ミクロもマクロも

心理カウンセラーが気ままに書き続ける当たり前

最後の住まいは・・・?

2004-09-11 10:59:16 | Weblog
水上勉が他界、享年85歳。
多芸な人だったらしく、骨壷まで作って、親しい人に上げてたらしいわ。
その骨壷で、常々気になってたことを思い出したの。
そう、こんな話もね。
松山善三(映画監督)・高峰秀子(女優)夫婦は、最後に入る場所、骨壷を、
木製にして、身辺に置いてあるって。人間国宝の制作というのがすごいけれど。

これは、十年ほど前の事実。
私の伯母が亡くなって、さあて埋葬をどこにするかって事に。
伯母は養女で、連れ合いは伯母が亡くなる30年前に他界。養家先の親の墓所と違う墓地。
従妹は、考えた末に、それを一つにすることにした。身内で、唯一私が同席して、
骨壷の移動の儀式(読経)。30年経過のお骨って、どうなってると思う?
そうっと蓋を取り除いて、伯父の骨を見たら、・・・
うっすらとピンクのカビが頭蓋骨に生えてただけで、なんら変わりなし。
又、蓋を戻して、住職さんにご挨拶をしてお持ち帰り~。
暮れも押し詰まっていたから、比較的お墓に近い所に住む従妹の妹の家で、夫婦は迎春。
改めて、伯父伯母の骨壷も、みんなと一緒に入れて、
「おばあちゃん、いじめちゃダメよ。み~んな仲良くネ!」って。
なんせ、宮内庁女官の躾をしたっていう、厳しいおばあちゃんだったからね。
伯母は苦労したって。今だったらさしずめ「無形文化財」ものだわね、そのおばあちゃんは。
わたしの記憶の中では、ときたまお邪魔する時に、目にする姿は、
キチンと正座して、傍らに手箒を置いてたわね。小さなゴミもすぐ掃き集めて捨てる。
さぞかし伯母は気詰まりな時を過ごしたと思うわ。だから、思わず
「おばあちゃん、チカ子伯母ちゃんをいじめないのよ」なんて、詮無いことを言っちゃったのよ。

そんなこんなの中で、「骨壷」について考え込んじゃったのよね。
「土に還る」、どうやって?
瀬戸物の中に収まった骨は、土になんか戻りようがないのよ。
そりゃぁ、気が遠くなるような年月を経れば、いつしか骨壷の中に染み込んだ水が、
骨を溶かすかも知れないけれど、それでも壺は残る。瀬戸物なんだから。

誰が、こんなことを思いついたのかしら?
恐らく、権力・勢力を手にしたものの思いつきからの産物。後世まで「我」を示したい。
ああ、ここでも慾が出る。「未来永劫、ここに私は居る」という我慾。
棺のままの土葬なら、それは土に戻れる。しかし、狭い国土と衛生上から、火葬になった。
それは頷けるのだけど、今に日本中墓地になるわよ。
まあ、人を救う事が出来なくなった仏教。戒名で儲ける、悲しい僧侶達。それでも
なんで、死んで中国名にするの? いつしか、檀家なんてなくなって、「〇〇霊園」に。
そして大事な事、骨壷は木製か丈夫な紙製にね。そして、みんな安らかに土に戻りましょう。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