それ、問題です!

引退した大学教員(広島・森田信義)のつぶやきの記録

少子化の対策

2018-12-07 17:47:51 | 教育

 「妊婦加算」なるものがあることを初めて知った。長い間、健康保険の多額の掛け金のみ支払って、その恩恵を受けることのなかった身にとって、妊婦への嫌がらせのようなこの「加算」が納得いかない。正直、びっくりし、恥ずかしくなった。
 政府は、少子化、労働力不足などへの対応として、野党の反対する様々な法案を提出して、多数決という非民主的な方法でごり押しをしようとしているが、もっと真面目に、国民が、子供を産み、育てる環境の整備をするべきであろう。
 保育園の整備、保育士の待遇改善、扶養手当の見直し、税制の見直し、非正規雇用制度の改善等々、改善の必要なことは多数あるが、要は、国民が子どもを作り、育てやすい環境作りをしているかどうかが問われている。生んだ子どもが、生きがいのある人生を送れる社会を保障できるかどうかも含めて、いかにもあやふやな「今」を生きている者たちにとって、子どもを持つことを躊躇し、結果として少子化という現象をもたらしている責任は、どこにあるのだろうか。
 子どもを身ごもった者からは、加算という形で診療費を水増しするという発想そのものに疑問がある。「いや、妊婦、出産には、いろいろな補助制度がある」という言い訳も用意されているようだが、補助金を受け取るには、面倒な「申請」が必要である。その煩瑣な手続きを避ける人達のことを見越した制度ではなかろうか。子どもを持つと言うことは、多額の出費を伴うことであり、それを受け入れることである。政府がそのことを理解して、様々な支援をするか覚悟なくして、少子化の問題は解決しない。外国人労働者の受け入れという緊急避難かつ姑息な方策で、根本的な解決は望めない。まず、母国を愛し、母国に守られて、子孫を育て、国の存続と発展が可能な環境作りをすることが先決で、そういう国は近隣の諸国からの尊敬を獲得することにもなり、優れた労働力の獲得も可能になるのである。
 今、わが国は、そのような魅力を持つ国であるのか?