ミクロもマクロも

心理カウンセラーが気ままに書き続ける当たり前

トマト&ナス

2005-07-31 22:49:13 | Weblog
去年に引き続き、セニョール・ダンは畑通いにマメです。
今年は、私は知らん振りを決め込んで、収穫品だけを受け取ってます。
それが、毎日毎日トマトとナスがお台所へ来る来る来る。
「どうする?こんなに」
という収穫量なのよ。
それで、おろしがねの大きなのを出して、ボールを受けにして、擂る擂
るトマト。真っ赤に熟したそれをね。次に、ちょっと目の粗いザルで、
裏ごしよ。そして、自家製トマトジュースの出来上がり~!
ペットボトルに入れて、冷蔵庫へ。
毎朝、一つまみのお塩が入ったそのジュースのコップが食卓に上るって
寸法よ。生でももちろん戴くけれど、お料理にジャンジャン使って。
イタリアじゃあ、そう、ご存知よね、『トマトが赤くなると医者が青く
なる』って、あれよ。
八百屋さんに並ぶトマトは、うっすらピンクがかった青白いうちにもいで、
店頭に並ぶ頃に赤くなるから、時々柔らかいのに当たっちゃう事があるで
しょう? 自分で栽培するトマトはそんなことはありません。しっかり赤
くなってからもいでくるので、赤くても硬いのよ。
 ナスはどうするかって?
ガスの火でジックリしっかりまるごと焼きます。ボールにお水を張って、
そのお水の中で指先を冷やしながら、ナスの皮を剥きます。
ショウガをすって、ミョウガは千切り。鰹節をふんわりのせて、つけ汁
ほどの濃さのおつゆをかけて。この焼きナスは、幾らでも食べられるから
嬉しいのよ。アッこれは冷えているほうが美味しいから、急いでいる時は、
容器を二重にして、外側の鉢には氷を入れて、そこにナスを並べた器をね。
そこに、もみじの葉っぱの1枚も浮かべたら、言う事ナシ。
私は、できるだけ焼きナスを作って、一つずつラップでくるんで冷凍庫へ
入れるわ。ナスはほっとくと、中の種が黒くなって、硬くなるし、変な匂
いもしてくるから、焼きナスがお勧め。
自然解凍したそれを、お椀だねにしてもいいわね。そのときは、シメジのよ
うなキノコと一緒に。
消費エネルギーは最少に、を心掛けているけれど、お料理はなるべく手抜き
なしよ。見た目もきれいじゃなきゃね。そんなこんなの夏の1日、明日は
トマトたっぷりのミートソースでも作りましょうか。冷蔵庫の野菜室には
まだまだいっぱいのトマトたちですから。
みじん切り玉葱を炒める。ペースト状になるまでね。これが辛抱の要る作業
なので、いつものように文庫本片手に右手を動かすって事よ。
従妹から回ってきた本をね。

猛暑の正しい過ごし方?

2005-07-30 22:18:07 | Weblog
 まず~いまずいバター否ラードになりそうな我が体躯。律儀な夏の暑さでね。
毎日、新聞紙上で紹介される新刊本。書評を読んで、でも、誘惑に陥らない
ように、かなり気持ちを引き締めて、
オットトット、その引力に負けては、破産になっちゃうからね。
フンフン、フ~ン、それで?へェ~~。 ン? 何 誰が どういう話だって?
サラーッて、余り気にとめないように目玉を動かすそのペイジ。
スヌーピーの4コマ漫画に、なるほどねえ、こういう表現、谷川俊太郎の訳は
すばらしい、って、ここはジックリよ。
なんせ、BOOK OFFは我が図書館なんて思ってる私だから、新刊本はなるべく疎
遠にするように。
でも、これって、もしかしたら馬専科が喜ぶかな?って思う本の紹介に、目玉が
ストップ。
グアテマラなんぞに行ってて、彼のお誕生日を無視しちゃってたからね。
そんな彼が喜ぶものは、やっぱり我が子よ、それは「本」。
当地の本屋へ電話を入れたらあるって言うじゃない、その本が。
久々のハードカバー、それもかなり分厚い。
それで、そのまま、いつものように、マックへ入って、スタート。
帰ってきて、することを済ませて、一気に1日で読みきって、
ごめんなさいね、先に読んじゃったけどって、北海道の彼へ送ったわ。
イギリス人が書いた、イギリス人の推理ファンタジー。まあ、最
近読んでないジャンルとスタイルで、中学生の時に読破した「シャ
ーロックホームズ」を思い出したわね。 続けてシリーズあと2卷
は出るらしいから、楽しみにして、出たら馬専科に送りましょう。
もちろんその前に、読んじゃうに決まってるわ。フフ、特権でしょ!

