今月初めから、4K8Kのテレビ放送が始まるというので、放送局と電器店が騒ぎ立てている。
ブラウン管時代のアナログ標準画面から、デジタルハイビジョンへの移行は衝撃的で、新しい方式の精細な画面に感動したものであるが、今回はどうであろうか。
「新4K、新8K」の「新」とは何を意味するのだろう。これまで、「4K対応テレビ」なるものが存在し、それを購入した人も多いと思うが、4K放送を見るためには別にチューナーが必要であるという、いわば、詐欺のような存在であった。8K放送に至っては、パラボラ・アンテナまで新調する必要があるという。
新方式のテレビ放送と現在までのもの(K、2K放送)のどこがどのように違うのかを、昨日、今日のテレビ放送で、様々に解説している。なるほど、精細さが増して、小さいものがよく見える。色彩も鮮やかになっている。しかし、その違いを表示しているテレビは、従来の、Kや2Kのテレビなのである。現有の機材でも可能なのではないのかということになる。チューナー内蔵の新しいテレビや、対応チューナーは、特に必要ないのではなかろうか。特に、50インチ以下の家庭用テレビで十分だと思っている人達には、新方式の機器は、高機能すぎて、不要なのではなかろうか。上等なデジタルカメラの画素数が2,000万画素以上になっているが、サービスサイズで印刷するのなら、500万画素程度で十分なのと同じではなかろうか。
といろいろ疑問に思っていたら、消費者の反応は、予想したほどではないようで、やはりと納得したところである。ふすまや障子ほどの大きさのテレビを持っている人は、2K程度では不満があるかもしれないが、そんな人は少数派である。私の部屋には32インチの1Kテレビがあるが、十分に高精細である。階下の50インチ2Kさえも必要ない。4K8K路線は、技術開発という面では意味があるのかもしれないが、一般家庭用、民生用としては、技術水準が高すぎて、現実的でないような気がする。
今ひとつ盛り上がらないという現実から学ぶことも多い。が、これから生産、販売される新型4K、8Kテレビの価格が大幅にダウンして、従来製品と差がなくなればどうなるか分からない。
画像でなく、現物(物そのもの)は、何K相当なのだろうか。限りなく、現物に近づくという路線もありうるのだろうか。私には興味がないけれども。