北海道で、スプレイ缶のガス抜きを屋内でしていて、大爆発を起こしてしまったという。隣接する建物を含めて崩落し、居酒屋は階上の床が抜け落ち、そのお陰で客は逃げ出すことができ、驚くことに死者が出なかったという。
自然科学部門でノーベル賞受賞者を輩出する国の出来事としては、あまりに情けない。可燃性ガスを使用したスプレイ缶の廃棄方法には、穴を開けて残りのガスを排出する場合だけではないようだが、穴を開ける場合は、戸外で行い、火災にならないように注意すべきことは、缶にも記載がある。我が家でも、スプレイ缶をいろいろ使っているが、すべて、屋外で、おそるおそる穴を開けて内容物を全部排出し、缶をつぶして廃棄している。一度など、床下のガス管から漏れ出したガスが、部屋にも漏れて、大慌てしたこともあり、ガスと電気には十分以上の注意をしているつもりである。
新品のスプレイ缶2ダースを、使用期限が過ぎたということで屋内に排出するという行為は、無知として笑い飛ばして済むことではない危険な行為である。手を洗うために湯沸かし器に点火したのが爆発の原因だと知って、小学校、中学校での理科教育のあり方を疑問に思った次第である。最先端の科学教育の前に、日常生活の安全を保障する程度の基礎的、基本的な理科教育が必要なのではなかろうか。いやいや、文字で書かれた危険情報、警告をきちんと理解できる国語教育の責任かもしれないと反省したりもする。
危険運転をする輩も、くるまの性能や危険性、また、道路交通法についての理解の必要性がるなど、同様の問題を抱えている。
最先端の分野での教育は人を救う可能性を持っているが、日常的で基本的な知識の欠如は人命を脅かす危険な存在である。