 甘青い、い~い匂いがする井草、新しい寝ゴザを、一番風通しの
いい所に敷いて、かすかに聞こえる程度の音量で、BGMにオールディ
ーズのCDをかけて、読書なんて、贅沢ってなものよね。
冷房なんてかけないわ、自然の風が通り抜けるお部屋の中でね。

ケイコサンは、本屋で買おうと思っていたそれが、思いがけず、早く
もBOOK OFFに出てきた翻訳本に、ニンマリですって。もちろん、回
してもらう事にしたわよ。

梅干と冷たいウーロン茶を時々口に入れて、マリリン姫と一緒に腹這
って、省エネよ。体力消耗の。朝は5~6時の間にマリリンとお散歩。
そしてさっさと家事をこなし、あとはできるだけ怠け者に。これが私
の正しい猛暑の中の過ごし方。

そうそう、昨日は久しぶりにある女性とランチを摂りながら、これまた
久しぶりのナイアガラ瀑布状態に。ナイアガラがなんだったっけって?
ナイアガラ瀑布と女のオシャベリは止める手立てはないって、思い出した?

この界隈に配布されているフリーペーパーの、その会社の今や重鎮になって
いらっしゃる方。
ご子息が幼稚園、小学校低学年の頃からの知人よ。そのお子さんも今年から
大学生。始めてお会いした時の彼女は、営業職など不向きな印象だったけれど、
その目的にまっすぐな姿勢が、やはり結果を出して、
「終の棲家になった?」
「まだわからないわ」
なんて、おっしゃるけれど、その背中から立ち上る何かは、着実に足跡を残
してきたという自信が見え隠れし、好もしい位置に立っていらっしゃる事が
わかったわね。 人がまっすぐ正しく、倦まずたゆまず進んでゆく姿は美しい
って、思う私です。 そして、幾つになっても『はにかみ』という心作用を
お持ちの彼女が好きなのです。
『光陰矢の如し』をまた味わったけれど、楽しい逢瀬に酔っている私が居ました。

見ざる・聞かざる・言う~~~!7/29(訂正・追加)

2005-07-27 08:05:21 | Weblog
 いよいよ私は見ざる・聞かざる、そうここで言わざる、になってセット
なのだけど、もう、なんでもありのグッチャグッチャの現代に、ホトホト
嫌気が差して、最早気持ちは隠遁生活者になろうとしてるのよ。
西行ほどの教養も何もないから、文覚、友人の妻に横恋慕。それにおのの
いた女は、謀(たばか)って、己の首を刎ねさせる。その首を抱いて出奔、
出家は、皆さんご存知の話。
そうそう、頼朝に、義朝の首って、見せた話もうそ臭く(もちろんウソで
しょう)、生々しい。そんな激しさはないし、瀬戸内寂聴のように尼にな
んて気もサラサラないけれどね。
アメリカ、西洋が優れている、真似をしなきゃの一辺倒が、まだまだ続く
日本、特に女達よ。どこまで崩れる品行、立ち居振舞い所作。「言葉は生
き物」だからって、誰かが言ったそれに乗る。「自分探し」も気持ちが悪い。
ありのままの自分に出会ったら、そのあまりなお粗末さに、・・・どうする?
女がちゃんとしてなきゃ、家庭は、ゆくゆくは国は滅びる。

公、芸能人、すべからく肩書きで、あるいは呼び捨てが当たり前なのに、
み~んな
「何々さんが」
バッカじゃなかろか。
面と向かえば、~~~もう、当たり前の話はしない!
こういう不愉快が満ち満ちているのよ、今の日本。
すこうし改まった時、ところでの発言が
「~と思うのですが」
「~させて(して)いただきます」
どうして、
「~します。~です」
せめて、~のようです、って表現しないの?
いっつも逃げ腰、責任転嫁の余地を作っての会話。こういうのが薄汚いって
思うのよ。
本当に、育ちがムクムク頭をもたげてくる。「氏より育ち」ってね。
小さい時から、親が人とどう関わってきたか、見てきたからそっくりそのま
まよね。ううん、もしかしたら、その子の方がタチが悪くなってるかもね。
マスコミという悪しき煽動者が、大きな顔をして、下品に下品に、マインド・
コントロールをしているから、ね。そして、
ウ~~ン、民主主義の世の中だから、多数決、日本人が大好きなみんなが、
可としているらしい事には、乗り遅れちゃいけない、急げ~~! 頭脳は、
誰かに預けてね。
その結果、私はグアテマラなんかに行っちゃった。そういう部分もあったのよ。
独身女達は、
「~だよ」「やばい」「うまい」
夫帯者は、連れ合いのことを
「ダンナ」
日本語は難しい? とんでもない。普通に、人との関わりから生まれた、飛び
切り上等な言語だってこと。もちろん外国語も、美しい表現は沢山あるって言
うけれど、相手を尊重して、自分がへりくだる、謙虚さの表現ができる日本語を、
なんでそんなに簡単に捨てるの? お話するお相手に、例えば、
「お母さんお元気?」の代わりに
「お母様は、お健やかでいらっしゃるかしら(いらっしゃいますか)?」
夫のことは、
「ウチの何々(苗字か名前)」「夫」「主人」あるいは「ウチの人」
若妻が、
「ウチの人が~」
って、話すのを聞くのは、微笑ましい。初々しい。
お相手には、
「お宅のダンナ」ではなく、
「ご主人」あるいは「ご主人様」ともね。
出だしがこうなら、ヤバイだのウマイだの、~~だよねえ、とは続けられなくな
る筈よ。
落ちることは、とっても簡単。でも、それに乗ることは、とっても恥ずかしいことよ。
「ウチのダンナがサア」
「きったねえったらありゃあしねえぜ」など等など等・・・・。
ね、顔が赤くなってくるでしょう?アバズレ語を遣う自分が恥ずかしくて。

