食道がんと闘う自然爺の活動

自然の中での暮らしに憧れ、自作の山小屋を起点に自然と戯れていたが、平成21年10月、食道・胃がんが見つかり手術。

『パラサイト、寄生虫』

2014年06月06日 17時00分00秒 | 日記

テレビを観ていたら私たちが知らない深海の世界や珍しい動物の習性など所謂、奇想天外なシーンを撮ったものを

映し出していた。その中で一番、衝撃的だったものは芋虫の身体に卵を産み付ける蜂(だったと思う)のこと。

過去にこの種の番組は沢山観て来たから似たようなものだと思っていたが想像だにしない展開に驚かされた。蜂は

産卵時期になると芋虫の身体に卵を産み付ける。卵は体内で芋虫から栄養をとりながら成長していくが、芋虫が死

んでしまうと自分たちの餌がなくなり自分たちも死んでしまうから、芋虫が死に至らないような摂取をする。

やがて孵化して自分も芋虫状態になり成長すると身体を破り外に出て行く。母親代わりをしていた芋虫は傷ついて

も未だ仕事が残されている。育った子供の芋虫が外敵から襲われないように繭の様に殻で包んでやり、自身の命が

尽きるまで繭を守る。これとは少し違った形に鳥の托卵という方法がある。

有名なのはカッコーとウグイスの関係。ウグイスが卵を産んでいる巣に行きウグイスの卵を巣の外に出してしまい、

自分の卵を産み落とす。ウグイスは何も知らず卵を温めるとカッコーの卵の方が先に雛になり他の卵を巣の外に出

してしまう。ウグイスはせっせと餌を運びカッコーの雛を育てる。ウグイスはカッコーの雛が自分より遙かに大き

くなっているのに自分の子供だと信じて子育てに励む。

虫にしても鳥にしても一体、だれがこんな習性を作り出したり、身に付けたりしたのだろうか。不思議の一言に尽

きる。育てられた子どもは自分たちが面倒を看て貰うのは当たり前だと思っているし、騙された親は親で当然のこ

とをしているつもりになっている。本当の親はどのような事を思っているのか聞いてみたいものだ。

植物には寄生木(やどりぎ)があるから生物の世界では珍しいものではなさそうだ。

ところで私たち人間の世界でも他人に寄りかかって生きていくことを寄生という。近年、日本社会にはパラサイト・

シングルなる外来語が新しい人種のこととして紹介している。いつまでも自立しないで親に養ってもらう子供たち

のことで、独り身だからパラサイト・シングルと呼ばれている。この場合は実の親と子どもの関係で他人様のお世

話になっているのではないから、正しくは寄生と呼べない?、自立すべき時期が過ぎても親元に居て面倒をかけて

いるから、寄生という?。人間以外は親元を巣立つと自分一人で生きて行かねばならないから幼い時から自立が始

まっているが、人間の場合は親が年老いて子どもの面倒が看られなくなってから事実上の自立が始まる。虫の寄生

の番組を観て色々なことに想い巡らせ、考えさせられた。


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