家人が、古い映画をテレビで鑑賞している。きっと過去に見た作品だろうと思うのだが、初めて鑑賞するもののような雰囲気だから黙っているが、たまに、「作品のビデオが3巻もあれば、一生楽しめるのではないか?」とからかってみることもある。
私自身は、記憶力に自信があったはず(?)と思っていたが、先日、愕然とすることがあった。
たくさん抱え込んでいる蔵書のうちから、めぼしいものを再読しようと選択して読み始めたのだが、最初から最後まで、過去に読んだ覚えが全くない。これまで、読んだことのない作家、作品を購入して楽しんできたが、この分では、そんな必要はないのかもしれない。蔵書の数を、ざっと数えてみると3,000冊弱はあるようだ。むろん辞書や画集などもあるので、すべてが一般読書の対象ではないが、ほとんど読んだ記憶がないのであれば、数千冊を読み返さなくてはならない。生きているうちには読みこなせないだろうから、新規に購入する余裕などないはずである。
自宅の書棚の前で呆然とするだけでなく、書店で、玉石混淆の新刊書群を目にすると、こんなに多量の本をユーザーは、読みこなせるのだろうかと空恐ろしくなる。クリスマス用のホール・ケーキの半分は廃棄処分されるというニュースが思い起こされるが、これは不謹慎だろうか。