マスコミに殴り込みをかけて、女の言葉を追放、亡き者にして、多くの賛同者を得た、
彼女は、もう帰らぬ旅に出ちゃったのだから、呪縛は解かれた事に気付きましょう。
男言葉、しかも下品な表現を駆使する事が、賢い事でも、地位の確保でもないことに、
どうして気付かなかったのかしら? もう、呪いは解かれたのよ。
「そうなんだよねえ」
ではなく、
「そうなのよねえ」
に、戻りましょう。ホラ、あなたの容姿にやっぱりその方がお似合いって、わかった
でしょう?

    ☆ 本日の歴史上の人物・・・西行。文覚。(源)義朝。(源)頼朝。
    ☆ 本日の女性・・・瀬戸内寂聴

お話・・・もう一つ 牢名主

2005-07-24 11:47:01 | Weblog
 あたしの名前は・・・まだないって、漱石先生お書きになったところの猫ちゃんみたいに
言いたいのだけど、あるわ。「マリ」って名前のシーズー犬よ。 よろしくね。
兄弟は4人、じゃなかった4匹。ほかの兄弟はどうしたかって? 知らないわ。
だって、まだママの所に居たかったのに、小さな箱に入れられて、ここのおウチに連れて来
られちゃったのですもの。
夜遅くだったのよ、着いたのは。けれど、ここんちのママは起きてて、
「エーッ、可愛い子って、この子なの?」
「そうだよ。可愛いだろ?」
そう、ここのおウチの大きいお兄ちゃんが、あたしを連れて来たのよ。お友達の、本当のあ
たしのママのところから。
来る前に、そのお兄ちゃんが、おウチに電話してたのよ。
「俺の隣りに可愛い子がいるんだけど、連れてっていいかなあ?」
ってね。そしたら、お兄ちゃんのママが、いいわよ、いいわよ。グラタンしかないけどって、
言ったんだって。あたしはまだ何にも固形物なんて食べられないのにね。
「おい、行こ!良かったねぇ」
って。可愛い子って、なかなか結婚する気配もないお兄ちゃんだったから、ママは勝手に勘違い
してたみたいよ、未来のお嫁さんかって。 でもね、あたしを一目見たときから、
「ン~~、な~んて可愛い子なのこの子は」
って、1日に何回言うかしら、状態に陥ってしまったママだし、パパなんか、あたしを呼ぶのに
「マジ~~~!」
よ。ここんちのお兄ちゃんたちは、みんなパパの独自な呼び方で呼ばれてたんだって、小さい時に。
それでもって、あたしはず~っと「マジ~~」か「マッジちゃん」
てことになったのよ。 まあ、「マ」がつくから許したげるわ。
ここんちの家族は、全員あたしに参ってるけど、1人、ううん、1匹だけ、いやらしい目で見る
のがいるのよ。 ウン、女。これが怖いんだなぁ。 猫よ。それも、気性が激しい事で有名な、
アメリカン・ショートヘアのあの猫が。 大きいお兄ちゃんたら何考えてるのかしら? この猫も
お兄ちゃんが連れてきたんだって。でもね、本当はすっごく可哀想な猫なのよ。
まだまだママのおっぱいがいるっていう時に、引き離されちゃったものだから、いっつも怯えて、
危害を加えられるって、思い込んじゃったのね。誰であっても、手を出したり、近づいたりしたら、
「ハー!」
って威嚇、全身の毛を逆立てて、怒る。それでもそれを無視されたら、もう、タダじゃあ済ませない、
引っかく、噛み付くの実力行使に出る、凶暴猫がいたのよねえ。その猫の名前は、見るからに気が
強そうだってことで、「ジョディ」。アメリカの女優の名前からとってつけたんですって。
だからね、そのジョディにしたら、面白くないが3乗くらいの気分だったって思うわ。
あたしは、ホントのママが恋しい時があって、やっぱりちょっと寂しい。しょうがないからジョディ
に相手をしてもらおうかなあって、近づいたらもう、ジョディはパニックよ。
「なによ!近寄らないでよ!可愛がられてるからって、そうそう何でも思う通りにいくなんて思った
ら大間違いなんだっておさえたげるわよ!わかってんの!?」
って、もう、思い出しても身の毛がよだつくらいの剣幕で脅すのよ。オ~~コワ!

