りですから、何かは面白いもの
も中にはあったでしょう。

死者に対して行う事は、残された者の、自己満足の範囲内の事と思っています私は。
けれども、遠い祖先の事はいざ知らず、今日ここにいる私は、間違いなく母がいた
ればこそなのですから、私は、命日よりも、お誕生日をもって、母を偲ぼうと思う
のです。そして、決してお願いはしません。死んだ人にまで・・・、あさましくは
生きない、それがモットーの、母の娘です。そして、『葉隠れ武士』の末裔でもあ
る私ですから、充分『恥』が何かは知っています。加えて、鹿児島で生まれた私な
のですから、・・・・・誇りです、出自が。何よりも何よりも嬉しい事は、佐賀で
医者だった祖父の、『医は仁術なり』で生きたという、母から聞かされた話など。

まあ、佐賀県人は、人にも自分にも厳しいという、鍋島藩特有の厳しさがあったら
しい気風を持つ、と言われる土地・人柄ですから、まあまあ、なあなあ、のなしく
ずし的思考が苦手な。ええ、そんな風は、私も持ってます。
そう、潔癖ですね。幾つになっても、大河になりきれない、清濁併せ呑む、なんて
苦手な人間ですが、無形の遺産を、かかえきれないほど母からもらった幸せに、心
から感謝なのです。

「お母さん、また違う本を置いとくわね。そうそう、『ノルウェイの森』が面白か
ったって、言ってたものねえ。彼の本も最近何冊か買ったのよ。読んだら回すわね」

雨に煙る景色は、秋の休日でも、悪くはありません。植物達も、騒がしかった夏の
疲れを癒す季節が巡り来たということで、きっと、ホッとしているでしょう。
  
彼岸の母を偲んでいる秋の日です。
今夜は焼肉よ~!母の大好物だったのですもの。フフフ、でも、母は牛肉の事を
牛臭いって。だって、牛なのですからしょうがないのにね。
ほどほどにしないと、『母』の話は尽きません。
                                合掌 

ゴボウ抜き

2005-10-07 21:48:31 | Weblog
 雨の日から、と言ってもハッキリしない空模様が続いているこの地です。
そのどんよりの空の下、速歩で昨日今日は隣り駅大和まで。往復2時間。
昔、友人に誘われて歩いたことがあったのよ。その疲労感といったら、帰りは
タクシーで。な~んてこともない、馬鹿馬鹿しい話。
そう、た~だ身体を甘やかしの日々だったから。移動は車、が当たり前でね。
そんな身体が悲鳴、イヤ~ッもう歩かないって。

それが今じゃ、爪先立ちスクワットよ。普通のそれは10年以上になるわ。
もう、そこいら中にいる、お座りできる4輪カートを押しているお婆達。
絶対に絶対に、絶対に~~~、私は拒否!挙句、デイサービスで、幼稚園児並
扱いをされる、彼岸立ちの前のありよう、なんてね。冗談でしょ!
人生って、帳尻が合うようになってるのよ。それまでどう過ごしてきたかね。
頭と身体を、どう使ってきたか、『因果応報』は、事実よ。
森光子のスクワット朝晩計150回なんては、ハ~~お健やかですね、で感心
しきりだけど、私のそれも、今日はパス!はなし。

階段とエスカレーターが並んでいたら、もちろん階段よ。
身体を鍛える、なんて項目はなかったし、嫌いだったのよ。
ラク~~に生きるがモットーだったんだけど、あのお婆達の姿が、私に宗旨変え
させたのよ。衰えていくのは当然なのですもの、それをそのままにしていたら、
・・・・・オ~~~~~ゾ~~~! 考えただけでもいやなのよ。
その上、背中は丸まって。つんのめりそうな格好で歩く。そして、人が優しくし
てくれないなんて、ブツクサ言うババになるなんて。却下!

なるべく努力、アッこの文字は未だにないわ、私の辞書には。
ただ、なんでも面白がりましょう、よ。
それで、マリアさんのお店から借りてきたビデオを返し、次を借りに、歩いて。
途中で、年配の男性たちが、背中にザック背負って、4~50人はいた団体。
その男性たちをゴボウ抜きよ、信号のある所まで、3人、1人、5人、て抜いて、
けれど、行けども行けどもまだその先を歩いているオジサン達がいっぱいなのよ。
そんな中のお一人に、
「どんなグループでいらっしゃいますか?」
「昔の同僚でね、鎌倉から来てる人もいたり、僕は横浜だけど」
「目的は?」
「瀬谷の七福神めぐり、八福神だったっけ?」
「ええ、そうみたいですね。私は行ったことはありませんが。ところで、女性の
お姿が見えませんが」
「ああ、女の人はいない職場だったからね」
「ところで、お幾つ回られました?」
「オーイ、いくつだったっけ?・・三つだって。あと五つだね」
「ワー、大変。回りきれますか?」
「ところで、奥さんは?」
「はい、大和まで行くところです」
「歩いて?趣味かな?」
「いいえ、とんでもない。課しているのですよ、面白がりながらね。どうぞ、
お気をつけて行らして。失礼します」

信号待ちまで、オシャベリしていたら、赤なのに渡ろうとする方が。
「アッ、赤ですよ。気をつけて!」
って、思わず声かけちゃったわ。フ~~~大丈夫?よ。

私は、ひたすらCorazon Latino目指して。
マリアさんが一人でお店に。
"Ah~~、Tengo calor,porque de mi casa a aqui en pie."
(ア~~、ウチからここまで歩いてきたから暑い)
" Es verdad?"
(ホントに?)
" Si,"
「なんで?」
「痩せるため」
「そういえば、細くなった?」
「ううん、ま~だまだよ」
お店に鍵をかけ、
「レイコサン、一緒にユウヤの幼稚園へ行きましょう」
「待っててもいいわよ」
「すぐだから、行きましょう」
で、彼女の車でお迎えに。
「オレが」
「ダメ!オレは悪い言い方だから、ボクって」
「オレ、オレオレ~~!」
マツケンサンバじゃあるまいし、オレの大安売り。きかん坊ユウヤクン。

「お客さん?」
駐車場に入ろうとした時、男性がお店の中を覗いているのが見える。
「早く、マリアさん。私が呼び止めてるから」
そして、もうかなり歩き出して、向こうに行ってたその人に、
「セニョール、セニョール!」
って、大声で呼び戻しよ、ウン、やっぱり日系人ね私は、ハハハハ・・。
ええ、戻ってらしてお買い物をしてらしたわ。

ユウヤクンの相手をして、そうこうしている内に、お店はお客さんで混
んできたので、次のお話のビデオを借りて、又歩いて自宅へね。途中で、
例の畑に寄ってみれば、ハルナサンはイチゴの苗を植えていらしてたわ。
ちゃんと黒いビニールでマルチング。
きっと、イメージでは、真っ赤なイチゴがたわわになっているのよね。

道すがら、ちょっと寄り道して、量販店で、4連ポット植えのビオラ2色購入。
横浜の地は、坂が多いのです。
けれども、坂でも速度は落としません。同じペースで歩いて、帰宅するなりす
ぐ苗をプランターに移し変えて、30分怠け椅子(ソファ)で寝て。私のお夕
飯はカット。疲労?伊達にスクワットをやってないって。身体は正直です。
今日も、ウン、いい日だったじゃない!でした。