古森病院@福岡市博多区 病院管理者のブログ

ベイサイドプレイス近隣にある長期滞在型病院です。投稿記事は管理者の独自見解であり、医療法人の見解ではありません。

antiaging から withaging へ

2015-11-23 17:47:41 | 日記
古森病院@福岡市博多区です。

最近、
「何らかの身体の不自由になるイベントの後、
回復期リハビリテーション病院にてリハをやって
ずっとつきっきりで体を支えれば
歩行器で歩行可能になりましたので、
後はよろしく。認知症もあります。」と
言った趣旨のご紹介がちらほら見受けられます。

要介護度は低く(すなわち入院の適応はあまりありません)
施設内事故や転倒の可能性のみ増して(骨折の可能性も)
医療ケアもあまりない方。

「家では見れません」
とご家族は言われるのですが・・・
療養病床の適応とも思えません。

もともとリハする前から運動能力に難のあった方、、
もともとリハする前から高度の認知症のあった方、

その方のもともとの知的能力、体が不自由になった病名や
その後の身体残存能力にもよるのですけど
リハ後もそんなに身体能力の向上が望めない方は、回復期リハに行く前から
ある程度はわかるはずです。

転倒の危険性だけが増すリハってどうなんだ・・?
最近 管理人が疑問に思ってやまないことです。
やってみたけど、結局寝たきりのままだったというほうが
ご本人にとっては まだましな気がしてなりません。

ご家族もそういう状況でも「リハくらいしてもらわないと」と言われる方がおられます。
でも、退院(外出すら)の見込みがないんですよね。
少なくとも、管理人が入院面談でお会いした患者さんで、
ご本人がリハに積極的な方など一人もおられません。(積極的な方もおられるのでしょうが
多分、在宅になっているのではと思います)
仮にリハを一生懸命やったとしても
家に帰れなければ、外に出れなければ張り合いないんじゃないのか

維持リハ(拘縮を防ぐために行うリハ)には意味があると思います。
何しろ拘縮がどんどん進むと、更衣や排泄の介助が難しくなり、
骨折しやすくなりますから。
骨折はご本人もしたくないでしょう。維持リハしても拘縮は進むのは進みますが・・。

いつまで頑張ればいいんでしょう?
いくつだと思っているんでしょう?
高齢になれば臥床したいのは当然でしょう。
デイサービスでも横になることも許されず、
座らされていてばかりで辛いという外来患者さんは珍しくありません。

美容の世界がそうであるように、ご本人の気力が尽きた時は
もうwithagingではないでしょうか・・?
(with aging  管理人の所属していた岡大の同門会誌に先輩ドクターが書かれてあった造語ですが
結構気に入っています。)

医療介護スタッフでもおかしいって思っている人 結構いるんじゃないのかなあ。。?

ホームページ http://komori-hp.cloud-line.com/
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