そうして、こうして、月日は流れ、今じゃ、時々ニアミスって感じの距離にお互いがいる。大きな
進歩なのよ、そう思うでしょう?家族は、ベタベタしなくても(ママはベッタベタだけど、あたし
に)自分がラク~~に要られる空間がなきゃいけないのよ、おウチの中に。疎外感を感じちゃいけ
ない。それで、ジョディは見るともなく、シラ~って観察してたのね。
「フ~~ン、あんなに触られても、抱っこされても、大丈夫なんだ」
ってね。そこまで到達するのに数年かかったって言うじゃない。可哀想にねえ。
でも、猫って勝手な生き物で、群れないし、媚びを売ったりなんて、絶対しないから、ここんちの
家族との関わり方に、ジョディなりの納得はしたらしいけど、だからって、主導権は渡さないのよ。
気分が向いた時にだけ、ママの足にスリスリするだけ。あとは、お肉やお魚の臭いに、怒られても
怒られても、盗ろうとするのよ。あたし? ウン、すっごくそそられる匂いなんだけど、誰もそう
いうのはくれないから、どんな味がするのだか、知らないわ。

それで、家族の愛を独り占めって、自他ともに認めるあたしの位置なんだけど、ジョディと追いか
けっこをすると(そこまでの仲になったのよ)、もう、悔しい~~!
ジョディったら、ピョンピョンピョーンと、タンスの上に上って、
「どうしたの?追っかけていらっしゃいな」
なのよ。あたしも、時々、自分が犬だってことを忘れて、ピョーンてやっちゃうのよ。上手くいく
わけないじゃない。ドサッよ。すると、そういう時に限って、必ずパパかママが見てて、
「アハハハ・・・・、ざ~んねんでした。マリは犬でしたねぇ」
って、大喜びしてるのよ~~~!クヤシイ!!

それでね、お掃除する時、ママは、座布団をソファの上に重ねて、掃除機をかけるの。それで、思
いついてね。ピョンて、ソファくらいは上がれるから、ついでにその積み重ねられた座布団まで、
ピョーンて。気分よかったぁ~。
なんとかと煙は高い所へ上がりたがるって、言うけど、上から見下ろすって、なかなかの気分よ。
ウチの家族全員、あたしにメロメロで、な~んでも言う事を聞いてくれそうで、ソファの上の座布
団に鎮座ましましているあたしは、ちょっと粋がってるおあ姐さん。女牢名主って、思っちゃった
のよ。けど、あれって何が?どこから?って言うものじゃあない、にじみ出てくるものがなきゃな
れないみたいだから、やっぱりそれはジョディに譲る事にして、あたしはいつまでも可愛い姫でい
ることにしよう!ってね。 
でも、やっぱりどっか憧れるなぁ牢名主って。変な犬?だって飼主が変なんだも~~ん。
                                    終

お話・・・そして 牢名主

2005-07-22 10:00:09 | Weblog
「殿、ちこう寄れって、おっしゃいませぬか?」
「ム」
「ならば、今夜も。お休みなさいませ」
「ム」

紀和子は幼い頃から、母が布団の打ち直しに出すのを見ていて、そして、中学生ともなれば、
自宅で、打ち直された綿をカワに入れる作業の手伝いもさせられたことから、家庭を営むと
いう事は、こういうことが含まれるということを学び、自分の家庭を持ってから、何年かに
1度は家族の布団を打ち直しに出して、いつも気持ちのいい状態を保つよう心掛けていた。
人生の3分の1は寝ているのだから。最近は、3枚の敷布団を、寝具店へ。
ここ20年ほど、いつも頼んでいた近くにある寝具店は、主が心の臓をやんで、開店休業が続いて、
このご時世も手伝って、布団の打ち直しの商いは当分なしになっていた。
ヒョンナことで知った、違う町の寝具店へ出すことに。何がそうさせたか?
その寝具店の女将と、同姓同名と知ってのこと。紀和子など、そうそうある名前とも
思われなかったが、大河という苗字まで同じということに、少なからず縁を感じたのだった。
 「大変お待たせいたしました。〇番の方、○番の窓口にお越しください」
と、配給引換券のような紙を持って、順番待ちの今の銀行、の少し前の風景。
 「オオカワ キワコ様、お待たせいたしました。○番の窓口へお越しください」
で、二人のオオカワ キワコが同時に窓口へ行った。 駅そばにある地方銀行のある日。
又、紀和子が健康診断に訪れた病院で、又もや鉢合わせ。そんなこんなが縁で、
「黄色の千両はあるでしょ?今じゃどこにも。でも、白い千両って見たことある?」
「いいえ、そう言えば、ないですねえ」
「今度、見せてあげるわ。フフ、育ててるのよ」
「キワコさんが?」
「そうなのよ。だけど、これが大きくならないならない。まあ、いつか実を付けるでしょうから
 そうしたら、見にいらっしゃいよ」
「ええ、是非拝見させてください」

同姓同名は趣味も似るのかしら? そんなことを考えていて、フッと、しばらく布団の打ち直し
をサボっていたことを思い出し、連れ合いのと、息子達の敷布団を打ち直しへ出して。
戻ってきた3枚の敷布団。子供達のそれは、いつもの仕上がり。
ところが、良人のそれは、
「ワー、なんなの、このフワフワは~。気持ちいいわねぇ」
という仕上がり。
腰痛を経験の紀和子は、敢えて今回は自分の布団の打ちなおしは見送った。薄くなった固めの
それを、畳に敷く。マットレスも敷かない。そのほうが、腰痛に悩まされる事も少なくなったと、
実感しているから。
良人の布団の下には、中身がなんだったか、もう忘れてしまったが、昔の、藁がぎっしり詰まっ
たベッドマットのようなそれが毎晩敷かれる。そしてその上に今回の布団を敷くと、並んで敷か
れる紀和子の布団との厚さの差は、かなりなものとなった。

口数は少ない、自分のペースを守る、騒がない、日常の変化に鈍感な風を装う良人が、打ち直さ
れた布団の上で、食後に手にしていた夕刊を、続きを読んでいる。
「フッカフカで、気持ちいいでしょう~?」
「そうだな」
「私のも出そうかな?」
「又、腰が痛くなるといけないから、お前のは今のまんまでいい」
「・・・・・」
もう、偉そうに~。
夜伽の側女(そばめ)としては、とうの昔にお褥(しとね)すべり?
なあに、今夜からは、万一に備えて、次室で控える侍女みたいな気分よ、と。
この良人の姿から、紀和子が好んで読む時代小説に出てくる火付け、夜盗、押し込み、たかり等
の咎人(とがにん)たちが放り込まれる所で生まれる階級の最上段に胡坐する男を髣髴とさせた。
番人も一目置くという牢名主を。
                                続く・・・


お話・・・牢名主 

2005-07-20 11:17:02 | Weblog
 昔々、東京武蔵野市のある病院に、2分の1世紀くらい生きた1人の女の人が入院し
ていました。
外科のお医者さんが「切るべきですなぁ」
と言い、内科のお医者さんは
「みだりに体にメスは入れないほうがいいんですよ。それに何も見えないのですから」
と、意見が分かれていました。
 何が見えないって? 
彼女の体の中に石がある、ない、いや絶対にある、ともめている石のことです。
昔の事ですから、CTスキャンも、もちろんMRIなんて装置もありません。唯一の機械が
レントゲンです。そこに写らない、痛さの原因になっている臓器が、なかなか医者の意
見を同一にしなかった理由なのです。

彼女は、末娘一家と同居。待ちに待っていた男の子の孫も加わって楽しい日々を送って
いました。そんな彼女に度々訪れる理不尽な痛さ。
「ギャーー、痛ーーい!」遥か昔に味わった出産時の痛さに、勝るとも劣らない痛さが
彼女を襲っていたのです。

出産時の痛さは、快楽の結果のそれだから、痛がって叫んだりわめいたりなんて、女の
恥!って言って憚らなかった彼女に、次女が最初に彼女に孫をプレゼントをしました。
病院始まって以来の騒ぐ産婦という、彼女にとってはたまらない醜態のわが娘。ま~だ
まだ初産の出産には時間がかかると、叫ぶ娘を置いて、
「恥ずかしいったらありゃあしない」
で、プンプンに怒って、病院を後にした女丈夫。

その日の彼女は、いつも以上の、おなかの中を、胃の辺りをムンズとつかまれ、ひっぱ
られ、もまれ、押し付けられるを繰り返す、名状しがたい痛さに、転げまわって、自室
から玄関の板敷きまできてしまいました。
玄関のたたきに落ちそうになる彼女を必死で押さえようとする娘婿を払いのける力が出
るのです。火事場のバカちから、と同じ作用。若い男の押さえ込み、しかも娘婿は柔道の
有段者という猛者をものともしない、彼女のちから。
「痛い!痛い!いたたたたたた、あ~~いた~い」
「お母さん、大丈夫?」
首を振って、大丈夫じゃない、と意思表示。
顔は黄色に。かなりな黄疸症状。

レントゲンに写らない胆嚢内部。ここで医者同士がもめていたのでした。
あとでわかった事。胆管の口を石がふさいでいたのです。病名は「胆石」
術後、彼女の家系唯一の男の子の手を引いて、娘は毎日、毎日「おかず」運びです。病
院食にまったく手をつけない母親のために。
「どうやったら、こんな不味いお料理ができるの?食べられた代物じゃあない」
と、言い切るのですから。
そのうち、娘が何かを感じて言ってしまいました。
「お母さんて、牢名主みたい。ねえ、皆さん」
同室の入院患者さんたちは、一斉に首を縦に、強く振ったものです。ハハハ、やっぱり
ねえ。恫喝なんてしてないわ、する理由もない。モノで釣った訳でもない。けれど偉そ
うにって。それがお母さんだものねえ、と娘はしみじみ思ったものでした。
                            続く・・・

夏?暑い?じゃあ~~~

2005-07-19 13:09:58 | Weblog
知らぬ間に日本列島は亜熱帯に?

打ち水をして、井戸水で冷やしたスイカを食べて、線香花火をして、蚊遣りを焚いて。
風鈴の音色は涼やかで。窓は開け放して蚊帳をつって。子ども達はてんでにあっちこっちに。
枕など意味もない寝姿。蚊帳に入る時は、小さくなって素早く入る。
時々口にした、塩っ辛い梅干。これも井戸水で冷やした麦茶やはぶ茶。
そうめん、冷麦の束の中に1本2本の色つきを奪い合う楽しさ。
時々近所の小父ちゃんが話してくれる怪談そして、必ず「それは~~~、お前だー!」で
〆られる。 泣き出す子も。これが正しい温帯日本の夏姿。

塩と水と。
塩分は控えめに。てやんで~~~!
なんでも、そのスジの先生とやらがぬかす、知ったかぶったお説に、
「そうよねえ」って。そんで、あっちでもこっちでも熱中症とやらで、バッタバタたあ、
みっともねえんでやんの。 夏のアチ~時、自分の腕ェ舐めてみな! 塩っぺえ、塩ぺえ。
汗かいて、体ンなかあある塩が出てくって寸法よ。
でもってよー、水~取らなきゃなんねえのは、あたぼーのなしよー。けど、水~ばっか取っ
て、塩とんねえと、難しいこたあ知らねえけんど、ひっくりけ~るって事よ。
なんでも、念仏みてえに、「塩分控えめ、塩分控えめ~~」ってね。なんでも、時と場合っ
て、そんなことも知らねえで、人間やってた日にゃ、この暑さで脳味噌がとけて、鼻水
と一緒に出て行かないとも限らねえから、前年書いた(去年の8月分)、省エネ夏ごもり。

今、量販店に行きゃあ、ウン百円で、ホンモンの井草あ使った寝茣蓙(ねござ)なんか売っ
てえから、そいつを持って、「あら、お兄さん、今晩いかが?」の夜鷹じゃあねえ。
そいつをもって、家ン中の一番涼しいとこに敷いて、落語の本なんか(文庫版)声え、出し
て読むって寸法。
「ときそば」知ってる?知らない、あっそう。じゃあ、「湯屋番」てえ、なしは?そいつも
知らねえか。 あんたあなあ、落語のなしの一つも知らねえで、ゴシップ話じゃ、グッチじゃ、
ビトンじゃ、コウチじゃ、追っかけまわしてアホかだよ。
今年の夏ぁ、読む古典芸能でもって、団扇(うちわ)片手に、遊びましょ!
テレビは消して、雑誌は読まない。美容院へは本持参。
色話好き?なら、「金瓶梅」を。中国の古典よ。
              じゃあね。これから本番よ。何?暑さのなしよ。バカ!


◎ 本日の由緒正しき日本の夏の必需品(有形・無形)・・・

   打ち水・・・バケツに入れた水をひしゃくですくって蒔く水。気化熱でその辺りの
         空気が冷える
   線香花火・・・こより先に火薬をひねりこんだ小さい花火。紙の先に火をつけて、
          まあるい火玉から出る花火は、シャッシャッと音がする。誰が一番
          もたすか競う
   蚊遣り・・・除虫菊から作った蚊取り線香を、豚の形をした陶器の中で燃やす。
         その煙に触れた蚊は、この世に、さらば!
   蚊帳・・・和室の部屋の四方に打ち込まれたフックにひっかけ、蚊避けの立方体の細
        かい目の網目状寝床を覆うもの。素材は麻や木綿
   風鈴・・・これぞ日本人の感性が創った、ギヤマン(ガラス)、金属、陶器製の主に
        釣鐘形の、軒下に吊り下げ、風にゆれて鳴るもの。その音に涼を感じる
   寝茣蓙・・・敷布団の上に敷いて、熱を放射
   夜鷹・・・江戸時代、夜、その抱えたゴザを敷いて、屋外で売春していた女(特別出演)   
   
   ◎ 本日の落語
     「ときそば」・・・屋台の蕎麦屋と客の勘定問答。
              今なんどき?・・・
     「湯屋番」・・・ある家の道楽息子が、銭湯の番台に坐って、女湯をチラチラ
             妄想たくましく・・・
     
    

フラメンコの夕べ

2005-07-14 20:24:26 | Weblog
      ◎ 本日のキャスト

   マリ・・・若きセニョーラ。スペイン語土曜日教室の生徒
   アオイ・・・セニョリータ。   同上
   スミコ・・・セニョリータ。   同上
   スサーナ・・・スペイン語の先生
   その他・・・ダンサー&観客

 女性だけの総勢9人のフラメンコ・ダンサー。ギターと歌も目の前で。
3(初級)・3(中級)・3(上級)で、初級から上級まで、先生方も男性役で。すると、
10人以上だったわね。
ご一緒した事が3~4回の、若きスペイン語教室の2人のお嬢さんたちと、1人の奥さん
が通うフラメンコ教室の発表会。見せていただくたびにお上手になっていくのが、この素
人にもわかる彼女達のフラメンコ。
15年位前に、習おうってお友達と言ってたのだけど、実現せず。
いいものねえ、ワイン片手に観賞できるなんて。見るのも大好きよ。
フラメンコはジプシー達の踊り。ジプシーはインドあたりからヨーロッパに入った流浪の民が元。
情念の表現なのかも。フラメンコは、およそ日本人の対極にある”動”の表現ね。
ダンサー(生徒さん)の中に、お肌がプリプリ、ツヤツヤのお嬢さんが2人。なんと、
1人は小学生、もう1人は中学生ですって。臆することなく堂々と、踊る姿は、なかなかチャー
ミング。
この会に誘ってくれたスサーナも、始めて1年になるけれど、今回は観客。
その彼女によると、小学生のご家族も、フラメンコに魅せられて、今や、お母様、お婆様、叔母様
まで、女達が全員お稽古に。その女性達の体格の素晴らしい事。平たく言って、豊かな体躯の持ち主達。
それが、迫力があって、フラメンコにはうってつけのお身体だそう。華奢な体つきは迫力に欠けるそう。
そういえば、本場のダンサー達は、大方、立派な体つきをしてるものね。そして、大人の色気と存在感が
にじみ出てるわ。
スペイン語教室で知り合った、アオイサンは、私と同郷。
「かごっま女はもっと、堂々と踊らなきゃ。私を見て~~ってね。恥ずかしそうにしたら魅力半減よ」
堂々とステップを踏んで、カスタネットを叩き、扇子を操るそこには、激しい情念がなければね。
ギターを弾く青年と、低い声で歌う女性歌手のコラボレーションも見事。
しばし、浮世を忘れた一夜でした。エッ、いつも浮世離れしてるって? ええ、そうでした。

スティーブ・キャレラ、マイヤー・マイヤーは?

2005-07-09 10:32:21 | Weblog
民放も加わって、テレビ時代の幕開け。都立高校受験合格、それが条件で、その結果、
設置された我が家のテレビ。1960年代の話よ。
まるでテレビに関して、すべて私に権利があるとばかりに、今ほど番組も多くなかったこ
ともあって、1週間の番組は全て頭の中にインプット。
アメリカのドラマがドッドーって入ってきて、今やアカデミー賞の主演男優賞、監督賞を
取って、ハリウッドの大御所になったクリント・イーストウッドが、初々しいカーボーイ
姿で出ていた「ローハイド」♪ローレン ローレン ローレン~~ で始まる番組。
夢と希望に溢れ、今や古きよきアメリカだった様々なドラマが日本を席巻。
落合信彦が「アメリカよアメリカ」に書いていたアメリカがそこにあった。
すっかりテレビオタクになっていた私が、ことのほか好きになったのが「87分署」。
キャストの個性がクッキリハッキリ描かれて、とりわけ主役のスティーブ・キャレラを軸に
展開する刑事達の心理描写、行動が私をひきつけて放さなかった。もう1本の「ペリー・
メイスン」これは法廷もの。こちらも楽しみにして決して見逃さなかったわね。

そして、ハヤカワから出版され出した「87分署」シリーズ。新書版の形をとっていたのも
良くて、わずかなお小遣いから時々買うそれは、たまらなく嬉しいものだったわ。
「警官(サツ)嫌い」から「クレアが死んだ」・・・・・「ノクターン」。
前にも書いたけれど、エド・マクベインは何歳?
それが、昨夜わかってしまったのよ。今にしたら、そんなことま~だまだ知らなくて良かった
ことだったのにね。享年72才。まだ若い!司馬遼太郎と同じ年に身罷っちゃった。72才は
男の厄年なの? グジャグジャ言っても始まらない事だけどね。
前にも書いたそれに、文章の出だしがなんとも言えなくいい!架空の街「アイソラ」の空気から
始まる。冒頭を読みたいばっかりに手にするような。そんな引きずり込み方をしたのよ。そして、
訳者の井上一夫が読ませてくれたわ。彼だって、決して若くはないはずだから、ガックリきてし
まったでしょうねえ。

きょうは、悲しいきょうは、どんよりと、時々男泣きするかのような空に、エドを悼んで、
キャレラ、マイヤー、ブラウン、ホース、クリング、パーカー達と別れを惜しみましょう。新し
い作品にはもう逢えないけれど、87分署のあるアイソラに時々は遊びに行ける楽しみを残して
くれた、エドにありがとう、さようなら。

彼は日西語バイリンガル

2005-07-08 22:52:50 | Weblog
    ◎ 本日のキャスト

  ☆ 生涯学習課の担当者・・・スペイン語講師を検索
  ☆ マリア・・・Corazon Latino女主人
  ☆ ユウキ、ユウヤ・・・マリアの子ども。次男&末っ子
  ☆ ジョバンナ・・・Corazon Latinoの客、ラテン美人。最初から最後まで
            アイスキャンデーを離さず
  ☆ レンゾ・・・ジョバンナの息子、高校生。日西語バイリンガル
  ☆ 3人のペルー人男性・・・ハンバーガーを食べる          
  ☆ 語り手・・・私 

 ここで辞めちゃーねー、もったいないじゃない。何をって?
爆笑スペイン語のお勉強をネ。シッチャカメッチャカ、度胸がメインの外国語なんだけど。
いっつも思うのよ。ネイティブの人たちが楽しそうに話しているそばで、「なんのお話を
してるのかしら?私も加わりた~い!」ってね。「いいんだ、いいんだ、羨ましい」って。
こう言うと、みんな笑うけどね。そうしたら、ドンドン増えている外国人だから何ヶ国語
も覚えなきゃならないし、それは難しい! 無理よ!って言わないところがすこ~し厚か
ましいでしょ!フフフ・・・・。

それで?隣りの市の生涯学習の課を訪ね、いろいろと紹介して戴いて。
インターネットでも調べて、メールで問い合わせたら、早速お返事が来て、来週見学に。
場所は横浜の戸塚よ。ちょっと遠いかな? それでもって、やっぱり最初に他流試合した
"Corazon Latino"にね。そうしたらドアに張り紙で、お出かけ。多分子ども(ペルー帰
りで日本語をすっかり忘れてしまった幼稚園児ユウヤ君を)お迎えでしょうで、お店の
前に置いてある縁台に腰掛けて待とうって、そこにユウキ君が道の向こうで
「待ってて~~~!」
って大声で。久しぶりのマリアさんの次男坊。
「危ないから、気をつけてよ~~~!」
って、道を挟んで声の掛け合いよ。無事に渡って来て、
「こんにちは。久しぶりね~~、元気だった?」
で、抱きしめて。一緒にきた、この子はどこの国の子かな?でも日本語を話す。
「こんにちは」
って。可愛いこの子も抱きしめて、
「こんにちは」

そうこうしてるところへ、問題のユウヤ君がママとお帰り。
「ユウヤ君、私のこと覚えてる?日本語、忘れちゃったんだって?」
恥ずかしいのか、知らんぷりで、お兄ちゃんたちともつれるようにお外へ。
お客さんとは、スペイン語ではしっかりやり取りしてたけれどね。

お客さんの出入りが激しい。その度に私のにわかスペイン語先生達よ。
そうして、入ってきたのがラテン美人。そして、ティーンエイジャーの男の子。
高校生くらい。その2人は親子。お母さんはアイスキャンデーを美味しそうに食べて、
お子さんは何も飲食なし。その2人が可笑しくて、
「日本語わかる?」
「ハイ、僕はわかります」
きれいな日本語を遣う男の子。
「ねえ、なんだか可笑しいわ。大人が夢中になって食べて、子どもは知らん顔って」
「なんだって?」
って、お母さん。その都度通訳。
「お上手ねえ、あなたの日本語」
「ありがとうございます。日本に来て3年で、日本語の試験で2級が受かりました」
「Que maravilloso!素晴らしい!お母さんは?」
「お母さんは、10年になりますが、この程度です」
男の子を通訳に、それでもできるだけスペイン語を遣って、楽しい会話を。

壁に貼ってある個人のメッセージ。3人の男性がハンバーガーを食べている前のそこ。
その3人の男性達に、
「なんて書いてあるの?人探し?もしかしたらベビーシッターが欲しいって?」
「そうだよ」
「ワー、合ってたのね?嬉しい」

みんなお帰り。一天にわかに掻き曇り。昨日のように雷と猛烈な雨になっては難儀な
ことなので、というのも本日は車じゃないのでチト面倒でね。電車+歩きよ。
「マリアさん、お邪魔様。又、今度は午前中に伺うわね。きょうもありがとう」
外に出たら、来た来たポッツポッと雨が天から。
駅に向かう道すがら、安い安い衣料店に飛び込んで、これまた安~い傘を買って、急
いで駅へ。

わが駅に着いてみれば、改札口とホームをつなぐ通路に高校生らしき男子が壁際にう
ずくまって、降車した乗客が、心配そうに声をかけている。
自動改札を避けて、駅員さんにその旨言えば、
「あの子はいっつもああしてるんですよ。いつものことです」
「そうなの?難儀な事ねえ」
複雑な世の中は、複雑な人間を生み出しているのかもしれないわね。そうでなくても
思春期は難しいお年頃ですものねえ。

たった1駅でも、こちらは雨の1粒もおっこってなかった、そんな夕方でした。
きょうは、合計何人の人とお話したかしら? ほとんどが外人だったって言うのも
面白かったわ。
あんまり多くのお客さんがいるもので、思わず
「ここは本当に日本なの?ペルーじゃないの?」
って、言っちゃったほどにね。
きょうは、レンゾ君に、よく遣う言い回しのスペイン語のフレーズを色々と教えて
もらいました。   Muchas gracias.

   ☆ 本日の言葉・・・他流試合
             一天にわかに掻き曇り